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●「閉じない環」破綻した核燃サイクル…《1993年から26回の延期…核燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻」》が露わ

2024年03月24日 00時00分52秒 | Weblog

[※ 「3.11から12年 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(2024年03月11日[月])
再稼働したいそうだ、バカとしか思えない…《核燃料サイクルという夢が実現できぬ中、当初想定されていなかった原発構内での核燃料の長期保管が常態化している》。
 電力各社は「乾式貯蔵施設」の計画を進めているようだが、ここでも、湯水のようにカネが注ぎ込まれ、電力料金が跳ね上がっていくことでしょう。さっさと廃炉作業を進めて、損切りすることしか手はないと思うのだが、核発電「麻薬」中毒者どもは、湯水のようにお金を垂れ流すこと、「原発マネー」に蝟集・集ることが目的化。

 《使用済み核燃料は各原発のプールにたまり続け…。プールが満杯になると、核燃料の交換ができず原発は動かせなくなる》。まずは、核発電を止めてからの話。マンションを建てる前に、トイレの場所や処理の方法、〝処理水〟の放流先を決めときなさいよ。余剰汚泥という〝廃棄物〟も出てきます。(東京新聞社説)《政府の姿勢は無責任というほかない返すあてもないのに借金を重ねるようなものだ》。だから、なんで自公お維コミに投票してしまうのか、という話でもある。
 まずは、核発電を止め、1 mgでも廃棄物の発生を抑制すべき。(東京新聞)《使用済み核燃料は各原発のプールにたまり続け、2023年3月時点で原発を保有する電力10社のプール容量の74%が埋まっているプールが満杯になると、核燃料の交換ができず原発は動かせなくなる》まずは核発電を止め、廃炉作業に着手。議論はそれから。キシダメ政権は「原発復権」「原発回帰」?? 福島を「原状回復」して見せてからのお話でしょ? 元の姿に戻して見せて下さい。

   『●破綻した核燃サイクル、中間貯蔵施設は最終処分場と化す…使用済み核燃料
     プールの現状は? どこを最終処分場にするかの議論の前にやることは?
   『●トイレなきマンション問題を放置し、「原発復権」「原発回帰」する
     キシダメ政権…早晩、核燃料の交換ができず核発電は動かせなくなる
   『●マンションからたれ流しにしておいて、トイレをどうするのかとか、放
     先どこにするのかなんてナンセンス…しかも、《被爆地の長崎》で…
    「「防人の島」の《町民の皆さんがその道を選んだ》のですか?
     足抜けできるのか? NUMOにからめとられて、泥沼に足を
     突っ込み、抜け出られなくなるのではないか。しかも、被爆地の
     ナガサキで。《改めて誘致が浮上した背景には「深刻化する人口減少、
     最近までの日韓関係の悪化、観光需要の落ち込み」があるという》
     …意味が分からない? そんな理由で死の灰を受け入れるの?」

   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●山口県上関町…《さんざん町民を分断してきた挙げ句に郷土を核のゴミ
     捨て場…正真正銘の原発の墓場にするという動きに反発が高まっている》
   『●《「まるで反社以下の関電」…今も経済産業省と岸田政権に守られてぬく
      ぬくと生き延びている》《関電と経産省、岸田総理は「亡国トリオ」》

 さて、「閉じない環」、破綻した核燃サイクル。核燃料サイクルという「環」は閉じたのか? 「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」。《原発の再稼働や新増設を進めた場合、運転すればかならず発生する使用済み核燃料の行き場をどうするのか、またその防護をどうするのか》? 「閉じない環」である第1の「環」を継続し、プルトニウムを取り出す六ヶ所村の再処理工場の稼働を目指すことを続けるそうだ。恐ろしいリスクを抱えつつ、瀕死の「ホワイト・エレファント」にエサを与え続け、エサ代を支払い続けるつもり。「もんじゅ」という悪夢に目覚めるのにこれだけの月日を費やし、誰も責任をとらず…、「第1の閉じない環」の悪夢からいつ目ざめるのだろうか? あまりに愚かすぎる。
 小野沢健太記者による、東京新聞の記事【青森・六ケ所村の核燃料再処理工場、27回目の完成延期が確実 「サイクル政策」破綻で各原発内長期保管が常態化】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/314183)によると、《原発から出る使用済み核燃料再処理工場青森県六ケ所村)は、27回目の完成延期が確実となっている。原子力規制委員会の審査が進まず、「2024年度上期(9月まで)のできるだけ早い時期」とする原燃の目標は達成が困難な状況。使用済み核燃料の受け入れの見通しが立たず、各原発では敷地内に新たな保管場所を確保する動きが相次ぐ。(小野沢健太)》。

   『●リラッキングとオンカロ
   『●原発再稼働と「軍産複合体国家・米国の商売」と
      「原発は『プルトニウムをつくる装置』」と「閉じない環」

   『●予想に反して「もんじゅ」廃炉へ、一方、
      「閉じない環」核燃料サイクルは維持するという無茶苦茶

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/314183

青森・六ケ所村の核燃料再処理工場、27回目の完成延期が確実 「サイクル政策」破綻で各原発内長期保管が常態化
2024年3月10日 06時00分

 原発から出る使用済み核燃料再処理工場青森県六ケ所村)は、27回目の完成延期が確実となっている。原子力規制委員会の審査が進まず、「2024年度上期(9月まで)のできるだけ早い時期」とする原燃の目標は達成が困難な状況。使用済み核燃料の受け入れの見通しが立たず、各原発では敷地内に新たな保管場所を確保する動きが相次ぐ。(小野沢健太


◆当初の完成予定は1993年、説明できない原燃

 「今まで何をやってきたのか」。2月29日の規制委の審査会合で、事務局の原子力規制庁の担当者はあきれた。原燃は一部の項目で説明の準備が間に合わず、具体的な議論ができなかった。関西電力出身の原燃の决得(けっとく)恭弘執行役員は「はっきり言って『自分ごと』になっていない。遅ればせながら、そう感じている」と、基本的な意識の問題をさらけ出した。

     (日本原燃の使用済み核燃料再処理工場
      =青森県六ケ所村で(2013年撮影))

 再処理工場の稼働の条件となる設備設計や工事計画の審査は申請から3年が過ぎたものの、終わりが全く見えない。東京電力出身の原燃の増田尚宏社長は、完成時期の目安を今年6月としていたが、1月にこれを撤回。9月までの目標は維持したものの、3月5日の記者会見で「大変厳しくなっている」と述べ、審査対応での能力不足は深刻だ。

