いにしえには、テーベと呼ばれていたルクソールへやってきた。
テーベ…そうだ!ドラクエⅢの世界にあったあの町と同じ名だ。
そのテーベの南、ルクソール神殿の入り口に立った。
シンメトリーを信条としている古代エジプト建築。
にもかかわらずオベリスクが1本しかないのは、
エジプトマニアのナポレオンにモハメット・アリが気前良く進呈してしまったからだ。
現在は海を隔てたパリの地、コンコルド広場に燦然とエジプト色を放って立っている。
また、元気印のラムセス2世には、エジプト中どこへ行っても会うことができる。
ここルクソール神殿でも、悠然と鎮座している。
(キリスト教の絵画の跡が見られる) (トトメス3世の胸像)
野ざらしの美術館ともいえるこの神殿にも、永い時が流れていた。
ローマ時代は砦にされたり、砂に埋まった神殿の上にモスクが建ってしまったり、
コプト教(エジプトキリスト教)の教会としても使用されていた。
穏やかなテーベの地、夕日に照らされ逆光の中、この老いた神殿はこよなく優しく美しく見えた。