朱の徒然

変形性股関節症の76歳

読書「鉄鋼王国の崩壊」新日鉄・釜石・・・・鎌田 慧(河出文庫)

2021年07月01日 | 日記

 『知の巨人』と呼ばれ、1974年に「田中角栄研究ーその金脈と人脈」で、政界のタブーに挑戦し、時の首相を失脚させた 日本を筆一本で変えることができると証明してくれた 大きな人 立花隆氏が亡くなった!

 まだ80歳だったという! ルポライターではなく、ジャーナリスト ですね。

 その死に対して、同世代で活躍したルポライターとして 鎌田慧氏が、求めに応じて各新聞にコメントをされてます・・・。「立花隆氏は、大勢の取材者を使って調査・資料を集める。それをまとめ考え発表する。雑誌ジャーナリストとして、大きな頂点に立った人だった」 と言われてます。鎌田氏とは、立ち位置が若干違ったのでしょうか?

 

 さて、私が読んだ本は「鉄鋼王国の崩壊」(ルポルタージュ・新日鉄釜石)鎌田慧 現在83歳。青森県出身。解説は、佐木隆三(2015年に78歳での死去)。 1980年発行。もう40年以上前の・・・。この本は、「ガリバーの足跡」を改題されたもので、私が読んだのは、1987年の文庫版。

 

 2019年11月に、読書会の秋の旅で、豊後高田市の昭和の町を訪れました。

 それこそ、無人に近いひっそりとした町の通りに、小さく古い洋館がありました。そこの室内の籠の中に「お好きな本をどうぞ」と書かれた紙切れと20冊ばかりの本が置いてありました。で、1冊頂いたのが、(懐かしい・・)と思った鎌田慧氏の「鉄鋼王国の崩壊」です。

 丁度、その時の我ら読書会の作品は、「孤愁」(新田次郎・藤原正彦親子)でした・・・。

 今、コロナ下で 一人「鉄鋼王国の崩壊」を読みながら、ひとりサウダーデですわ・・・。  かっては、こんなに良質なルポルタージュ作品が、たくさん生まれていたんですよ!  社会の矛盾、巨悪をただす人達が労を惜しまず いた・・・。

 読みながら、フーン 鈴木東民(釜石製鉄所と対立した釜石市長)と宮沢賢治が1歳違いで一緒に東京で働いていたなんて・・・初めて知りました。

 1896年(明治28年)6月には、三陸沿岸は、 地震と豪雨で大被害にもあったんですね・・。

 豊かな漁場だった海は、国策会社・日鉄のものになった1942年から、埋められていったということですが、鐘崎の大観音は、腕の中に魚を抱いてる釜石大観音のこと? 今もあるようで・・・。観たいわー。

 「鉄の消費量は、文化のバロメーター」と言われてましたが、「八幡製鉄」は、2020年に「日本製鉄・九州製鉄所」に八幡、大分で変わりましたね。

 また、今朝、NHK地域局発「鉄の街-呉・製鉄所閉鎖の波紋」を見ました。

 まるで鎌田慧の釜石ルポを映像で見ているようでした・・・・。  親子何代もの工員一家、下請けの戸惑い、そして鉄の街・呉への愛着・・・。2023年で鉄づくりの終焉。  何故、全面閉鎖になるのか? それは、世界の鉄の半分を作るようになった中国の台頭。 日本人 口あんぐり。どんどん追い越されていくね・・

墨田の花火。華麗な紫陽花だね。

 

 時代、時代が急激に変わっていく・・・。こんなコロナの時代に、いろんな方が この世から去られました。

 個性的なイラストで、ちょっと乙女チックな西村玲子さん。エッセーも好きでした。78歳。

    細身の優し気な方でしたね。  

 

 「エレキの神様」寺内タケシさん。82歳。ご自分の大型バスを駆使しての全国行脚。我が町で聴かせていただきましたよ。5年ぐらい前でした。CD買ったよ!  テケテケテー、お話も上手で、素敵な方でしたあ。

 

 グリーンピア八女の明治館で出会い、額絵を購入した 靑沼青雲さん。86歳。

 画家・葉祥明さんの お兄さん?

 皆さんが、それぞれ ひとかどの方々で、私の人生を 膨らませ 喜ばせて下さいましたよ。有難うございました💛

「まだ咲いてたよ」 とGIが、裏から切ってきてくれました。

「鉄鋼王国の崩壊」は、このカバーを付けて企業戦士の息子へ。

 

 父も母も、君たちの幸福だけを願いながら、毎日 野菜と花で遊んでいるよ💛

 

 

コメント
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