人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

理解への理解、軽蔑への理解

2009-03-05 15:39:53 | 恋愛
同業の人と結婚するケースはどの業界でも多いと思います。出会いやすい、業務や辛さが理解してもらえる、仲間も共通だったりする、といろいろ理由はあると思います。

しかし特殊な業界の中では、それ以上に深い共感が生まれるのではないでしょうか。特に、一般の人に軽蔑されたり、不潔と思われたりするものを扱っている場合です。

例えば、彫刻家。裸体が見慣れているから、目の前にいても動揺しないし、直視できるし、普通の人がどう反応するのか忘れてしまっているかもしれません。例えば、医療従事者。血液や臓器、そして排泄物を生理的なものと考えるため何の抵抗もありません。そして、学校の先生。色んな親、色んな子を見ているため、「この人、ヘン。」と思うに至る閾値が高いのかもしれません。

逆に、例えば保険会社の人と商社の人との間では、業種は違いますが、一般人が「うわっ」と不思議がることを普通と思うところが少ないのであまり問題にはならないと思うのです。

価値観は環境に影響されるもの。大人になるにつれて、そういうところを理解できる必要があると思います。最近では「これが俺・私だから」と自分は変えない、相手が合わせてほしい、という人が多いように思えます。

しかし、生き方は変えなくても、物事に対する姿勢は一瞬で変えられます。みんなが面白いと思うことが面白くないと思う人の気持ち、そしてその背景を理解できるでしょうか。そうしようとしているでしょうか。自分がキモいと思うことを普通に処理している、もしくは楽しんでいる人がいたら軽蔑せずに共感できるでしょうか。誰にでもそういう点があるはずですし、子供たちにもそんな柔軟性を持ってほしいと思います。

もちろん、逆に軽蔑の目を持つ人の背景も理解しなければなりません。これは容易にできるはずなのになぜか「違う種類の軽蔑」を抱いている人にはあまり理解を示せないのが人間です。もちろん軽蔑を強めるという意味ではなく、軽蔑する人を軽蔑することも良くないという意味です。

どの業界でも「ニーズが多様化している」と叫ばれていますが、その半分はもともとあったニーズで、珍しくて、または恥ずかしくて、軽蔑されるのが怖くて、表現すらできなかったニーズなのではないかと思います。それに目を付けるのはビジネスの秘訣だけではありません。

それは人の心への扉でもあると、私は考えています。

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (moo)
2009-03-06 21:22:00
バッグの扱い、好みは異性に反映されると聞いたことがあります。私は個性的なバッグが好きです。異性も一般に変人といわれる人に惹かれます。バッグは一度手に入れたら長く大切に使いたい。イベントにも普段にももって行きたい。人の場合は恋人としても魅力的でそれに加え居心地のよさも大切です。だけどもし相手が人生においてイベントを重視しなかったら?もし自分のイベントを重視する部分を相手の価値観に合わせられなかったらせっかく手に入れたのに長く大切につかうことは難しいでしょう。だとしたら時には軽蔑することも大切かと思います。自分のイベント大切度が2だとすると相手はマイナス2かもしれない。それを0に近付けることができたらお互いの間に本物の何かが育っていることでしょう。
返信する

コメントを投稿