3月5日
今日もニセコは良い天気です。
ゲレンデは、相変わらず外国人や修学旅行生などで賑わっていますが、
お正月前後の人出はありません。
これは冬季だけの樹影の芸術です。
花園2番リフトからの風景ですが、ダケカンバの影が雪面に面白い造形を
造り出しています。右下から左上方向へ、真っ直ぐに伸びるキタキツネの
足跡もご覧になれます。
少し前になりますが、最近物忘れがひどいというお話をしました。
そこで、今日は、その克服法について考えてみることにしましょう。
小生ら熟年世代が、日常会話で「あれ」「これ」を連発したり、物事や
人の名前を思い出せなかったりするのは、脳が老化して働きが弱ってい
ることの何よりの証なのだそうです。そして、これが進むと認知症リスク
も高くなるので、この正体を突き止め、克服するよう努力していくことが
大切です。
人間の記憶には、数時間から数日間しかとどまらない短期的記憶と、
数ヶ月から数年、あるいは数十年にも亘り保存される長期記憶とがある
そうです。日常会話などで不自由する「物忘れ」は、この長期記憶の衰え
によると言われています。
この長期記憶は、その性質から次の二つに分類されます。
・ 手続き記憶:自転車の乗り方やピアノの弾き方などのように、体が
覚えていて、無意識の内に取り出せる記憶です。
・ 陳述記憶:意識的に過去の記憶を取り出して言葉、文字、絵などに
できる記憶です。これは、知識としての意味記憶と過去の出来事と
経験などのエピソード記憶とから成り立っています。
大抵の場合、脳の老化や認知症は、この「エピソード記憶」の低下から
始まります。従って、このまま放置すると次第に症状が重くなり、遂には
認知症に至ります。
それでは、このエピソード記憶の老化を防ぐにはどうすれば良いのか?
これは、例えば、適度な運動を継続することで、筋肉の衰えを防止する
のと同じように、記憶や創造といった脳の働きを継続する必要があると
いいます。具体的には、毎日日記を手書きで、しかも縦書きにして記す
ことがとても効果的だそうです。
これだけパソコンやワープロが普及している時代に、「手書き」に戻る
ことは少々抵抗がありますが、手書きによることで、脳に強く刷り込む
ことが出来、合わせて、辞書を引くことで、副次的効果が期待でき
ます。
試しに、手書きで日記を書いてみるとわかりますが、簡単な漢字でも、
辞書を引かないと書けないものがかなり出てきます。これを、面倒くさ
がらず辞書を引くことで、書き方ばかりでなく、意味や派生する熟語な
ども知ることになり、これらの相乗効果よって、脳の活性化が図られる
のです。
また、日本語を縦書きすることが重要で、本来、日本語が持つ「書」と
しての美しさも合わせ追求することになり、これが脳を刺激することに
つながります。
熟年世代の皆さんは、今日からでも「手書きで日記」を始めてみてはい
かがでしょう。この記事は、朝日新聞「暮らしの風」を参考にしました。