 再処理工場当初の完成予定の1993年から26回の延期を繰り返してきた。政府が推進する核燃料サイクル政策は要の再処理工場の稼働が見通せず、「破綻をあらわにしている

 核燃料サイクル 原発の使用済み核燃料から再処理という化学処理でプルトニウムやウランを取り出し、混合酸化物MOX)燃料に加工して原発や高速増殖炉で再利用する仕組みで、日本政府の原子力政策の柱。高速増殖炉は使った以上のプルトニウムを生み出す夢の計画だが、原型炉もんじゅ(福井県)の廃炉で頓挫した。放射性廃棄物の有害度を下げる高速炉の開発に転換したが、実用化のめどは立っていない


◆各原発内で保管施設新設が相次ぐ

 各電力会社は使用済み核燃料を再処理工場に搬出できず、急場しのぎの対応に追われている。使用済み核燃料を保管する原子炉建屋内の貯蔵プールが満杯になると、原発を運転できなくなるためだ。

 東北電力は2月、女川原発(宮城県)の敷地内に新たな保管先とする「乾式貯蔵施設」を設けると発表した。乾式貯蔵施設は、プールで十分に冷やされた核燃料を金属製の容器に密封し、空冷保管する。水がなくなれば重大事故になりかねないプール保管よりも、リスクが低い。

 東北電によると、今年9月に再稼働予定の2号機のプールは貯蔵率75%で、運転再開から4年ほどで満杯になる。乾式貯蔵施設を28年に稼働させるという余裕のない計画を示した。


◆稼働中の原発は綱渡りの状態

 稼働中の原発は、保管場所の逼迫(ひっぱく)がさらに深刻だ。関電の美浜高浜大飯(いずれも福井県)の3原発のプールは昨年末時点で85%が埋まり4~6年ほどで満杯になる

 関電は福井県に対し、県外に使用済み核燃料の中間貯蔵施設を確保すると約束したが、自前で用意できず、中国電力が新設を計画中の上関原発(山口県)で共同開発する方針。ただ、地盤調査をして建設が可能かを調べている段階で、稼働時期や貯蔵量は未定だ。

 関電は2月、3原発の敷地内に乾式貯蔵施設を設ける計画を発表。27~30年ごろの完成を目指すも、綱渡りの状態を露呈した。

 原発内の乾式貯蔵施設は他に、日本原子力発電東海第2(茨城県)で運用され、中部電力浜岡(静岡県)、四国電力伊方(愛媛県)、九州電力玄海(佐賀県)でも計画。核燃料サイクルという夢が実現できぬ中、当初想定されていなかった原発構内での核燃料の長期保管が常態化している。


【関連記事】どうする?使用済み核燃料の保管場所 満杯になれば原発は動かせない…それなのに対策は後手に
【関連記事】河野太郎氏も警鐘を鳴らした使用済み燃料プールの危険性とは 原発への攻撃はウクライナ侵攻で現実化
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コメント
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●《(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させていただきたい》…足抜けできるのか? NUMOにからめとられて…

2021年11月12日 00時00分40秒 | Weblog

(2021年11月7日[日])
伊沢健司記者による、アサヒコムの記事【「冷静に議論を」「力及ばず」 「核のごみ」で割れた町の選挙結果は】(https://digital.asahi.com/articles/ASPBW01NZPBTIIPE007.html?iref=pc_ss_date_article)。

 《町長選はこれまで4回連続無投票で、選挙戦となるのは20年ぶりだった。当日有権者数は2448人、投票率は84・07%。当選を果たした片岡氏は支持者らを前に、「核のごみの案件は厳しいと改めて感じた。賛成反対は別に、(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させていただきたい。寿都町で冷静に議論が進むことを望む」と述べた。越前谷氏は「力が及ばなかった。私の責任だ。町民の皆さんがその道を選んだから仕方が無いが、寿都の将来、未来を考えると私の心はなんともいえない」と語った。片岡氏が昨年8月に文献調査への応募検討を明らかにして以降、町民、町議会、地元の産業団体は、賛否をめぐって二つに割れた。今回の町長選は町民が文献調査についての意思を示す初めての機会だった。片岡氏の当選で、来秋までの2年間の文献調査が続くことが確実になった》。

   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
    《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道
     寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まって
     いる巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか》
    《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に
     突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は
     地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか》。

   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●【NNNドキュメント‛20/核のごみは問いかける 「尊重」の先には…】
        …空虚な《地域振興》なことは立候補しなくたって《学》べます

 《町民の皆さんがその道を選んだ》…なんでそうなるのだろうか??

   『●《理性と良識》で判断…核発電は《「被害が大きくて」かつ「事故発生
     確率も高い」という2つが揃ったパーフェクトな危険》(樋口英明さん)
   『●古賀茂明さん《国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに
     止めるのは簡単だ》…裁判で勝つために ――― 樋口英明理論の浸透を

 古賀茂明さん《四つ目は核のゴミだ。原発のゴミも適切に処分できるんですよね、と社長に聞く。社長が頷いたら、「では、1カ月以内に最終処分までの計画を出してください」と言う。それは無理だというだろうから、では1年待つと言って、議論を終わる。 これで、全ての原発は動かなくなり、廃炉するしかなくなる。 国民の前で、ちゃんと議論すれば、止めろと言わずに止めるのは簡単だ。新政権には、是非そうした議論をして欲しい》。

 空虚な《地域振興》ではないのか? トイレなきマンションの、まずはトイレからの垂れ流しを止めてからの議論開始ではないのか?
 同紙の記事【「核のごみ」調査推進派の現職・片岡氏が6選 北海道寿都町長選】(https://www.asahi.com/articles/ASPBV752HPBVIIPE008.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場の選定に向けた全国初の「文献調査」が進む北海道寿都(すっつ)町の町長選が26日、投開票され、調査を推進する現職の片岡春雄氏(72)が、調査反対派の新顔で前町議の越前谷由樹氏(70)を破り、6選を果たした。確定得票は片岡氏が1135票、越前谷氏が900票だった》。

 それにしても、足抜けできるのかねぇ…NUMOにからめとられて、底なし沼に引きずり込まれるのでは?
 投票しない、または、自公お維に投票してしまうと… ➙ 空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)。
 同紙の記事【「核のごみ」北海道での処分場設置は? 衆院候補道内32人の賛否は】(https://www.asahi.com/articles/ASPBT73Q1PBTIIPE002.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《31日に投開票される衆院選で道内12選挙区に立候補した32人に対し朝日新聞が実施したアンケートでは、「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)をめぐる問題についても質問した。原子力政策への見解とともに、最終処分場の「道内での設置の賛否」について聞くと、「反対」が18人、「どちらでもない」が14人、「賛成」がゼロだった》。

 さらに、同紙の記事【寿都町とNUMOの新たな勉強会初会合 町民17人応募】(https://www.asahi.com/articles/ASPBF74HBPBFIIPE012.html?iref=pc_ss_date_article)によると、《「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査が進む北海道寿都町で、新たな勉強会が始まった。町と原子力発電環境整備機構NUMO)が参加者を募ったところ30~90代の町民17人が応募した。扱うテーマは自由だが、参加者からは最終処分について知りたいとの要望が相次いだ》。

