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認めたくないFITの憂うべき現状

経済評論家の三橋貴明さんですが、詳細なデータ分析を武器に、物怖じせず一般常識に切り込む経済解説は、これまで私も大いに学ばせていただきました。

 外部リンク:「新世紀のビッグブラザーへ」(三橋貴明さんのブログ)

しかし、本日送られてきた三橋氏のニュースレターには大きな錯誤があると思われたので、憚りながらその点を指摘しておきたいと思います。


三橋氏の解説の元ネタとなったのは、次の日本経済新聞の記事です。



引用元:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO60524370V00C22A5TB0000/


これに対して三橋氏は冒頭次の様に述べています。

緊縮派にせよ、構造改革派にせよ、 おぞましいのは、「省内での出世のため(財務官僚)」「財務省関連の審議会の委員になるため(御用学者)」「カネ、カネ、カネ(レントシーカー)」 と、個人的な目的のために社会の安定、国民の豊かさをぶち壊し、「ツケ」を後世に押し付け、一切の責任を取らないことです。

 典型が、FIT(再生可能エネルギー固定価格買い取り制度)の導入。

 市場競争を無視し、メガソーラ(太陽光パネル)で発電した電気を電力会社に「固定価格」で買い取らせ、負担は再エネ賦課金として消費者に押し付ける。

 電力サービスを不安定化させ、我々の先祖が大事に残してくれた自然や景観をぶち壊し、かつ外資の参入も自由。

 日本の電力サービスの需要、安定、および自然環境を、「メガソーラに投資可能な誰か」 に切り売りするのがFITなのです。

ここまでは、私もその通りだと思いますし、特に異論はありません。しかし、次の辺りから何か大きな勘違いが見られるのです。

 何度か解説しましたが、電力サービスは需要と供給を一致させなければなりません。電気が足りないのはもちろん、余るのも困るのです。

 特に、気候が良く、工場が停まるGW期は、メガソーラの電気が「余る」という問題が生じます。

 地域的な問題もありまして、電力需要がそれほど大きくない四国、九州、北海道、中国地方などは、特にメガソーラの電気が余ってしまう。

「ならば、四国などで発電された電気を、東京電力などに送れば良い」 と、思われたかも知れませんが、電力会社同士を結ぶ連系線は未整備のままです。


電力が需要と供給の関係であることはまあ良いでしょう。過給電状態は時に架線の発火など重大事故につながることもありますから。

しかし、三橋氏の大きな認識不足とは、その需給関係を「電力プール」というガスや水と同じように扱っていることなのです。一般家庭電気は交流波でありそれらの様に単純に足し合わせすることがそもそもできないのです。

位相(いそう)

例えば 同じ振幅30の交流波でも、30(phase:0)+30(phase:π)を足し合わせるとその最大振幅は0(キャンセル)となってしまうのです。ここでphaseとは位相のことで、この位相合わせがそもそも至難の技なのです。送電線の設計距離を1mm間違っても位相はズレてしまいますし、コンデンサーやコイルなどを通過すればそれだけで位相は±0.5πズレてしまうのです。これを全国の発電所で一斉に合わせることが本当に可能なのか少し考えてみれば分かることでしょう。



また、仮に全国一斉に位相合わせができたとしても、その最大振幅は[30 ×発電機数]となり、その振幅に耐えうる送電線がこの世に実在するとはとても考えられません。

実際に、経済産業省・電力会社は交流送電にとって大事なこの位相についてはまるで触れようせず、発電量の単純加算(電力プール)を以って電力の過不足を説明することに終始しているのです。


電力の需給関係とは、一つの発電源とそこにだけ繋がれている送電網・受電網と間に成立するものであって、全国を一色単に一つの「電力プール」と捉えることは物理的に不可能なのです。

ですから、よく「電力融通」という言葉で語られる「電力会社同士を結ぶ連系線」などを議論しても全く意味がないのです。

 関連記事:電力融通という欺瞞

三橋氏は更にこう続けます


 そして、送電線の容量を現在の約二倍に増やすには、3兆8千億から4兆8千億円の投資が必要と考えられています。12兆円強の特別定額給付金を配った実績がある日本「政府」にしてみれば、大した金額ではありませんが、そうは問屋が卸しません。


