昨夜10時から放映されたNHKスペシャル「動き出した時間~旧警戒区域はいま」を見た。
この5月、原発事故の放射能に汚染された周辺地域を、「帰還準備を進める区域」と「帰還困難区域」に「再編」する作業が終わった。
これに伴い、町の大部分が「帰還準備を進める区域」となった浪江町では、製板工場を再開させようと苦闘する事業者と従業員の姿を伝えていた。
汚染されていない地元の原木も、風評被害で使えず、他県から購入せざるを得ず、また、かっての納入先は、すでに他県の業者から買い付けていて、すぐには購入してもらえそうにない。
一方、町の大部分が「帰還困難区域」に指定された双葉町の住民は、県内をはじめ全国各地に分散して避難生活をおくるが、故郷の地は、向こう4年間、除染ひとつ行わないという国の方針の前に呆然と立ちすくむ。
このまま避難生活を続けるべきか、あるいは、家を新築するなどして新たな居住地とすべきかに悩む。経済的な問題もある。
こうして番組は、限定された事例ながらも、事故から2年4ケ月を経た現在にあっても、様々なかたちで地域住民に苦悩を強いる原発事故とは何だったのかを問いかける。
また、このような現実を置き去りにして、他の原発の再稼動を認めて良いのかなど、深く考えされられた。事故現場では、汚染水の海への流出が続いているという。