   『●「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の
      嘆きが胸に突き刺さ」らないとは…吉岡茂之裁判長

 再び「「過ちは繰り返しません」。広島の、福島の嘆きが胸に突き刺さ」らないとは(2017.03.30)…吉岡茂之裁判長。《ヒロシマやフクシマの不安と嘆きを置き去りに、誰のため、何のために、今再稼働を急ぐのか》?
 東京新聞の記事【伊方原発3号機の運転容認 広島地裁が被爆者ら7人が運転禁止を求めた仮処分申し立てを却下】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/140881)によると、《四国電力伊方原発3号機(愛媛県)の運転禁止を求め、被爆者の女性を含む広島、愛媛両県の住民7人が申し立てた仮処分について、広島地裁(吉岡茂之裁判長)は4日、申し立てを退け、運転を容認した。伊方3号機は2019年12月の定期検査以降、停止中。20年1月に山口県内の住民が申し立てた仮処分の即時抗告審で、広島高裁が運転禁止を命じた。この命令は、21年3月の異議審で同高裁が取り消し、運転を容認した。四国電力は10月中の再稼働を目指していたが、職員の保安規定違反が発覚し、再稼働の時期を未定に変更した。今後、地元自治体の理解を得て再稼働する予定。(小川慎一)》。

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https://digital.asahi.com/articles/ASPBW01NZPBTIIPE007.html?iref=pc_ss_date_article

「冷静に議論を」「力及ばず」 「核のごみ」で割れた町の選挙結果は
伊沢健司
2021年10月27日 12時00分

     (当選確実の報道を受け、支援者らと万歳をする片岡春雄氏
      =2021年10月26日午後10時9分、
      北海道寿都町、日吉健吾撮影)

 「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場の選定に向けた全国初の文献調査を継続するか、中止するか――。国策をめぐる賛否が最大の争点となった北海道寿都町長選が26日投開票され、調査を推し進めた現職の片岡春雄氏(72)が、調査中止を掲げた新顔で前町議の越前谷由樹氏(70)を破り、6選を果たした。

 国内の原発が動き始めてから半世紀以上経つなか、人口約2900人の漁業のまちで、初めて動き出した最終処分場の選定プロセス。トップが下した「政治的判断」に、町民の賛否は割れた。この1年の「核のごみ」をめぐる議論を3回にわたり追った。

 町長選はこれまで4回連続無投票で、選挙戦となるのは20年ぶりだった。当日有権者数は2448人、投票率は84・07%

 当選を果たした片岡氏は支持者らを前に、「核のごみの案件は厳しいと改めて感じた。賛成反対は別に、(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させていただきたい。寿都町で冷静に議論が進むことを望む」と述べた。越前谷氏は「力が及ばなかった。私の責任だ。町民の皆さんがその道を選んだから仕方が無いが、寿都の将来、未来を考えると私の心はなんともいえない」と語った。

 片岡氏が昨年8月に文献調査への応募検討を明らかにして以降、町民、町議会、地元の産業団体は、賛否をめぐって二つに割れた。今回の町長選は町民が文献調査についての意思を示す初めての機会だった。片岡氏の当選で、来秋までの2年間の文献調査が続くことが確実になった

 片岡氏は、人口減少や新型コロナの影響で落ち込んだ地域経済を、調査に伴う交付金で立て直そうと考えた。国内で宙に浮いた核のごみの問題に「一石を投じる」とも主張。漁業や農業の振興策を訴え、文献調査については来秋の住民投票を前提に継続する考えを示してきた。町営の風力発電やふるさと納税によって町の収入を増やした5期20年の実績が、支持の浸透につながったとみられる。

 一方、越前谷氏は一貫して文献調査に反対してきた。水産加工業者らでつくる反対派の町民の会などの後押しを受け、町議を辞職し、町長選に立候補した。町内の分断を解消するには文献調査の中止が最優先だと訴え、交付金に頼らない「身の丈に合った財政改革」を進めると主張したが及ばなかった。

 経済産業省は選挙結果を受け、「個別の選挙結果については控えるが、地域の声を踏まえて、引き続き対話活動を続けていきたい」とのコメントを出した。

     ◇

 町議補選(被選挙数1)も26日投開票され、いずれも新顔で、文献調査に反対する吉野卓寿氏(31)が、賛成する南嶋亘氏(74)を破った。定数9の町議会は、賛成派5人、反対派4人となり、賛成派が過半数の状況は変わらない。


視点|国民的な関心、高める必要

 片岡春雄町長が文献調査への応募検討を明らかにした昨年8月から1年3カ月、記者は札幌から寿都へ通い続けている。この間、片岡氏、越前谷由樹氏だけでなく、賛成派と反対派の町民や、子どもにも話を聞いた。話の中で共通するのは、町の将来をよくしたいという熱意だ。

 しかし現実には、かつて親し…
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https://www.asahi.com/articles/ASPBV752HPBVIIPE008.html?iref=pc_ss_date_article

「核のごみ」調査推進派の現職・片岡氏が6選 北海道寿都町長選
伊沢健司
2021年10月26日 21時49分

     (当選確実の報道を受け、支援者らと万歳をする片岡春雄氏
      =2021年10月26日午後10時9分、
      北海道寿都町、日吉健吾撮影)

 「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場の選定に向けた全国初の「文献調査」が進む北海道寿都(すっつ)町の町長選が26日、投開票され、調査を推進する現職の片岡春雄氏(72)が、調査反対派の新顔で前町議の越前谷由樹氏(70)を破り、6選を果たした。

 確定得票は片岡氏が1135票、越前谷氏が900票だった。

 当選を果たした片岡氏は支持者らを前に、「核のごみの案件は厳しいと改めて感じた。賛成反対は別に、(文献調査後の)概要調査前に住民投票で意見を聴いて判断させていただきたい。寿都町で冷静に議論が進むことを望む」と述べた。

 越前谷氏は「力が及ばなかった。私の責任だ。町民の皆さんがその道を選んだから仕方が無いが、寿都の将来、未来を考えると私の心はなんともいえない」と語った。

 経済産業省は選挙結果を受け、「個別の選挙結果については控えるが、地域の声を踏まえて、引き続き対話活動を続けていきたい」とのコメントを出した。

 日本海に面した人口約2800人の寿都町では昨年8月、片岡氏が文献調査への応募検討を突然表明。町民の賛否が割れるなかで10月に正式応募し、11月に調査が始まった。

 片岡氏は、人口減や新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ地域経済を立て直すため、調査で得られる交付金に期待した。核のごみの問題に「一石を投じる」とも主張。漁業や農業の振興策を訴え、文献調査が終わる来秋にも住民投票を行う考えを示してきた。