「FIT強化税」などと、頭がおかしいことを言い出すのが、現在の日本政府であり、財務省です。「日本の電力サービスを不安定化させ、投資家を儲けさせるために、国民に負担を求める」 というわけですな(笑)。


 そもそも、FIT導入のせいで送電網の強化が必要になった以上、負担するべきはFIT業者です。とはいえ、「カネ、カネ、カネ」のレントシーカーたちは、負担を何としても国民に押し付けようとするでしょう。


 しかも情けないことに、送電網を強化し、FITの拡大が進めば進むほど、日本の電力サービスは不安定化していきます。

 いったい何をやっているんだ、と、思わない方がおかしいでしょう。

 そして、FITを導入した政治家、官僚、事業主たちは、「不安定な電力サービス」というツケを将来世代に押し付け、一切、責任を取らないまま、この世を去ることになるでしょう。

 FIT導入を主導した民主党の菅直人(当時)、自民党の塩崎恭久らは、糾弾されることもなく、政界を引退し、人生を終えることになります。
(塩崎恭久はすでに政界を退きました)


 このおぞましき現実を、国民が共有しなければなりません。


 送電網強化の前にやることは、日本国民に害しかないFITを廃止することです。


政府や電力会社が説明に使う「電力プール」理論を根拠に需給を議論すること自体が無意味な議論、というかそもそも原理的に不可能な嘘で固められた理屈ですから、三橋氏の言うように、

 (FITは)日本の電力サービスを不安定化させ、投資家を儲けさせるために、国民に負担を求める

という文言は、氏の意図とはかなりズレていますが、全くその通りなのです。

私としては、国民への詐欺と搾取でしかないFITはただちに廃止するだけでなく、詐欺によって得た不当な利益の国民への返還、及びこれに関わった電力各社の責任者、及び経済産業省の責任者を法的に逮捕拘束し、電力詐欺の組織的構造を露わにするのが本筋であると考えます。

何故このような事が言えるのか、それは(新)(真)ブログの電力関連記事をお読みになられればお分かりになるでしょう。

太陽が雲に隠れようが、風が止んでしまおうが、あなたのお住まいの近くにある担当発電機は今日もせっせと電力を供給し続けている。東北で発電機が止まろうがそれで東京が影響を受けることはない。それが日本、そして世界の主要な電力供給の実態なのです。

そして、それが時々事故を起こし前回記事「早速のご挨拶ありがとうございます」で取り上げた企業のように、時にはその専用発電施設が重大事故を起こし、有毒物質を周辺に撒き散らすような事態が発生するのです。

電力エネルギーの供給実態が本当はどういうものであるのか、作り物の感染爆発や世界紛争に興じる前に、私たちもそろそろ真剣に真実を知る時、知らねばならぬ時が来たのではないでしょうか。

それは、現在のように吹き出しそうな茶番がこれでもかと次から次へと繰り返される現状を見れば明らかです。その恥も外聞もかなぐり捨てたメディア演出の裏には、何かのっぴきならない事情があり、それが差し迫っているからだと考えるべきです。

その事情とは、ウクライナにおける核攻撃の危機や気候変動、小惑星の地球衝突などではありません。おそらくは、今や捨て場所のなくなった危険な発電燃料の廃棄物で世界が充満しつつある、その一点ではないかと予想されるのです。


FAVUS ENIM STILLANS LABIA MERETRICIS ET NITIDIUS OLEO GUTTUR EIUS NOVISSIMA AUTEM ILLIUS AMARA QUASI ABSINTHIUM ET ACUTA QUASI GLADIUS BICEPS
よその女の唇は蜜を滴らせ
その口は油よりも滑らかだ。
だがやがて、苦よもぎよりも苦くなり
両刃の剣のように鋭くなる。
(箴言 第5章3,4節)
※苦よもぎ=チェルノブイリ(Чорнобиль:ロシア語)


キリストの御国にて記す
管理人 日月土
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