goo blog サービス終了のお知らせ 

れっちゃん一家の日常、ときどきデンマーク住宅

音楽と猫が大好きなれっちゃん一家。デンマーク住宅(odinhome)での家族5人とChipieたんの日常生活記録です

No.762 ■誰でも当たり前に家を買える!・・だけでは足りません

2015-03-10 18:52:00 | 住宅について思うこと
渋谷の山手線ホームに巨大な海老蔵さんがいます。



そして、その傍らにあるキャッチコピーは

「誰もが当たり前に家を買える。そんな社会は、誰がつくる?」


そしてすごいのがこのグループの供給する建売戸建が驚愕のボリュームを誇ること!



毎日100棟、年間36,000棟という数字を並べられると、すごいという言葉しか出てきません。

しかし同時に、でもね~

という思いがやはり頭をよぎります。

一般にパワービルダーと称されるこれら建売業者さんが供給する住宅を無理矢理カテゴリー分けすると、やはりローコスト住宅になると思います。


何を隠そう、私は
新築分譲マンション → 新築建売戸建 → いまの家という住宅遍歴です

つまり、前住んでいた家はこのパワービルダーさんたちが作っているものとほぼ同仕様のはず。

もっとも10年以上前の仕様ですが(^^;


なお、誤解しないでいただきたいのは、建売に住んでる方をどうこう言ったり揶揄するのではありません。

それでも、やはり前の家は典型的な「夏は死ぬほど暑く」「冬は凍えるほど寒い」家でした。


今でもかなりの割合の方が、一戸建ては

・夏の2階やロフトが暑いのは仕方がない

・冬の北側の部屋が寒いのは仕方がない

・冬の廊下や玄関が寒いのは仕方がない

などなど・・

戸建に関するこういう固定概念をお持ちのことと思います。

そして、申し訳ないですが、海老蔵さんが推薦している住宅の多くはこの固定概念が当てはまってしまう家だと推察します(断定はできません)。


何が残念かというと、やはりここなのです。

結局いまも年間数万棟単位でこういう新築住宅が増え続けているという事実。

そこに省エネという思想が仮にあるとしたら太陽光発電を屋根に乗せて、無駄な電気は極力使わないようにコントロールするHEMSを導入しましょうとでもなるでしょうか。

エネルギー駄々モレの住宅なのに高価な設備を導入し、そしてがまん大会を推奨。

同じ建物性能なら、なるべく冷暖房機器をがまんして使わない人が偉いとされるような基準だと思います。

他のサイトで書いてあった表現ですが、今の日本の大多数の家は「真冬のスキー場に、裸でホッカイロ100個を体に巻き付けて出かけるようなもの」だと思います。


木造で(構造は何でもいいのですけどね)冬も夏も快適、しかも省エネな一戸建ては十分可能です。

そのためのコストはもちろん躯体工事に必要になりますが、太陽光などの設備に比べたら少なくてすむのでは?と思います。

こんな風に書いていると、家の何に重きを置くのかは人それぞれで、断熱などでなくたっていいはずだから余計なお世話!とのたまわる方がいらっしゃいます。

でもそうでしょうか?

私は自分が今の家に住むようになってから「温熱環境以上に住宅の本質を示しているものはない」と確信するようになりました。

みなさん床が傾いていたら欠陥住宅だと怒りますよね?

それと同じレベルで、外気温と室内気温(厳密には気温ではなく体感温度ですが)の差を気にしなくても平気なレベルの住宅がどんな家でも追及できるようになればいいのにな・・ということです。

どこのハウスメーカーで建てても、あるいは建売を買っても一定以上の性能が保障され(耐震は気にするのに家の燃費性能は気にしない・・これって私には不思議です)、その上で材質や形状の意匠にこだわるのが当たり前の世界だと思うのです。


そのためには何が必要なのか?


根本的にはやはり国の政策なんでしょうね。

断熱、気密、そして窓など熱損失に関する本質的な部分に、罰則規定を伴う基準を決めるのが一番なのだと思います。

その数値基準を建築許可を与える際に必須にすれば済むことですよね。

これが実現できないビルダー、メーカーは市場から駆逐されるくらいのものでないとダメかもしれませんが。


「誰もが当たり前に家を買える。そんな社会は、誰がつくる?」

これでは足りないのです!

「誰もが当たり前に高性能な家を買える。」

こうならなければいけないのだと強烈に思います。

そして、新しくできる家が全て高性能になれば、いつしかそこから「高性能」という形容詞が外れます。


このグループの供給する家がこのキャッチコピー通りになれば、日本の住宅環境は本当の意味で向上したと言えるでしょう。

そんな日はやって来るのかな・・


にほんブログ村 インテリアブログ 北欧インテリアへ にほんブログ村 住まいブログ 一戸建 注文住宅(施主)へ

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ゴッチ)
2015-03-12 13:59:44
また何とも共感できる記事を拝見しましたので、コメントします!
私も以前お仕事の関係で、このグループとお付き合いしたことがあります
やはり強烈なグループで、当時30坪弱の建売を業者が建てても外構込で1200万位だったところ、700万で建てていらっしゃいました

残念ながら年間何棟の約束で発注し、コストを下げるやり方でしたので、温熱環境は重視されていないと思います
ただ利益を確保しても、手が届きやすい住居を提供するという存在意義はあります
もう一つ進んで、高性能グラスウールとベイパーバリア、更に蓄熱暖房でこれだけ高性能な家が作れますってアピールすれば、他の大手を駆逐出来る可能性はあると思います
○条さんの建売バージョンみたいなのが、今後増えていくと仰っている方向性に近いでしょうか

あとは消費者が温熱環境のメリットに、いくらの対価を払えるかという点に尽きるんでしょう…
私にも何か伝えられればと思いました
返信する
Re. (mazzy)
2015-03-12 19:14:46
ゴッチさん、こんばんは
コメントありがとうございます。私自身が住んでいた建売の仕様は、いま思えばあり得ない・・レベルのポイント盛りだくさんで突っ込みどころ満載です(笑)
といいながら、私は幸運にも住み替え出来たわけですが、この家にお住まいの方はもちろん、これから住む方が大勢いらっしゃるわけです。その方をどうこう言うつもりがまったくなくても、結果的にお住まいの方はおもしろくないだろうなと思うとちょっと心苦しいです。
でもほんとに、そもそも家に対する性能追求レベルが低すぎるのと、それを啓蒙しない業界・・さまざまなものが絡み合ってこの構図が出来上がっているはずですよね。どこか志あるメーカーが風穴を開けると大手メーカーも目の色が変るかもしれません。
それでも一番のポイントはやはり規制が不十分ということになると思います。2020年の省エネ基準義務化にしても、そもそもいまから抜け道のようなものがあります。結局は技術や知識のない業者を保護するようなことになり、つけは一般ユーザーにまわってくることになります。
自分が何かが出来るわけではないですし、そんなおこがましいことは言えませんが、たまたまでもいいので私のブログがヒントになって誰かの家造りの役にたったらうれしいですね。
返信する

コメントを投稿