この本は事件である。日本政府の中枢にいた者による本が出版されるのは、通常その人の晩年に回顧録としてか、政権を追われた後に手記として書かれるくらいだろう。それが「小泉劇場」とも呼ばれたこの熱気に満ちた5年半に総理の側近であり、政策参謀であった本人の手によって書かれることは本当に事件である。考えてみれば、竹中平蔵氏が閣僚になって5年半で経済再生の結果が出ると誰が想像しただろうか。あのシュンペーターも大蔵大臣になったが、結果が出せずに1年足らずで辞任したのだ。学者と政治家は働く場所が違うと誰もが思う。それなのに竹中氏は不良債権処理と金融システム改革、郵政民営化などこの10年来誰もできなかった難題を小泉総理とともに次々と解決した。この本はどうしてそれらが実現できたのか、その政策立案から合意形成、法案作成までの過程が政治家や官僚との緊張感に満ちた日々の記録として書かれている。今後、この本は政治学、経済学などの研究対象として重要視されるだろう。
日本国民として、日々のニュースや株価の動きで政府の政策を間違っているとか正しいんじゃないかとか思うことがあるが、この本をよんで中長期的な判断が必要だとあらためて思った。
読み出したら止められなくて、344ページもある本なのに一気に読んだ。それほどすごい本である。
日本国民として、日々のニュースや株価の動きで政府の政策を間違っているとか正しいんじゃないかとか思うことがあるが、この本をよんで中長期的な判断が必要だとあらためて思った。
読み出したら止められなくて、344ページもある本なのに一気に読んだ。それほどすごい本である。