福島章恭 合唱指揮とレコード蒐集に生きるⅢ

合唱指揮者、音楽評論家である福島章恭が、レコード、CD、オーディオ、合唱指揮活動から世間話まで、気ままに綴ります。

愉しかった! 新春名曲コンサート

2016-01-09 20:45:22 | コンサート


合唱指揮者として、今回はじめて携わらせて頂いた大阪フィル「新春名曲コンサート」。理屈抜きに愉しかった。

円光寺先生の的確な指揮による心豊かな音楽、和やかでユーモア溢れる司会進行によって客席はとても温かな雰囲気。皆さん、心からの拍手をしてくださっているのがよく分かる。

前半の松田華音さんのチャイコフスキーの協奏曲こそ、舞台裏でのコーラスのウォーミングアップのため聴くことはできなかったが、ソプラノの市原愛さん、テノールの福井敬さんの美声を客席で堪能させて頂けたのは望外の至福。特に福井さんのプッチーニ「マノン・レスコー」からのアリア「見たこともない美人」、レオンカヴァッロ「道化師」より「衣裳をつけろ」の2曲の声と表現には脳天がジーンと痺れ、背中に電気が走ったほど。これぞ、オペラの醍醐味!
バーンスタイン「トゥナイト」のオーケストレーションをフル編成のオーケストラで聴けたのも収穫だった。

ふだん、ブルックナーを筆頭に、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスなど、長大だったり、難解な音楽を好むボクが、自ら進んで所謂「名曲コンサート」の類のチケットを買うことはないのだが、考えてみれは、名曲アルバムの定番「マドンナの宝石」のような作品を生で聴けるという機会も滅多にあるものでなく、大いに満足した。今宵のような愉しさが約束されているのであれば、聴きにきてもよいな、と思った次第。

と、ここまで、新幹線車中で書いて、新横浜で下車しようとしたら、なんと同じ車両に福井敬先生を発見。お互い顔を合わせてビックリして、再会を約しつつ握手をしてお別れできるという僥倖。奮発してグリーン車に乗った甲斐はあったというものだ。



コメント (2)
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