きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

生きてる証明証

2016-12-06 11:30:41 | 田舎日記
12月になり、
見える景色は、一気に冬らしさを増した。

冷たい空気のせいか?
光のせいか?
周りの景色はグレーに包まれて、
寒々しくみえる。

95歳の父は、毎年年賀状を出すことを生きがいとしている。

一昨年は60枚
昨年は50枚
そして今年は43枚
毎年届く喪中ハガキの数は増えていくばかりだが…

住所録から削除して、
年賀状の印刷機で印刷する。

一昨年までは、干支のイラストを選び、自分で出来た。
昨年は、側にいて、少し介助した。

今年は…と言うと、
ほぼ私が印刷した。

「お父さん、この絵とこっちの絵と、どっちが良い?」と、聞きながら…


書き損じたハガキを、郵便局に持って行き、
切手に変えてもらう為、
受付の女性に渡すと、

「年末になると、準備で忙しくなりますね。
年賀状の準備は、もうすまれたのですか?」…と、
声をかけてくれた。

「95歳なんです」
父と言う主語を抜かしてしまった。

受付の女性は、目を丸くして、
驚いた表情をしたが、

まさか、私の歳とは思っていないと思うが…

「父の生きている証明証なんです。
来年も出せると良いのですが…」

私がそう話すと、
「風邪が流行っていますから、気をつけてくださいね」

女性の温かい言葉に、
軽く会釈して、

私は、冷たい師走の街に出た。


コメント
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