昨日、ブルックナーの曲がいくつもあるのに、聴いていないのは困ったものだと記しました。
そこで、(少々)心を入れ替えて、最も有名な交響曲第4番「ロマンティック」を聴いてみました。演奏は、カラヤン・ベルリンフィルです。
この曲も、先に聴いた第8番同様、金管中心の豊麗な音の洪水ですが、第2楽章には、何度か聴いたことのあるメロディーも登場して、それだけこの曲はポピュラーなのかなと思った次第です。演奏時間は約70分。
ただ、ブルックナーの交響曲は、ベ-トーヴェンやモーツアルトのように、ある種の思想や気分を歌ったものではないようです。高名な音楽評論家、宇野功芳氏によると、それは、
「自然の美しさであり、透明な厳しさであり、寂寥感であり、さらに進んで大宇宙の鳴動である。(このように)神によって創造された悠久の自然に対し、有限のわれわれはあまりに小さい存在でしかないが、その孤独感もやがて神に対する深い帰依と祈りの中に吸収されてゆく。」
というのだが、果たしてこの境地に達することができるか、せいぜい精出して聴いていきたいと思っています。