徒然なるまままに

展覧会の感想や旅先のことを書いてます。

浦上玉堂展(第4期)

2006-12-04 | 美術
浦上玉堂展(第4期)
2006年11月3日~12月3日
千葉市美術館

前期(記録はこちら)に引き続き、浦上玉堂展を拝見。新日曜美術館で玉堂の筆のタッチと琴の奏法との関係が指摘されていたりのを注意して拝見するとまた2回目ですが楽しめます。

後期に拝見できるのは、
  • 004 重文 山中結廬図(さんちゅうけつろず)東京国立博物館(第4期のみ)
  • 067 国宝 東雲篩雪図(とううんしせつず)川端康成記念会
  • 089 重美 疎松曲水図(そしょうきょくすいず)岡山県立美術館
  • 113 重美 寒林間處図(かんりんかんしょず)個人蔵
  • 127 重文 雙峯挿雲図(そうほうそううんず)出光美術館(第4期のみ)
  • 138 重美 山翁嘯咏図(さんおうしょうえいず)個人蔵
  • 166 重文 煙霞帖(えんかじょう)梅澤記念館(全期)
  • 168 重文 鼓琴余事帖(こきんよじじょう)個人蔵(全期)
  • 224 重文 籠煙惹滋図(ろうえんじゃくじず)出光美術館(第4期のみ)

  • 重文 山中結廬図は、実は2回目。東博の平成17年度新収品(記録はこちら)です。そのときは四十八歳の基準作という意味が判っていませんでしたが、玉堂の作品には作成年不明の作品が多い、という意味でした。また、これは玉堂が画家として駆け出しの頃の作品であり、玉堂らしい作品という意味ではなかったわけです。

  • 057 野橋可立図 四文字の題をみて、橋から山を見上げれば雄大な山が。NHK「美の壺 File25 水墨山水の鑑賞法」で「水墨山水は、下から 「近景」「中景」「遠景」の三つに描き分けられています。そのため下から上に順に絵を見て行くと、近くから遠くへ、まるで絵の中を旅するような感覚を味わうことができます。」とツボをいっていましたが、視点を変えて鑑賞すると不思議な気分になれる作品の典型です。

  • 067 国宝 東雲篩雪図(とううんしせつず)川端康成記念会;
    川端康成愛蔵品。会津時代を思い起こして描いたという。真っ白な吹雪のような画面。どの玉堂とも違ったイメージ世界が広がる。玉堂琴士酔作と署名。酔作とは、自由に描けたという自信のマークなのだろうか?まさか画面にお酒をこぼしたわけではないと思いますが。最後にもう一度と思って、説明をよく読むと、李楚白画帖(167)の一図「凍雲欲雪」にちなんだものという。慌ててもう一度引き返して見に行きましたが。。。全く別の世界が拡がったと感じました。

    武家屋敷寺島蔵人邸跡所蔵の作品が何点か展示されています。立山連峰を見て少しは山に抱くイメージも変わって描いたのではなどと思いをはせましたが、玉堂の場合はやはり想像の世界で影響がないのでしょうか?でも、やはり立山連峰を見れば山に馳せる感情も変ると思うのですが。
  • 116 溪声書声図 けいせいしょせいず
  • 117 艇子載春図 ていしたいしゅんず
  • 118 山中読書図 さんちゅうどくしょ
  • 119 緑染林皐図 りょくせんりんこうず
  • 120 二字「乾泉」にじ「けんせん」
  • 121 四字「黄松栞處」よんじ「おうしょうきんしょ」
     
  • 127 重文 雙峯挿雲図(そうほうそううんず)出光美術館
    大きな画面に右下がりに山山がもこもこと描かれる。縦横自在な筆裁き。

  • 138 重美 山翁嘯咏図(さんおうしょうえいず)個人蔵
    かなり密度高く描きこまれた一品。

    (2日)
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