 一方、越前谷氏は町内の分断を解消するには文献調査の中止が最優先だと主張した。調査応募の前に住民投票をするべきだったと批判。交付金に頼らない財政改革を進めると訴えていた。しかし、町営の風力発電やふるさと納税によって収入を増やしてきた片岡氏への支持が上回った。

 推進派の片岡氏が6選し、文献調査は継続される。ただ、2年間の調査期間が終わる来秋にも、次の段階の概要調査へ進むかの賛否を問う住民投票が予定されており、「国策」による町内の分断が続く可能性がある。

 処分場の選定プロセスは20年に及び、既存のデータや論文を用いる2年間の文献調査、実際に地面を掘る4年間の概要調査、地下施設をつくる14年間の精密調査へと続く。国から地元や周辺自治体には、文献調査で最大20億円、概要調査で最大70億円の交付金が出る。

 国は2000年に法律をつくり、地下300メートルより深くに核のごみを埋める処分場の受け入れ自治体を探してきたが難航。07年には高知県東洋町の当時の町長が応募したが、反対派に町長選で敗れ撤回に追い込まれた。(伊沢健司)
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https://www.asahi.com/articles/ASPBT73Q1PBTIIPE002.html?iref=pc_ss_date_article

「核のごみ」北海道での処分場設置は? 衆院候補道内32人の賛否は
2021衆院選
伊沢健司
2021年10月26日 6時00分

     (北海道寿都町=2021年6月、本社機から)

 31日に投開票される衆院選で道内12選挙区に立候補した32人に対し朝日新聞が実施したアンケートでは、「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)をめぐる問題についても質問した。原子力政策への見解とともに、最終処分場の「道内での設置の賛否」について聞くと、「反対」が18人、「どちらでもない」が14人、「賛成」がゼロだった。

 朝日新聞は今回の衆院選に合わせて北海道の12選挙区に立候補した32人に政策アンケートを行いました。アンケートは9月下旬から配布し、各質問100字以内で回答してもらいました。100字を超えた回答は要約しました。「核のごみ」以外の回答については別途配信します。

 政党別では、自民の11人中9人が「どちらでもない」、2人が「反対」と回答した。このほか公明1人、維新3人、N党1人も「どちらでもない」と答えた。これに対し、立憲(12人)と共産(3人)の全員、無所属1人が「反対」と答えた。

 「どちらでもない」の理由は「原子力政策推進の是非にかかわらず処分場は必要」「もっと議論が必要」など。「反対」の理由は「国の原子力政策は失敗している」「『受け入れ難い』と宣言した道条例を尊重すべきだ」などだった。

 処分場の選定に向けた全国初の文献調査が進む北海道寿都町と神恵内村を含む道4区では、立憲新顔の大築紅葉氏(38)が「反対」、自民前職の中村裕之氏(60)が「どちらでもない」だった。

 理由について大築氏は「道には核のごみを『受け入れ難い』とする条例があり、巨額の交付金を餌に調査を受け入れさせる制度は問題がある。地震大国の日本に地層処分の適地があるのかも疑わしく、候補地選定の厳しい基準を設けることが先決」と回答した。

 中村氏は「賛否は自治体の自治権に属するので、明らかにする立場にない。当該自治体と知事が反対の決定をした場合、次の段階に入らないことを約束する」と回答した。(他の質問項目も含む各候補のアンケート回答は、26~29日の紙面で紹介します)(伊沢健司)


道内12小選挙区候補者の「核のごみ」に関する回答

 届け出順。党派の略称は、自(自民)、立(立憲)、公(公明)、共(共産)、維(維新)、N(N党)。諸は諸派、無は無所属。敬称略

質問文
 「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査が寿都町と神恵内村で進められています。道内の他地域でも最終処分場が設置される可能性があります。道内での設置の賛否(賛成、反対、どちらでもない)を原子力政策への見解も含めてお聞かせください。


1区・小林悟(維新)
どちらでもない。文献調査を否定する事はナンセンスである。科学的見地に基づいて、静かな環境で議論が進められるべきである。今まで原子力エネルギーの恩恵を受けてきたので、どこかに最終処分場をつくるのが政治の責任である。

1区・道下大樹(立前)
反対。国の原子力政策は失敗し、核燃料サイクルも破綻している。北海道における核のごみ最終処分場設置は、農林水産業や観光への影響も大きく、核のごみを受け入れ難いとする道条例の趣旨にも反することから反対だ。

1区・船橋利実(自前)
どちらでもない。近い将来、国内のいずれかの地域に最終処分場設置が必要でその際は国民の理解を得る努力が大切。文献調査はその一つとの認識だ。道議時代、道の関係条例を起案した政策責任者として条例を尊重すべきだと考える。

2区・高橋祐介(自新)
どちらでもない。東電福島第一原発事故への反省を出発点に、国民の不安をしっかりと受け止め、二度と事故を起こさない取り組みを続ける。安全性を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。

2区・松木謙公(立前)
反対。特定放射性廃棄物は北海道の条例で受け入れ難いとされている。条例は当然順守されるべきだ。また、多額の交付金を示し一自治体の判断だけで処分地決定のプロセスを進める政府のやり方に違和感を覚える。

2区・山崎泉(維新)
どちらでもない。まず最終処分場を設置する最終責任は国にあることを明確にする法制化が必要。町村民と周辺市町村の意思を尊重し、賛成派、反対派など外部勢力に左右されない意思決定をする静謐な環境づくりを進める。

3区・高木宏寿(自元)
どちらでもない。原子力政策推進の是非にかかわらず処分場は必要。最終処分場の選定は避けられない課題であり、道条例との整合性を図る必要がある。

3区・荒井優(立新)
反対。「特定放射性廃棄物の持込みは受け入れ難い」とする約束(条例)を守ることが政治の役割。北海道の潜在力である再生可能エネルギー活用で、お金を還流させる循環型経済を構築、道民の所得向上・経済活性化に繫(つな)げる。

3区・小和田康文(維新)
どちらでもない。どこに立地するかに関わらず、しっかりと議論しなければならない。既設原発は市場原理により将来はフェードアウトしていく。これを見すえて再生可能エネルギー拡大へシフトすべきだ。

4区・大築紅葉(立新)
反対。道には核のごみを「受け入れ難い」とする条例があり、巨額の交付金を餌に調査を受け入れさせる制度は問題がある。地震大国の日本に地層処分の適地があるのかも疑わしく、候補地選定の厳しい基準を設けることが先決。

4区・中村裕之(自前)
どちらでもない。賛否は自治体の自治権に属するので、明らかにする立場にない。当該自治体と知事が反対の決定をした場合、次の段階に入らないことを約束する。

5区・大津伸太郎(無新)
反対。原発再稼働を中止し、すべてを廃炉にする。廃炉作業のみに特化する。カナダ元首相らが関与したとされる「カナダ・日本の核のごみ受け入れ構想」を具体的に進めていく。

