鳩山間の田天体観測所

趣味の天体写真を中心に、遠征の記録や望遠鏡関係の工作などを載せていく予定です。

スペクトル

2013-08-17 12:27:38 | 天体写真
デジタル時代になって、レンズの性能向上には目を見張るものがあります。
入門機のキットレンズでさえ、星を写しても隅々までシャープです。
色収差も全く感じません。
設計もさることながら、EDガラスのような硝材の進歩が大きいのだと思います。

レンズの色収差が少なければ、赤と青でピントの位置があまり変わりません。
ということは、広い波長域を一度に撮影するスペクトル写真が撮れそうです。
昔、流星写真用に買った対物プリズムを付けて、どのくらい写るかテストしてみました。


タカタシ製対物プリズム58φ

夏の大三角の1等星をねらいます。


ベガ A0Ⅴ
水素のバルマー線だけの典型的なA型です。
Hα(6563Å)が右端に見えます。改造してないデジカメでもこのあたりまで感度がありますね。


デネブ A2Ⅰ
バルマー線の中にすこし金属線が見えます。


アルタイル A7Ⅴ
バルマー線が弱くなり、かわって金属線がかなり目立ってきます。

撮影データ
EF-S 55-250(250ミリ)固定撮影
F11 20秒露光(ベガ) F5.6 25秒露光(デネブ) F8 15秒露光(アルタイル)
ISO400
キヤノンEOS KISS X5

スペクトルを見やすくするために、望遠鏡の追尾はOFFにして
日周運動で幅をつけました。
くしくもA型星だけになってしまいましたが、金属の吸収線もしっかり写っています。
どのくらい暗い星まで写るのでしょうか。
感度的にはあと3段の余裕があります。
うまくいけばスペクトルアトラスが作れるかも。
コメント
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