あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

四半世紀後の続編。

2011-01-19 23:39:08 | 本(児童書・絵本)

Father Christmas Goes on Holiday (Picture Puffins) Father Christmas Goes on Holiday (Picture Puffins)
価格:¥ 923(税込)
発売日:1977-08-25
このあいだ、先輩に貸していただきました。

『さむがりやのサンタ』の続編の『サンタのなつやすみ』、ピクチャー・パフィン版!

『さむがりやのサンタ』を友達に借りて読んだのはまだ中学生の頃でしたから、続編を読むまでに実に四半世紀以上の時が流れたわけです。長かったな……。

でも、先輩はこのサンタのことを“男おひとりさま”と言っていましたが、たしかに、おひとりさま同士としては共感するところ大でした。ローティーンの頃より、今の方がこの絵本は味わい深いのかも。

さて、この巻ではサンタは夏のバカンスを楽しむわけですが、人生を楽しんでいていいな、と思う部分と、ちょっとほろ苦くて、ああ、分かる。ひとりって辛いこともあるよね、という部分が入り混じっています。

たとえば、フランスで、色々なものを食べすぎたせいでしょうか、少し具合が悪くなってしまうエピソードがあるのですね。たったひとりで、しかも旅先で病気になるなんて心細いな、だけど、ひとりで生きていくっていうのは、つまりはそういうことなんだ、と思ったり。

少しヘタレというか、トホホな失敗もあるし、ちょっとクスッと笑ってしまう部分もある。たとえば、フランスに行く前にサンタが一生懸命フランス語を勉強するところとか。それがなんとか通じて、無邪気に喜ぶのもカワイイ。

でも、サンタにはラスベガスには行ってほしくなかったなぁ……。子どもの頃に読んだらちょっとショックだったかも。

個人的にツボだったのは、一緒に暮らしてる犬と猫をペットホテルに預けるのですが、“じゃあね”とサンタが声をかけて出かけるとき、犬はケージに飛びついて別れを惜しむけれど、猫はすねて背を向けているのですよね。でも、そんな猫がちょっといじらしい……。

サンタが迎えに行ったときは、犬も猫もサンタに飛びついていくんですけどね。

思った以上に盛りだくさんな、読んでいる方もサンタと一緒に旅したような気分になる絵本でした。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
そうですか、ご覧になりましたか[E:confident] (エラティト・シン)
2011-01-20 22:56:38
そうですか、ご覧になりましたか[E:confident]
あのサンタのずっこけ夏休み、楽しいですよね[E:note]
管理人さんのおっしゃるように、フランス語を覚えて実地に使って、通じた時の嬉しそうな顔…[E:smile]
スコットランドに行って、「何て国だ[E:sign01]」とぼやいているのって、やっぱりブリッグズがイギリス人だからこその、ちょっと辛辣なユーモアでしょうかね。
それから、実は私は、サンタがラスベガスに行く辺りは、結構好きなんです[E:coldsweats01]
ちょっと、いや、かなり俗っぽい、ラスベガスでの夏休みのエンジョイぶりも、ヨーロッパの中のイギリス人の眼から見た、アメリカ人の俗っぽさへの風刺なのかも、と思ってました[E:coldsweats01]
また、ペットホテルに預けた犬と猫のリアクションは、らしいな~と思いましたね~[E:happy01]
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シンさんへ (雨ふり猫@管理人)
2011-01-21 23:12:36
シンさんへ
そうか~!ラスベガスのエピソードはお好きだったんですね[E:coldsweats01]
たしかにプールでバカンス満喫してる様子はとっても微笑ましいですけど[E:confident]
そういえば、プールサイドでサンタが「120度」って確認してましたね。
エド・マクベインの『空白の時』を読んだとき、“その夏は暑くて、気温は100度を越えた”というような文章に「えっ!!」と思ってから、「あ、華氏か」と納得したのを思い出しました。
華氏の100度って、摂氏37度くらい?もっとラスベガスって暑いんでしょうか……。知らなかった[E:coldsweats02]
あと、ブリッグズのユーモアのことでも、ふと思い出したことが。
亡き森瑶子氏がエッセイで書いていました。
イギリス人の夫との間に生まれた娘さんが、イギリス留学の後言ってたそうです。
「ママ大変、イギリスの男の子ってパパそっくりよ!いつも黒いジョークばっかり言ってるの」
イ、イギリス人のジョークって黒いのでしょうか……?
返信する
何年か前に、かのBBC製作のコント番組「モンティ・... (エラティト・シン)
2011-01-22 13:10:16
何年か前に、かのBBC製作のコント番組「モンティ・パイソン」のDVD-BOXを、日本語吹替版 (伝説的名演[E:sign03][E:happy01])に釣られて、買いました。
DVDですから、一度にまとめて観ますよね? 2回程それをやったら、2回とも、視聴後に体調を崩して、風邪を引きました[E:coldsweats02]
不条理あり、残酷あり、グロテスクあり、なあのギャグ世界の毒気にあたったようです[E:coldsweats01]
あの作品は、週イチで一時間程度に観ていれば、「面白~い[E:happy01]」で済むのかも…[E:coldsweats01]

しかし最近、イギリスのTV番組で、広島・長崎で二重被爆した男性の事を、『運の悪い男』として、ジョークのネタにしたらしいですね。
極東の島国で起こった歴史の一コマについて、全く客観的に見ていれば、そういうジョークも出るかもしれない(人種差別的な発想もベースにあるかもしれませんがね…)。
しかし日本人は、この事については、もっと怒っていい、と思いました。
『ジョークの通じない連中[E:bleah]』と馬鹿にされてもいい、この事は日本人にとって、ジョークにしてはならないNGワードなのだ、という認識を持ってもらった方がいい、と思うからです。
管理人さんは、いかが思われますか?
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私も、そのジョークについては、怒るべきだと思い... (雨ふり猫@管理人)
2011-01-23 00:02:27
私も、そのジョークについては、怒るべきだと思います。
シックジョークやブラックユーモア、シニカルなジョークなどの存在意義はわかります。
悲惨な出来事を笑い飛ばす、というのも時には必要かもしれません。
でも、誰かを傷つける笑いがジョークだとは思えませんし、また、ジョークとして上等でもないと思います。
笑いはスマートであってほしいです。
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まだ何となくモヤモヤした気分を引きずっています。 (エラティト・シン)
2011-01-24 22:07:43
まだ何となくモヤモヤした気分を引きずっています。
太平洋戦争末期、慰問を目的に結成された、移動演劇部隊「さくら隊」は、広島で全員が被爆しました。
その中の一人、女優の園井恵子さんは、投下直後の死は免れたものの、原爆症で亡くなりました。
亡くなる直前、家族に宛てて…「あんな目に遭っても生き延びたのだから、これからは、国民を元気づけるお芝居をやっていきたい」といった内容の手紙を書いておられたのだそうです。
…園井さんだけではなく、原爆症で亡くなった方々は皆、何が自分の身体を蝕んでいるのか、何故自分の身体にこんな症状が現れるのか、分からないまま死んでいった方が大半でしょう。
今現在でも、アメリカ人の大半が原爆投下を正当化している以上、地雷はもとより、劣化ウラン弾やクラスター爆弾の存在も、曖昧なうちに正当化され、負の遺産として引き継がれていってしまうでしょう。

だから、忘れないし、怒りたい。

…それ以上の行動に出ていない癖に、偉そうで、恥ずかしいのですが…

23日に亡くなられた漫才師喜味こいしさんも、広島で被爆されたのだそうですね…ご冥福をお祈りします…
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