人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

マーケティングの観点から考える恋愛論

2006-01-23 01:42:27 | 恋愛
Sell the sizzle and not the steak.

マーケティングの人なら聞いたことがあるフレーズだと思います。レストランがステーキを売りたければ、肉そのものではなくステーキが焼ける熱く美味しそうな音(=sizzle)を売る(=アピールする)ということです。

人が何かを買う理由は、その物の所有者となりたいからであるケースは稀です。自動車でなく利便性や爽快感を買う。保険ではなく安心感を買う。本ではなく知識や世界観、夢や冒険を買う。カメラではなく思い出を買う。

では恋愛は?

人が恋愛を求める理由は十人十色なのでしょうが、似た理論が当てはまるのではないかと思います。たとえば、「可愛いから好き」というのは間違いではないのでしょうが、それより「そんな可愛い人と一緒に過ごせる時間が好き」「そんな可愛い人と一緒にいるのを見られるのが好き」「そんな可愛い人が一緒にいたいと思ってくれる、と思えるのが好き」などと掘り下げていくと個人的な、あまり言葉に表したことがない理由が出てくるかもしれません。

上記の例は、相手からすれば一見「納得いかない」理由かもしれませんが、決して悪いことではないと思うのです。人の動機は過去の経験や置かれる環境に影響されるものであり、他人に言いふらさないにしても自分が自分であることのひとつの要素です。そういう魂胆があったとしても、恥ずかしがる必要はないと思います。

むしろ、それを誤魔化して後付けの理由などを用意したりしてしまうから、離婚率が上昇したりするのではないでしょうか。

マーケティングの観点といっても、「顔ではなくそのような願望を満たすように相手にアプローチせよ」ということを言いたいのではありません。そんなことでは短期的に付き合いができたとしても、すぐ冷めちゃったり、自分の中の整合性が保てずストレスが溜まったりするでしょう。

逆に、自分が自動車でなく爽快感を求めていることを理解することが大事だと思うのです。買い手、すなわちマーケティングを受ける側の視点から考えるということです。

「落ち着いてて笑顔が優しい人」が「タイプ」だとしたら、それは実際何を求めているのでしょうか。日頃のストレスから逃れる癒しでしょうか?怒られないという安心感でしょうか?一緒に仲良く子育てをすることでしょうか?求めている本質を理解することで、「タイプ」などという曖昧な概念に頼るより、ひとりの人間として求めている恋愛の形が見えてくるのではないでしょうか。

あなたの恋愛の「sizzle」は何でしょう?

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