5区・和田義明(自前)
反対。現在政府で沖ノ鳥島に最終処分場を設置する案が検討されている。当案は安全の観点と領土保全の観点から好ましい。脱炭素戦略と燃料価格高騰に鑑み、原子力発電は引き続き重要なベースロード電源だ。

5区・橋本美香(共新)
反対。科学的に処分方法が十分確立されておらず、現時点で限りある環境を将来世代に引き継ぐことが困難な状況で「受け入れ難い」と宣言した道条例を尊重すべきだ。原発廃止、核燃料サイクルから撤退し原発ゼロを求める。

5区・池田真紀(立前)
反対。原発も廃棄物処分も、お金と引き換えに地方に設置する国の政策は限界。北海道には「特定放射性廃棄物の持ち込みは受け入れ難い」とする条例があり、これをしっかり守ると同時に原子力政策そのものの転換が不可欠だ。

6区・斉藤忠行(N新)
どちらでもない。

6区・西川将人(立新)
反対。道条例に基づいて、核のごみは持ち込まない原則を堅持すべきだ。原子力発電は順次他の発電源へと移行すべきだ。

6区・東国幹(自新)
反対。北海道条例に反するべきではないと考える。

7区・伊東良孝(自前)
どちらでもない。原子力発電所は厳しい規制の中で稼働が認められている。核廃棄物の処分方法を調査・研究するのは当然だ。ただし道条例では廃棄物の持ち込みを「受け入れがたい」としており、持ち込み前提なら整合性が問われる。

7区・篠田奈保子(立新)
反対。食糧危機に対応するため第1次産業を早急に拡充する必要があり、自然豊かな北海道での滞在型ワーケーションを拡充するためにも、北海道に核のごみ処分場の設置は不適切である。原発に依存しない社会の構築を目指す。

7区・石川明美(共新)
反対。日本国内では、ふさわしい地層はない。そもそも住民合意が一度も行われていない。

8区・逢坂誠二(立前)
反対。核燃料サイクルを進めても使用済みMOX燃料ができるだけでトイレのないマンション状態は解決しない。使用済み核燃料は再処理せず、当面乾式貯蔵を行い、直接処分の道を検討すべきだ。

8区・前田一男(自元)
どちらでもない。現代生活を送るうえで、どこかが負担しなければならない課題であり、もっと議論が必要だ。

9区・山岡達丸(立前)
反対。すでに蓄積している使用済み核燃料の最終処分をどう処理するかは国全体で考えなければならないが、北海道は「核物質を受け入れない」ことが条例で定められており、その条例に基づき、道民としては反対する立場。

9区・堀井学(自前)
どちらでもない。文献調査自体は問題ないと考える。重要なのは地層処分技術の研究開発と考える。

10区・神谷裕(立前)
反対。原子力発電所の新増設は認めない。使用済み核燃料の扱いや立地地域への支援、雇用の公正な移行など、原発のない社会に向けた不可逆的な方針を速やかに確立し、国の監督と責任の下で廃炉を着実に進める。

10区・稲津久(公前)
どちらでもない。既に原発を持つ日本においては、原発への賛成、反対に関わらず、どうやって最終処分場を造っていくのか、道民や国民の意見を聴きながら議論を重ね、結論を出すことが重要だと考える。

11区・石川香織(立前)
反対。道は条例で「特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れ難い」と宣言している。原発に依存せず再生可能エネルギーの普及を加速すべきだ。ポテンシャルが世界3位の地熱を生かした発電を拡大。

11区・中川郁子(自元)
どちらでもない。

12区・川原田英世(立新)
反対。自然環境が豊かで第1次産業の大きな可能性を秘めた道への核のごみ持ち込みは、道産食材の国内・国際的な信頼を損ねかねない。核のごみは日本だけの問題ではなく、国際的な協力のもと解決策を検討する必要がある。

12区・武部新(自前)
どちらでもない。最終処分場の選定は段階的な調査を法令上規定しており、文献調査は最終処分地選定に直結しない。まずは自治体の調査実施の判断を尊重し、調査等の経過を見守るべきであり、賛成・反対を議論する段階にはない。

12区・菅原誠(共新)
反対。技術的に未確立の地層処分はやめ、当面は地上に暫定保管する。併せて、安全な処分技術の構築を急ぐ。道の「核抜き条例」の順守、住民の合意抜き、交付金をテコにした手法はやめ、再稼働せず即時廃炉にする。
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https://www.asahi.com/articles/ASPBF74HBPBFIIPE012.html?iref=pc_ss_date_article

寿都町とNUMOの新たな勉強会初会合 町民17人応募
伊沢健司 2021年10月14日 10時30分

     (寿都町とNUMOが開いた新たな勉強会の初会合を終え
      報道陣に内容を説明するファシリテーター(進行役)
      =2021年10月12日午後8時14分、北海道寿都町、伊沢健司撮影)

 「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査が進む北海道寿都町で、新たな勉強会が始まった。町と原子力発電環境整備機構(NUMO)が参加者を募ったところ30~90代の町民17人が応募した。扱うテーマは自由だが、参加者からは最終処分について知りたいとの要望が相次いだ。

 町とNUMOは、最終処分の議論を深めることなどを目的として町が人選した出席者による「対話の場」を今年4月から3回開いた。それとは別に町民が参加する機会を設けるため、高校1年以上の町民を対象とする新たな勉強会を準備してきた。

 12日夜の初会合は非公開で、町民12人が出席した。ファシリテーター(進行役)やNUMOによると、参加者が今後の進め方について要望を書き出した。「最終処分場について賛成・反対派の話を聞きたい」「将来の寿都像をみなさんに聞いてみたい」といった意見が出された。

 会合後、取材に応じたNUMO寿都交流センターの末木克久所長は、最終処分への理解を深めてもらうのが勉強会の目的かと問われ「我々としてはそういう思いではいるが、より自由にやりたいので特にテーマを絞っているわけではない」と説明した。(伊沢健司)
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●今頃ようやく福島第二原発の廃炉を決断、一方、「あとは野となれ山となれ」な玄海原発4号機の再稼働…

2018年07月02日 00時00分12秒 | Weblog


東京新聞の記事【「使用済み核燃料」「廃炉」 課題山積】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000239.html)と、
社説【福島第二原発 目の前の廃炉に全力を】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018061602000162.html)。

 《経営上は大きな前進だが、使用済み核燃料の扱いや安全性を確保した廃炉作業など原発を巡る課題は山積している》。
 《東京電力が福島第二原発廃炉を表明。遅きに失した感はある。だがこの上は計十基の廃炉事業に全力を傾注し、速やかに成果を上げること。東電という企業に残された恐らく最後のチャンスである。「(福島第二原発が)復興の妨げ、足かせになる」と、東京電力の小早川智明社長は言った。そこへたどりつくまでに七年以上もかけたとすれば驚きだ》。

