今朝は報告とお知らせを書きたい。
報告:
岩木山湯段地区にある農村公園「ミズバショウ沼」周辺の刈り払い
今月12日に本会メンバーが蝶の「ゴマシジミ」の保護のために、その生息地であるミズバショウ沼周辺の刈り払いをした。つまり、ゴマシジミの幼虫が食べる「草」である「ワレモコウ(ナガボノシロワレモコウ)」の成長を助けるための刈り払いなのである。
岩木山山麓から「絶滅」した蝶は数だけでなく、その種類も多い。
近年に絶滅したと考えれるのは…
オオルシシジミ、チャマダダラセセリ、オオウラギンヒョウモンである。
また、絶滅しているか、しつつある(急速に減少しているもの)は…
シジミチョウ類のウラミスジシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ゴマシジミ、ウラゴマダラシジミ、オオゴマシジミ、ヒメシロチョウ、スジボソヤマキチョウ、ミヤマカラスジシジミなどである。
岩木山の周囲で恐らく過去30年位の間に、これほど多数の蝶が絶滅にされされている。このような例は恐らく日本国内でもない。それも都会の近くなら考えられるが、田舎の「国定公園内の自然」において見られる現象なのである。つまり、これほどに「彼女」たちの生きていく自然環境が壊されてしまったということである。
その自然生態系を壊してしまう主な理由は、「コナラを中心とする雑木林の伐採」「山麓原野の畑地開墾や施設等建設による原野の減少」「無計画な遊歩道敷設とそれにともなう生態系を無視した整備・刈り払い」などである。百沢と岳温泉の間から「ゴマシジミ」が姿を消した一因となっていることは「遊歩道」周囲の念入りな「刈り払い」であろう。蝶たちの「食草」を残すという「とら刈り」に徹すべきなのだ。
行政が業者に依頼したり、または、地元住民が自主的に「刈り払い」をすることがある。しかし、それは、ただ単純に、その場に生えている草や小木をきれいに「刈り払う」ことで、「自然生態系」に配慮した「刈り払い」ではない。
それは、「見た目」がきれいであること、「すべてを刈り取る」ことが重視され、まるで「庭」の芝生を刈り取る行為や頭髪に喩えると「一厘がり」にすることに似ている。これだと「除草」である。「除草剤」を撒く行為に似ている。
これらは、登山道の刈り払い、遊歩道の刈り払いなどでも見られることである。
本会では、「自然生態系」に配慮した「刈り払い」を主張して、この「ミズバショウ沼」周辺の「刈り払い」を、また、百沢登山道の刈り払いを他の団体と共同で数年前から始めている。
当日の「作業の注意点」は、次のようなことである。
・ゴマシジミの食草である「ワレモコウ」は刈り取らない。・「ワレモコウ」の成長を阻害する「葦・蘆」の類、「イネ科の草」などを中心に刈り取る。・現在、花を着けている「ノハナショウブ」などは刈らない。・これから遅い夏や秋にかけて咲く「ツルニンジン」などは刈らない。
メンバーの一人が「動力刈り払い機」を持参したので、鎌を使った「手刈り」作業よりは効率が良く、例年よりも広い面積の刈り払いが出来た。ただ、残念なのは参加者が「少ない」ということである。来年は「会員」という枠を外して、ボランテアとして「市民」の参加なども計画に入れる必要があるかも知れない。
お知らせ:
NHK弘前ギャラリー企画展「岩木山の花々」写真展が次の日程と内容で開催される。これは、NHK弘前ギャラリーから依頼されたものであり、「ねぶたまつり」期間中に弘前を訪れる観光客に「津軽のよさ」を「発信する」という「狙い」から、津軽の象徴とされる「岩木山」に咲く「花々」を紹介する形で「もてなす」という意図を持っている。
◎NHK弘前ギャラリー企画展「岩木山の花々」写真展◎
撮影者:三浦章男
日時:7月31日から8月10日(午前10時から午後5時まで)
場所:NHK弘前ギャラリー(弘前市下白銀町、市文化センター向かい)
展示内容:展示写真数112枚(A4 70枚・ワイド4ツ切り7枚・6切り35枚)。
岩木山で撮影した花はこれまで470種以上におよぶ。すべて、登りながら歩きながら「手持ちのカメラ」で撮影したものであり、一切「三脚」などは使用していない。その中から「高山帯に咲く花(草本、木本問わず)を中心に、あまり目につかない花、珍しいと思われる花、数の激減している花」などを厳選し、その写真をそろえている。決して、「図鑑的な写真」や「芸術性のある写真」、「撮影技術に優れた写真」でないことを断っておきたい。
(明日は「岩木山のコマクサ調査」について報告する)
