田舎の倉庫

Plala Broach から移植しました。

黄金の絨毯

2008年11月18日 | 田舎暮らし

今日もニセコは、穏やかな晴天です。
寒くなると脅かされていますが、まだ、雪になっていません。

昨夕家内と散歩に出て、いつもの道をたどると、一箇所だけ長さにして30mほどですが、黄金の歩道になっています。そこは、落葉松の大木が3本道端に立っていて、その落葉が歩道を黄金色に染めているのです。

このところの寒気と長雨で、落葉松の落葉が、厚く舗装面に降り積もって固着したためで、この黄金の絨毯を踏んで散歩を楽しみました。田舎ならではの贅沢さでしょうか。

そういえば、北原白秋に有名な落葉松の詩がありましたね。

 落葉松(水墨集) 北原白秋 

 からまつの林を過ぎて、 
 からまつをしみじみと見き。 
 からまつはさびしかりけり。 
 たびゆくはさびしかりけり。

 からまつの林を出でて、 
 からまつの林に入りぬ。 
 からまつの林に入りて、 
 また細く道はつづけり。
 
 からまつの林の奥も 
 わが通る道はありけり。
 霧雨のかかる道なり。
 山風のかよふ道なり。

 からまつの林の道は、 
 われのみか、ひともかよひぬ。
 ほそぼそと通ふ道なり。 
 さびさびといそぐ道なり。

 からまつの林を過ぎて、
 ゆゑしらず歩みひそめつ。
 からまつはさびしかりけり、
 からまつとささやきにけり。

 からまつの林を出でて、
 浅間嶺(あさまね)にけぶり立つ見つ。
 浅間嶺にけぶり立つ見つ。
 からまつのまたそのうへに。

 からまつの林の雨は、
 さびしけどいよよしづけし。
 かんこ鳥鳴けるのみなる。
 からまつの濡るるのみなる。

 世の中よ、あはれなりけり。
 常なれどうれしかりけり。
 山川に山がはの音
 からまつにからまつのかぜ。


少々、連想ゲームっぽいですが、このような機会に、文芸作品を読み返してみるのもいいな、と思いました。

ツルリンドウの実です。ここは別荘地ですが、拙宅の隣の敷地にはツルリンドウの大きな群落があって、今の時期、その美しい実をたくさん見ることができます。

 北原白秋記念館へは、こちらからどうぞ。ニセコの唐松林の様子は、ご近所のじゅんさんのブログでご覧になれます。

 


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