Memoir:フロンティアの湯 安比高原【岩手県八幡平市安比高原 2006.11.25】
安比高原スキー場で滑った後、お世話になったのがフロンティアの湯。奇妙な名
だがどうやら、高村光太郎の詩の一節の、フランテイアから名付けられたらしい。
高村光太郎は東京生まれだが、妻智恵子の故郷岩手県に隠棲するなど関係が深い。
【Data】 含食塩ー重曹泉(ナトリウムー炭酸水素・塩化物泉) 47.5.℃ pH7.6
源泉:豊畑温泉(フロンティアの湯 )(源泉入湯計上 1,142湯目)
推察:温泉施設のロビーには高村光太郎の『開拓に寄す』の詩が掲げられていた。
この施設の経営者がこの中に記されたフロンティアの精神に共鳴し、施設
名にしたと推察できる。かつて、この地域一帯は開拓民農地の里であった。
高村光太郎「開拓に寄す」抜粋
『・・トラクターもブルドウザも、そんな気のきいたものは他国の話、神代に
かへつた神々が鍬をふるつて無から有(う)を生む奇蹟を行じ、二万町歩
の曠土(あかつち)が人の命の糧(かて)となるや大豆や大根やキヤベツ
の畑となつた。さういふ歴史がここにある。
五年の試煉に辛くも堪へて、落ちる者は落ち、去る者は去り、あとに残つ
て静かにつよい、くろがね色の逞ましい魂の抱くものこそ人のいふフラン
テイアの精神、切りひらきの決意、ぎりぎりの一念、白刃上(はくじんじ
やう)を走るものだ。開拓の精神を失ふ時、人類は腐り、開拓の精神を持
つ時、人類は生きる。精神の熱土に活を与へるもの、開拓の外にない。・・』
参照#高村光太郎(無垢の愛)探訪紀行
て静かにつよい、くろがね色の逞ましい魂の抱くものこそ人のいふフラン
テイアの精神、切りひらきの決意、ぎりぎりの一念、白刃上(はくじんじ
やう)を走るものだ。開拓の精神を失ふ時、人類は腐り、開拓の精神を持
つ時、人類は生きる。精神の熱土に活を与へるもの、開拓の外にない。・・』
参照#高村光太郎(無垢の愛)探訪紀行