   『●お見舞い申し上げます・・・
   『●あの3・11原発人災から1年: 松下竜一さん「暗闇の思想」を想う
   『●3.11東京原発人災から2年が過ぎて
   『●「福島原発事故の今」
        『週刊金曜日』(2014年3月7日号、982号)について

   『●3.11東京電力原発人災から4年: 
      虚しき「地球にやさしいエネルギー原子力 人にやさしい大熊町」
   『●東電核発電人災から5年: 「今や世界の笑い者…
        政権批判をいとわないキャスターの首を差し出した」
   『●東電核発電人災から6年: 4つの「生」+「命」「活」「業」「態」… 
                        どれか一つでも原状回復できたか?
   『●東電核発電人災から7年: 「村の生活は百年余りにわたり、
                  人生そのもの」…「やっぱりここにいたいべ」

 あの玄海原発4号機の再稼働で、腐れっぷりが半端ではない九州電力は《経営上は大きな前進》?って、バカな~!! 福井地裁の名判決《経済活動よりも生存に関わる人格権を優先》…熟慮すべきではないのか?

   『●映画「チャイナシンドローム」のマネ!?
        ~玄海原発にはジャック・レモンは居るか?~
    「検査会社が、九州電力 玄海原発4号機の配管溶接の検査を
     行ったかのように偽装だってさ! 映画「チャイナシンドローム」に
     写真を偽装しての、同じような話が出てきます。
     映画をマネたようにさへ感じます。映画では、ジャック・レモン扮する
     原子炉の管理責任者が激怒し、管理会社の担当者に怒鳴り込む場面が
     あります。結局、彼は命をかけて、原子炉の危険性を若き
     ジェーン・フォンダやマイケル・ダグラスが扮するジャーナリストを介して
     告発し、原子炉を停止しようとします。玄海原発には、さて、
     「ジャック・レモン」は居るでしょうか?
     …玄海原発4号機、配管溶接検査せず記録も改ざん

   『●再稼働ありきの「世界最高水準の規制基準」という「世界一の無責任」さ
   『●原発再稼働という恥ずべき選択 ~「新基準は世界一」
           「世界最高レベル」ではなく、「世界一の無責任」~

   『●関西電力の「原発再稼働」への言い訳にさせてはいけない
    「原発の稼働が発電コストの低減になるという関電側の主張も退ける
     極めて多数の人々の生存そのものにかかわる権利と、電気代が
     高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない
と、怒りさえ
     にじませているようだ。経済神話の否定である」
    「大飯再稼働、差し止め命じる 生存と電気代、同列許さず
    「また、生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が法的には
     許されない
ことで、原発事故で豊かな国土と国民生活が取り戻せなく
     なることが「国富の喪失」だと指摘。福島事故は「わが国が始まって
     以来、最大の環境汚染」であり、環境問題を原発推進の根拠とする
     主張を「甚だしい筋違い」と断じた」
    「「極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの
     問題とを並べた議論の当否を判断すること自体、法的には許されない

     として、経済活動よりも生存に関わる人格権を優先した」

   『●関電による執行停止の申し立てを却下:  
     相変わらず「「安全より効率、命より経済」を優先」を関電は主張
   『●普通の社会通念: 「安全性の立証責任は電力会社側にあり…
                   原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害」
    「「地元」市民「命」より「経済性、経済神話」を優先、
     「安全より効率、命より経済」を優先、そう云った「社会通念」で
     良いのでしょうか? 今回も、大津地裁山本善彦裁判長は、
     「「安全より効率、命より経済」を優先」という関電の主張を退けました。
     《安全性の立証責任は電力会社側にあ現実に起きた東京電力
     福島第一原発事故と被害を目の当たりにした国民の社会通念は、
     原発の安全性の欠如が直ちに人格権侵害を推認させるものになっている》。
     関電の「社会通念」を明確に否定。山本善彦裁判長の
     至極真っ当な判断で、ここまでは期待通りです。問題はここからでしょう。
     大阪高裁で、骨のある裁判官に恵まれるか? 期待薄…

   『●予想されたこととはいえ、大津地裁山本善彦裁判長の
       「国民の命を守る司法からの重いメッセージ」を破棄…

 それに使用済み核燃料の問題をどうするつもりか? 「あとは野となれ、山となれ」か! 核発電「麻薬」中毒患者につける薬なし。

   『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??
   『●「超巨大噴火が、100年以内に起こり得るというのは大変なこと」:
                         九州電力川内原発再稼働という無謀
   『●「大切なのは「信頼」だ」…
       だからもう病気なんですってば!? 核発電「麻薬」患者
    「東京新聞の記事【核のごみ 行き場見えず 9府県の知事、
     中間貯蔵施設受け入れ「拒否」】… 《受け入れを「前向きに検討する」
     とした知事はなく、九府県が「拒否」と答えた。高浜原発は再稼働後、
     使用済み核燃料の貯蔵プールが七~八年で満杯になる見通しで、
     中間貯蔵施設の建設は喫緊の課題だが、実現の難しさが浮き彫りに
     なった》。
       「あとは野となれ、山となれ」とは、呆れるね。1分、1秒も再稼働なんて
     やってはいけないというのに」

 一方、あの東京電力は柏崎刈羽核発電所なんて再稼働している場合なのか? そんな資格はあるのか?

   『●「新潟の野党勢力は今こそ、踏ん張り時」! 
       東京電力に柏崎刈羽核発電所を再稼働させるなんて狂気な凶器
   『●新潟県知事選: 「中央の紐付き忖度官僚候補
       VS再稼働反対の民意に寄り添う県議候補」という与野党激突
   『●花角英世新潟県新知事…「柳瀬氏同様、
      安倍政権下で出世してきた元官僚」…女性差別発言隠蔽は体質の体現


 東京新聞の記事【福島第二、全基廃炉へ 東電社長、知事に方針伝達】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018061490135726.html)によると、《小早川智明社長は…福島県庁を訪れ、内堀雅雄知事に、福島第二原発(同県楢葉町富岡町)の全四基を廃炉とする方向で検討すると伝えた。「このままあいまいでは復興の足かせになる」と理由を説明した》。
 何を今頃。3.11東京電力核発電所人災直後に、廃炉宣言するのが当たり前でしょっ。さっさと廃炉作業に着手しておくべきだった。

 東京新聞の記事【東電、他社原発を支援 東海第二再稼働へ資金 東北電と対策費】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201804/CK2018040602000145.html)によると、《福島第一原発事故の賠償を続ける東電が他社の原発を支援することに、批判が集まるのは確実…千七百四十億円のうち、原電が自社で賄えない分について東電と東北電に協力を求め、両社は三月三十日にそれぞれ社長名の文書で支援の意向を表明◆廃炉・賠償 援助の余裕なし 東電が原電を援助する意向を示した。だが東電は利用者の電気代や国からの支援がなければ、福島第一原発の廃炉や賠償費用などを賄えない身他社を援助している場合ではない》。
 フザケルなー!! 柏崎刈羽核発電所の再稼働やよその核施設への投資なんてやっている暇とカネがあるのか?

