同氏のライフワーク、長編「流転の海」第6部。
07年発刊の第5部「花の回廊」以来、4年ぶりのリリースです。
第1部は84年の発刊ですから、すでに28年が経過しています。
著者の父親を模したと思われる主人公と息子(著者)との葛藤を軸に、昭和30年代前半の大阪の混沌とした世情と、彼らを取り巻く人々との絆を色濃く描いています。09年7月~11年6月「新潮」連載。
著者は常々、このライフワークを終えないと死ねないと言っているので、いつ完結するかはっきりしませんが、それだけ力のこもった作品に仕上がっています。
すでに次のリリースが待ち遠しい読者には、気の遠くなるような時間ですが、待つ以外方法がありません。