(今日の写真は、岩木山を背景として広がる収穫直前の稲田である。今年はこれまで台風の襲来もなかった。米農家の人たちは収穫を前にして(すでに終わったところが多いだろうが)、黄金色に輝く稲田を前に「にっこり」しているのではないか。今後も来ないことを祈っている。例年ならば10月末以降は、青森県への台風の影響はないのだが、何しろ「温暖化」異常気象のさなかであるから、気を抜けない。しかし、「豊作でよかったね」 …などと考えるのは、「食べて消費することしか出来ない」消費者の戯言(ざれごと)だ。
☆ 実りの秋、だが米農家は悲嘆にくれる!☆
世を挙げて「物の値段」が上がっている。特に食品と日用品が高くなっている。夏の食用油やマヨネーズ、ティッシュペーパー、コーヒー、魚の缶詰、秋になってパンやハムなど身近な物の値上げが続く。原油、穀物など原材料の国際価格が高くなったのが原因だという。
食品はバイオ燃料需要の拡大でトウモロコシへの転作が進み、小麦や大豆の作付けは世界的に縮小しているので、国際価格の高騰はおさまりそうにないそうだ。
まったくおかしな話しだ。作物から自動車の燃料を作り出すために、人さまが食べる食料が少なくなり、物価高なのだ。地球の経済は「人」よりも「自動車」が大事なのである。
幕末も世界経済の荒波が、日本を襲い、国民生活を苦しめたそうだが、違うのは食料自給率が100%だったことだという。現在、日本における小麦の自給率は14%、大豆にあっては3%に過ぎない。
「大豆」を材料にする「納豆」や「豆腐」などは日本の食文化の「華」である。それを、すべて「外国」に頼る日は近いのだろう。「食」を「外国」に頼るということは、日本人の「文化」と「命」を外国に売り渡すことである。田んぼの畦にまで「大豆」を植えた時もあるのだぞ。
新聞「農民」の10月22日号を見た。真っ先に「米価暴落」「根本原因は政府の米流通責任放棄」という見出しが飛び込む。
…その記事に言う。
米価暴落の要因の一つは、政府備蓄米。政府が自ら決めた100万トン備蓄の計画も守らず、一方、16年産を10.600円という超安値で放出、市場をかく乱。備蓄米は現在、68万トン。政府があと32万トン買い上げれば、需給は締まり、価格はまちがいなく安定するのにだ。この備蓄米買い上げの要求に対して、若林正俊農水相は「備蓄米で買い支えはしない」と冷酷だ。
一方で政府は、毎年77万トンものミニマムアクセス(MA)米を輸入。不人気で売れないために在庫は増え続け、189万トン(06年10月末現在)。保管料だけでも95年から05年までに936億円というばく大な費用がかかっているという。
国産米が過剰といいながら、輸入米を主食に回していることも重大だ。どこを探しても外国産表示の米は見当たらないが「売られて」いる。農民連は「消費者は知らない間に輸入米を口にしていることになる。輸入米であることを表示すべきだ。それができないならせめてMA米名を公表せよ」と要求。
しかし、農水省は「MA米の販売システムヘの信頼が失われる」などの理由にならない理由で公表を拒否。また輸入米の入札をめぐって、農水省職員の不正は後を絶たない。農水省は、40万トンの輸入米を「えさ米」として処理するために800億円費やしたといわれる。
売れない輸入米の処理には巨費をつぎ込みながら、国産米の買い支えには1円も使わないのが政府の姿勢だ。これでは米価が下落するのは当然である。農民殺しの「農水省」。「農家を殺すに毒薬いらず、農水省さえあればいい」ということだ。
さらに、10キロ2500円などで「くず米を混ぜた安売り」が量販店やドラッグストアで横行している。「農産物検査法では1.7mmのふるい目から落ちたものは米ではなく『異物』扱いである。検査法対象外の『異物』が混ぜられ、何の規制もなく売られているのだ。
農水省は日本の農民の方を向いていない。生産者よりも「流通機構」と「アメリカ」をはじめとする外国だけを見ている。いつから、「外務省」になったのだ。
食品や日用品の高騰が続いている中で、それに逆行するような「米価の下落」である。
毎日新聞によると「10年前は60キロで平均20.000円弱だったが、今年は最も高いコシヒカリでも15.000円を切る。もはや、コメ作りの経費を賄えない水準だ。しかも、打撃は、大規模専業や集落単位でコメ作りに励む中核農家、つまり農業の担い手ほど厳しい。」という。
数年前から、「休耕田」を含む「耕作放棄地」は増え続けている。その総面積は38万ha。東京都の面積の1.5 倍だ。「コスモス畑」も「草ぼうぼう」にしておくよりはましだろうという発想からのことだ。
そして、今年からは「耕作放棄地」がさらに増えそうな事態が、起きている。「米価」の極端な、無策の上に「作られた」下落だ。
「コメ作りはもうおしまいだ」という農家のため息が放棄地を増やしていく。
