宇宙のしくみ―わかったことわからないこと最新宇宙論 IPMUの6人の頭脳がわかりやすく解説 (学研雑学百科) 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2010-07 |
その前に、いつものことですがまず図書館で待ち合わせをし、そのあと近くの喫茶店でお茶をします。
そのときお互い、今日何借りた?と本を見せ合ったりするのですが(相手が多少興味のありそうな本を)彼女が見せてくれたのがこの本でした。
その中で印象的だったのが“ウロボロスの蛇”。
自分のしっぽを呑みこんでいる大蛇の絵の中に、宇宙を構成するものが大きいものから順に描かれている図です。銀河から始まって惑星、ヒトなどの動物を経て細胞に、そして遺伝子に。
最後は、発見されてはいないがあるはずだと考えられている、最小単位暗黒物質(ダークマター)で終わります。
けれど、蛇のしっぽは呑みこまれ、一続きになっているので、どちらが支配しているのかわからない混沌の中へすべては消えてゆくのだ、と思うと不思議な気分に。
この本は科学や物理などを扱っていますが、カラーの挿絵入りで分かりやすく、しかも、“聞いたことはあるけどよくは知らない”というような、基本的なツボを押さえていて面白そうだな、と思いました。
たとえば、“神はサイコロをふらない”とか。聞いたことはあっても、誰が言った言葉だっけと思っていた科学オンチの私ですが、アインシュタインだったんですね。
彼は、この世の中を偶然が支配していると考えるのが嫌いだったみたい。
それでふと、思い出したのはロード・ダンセイニの『ペガーナの神々』という小説です。
ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫 FT 5) 価格:¥ 630(税込) 発売日:1979-03 |
このなかで、こんなシーンがありました。
この世界を賭けて、宿命(フェイト)と偶然(チャンス)がゲームをした。
やがて勝った方が言った。“それでは、この世界は私のものだ”
でも、どちらが勝ったのかはたしか明かされないんですよね。
ウロボロスの蛇の中のこの世界を、支配しているのは誰なのでしょう。
本題から完璧に(かつ強引に[E:coldsweats01])外れますが[E:coldsweats01]
私は、ある時一回だけ、限りなく奇跡に近い偶然を経験した事があります。
かつて…かれこれ20年近く前になりますか[E:coldsweats02]
生まれて初めて、自分で企画して、全く面識もない方々に依頼までして[E:coldsweats02]同人誌を作ったのです。
岸田森さんに関する同人誌でした。
ある日仕事から帰ったら、印刷所から出来上がった本が届いていました。
分かってはいたけれど、あまりの出来の拙さに、ちょっと落ち込んで…
ここはひとつ、外食でも[E:coldsweats01]と、当時の行きつけの洋食屋さんに出かけました。
食後のコーヒーを飲んでいたら、店内の有線によるBGMが、妙に聴き慣れた曲のように思われたのです。
「あ!これ『歌麿 夢と知りせば』のオープニングテーマだ[E:sign03]」
気付いた時には、立ち上がってました[E:coldsweats01]
岸田森さんの主演映画(監督は実相寺 昭雄さん[E:confident])のテーマ曲だったんです…
その日、本が届かなければ、私が外食しようと思わなければ、その時間にその店に来ようと思わなければ、その店で有線が流れていなければ…
どれ一つ落としても、経験出来ませんでした。
自惚れるのは畏れ多いので偶然だと思うようにしていますがね…[E:coldsweats01]
それは人生の贈り物だと私は思っています。
でも本当に、そもそも本を作らず、出掛けもしなかったらそういうキラキラした瞬間には出会えなかったわけで。
まずは一歩踏み出すことが必要なんですね[E:shine]