たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

旅の思い出写真_ルーヴル美術館_アモルの接吻でよみがえるプシュケ

2017年09月24日 18時58分39秒 | パリから世界遺産を訪ねて
 わたし自身のための旅の振り返り、だんだんと記憶が薄れつつある2008年9月のフランスへの旅。ルーヴル美術館でどんな作品に出会ったのだろうかとまたようやく振り返ってみると、ありがたいことに公式サイトで臨場感たっぷりに作品をみることができます。当たり前のように日本語のサイトも用意されています。すごいですね。


http://musee.louvre.fr/oal/psycheJP/indexJP.html


 アクセスすると「ミケランジェロのギャラリー」の光あふれる中に展示されている所から作品をみることができます。思い出しました。ギャラリーに一歩足を踏み入れると、窓からの陽射しがたっぷりとあふれるなかで、大理石の作品が輝くように美しく、まるで命の鼓動が伝わってくるような生命感にあふれていたことを。不思議でした。惹き込まれました。幸せでした。表情豊かなのであちらからもこちらからもみたくて、周囲を二回か三回は回ったと思います。ずうっとそばにいたいような感覚にとらわれました。ガイドさんの声も弾んでいました。時間に限りがあるのが本当に残念でした。

 こんな解像度の低い、へぼい写真しか撮れませんでしたがこうしてネットで鮮やかな映像をみることができるなんてほんとにありがたい時代になりました。こうしてネットでいることができますが、作品の息づかいは飛行機に乗ってはるばるルーヴル美術館まで行かないと味わうことができないことにかわりはありません。かなり無理しましたが行ってよかったです。この世にいる間にまた行きたいな。もう一度会いたいな。


「アントニオ・カノーヴァ(1757年-1822年)
《アモルの接吻で蘇るプシュケ》
大理石 高さ1.55m、幅1.68m、奥行き1.01m

翼をつけた青年が、気を失った乙女が横たわっている岩の上に今降り立ったところです。これはラテン語でクピドとも呼ばれる愛の神アモルです。翼や、矢筒をもっているのことから識別できます。乙女の名はプシュケ、アモルの母である美の女神、ヴィーナスは、プシュケに冥界から瓶を持ち帰り、そしてその瓶を決して開けないようにと厳しく戒めます。

しかし、好奇心旺盛なプシュケは、瓶を開けてしまい、瓶から立ち昇る耐え難い臭気を吸って仮死状態に陥ってしまいます。気絶したまま横たわるプシュケを見たアモルは、プシュケの元に駆けつけ、矢の先でそっと触れて、まだ生きているのを確かめ ます。カノーヴァが捉えたのはまさに、この瞬間で、アモルは愛するプシュケを優しく抱き上げ、彼女の顔に自分の顔を近づけます。プシュケは身をゆっくりと後にそらし、けだるい動作で、恋人の首に手を回します。

カノーヴァは、古代ローマの作家、アプレイウスの『変容』に書かれた伝説をもとにこの像を作りました。そこには、神々が話し合いの結果、アモルとプシュケの結婚に合意し、プシュケに「魂の女神」という地位と永遠の命を与えたと書かれています。 」