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認めたくない福島の憂うべき現状

福島の原発事故から1年、フィリピンに避難し日本の状況を見守ってきました。「事故収束宣言」など、正確な情報を出すはずのない政府報道は元より当てにしておりませんが、市民団体などから独自調査による土壌汚染データも出されており、日本の関東・東北地方が広域にわたり核汚染されているのは、もはや間違いのない現実と受け止めています。

一般報道やネット情報の他にも、私の個人的な関係者から独自の原発事故情報も得ています。そちらから、最近になって福島の現状について更に憂うべき情報が入ってきました。情報元は公的な研究機関(詳細は秘匿させていただきます)の研究者、一応、同一内容を別の知人からも聞いていますが、情報ソースが同じ可能性もあるので、必ずしも裏取りできているとは断定できません。日本での報道内容とも大きく異なることもあるので、今回の記事の内容はあくまでも"噂"の範疇を超えたものでないことを予めお断りしておきます。

■地下800メートルまで沈み込んだ2号機の核燃料

メルトスルーのプロセスを物理化学的に予測できる知識をお持ちの方ならば、2号機の核燃料が、すでに地下800メートルに達していると聞いても別段驚くことはないでしょう。「2号機内部の様子はほとんどわかっていない」というのが、一般報道やネット情報の世界での定説ですが、東電、政府研究機関は核燃料が既に地下800メートル付近まで沈降していることを確認しています。

この沈み込んだ核燃料をどのように処理するかという難題について、東京大学内の対策チームが音頭をとって、全国に分散する複数の国公立系の研究機関に研究依頼を行ったのが、この情報の出所です。もっとも、大深度地下に潜り込んだ核燃料を処置することなど、人類未踏の領域であり、今のところ、これといった具体策は提示されていないと聞いています。というより、この状況はもやは人知の及ぶ範囲を超えたと言ってよく、簡単に言えば、もう手がつけられない状況と認めなければなりません。


■地下水脈との接触はどうなったか

事故当初は、「メルトスルーした燃料が地下水脈と接触すれば大水蒸気爆発がおきる」と喧伝されましたが、実際はどうだったのでしょうか?地圧の高い大深度地下内で起こることですから、地上での爆発イメージはあまり役にたちません。実際には、その爆発力が地下水脈を押し出す大圧力となり、地下水脈を逆流させているようなのです。そういえば、ライブカメラにおいても、福島第一原発の敷地から水蒸気が舞い上がるシーンが昨年何度も見られました。もしかしたら、地表に近い地下水脈にはその時点で接触し、高圧力の水蒸気が地表にまで昇ってきたのかもしれません。

核燃料によって汚染された地下水が海洋に注ぎ込み続けているのは由々しき問題なのですが、さらに問題を深刻化させているのが、逆流した汚染地下水が水源地点を通過して、他の地下水脈に流れ込んでいることです。現在、政府の対策チームは地下に潜り込んだ燃料をどうするかよりも、汚染地下水の逆流をどうやって食い止めるか、その対策に精一杯だと言います。

私の別の情報では、昨年の夏頃の段階で東京都内地下水が汚染されているというものがありましたが、地下水脈系の違いもあり、福島で起きている状況が直接地下水を汚染したとは考えていませんでした。しかし、水蒸気圧力による地下水脈の広域汚染の可能性を考えたとき、その可能性もあり得ると見なければなりません。厳密な議論には関東・東北圏の詳細な地下水脈系図が必要ですが、仮に東京にまで福島の汚染地下水が遡上しているならば、関東全圏はもちろん、比較的汚染が少なかったと言われる福島の山向こう、山形、新潟にも地下水汚染が広がっていると考えなければなりません。

研究者はこう言います、「関東の方は、ためしに水道水を調べてみてください。興味深い事実がわかるでしょう」と。


■4号機の燃料は地下500メートルまで沈降

一昨日の3月18日、NHKの衛星放送を見ていたら、「濁った水に満たされた4号機炉内の映像」が映し出され、同時に、「4号機内の冷却プールに残された1545本の使用済み燃料の取り出し作業も、近いうちに開始されるだろう」と放送されていました。


写真1:震災後の福島第一原発4号炉建屋
    本当にプールに燃料は残っているのか?

この報道内容も私が入手した情報とは大きく異なります。研究者の情報では、冷却プール内の燃料は全て脱落、地下500メートル付近までメルトスルーしているというものです。更に、この問題に対処している研究者間で問題になっている事実として、実際に冷却プールに保管されていた燃料が、公表されている量よりもはるかに多いこと、プールの冷却能力を大幅に超える量であり、一瞬でも冷却装置を止めれば、即座にメルトダウンが始まるほど、大量の燃料を抱え込んでいたというものです。

そして研究者たちは次のような疑念を抱いたといいます。この大量の燃料の数は、もはや発電目的とは考えられないと。


 * * *


福島第一発電所が実は日本の核兵器プラントだったのではないか?というのは私の仮説ですが、もしも、この研究者の話が事実ならば、この仮説を裏打ちする重要情報となります。しかし、それでも窒素ガス封入を拒否した初動の対処に疑念は残ります。おそらくここには核兵器プラント以上の特殊設備があったに違いありません。

メルトスルーによりその特殊設備もおそらく壊滅的な損害を受けたでしょう。前回話題にしたフィリピン人をはじめとする外国人労働者の投入は、おそらく誰にも見られたくない、知られたくないそれら設備の撤去に借り出されたものと推察されます。

福島の事故により、過去も、現在も、そして未来にも多くの人民が苦しむだろうことは自明の理です。多くの日本国民、そして外国人の健康と命を犠牲にしてまで守りたいもの、そんなものが果たしてあったのでしょうか?その特殊設備の真の目的がいかに崇高な国策であったとしても、それが導いた結果は、第2次世界大戦の敗北よりも更にみじめな人心の敗北なのです。



トノヲシヱ


南の島フィリピンより
管理者 日月土
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