   『●「故郷の川に身を投げたい衝動に駆られた」
       「早く浪江に帰りたい」…「原状回復」することも無く…
   『●東京電力原発人災、支援の幕引き:  
      「区域外避難」者も含めて「“棄民”政策だというそしりは免れない」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061602000239.html

「使用済み核燃料」「廃炉」 課題山積
2018年6月16日 夕刊

<解説> 佐賀県の玄海原発4号機の再稼働で、九州電力は目標としていた稼働原発の四基体制を達成した。経営上は大きな前進だが、使用済み核燃料の扱いや安全性を確保した廃炉作業など原発を巡る課題は山積している。

 使用済み核燃料を巡っては、核燃料サイクルの中核となる青森県六ケ所村の再処理工場がトラブルなどで稼働が遅れている。玄海原発でも使用済み核燃料の保管プールは4号機が五~六年、3号機が六~七年でそれぞれ満杯となる計算だ。

 九電は再稼働後、燃料の間隔を狭めてプールの貯蔵容量を増やす「リラッキング」や、燃料を金属容器で密封し空気冷却する「乾式貯蔵」の導入を原子力規制委員会に申請する構えだが、実現の時期は見通せていない

 1号機で始まった廃炉作業は二〇四三年度まで続く長丁場。九電としても初めての経験で、今後の作業も手探りの状態だ。稼働中の原子炉の近くで廃炉作業も並行して進むことになるが、いかに安全を確保するかが重要になる。

 玄海3、4号機でトラブルが相次ぎ、周辺住民が注ぐ視線は厳しい。課題にどう向き合うのか、再稼働後こそ丁寧な説明が求められている。 (共同・比嘉慧)
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018061602000162.html

【社説】
福島第二原発 目の前の廃炉に全力を
2018年6月16日

 東京電力が福島第二原発廃炉を表明。遅きに失した感はある。だがこの上は計十基の廃炉事業に全力を傾注し、速やかに成果を上げること。東電という企業に残された恐らく最後のチャンスである。

 「(福島第二原発が)復興の妨げ、足かせになる」と、東京電力の小早川智明社長は言った。

 そこへたどりつくまでに七年以上もかけたとすれば驚きだ。

 福島第二も第一同様、地震と津波の被害を受けて電源を喪失し、メルトダウン(炉心溶融)の危機に陥った。

 唯一生き残った外部電源を頼りに、何とか冷温停止に持ち込んだ。紙一重の僥倖(ぎょうこう)だった

 サイトは二つ、しかし外から見れば同じ「福島原発」、誰がどう見ても福島で原発を動かすことは不可能だこの決断は遅すぎる

 第一の六基に加えて第二の四基。東電は世界史上例のない、原発十基の廃炉事業を背負うことになる並大抵のことではない

 メルトダウンを起こした第一原発の三基は、溶け落ちた核燃料の状態もまだ把握できていない。机上の工程表は示されてはいるものの、作業自体はスタートラインに立ったとも言い難い状況。地下水の流入、汚染水の処理にさえ、いまだ手を焼く状態だ。

 廃炉、賠償にかかる費用は推計二十一兆円恐らくさらに膨らむことになるだろう。東電がどれだけ大企業だったとしても、到底背負いきれるものではない。

 その上さらに、第二の廃炉費用がのしかかる。

 「東電に原発運転の資格なし」と考えるのは、福島県民だけではない。

 東電は唯一残った新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働に意欲を見せる。十日の新潟県知事選で与党の支持する新知事が誕生したが、新潟県民の原発不信、東電不信が解消されたわけではない。

 原発の安全を維持するには、膨大な費用がかかると教えてくれたのも東電だが、今の東電に、余力があるとは思えない

 いくら「国策」だからと言って、血税の投入にも電気料金の値上げにも限度というものがあるはずだ。

 第二原発の廃炉を契機に東電は、今度こそ本当に生まれ変わるべきではないか再稼働へのこだわりも、きっぱり捨てて

 福島や新潟の不安や不信を受け止めて、目の前の巨大な課題を直視して、そこに全力を注ぐ姿勢をまず示すべきだろう。
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●「核燃サイクル―限界が迫っている」・・・・・・いえ、すでに破綻しています

2014年09月25日 00時00分03秒 | Weblog


asahi.comの社説【核燃サイクル―限界が迫っている】(http://www.asahi.com/paper/editorial2.html)。

 「プールでの保管は、災害やテロなど不測の事態に対しては非常に弱く、甚大な放射線被害が起きる危険が高い。福島第一原発の事故は、この問題も浮き彫りにした」、「使用済み核燃料は財務上「資産」として扱われているが、廃棄物となれば「負債」」。

 社説のタイトルに「核燃サイクル―限界が迫っている」とありますが・・・・・・、いえ、すでに破綻しています。原発再稼働すれば「負債」「不良債権」が増えるだけ。もうこれ以上、一瞬たりとも稼働させてはいけない。原発輸出なんて言う、恥ずべきこともダメ。東京電力原発人災のあった福島第一原発では、いまも「UFOキャッチャー」作戦がまだ継続中です。今も、溶け落ちた核燃料がどこにあるのかさえ分かりませんし、処理・処分の方法は誰にも分かりません
 核燃サイクルなんて、とっくに破綻している。

   『●東京電力原発人災4号炉問題・・・・・・
      「「UFOキャッチャー」作戦」、想像しただけでゾッとする
   『●「回らない核のサイクル」六ヶ所村:  
         どちらも「地獄」という二択だったのか?