…しかし、本当に「おしまい」になった時でも、土地という「生産手段」を持って、自らの食料を作るすべを知っている農家は生き残る。生き残ることが出来ないのは、どこの誰だろう。それは「外国から買えば…」と安易に言う人たちである。
☆ 実りの秋、だが米農家は悲嘆にくれる!☆
世を挙げて「物の値段」が上がっている。特に食品と日用品が高くなっている。夏の食用油やマヨネーズ、ティッシュペーパー、コーヒー、魚の缶詰、秋になってパンやハムなど身近な物の値上げが続く。原油、穀物など原材料の国際価格が高くなったのが原因だという。
食品はバイオ燃料需要の拡大でトウモロコシへの転作が進み、小麦や大豆の作付けは世界的に縮小しているので、国際価格の高騰はおさまりそうにないそうだ。
まったくおかしな話しだ。作物から自動車の燃料を作り出すために、人さまが食べる食料が少なくなり、物価高なのだ。地球の経済は「人」よりも「自動車」が大事なのである。
幕末も世界経済の荒波が、日本を襲い、国民生活を苦しめたそうだが、違うのは食料自給率が100%だったことだという。現在、日本における小麦の自給率は14%、大豆にあっては3%に過ぎない。
「大豆」を材料にする「納豆」や「豆腐」などは日本の食文化の「華」である。それを、すべて「外国」に頼る日は近いのだろう。「食」を「外国」に頼るということは、日本人の「文化」と「命」を外国に売り渡すことである。田んぼの畦にまで「大豆」を植えた時もあるのだぞ。
新聞「農民」の10月22日号を見た。真っ先に「米価暴落」「根本原因は政府の米流通責任放棄」という見出しが飛び込む。
…その記事に言う。
米価暴落の要因の一つは、政府備蓄米。政府が自ら決めた100万トン備蓄の計画も守らず、一方、16年産を10.600円という超安値で放出、市場をかく乱。備蓄米は現在、68万トン。政府があと32万トン買い上げれば、需給は締まり、価格はまちがいなく安定するのにだ。この備蓄米買い上げの要求に対して、若林正俊農水相は「備蓄米で買い支えはしない」と冷酷だ。
一方で政府は、毎年77万トンものミニマムアクセス(MA)米を輸入。不人気で売れないために在庫は増え続け、189万トン(06年10月末現在)。保管料だけでも95年から05年までに936億円というばく大な費用がかかっているという。
国産米が過剰といいながら、輸入米を主食に回していることも重大だ。どこを探しても外国産表示の米は見当たらないが「売られて」いる。農民連は「消費者は知らない間に輸入米を口にしていることになる。輸入米であることを表示すべきだ。それができないならせめてMA米名を公表せよ」と要求。
しかし、農水省は「MA米の販売システムヘの信頼が失われる」などの理由にならない理由で公表を拒否。また輸入米の入札をめぐって、農水省職員の不正は後を絶たない。農水省は、40万トンの輸入米を「えさ米」として処理するために800億円費やしたといわれる。
売れない輸入米の処理には巨費をつぎ込みながら、国産米の買い支えには1円も使わないのが政府の姿勢だ。これでは米価が下落するのは当然である。農民殺しの「農水省」。「農家を殺すに毒薬いらず、農水省さえあればいい」ということだ。
さらに、10キロ2500円などで「くず米を混ぜた安売り」が量販店やドラッグストアで横行している。「農産物検査法では1.7mmのふるい目から落ちたものは米ではなく『異物』扱いである。検査法対象外の『異物』が混ぜられ、何の規制もなく売られているのだ。
農水省は日本の農民の方を向いていない。生産者よりも「流通機構」と「アメリカ」をはじめとする外国だけを見ている。いつから、「外務省」になったのだ。
食品や日用品の高騰が続いている中で、それに逆行するような「米価の下落」である。
毎日新聞によると「10年前は60キロで平均20.000円弱だったが、今年は最も高いコシヒカリでも15.000円を切る。もはや、コメ作りの経費を賄えない水準だ。しかも、打撃は、大規模専業や集落単位でコメ作りに励む中核農家、つまり農業の担い手ほど厳しい。」という。
数年前から、「休耕田」を含む「耕作放棄地」は増え続けている。その総面積は38万ha。東京都の面積の1.5 倍だ。「コスモス畑」も「草ぼうぼう」にしておくよりはましだろうという発想からのことだ。
そして、今年からは「耕作放棄地」がさらに増えそうな事態が、起きている。「米価」の極端な、無策の上に「作られた」下落だ。
「コメ作りはもうおしまいだ」という農家のため息が放棄地を増やしていく。
…しかし、本当に「おしまい」になった時でも、土地という「生産手段」を持って、自らの食料を作るすべを知っている農家は生き残る。生き残ることが出来ないのは、どこの誰だろう。それは「外国から買えば…」と安易に言う人たちである。