あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

猫と虎。

2010-11-23 00:05:15 | 本(ミステリ・アンソロジー、その他)

最近新聞で、猫の優雅な水の飲み方についての記事を読みました。

犬はガブガブと飲むけれど、猫はちょっと舌の先を水につけて、すばやく舌を引っ込める。

そうして水柱が立ったところをパクッと飲むのだと。

それを知って、連想したのがこの本。

砂絵くずし―なめくじ長屋捕物さわぎ傑作選 (中公文庫 つ 7-4)
価格:¥ 357(税込)
発売日:1979-01

都筑道夫氏の、時代ミステリー短編集です。江戸時代の下町を舞台に、大道芸人たちが事件解決に活躍する。

探偵役は、“砂絵のセンセー”こと、色とりどりの砂で路上に絵を描く芸人。元は武士だった、とのうわさもある謎めいた人物。

このセンセーが、様々な謎を論理的にすっぱり解くわけですが、私が連想した一編は、人喰い虎の話。

それも、屏風に描かれた虎が、その絵を描いた絵師を喰い殺した、という不可解な事件。

あんまり書くとネタを割ってしまうのですが、その謎ときに、ちょっと猫の水の飲み方がかかわっています。

これを読んだのはもう20年も前ですが、鮮やかに思い出しました。

この短編シリーズは、『くらやみ砂絵』とか『ちみどろ砂絵』とかのタイトルで数冊のシリーズになっているのですが、その中からえりすぐったこの短編集はおすすめです。

時代小説で、もののけが起こしたような不可解な事件が出てくるけれど、それをきちんと論理的に解くのがミソ。

でも、ひとつ気になりました。最近高速撮影でわかったことのあらましが、どうして砂絵のセンセーたちには分かっていたのかな……

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