網膜剥離という眼の病気があります。
眼の一番奥に位置する「網膜」の一部が眼底から剥がれて、
失明に至る怖い病気です。
原因はいろいろありますが、最も多いのが、加齢によって
硝子体の一部が液化して体積を減らすことが遠因です。
体積を減らした硝子体は眼内で動揺するようになり、
その硝子体が網膜と癒着している部分で網膜を引きちぎって
孔を開け(裂孔といいます)、その孔から体液が網膜の裏側に
回って網膜を剥がす、というメカニズムで発症します。
他にも、強い近視とか遺伝的な要素、アトピーとか、糖尿病などが
原因で発症します。
治療は、網膜に開いた孔を塞いで、体液が網膜の裏側に回るのを
防ぎ、網膜の剥がれて部分を眼底に復位させることですが、
主として孔を塞ぐ「手術」によって行います。
手術には、眼の外側にシリコン片を縫い付けて孔を塞ぐ
「強膜バックリング術}や網膜を牽引している硝子体を切除する
「硝子体切除術」などがあります。
症状が軽い場合などは、レーザーを照射して、剥がれている
網膜を眼底に焼き付ける治療なども行われます。
これらの治療によって、現在、網膜剥離の治癒率は、95%を
上回るところまで改善して来ていますが、発見が遅れて手遅れに
なったり、ひどい糖尿病を併発している場合などでは、治療がうまく
行かず、失明に至る場合もありますので、今でも怖い病気であることに
変わりありません。
そこで、網膜剥離の知識の普及と予防、患者の相互交流や治療
技術の開発支援などを目的に組織された「網膜剥離友の会」という
全国組織があります。
もしあなたが、網膜剥離という病気が気がかりでしたら、この「会」の
ホームページをご覧になってみて下さい。きっと、お役に立つと
思います。
「網膜剥離友の会」のHPは、こちらにあります。
小生もその活動の一端を担っています。