妄想による愉快な国際時事ネタ解釈
四生の盲者日記
首相の訪印―価値観外交のすれ違い(和文、朝日社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial20070824.html#syasetu1
温暖化対策の話をしていたと思ったら、核へと話が飛び、嫌いな核で興奮したのか国家間であるにもかかわらず「友人としての役割」
などと口走る始末、なのは朝日社説のお約束なのでいいのだが。
唐突に次の一文が入る。
そもそも安倍首相の価値観外交は、中国包囲という色彩を帯びている。
03年度以降、インドは中国に代わって円借款の最大の受け取り国になった。価値観外交の展開に伴って、援助額はさらに膨らんだ。
この文に逆接して、しかし日本にとってインドより中国が重要だ、なぜなら在留邦人数が中国が10万人以上なのに対しインドは2000人ほどだからだ、と脱力しそうな文章を展開する。
インドについては「価値観を共にする相手であっても、国益の違いを乗り越えるのは容易でない」と書いておきながら、価値観の違う中国については国益のコの字もでてこないのはなぜだ?とか、朝日は「アジア重視」を強調していたと思ったが、同じアジアの国なのに在留邦人数によって差別する神経はどうしているのだろう?などという突っ込みは野暮というもの。
朝日にとって昔も今も「支那には四億の民がいる」以外の発想はない。
しかもこの安部首相の演説を「中国包囲」だと主張しているのは、中国当局以外に知らない。
ソース:安倍の「大アジア」は時代の潮流に矛盾する(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-08/24/content_6595510.htm
この記事は、「大アジア」から中国は外すのはけしからんという、かなり感情的な記事だが、その中に次の一文が出てくる。
抄訳:
日本のマスコミを含め世界中のマスコミは、安部の「大アジア」計画を重要視せず、報道していない、あまりにも幼稚で、かつ笑える為だ。
温家宝の国会演説を「幼稚で、笑える内容」と日本の新聞が書いたら、どのような反応が返ってくるか興味があるが、ポイントはそこではない。理由はどうあれ、「拡大アジア」そのものについて、日本を含めた世界のマスコミは取り上げていない、と書いてしまっている。
つまり新華社によれば、「大アジア」を中国包囲としているのは「日本を含めた世界中のマスコミ」ではなく、それを記事にしている新華社しかなくなってしまう。
新華社の国営通信社とは思えない、まるで小学生の口ケンカのような次元の低い表現といい、朝日のいつになくストレートな社説といい、「拡大アジア」演説には中国も嫌がっているようだ。
国民性などにも言及できそうだが、ここでは「政府には是非四カ国同盟を進めてもらいたい」というに止めておく。
朝日社説について、最後の一文(これが結論という訳でないのがこの新聞社の社説のややこしいところなのだが)については珍しく同意。
>価値観を声高に唱えるような一本調子の外交は考え直した方がいい。
全くそのとおりで、価値観以上に自国の国益を重視すべき。
もちろん他国の国益などとんでもない、そういう人間は売国奴というのだ。