在日中国人作家、楊・逸(ヤン・イー)さんの芥川賞受賞第一作「金魚生活」を読みました。
中国の片田舎で、レストランの金魚の飼育を仕事としている寡婦の主人公が、日本に住む娘の出産手伝いに来日し、さまざまな文化、言語の違いに直面し、金魚を相手にしていた方が気楽で良いと悟るまでの物語です。
言わば、可もなく不可もなく、ただそれだけの物語という感じの本でした。つまり、芥川賞を受賞し、文章がそこそこできるからといって、決して万人を納得させる物語を書けるものではないという見本のような小説です。
昨日の新聞報道によると、先にご紹介した在日イラン人のシリン・ネザマフィさんの「白い紙」が、芥川賞にノミネートされたとのこと。良くかけた小説なので、それなりの期待もありますが、楊・逸さんのように、仮に受賞することになったとして、その後、どのような作品を発表し続けて行くのか問われることになるでしょう。