何度も観返すほどに、一目ぼれの作品でしたが、なかなかご紹介できずにいました。
スウェーデン版「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」、そしてハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」、スティーグ・ラーソン原作「ミレニアム」と掘り下げていくのに時間を要しましたね。私のなかでは、ここ2~3年で1番のエンターテイメント作品でしたし、それだけ大好きな問題作だということです。
今回は、スウェーデン版から書かせていただこうと思います。どうしても、ハリウッド版と比較してしまいがちなので、別の作品として書いていきたいと思います。
ラーソンは、3部作を出版してから、世界で2100万部の大ヒットすることを知ることなくこの世を去ってしまいます。そのあたりも話題になりました。その『ミレニアム』3部作を映画化した北欧発のミステリー巨編の第1弾です。
社会派ジャーナリストの主人公と社会を拒絶して生きる小柄な天才ハッカーのヒロインが手を組み、孤島に暮らす大企業の経営者一族を巡る血塗られた謎に迫っていくさまを、巧みなストーリーテリングでスリリングに描き出していきます。
スウェーデン版は、ひとことでいって、ハリウッドのものより、リアル。原作に近い感じ。どんな作品でもそうですが、原作に勝るものは存在しませんよね。ハリウッド版は、洗練され、モダンでかっこいい仕上がりです。そのあたりは、ハリウッド版とともに後日に詳しく。
北欧は古くから豊かとはいえない地域ですが、スウェーデンは北欧4カ国のなかで唯一地下資源が豊かなんです。それでも地味な暮らしぶりが一般的で、暗く長い冬のせいで家で過ごす時間が長くなり、思索的になるようです。よって、原作そのままに、全体にトーンを落とした暗めの映像で、かなりのスピード感のもとストーリーは展開します。それでもかなりの長尺ですが、ご安心を。一気にクライマックスまで見せてしまう仕上がりです。
型破りなのは、古典的推理小説の設定を基本としているものの、事件解決が調査報道(Investigative Journalism)と流行のコンピュータハッキングを駆使したディテクティブワークが平行して行われていることと、女性に対する犯罪と人権侵害、金融業会とジャーナリズムの癒着、スエーデンとナチスの暗い過去などの社会問題を取り上げた物語であることです。虐待、性的描写や近親相姦なども大きな柱の一つ。このあたりは、ご覧になって、ご自身で感じていただく方がよいかな。
ヒロインを演じるノオミ・ラパスは、インタヴューで「ぜひともやりたかったヒロイン役でした」と語るように、過酷なダイエット、全身にパンキシュなピアスと刺青で役になりきって、体当たりの演技を敢行しています。画面に登場した直後は、ヒロインという言葉からは程遠い姿ですが、最後にはリスベットの大ファンになってしまいますよ。「羊たちの沈黙」のクラリスとは、かぶる気がしますが、まったく違ったニューヒロインです。彼女は、その後、「シャーロックホームズ・シャドウゲーム」「プロメテウス」と立て続けに出演し、大スターの座に登りつめ、不動の地位を築いたことはご存じの通り。
まだご覧でない方は、まずこのスウェーデン版を。ハリウッド版はより観やすくなっていますし、別の魅力にあふれています。
まずはリアルなリスベットを、ぜひ抱きしめてください。
◆ミレニアム http://youtu.be/RL8LI-h2WFc
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