報告:
岩木山湯段地区にある農村公園「ミズバショウ沼」周辺の刈り払い
今月12日に本会メンバーが蝶の「ゴマシジミ」の保護のために、その生息地であるミズバショウ沼周辺の刈り払いをした。つまり、ゴマシジミの幼虫が食べる「草」である「ワレモコウ(ナガボノシロワレモコウ)」の成長を助けるための刈り払いなのである。
岩木山山麓から「絶滅」した蝶は数だけでなく、その種類も多い。
近年に絶滅したと考えれるのは…
オオルシシジミ、チャマダダラセセリ、オオウラギンヒョウモンである。
また、絶滅しているか、しつつある(急速に減少しているもの)は…
シジミチョウ類のウラミスジシジミ、ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ、ゴマシジミ、ウラゴマダラシジミ、オオゴマシジミ、ヒメシロチョウ、スジボソヤマキチョウ、ミヤマカラスジシジミなどである。
岩木山の周囲で恐らく過去30年位の間に、これほど多数の蝶が絶滅にされされている。このような例は恐らく日本国内でもない。それも都会の近くなら考えられるが、田舎の「国定公園内の自然」において見られる現象なのである。つまり、これほどに「彼女」たちの生きていく自然環境が壊されてしまったということである。
その自然生態系を壊してしまう主な理由は、「コナラを中心とする雑木林の伐採」「山麓原野の畑地開墾や施設等建設による原野の減少」「無計画な遊歩道敷設とそれにともなう生態系を無視した整備・刈り払い」などである。百沢と岳温泉の間から「ゴマシジミ」が姿を消した一因となっていることは「遊歩道」周囲の念入りな「刈り払い」であろう。蝶たちの「食草」を残すという「とら刈り」に徹すべきなのだ。
行政が業者に依頼したり、または、地元住民が自主的に「刈り払い」をすることがある。しかし、それは、ただ単純に、その場に生えている草や小木をきれいに「刈り払う」ことで、「自然生態系」に配慮した「刈り払い」ではない。
それは、「見た目」がきれいであること、「すべてを刈り取る」ことが重視され、まるで「庭」の芝生を刈り取る行為や頭髪に喩えると「一厘がり」にすることに似ている。これだと「除草」である。「除草剤」を撒く行為に似ている。
これらは、登山道の刈り払い、遊歩道の刈り払いなどでも見られることである。
本会では、「自然生態系」に配慮した「刈り払い」を主張して、この「ミズバショウ沼」周辺の「刈り払い」を、また、百沢登山道の刈り払いを他の団体と共同で数年前から始めている。
当日の「作業の注意点」は、次のようなことである。
・ゴマシジミの食草である「ワレモコウ」は刈り取らない。・「ワレモコウ」の成長を阻害する「葦・蘆」の類、「イネ科の草」などを中心に刈り取る。・現在、花を着けている「ノハナショウブ」などは刈らない。・これから遅い夏や秋にかけて咲く「ツルニンジン」などは刈らない。
メンバーの一人が「動力刈り払い機」を持参したので、鎌を使った「手刈り」作業よりは効率が良く、例年よりも広い面積の刈り払いが出来た。ただ、残念なのは参加者が「少ない」ということである。来年は「会員」という枠を外して、ボランテアとして「市民」の参加なども計画に入れる必要があるかも知れない。
お知らせ:
NHK弘前ギャラリー企画展「岩木山の花々」写真展が次の日程と内容で開催される。これは、NHK弘前ギャラリーから依頼されたものであり、「ねぶたまつり」期間中に弘前を訪れる観光客に「津軽のよさ」を「発信する」という「狙い」から、津軽の象徴とされる「岩木山」に咲く「花々」を紹介する形で「もてなす」という意図を持っている。
◎NHK弘前ギャラリー企画展「岩木山の花々」写真展◎
撮影者:三浦章男
日時:7月31日から8月10日(午前10時から午後5時まで)
場所:NHK弘前ギャラリー(弘前市下白銀町、市文化センター向かい)
展示内容:展示写真数112枚(A4 70枚・ワイド4ツ切り7枚・6切り35枚)。
岩木山で撮影した花はこれまで470種以上におよぶ。すべて、登りながら歩きながら「手持ちのカメラ」で撮影したものであり、一切「三脚」などは使用していない。その中から「高山帯に咲く花(草本、木本問わず)を中心に、あまり目につかない花、珍しいと思われる花、数の激減している花」などを厳選し、その写真をそろえている。決して、「図鑑的な写真」や「芸術性のある写真」、「撮影技術に優れた写真」でないことを断っておきたい。
(明日は「岩木山のコマクサ調査」について報告する)