6月27日
札幌コンサートホールKitaraで五嶋龍のヴァイオリンリサイタルを
聴きました。
彼の神童ぶりについては、先にリリースされたCD「Ryou Goto」を
通してそれなりに理解していたつもりでしたが、生の演奏に接し
そのすごさを実感した次第です。
会場はいつになく若い女性の多い超満員の聴衆で埋まりました。
Kitaraの大ホールをバックヤードを含め満員にした演奏家は(小生の
経験では)ロシアの人気指揮者のゲルギエフや、ソプラノ歌手の
キャサリーン・バトルくらいです。
著名なツイメルマンやエレーヌ・グリモーでも7割程度の聴衆でした。
この満員の聴衆が龍君の人気のすごさを物語っています。
何気なく一人で舞台に登場した龍君がいきなり弾きだしたのが、
イザイの無伴奏ソナタ、第3番「バラード」です。彼自身、「オープニング
のショウとして、テクニックのデモンストレーションのような曲」とコメント
しているように、彼の華麗な演奏技術の高さを認識させる曲でした。
音楽的にはよくわからないままに終わりました。
第2曲は、期待していたリヒャルト・シュトラウスのソナタ変ホ長調
作品18です。この曲は、シュトラウス23歳の時の作品で、ロマンテックな
情熱にあふれた曲です。
演奏者の年齢も近く、若々しい情熱に満ちたすばらしい演奏でした。
伴奏のピアノの音も美しく、この曲を聴いただけでも、ニセコの田舎から
聴きに行った甲斐があったと思いました。
休憩を挟んで、ブラームスの第2番ソナタ、武満徹の「悲歌」そして、
ラヴェルの「ツィガーヌ」と続きます。後者の2曲は、CDアルバムにも
収録されていてお馴染みの曲。
改めて、龍君のテクニックの確かさを確認した思いです。
アンコールは、サラサーテのツィゴイネルワイゼン。演奏時間8分の
大曲ですが、疲れもみせず楽々と弾ききってしまう若さに感嘆した
次第です。
おまけ
龍君の生い立ち(リサイタルパンフレットから)
左上から時計周りに、誕生→4歳→16歳→6歳(姉みどりさんと)