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http://www.asahi.com/paper/editorial2.html

核燃サイクル―限界が迫っている
2014年9月19日(金)付

 現在、日本には使用済み核燃料が全国18カ所の原子力発電所などに保管されている。合計で1万7千トン、大半が使用済み燃料プールに入っている。

 プールでの保管は、災害やテロなど不測の事態に対しては非常に弱く、甚大な放射線被害が起きる危険が高い。福島第一原発の事故は、この問題も浮き彫りにした。

 ところが、使用済み燃料の保管や処分をめぐる論議は進んでいない。16日に開かれた経済産業省の原子力小委員会も「使用済み燃料問題」を議題に据えていたのに、議論は深まらなかった。なぜなのか。

 一番大きな原因は、政府が「核燃料サイクル事業」の継続方針を変えないことにある

 確かに、この計画は使用済み燃料を全量、高速増殖炉や既存の原発の燃料として再利用することが前提なので、実現すればプール保管の問題は解消する。

 しかし、実際には高速増殖炉「もんじゅ」にしろ、既存原発で再処理した燃料を使う「プルサーマル計画」にしろ、技術面でも採算面でも行き詰まりは明白になっている。

 一方で震災後、内閣府の原子力委員会は、再処理より直接処分するほうが安上がりであるとの試算を示している。さらに、当面の間、使用済み燃料を安全な容器に入れて地上保管する「乾式貯蔵」についても、燃料プール保管の危険を回避する手段として有効なことが日本学術会議などで指摘されている。

 こうした処理方法を具体化するためには、現行の核燃サイクル事業の見直しに着手する必要がある。

 これまで再処理施設を受け入れてきた青森県との関係も見直しとなるが、そこに着手しないかぎり、プール保管の危うさは解決の糸口が見えてこない。

 現在、使用済み核燃料は財務上「資産」として扱われているが、廃棄物となれば「負債」として会計処理する必要がある。こうした課題を含めて、政府はまず、核燃サイクル事業の客観データを示して、政策転換を打ち出すべきだ

 このまま原発再稼働が進めば、原発内のプールは一番早いところで、3年で容量の限界に達する(経産省試算)。

 さらに、16年には電力小売りが全面自由化され、規制料金制度の撤廃も予定されている。プルサーマル計画は、原発をもつ電力会社が財務的に支える形となっており、自由化の重荷になることは明らかだ。

 政府の持ち時間は限られている。
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●無責任の極み: 「政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」」

2014年01月31日 00時00分19秒 | Weblog


asahi.comの社説【原発政策―政治の無責任は許されぬ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付)。
東京新聞の社説【年のはじめに考える 福島への想い新たに】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html)。
asahi.comの社説【原発輸出―立法府から再考促せ】(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付)。
asahi.comの記事【(もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?】(http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html)。
東京新聞の記事【原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html)。
北海道新聞の社説【理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな】(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html)。
asahi.comの記事【政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」】(http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01)。
最後に、東京新聞の社説【東電再建計画 原発頼みは筋が通らぬ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014011602000139.html)。

 『原発政策―政治の無責任は許されぬ』のならば、そのためには自公政治家に投票していてはダメ。『年のはじめに考える 福島への想い新たに』したいけれども、どうも自公政権を支持している人たちは、東京電力原発人災を忘れたがっているようだ

   『●国際的な「恥の上塗り」な恥さらし行為:
               「安倍政権 「復興予算」を「原発輸出」に流用」

 大飯原発が再稼働する以前も、再稼働停止後も、原発ゼロでも大丈夫だったじゃないの? 一方で、電力会社と原子力「推進」委員会は再稼働をやる気満々のようだが、3.11東京電力原発人災を経験した我が国がそのようなことをすることに対して倫理的に許されるのか? 「恥」「恥ずべき行為」でしょうに。

   『●続・今年「も」電力は足りた
   『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、
             さらに「死の商人」へ: どうやら「恥」という概念は無いらしい

 ましてや3.11原発人災の当事者の原発再稼働を政府が認めるわけだから、「以外の言葉が思い浮かばない。『政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」』に対して何も感じない自公支持者、自公議員投票者にも同じ言葉しか思い浮かばない。そして、原発輸出までしたくてうずうずしている自公政権、それでも、何にも感じませんか? それは、「将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている」という如実に「核=原子力」であることを示していますのに。

   『●醜悪な構図2: 原発人災・汚染の原因者が「公的支援1兆円 裏で税逃れ」

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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月6日(月)付】

原発政策―政治の無責任は許されぬ
2014年1月6日(月)付

 福島第一原発の事故に苦しむ日本が、脱原発に向かうのか、それとも元の道に戻るのか。
 今年はその分岐点になる。
 原発の再稼働に対し、新しい規制基準にもとづく原子力規制委員会の最初の判断が、春ごろ示される見通しだからだ。
 これまでに規制委に審査を申請したのは、7電力会社の9原発16基。東海地震の想定震源域にある中部電力の浜岡原発(静岡県)についても、近く申請される予定だ。

目に余るご都合主義
 歩調を合わせるように、自民党内では「早期再稼働」の声が大きくなっている。
 昨年12月25日には、原子力規制に関する党内チームの座長を務める塩崎恭久衆院議員が規制委に出向き、田中俊一委員長に、もっと国会議員や立地自治体の首長、電力会社らの意見を聴くよう迫った。
 規制委の設置にあたり、民主党政権が出した法案に「独立性が足りない」と詰め寄り、今の形に修正したのは、塩崎氏をはじめとする自民党だ。
 ところが、規制委が活断層の調査や規制基準の策定に厳格な姿勢を見せるや、原発推進派の不満が噴出する。自民党が政権に返り咲くと、影響力を行使しようとする流れが加速した。
 ご都合主義が目に余る。
 自民党の長期政権下で原発の安全神話を増長させ、必要な対策を怠ってきたことへの反省はどこへいったのか。
 ただでさえ、急ごしらえの規制委は人材が不足し、財政面での制約もある。むしろ、そうした態勢面の充実をはかることが政権党のつとめだろう。
 安倍政権は、表面的には「原発比率を下げる」と言いつつ、原発を「重要なベース電源」と位置づけ、規制委の基準に適合した原発は動かす方針だ。
 しかし、規制委が判断するのは科学的な根拠にもとづく最低限の安全確認にすぎない。事故リスクがゼロにならない以上、口先だけではなく、「原発比率を下げる」手立てを総合的に講じるのが政治の役割だ。
 そうした見取り図も示さず、再稼働の判断はすべて規制委に丸投げし、そこへの圧力めいた動きは放置する。なし崩し的な原発回帰と言うほかない。

■採算なき再処理事業
 再稼働への政権の姿勢が原発政策を無責任に「元に戻す」典型だとすれば、「元のままでやり過ごす」無責任の象徴が、使用済み核燃料を再処理して使うサイクル事業の維持である。
 巨額のコストがかかり、資源の有効活用という意義がなくなった核燃サイクル事業は、「撤退」が世界の流れだ。
 政府は、非核保有国として唯一、再処理を認められた事情から「日米による原子力協力」を掲げる。
 だが米国には、日本が海外での再処理によって核兵器数千発分のプルトニウムをため込んでいることが、他国のプルトニウム保有の口実になりかねないことへの強い懸念がある。
 再処理や核拡散問題に詳しい海外の研究者ら5人も、青森県六ケ所村にある再処理工場の稼働中止を求め、それがすぐに決められない場合は長期間棚上げすべきだ、などとする共同提案をこのほど朝日新聞に寄せた。
 「再処理しないと使用済み燃料があふれる」との政府の説明も説得力に欠ける。
 将来、地中に埋めることを前提に、当面は「乾式キャスク」という容器に入れて地上で保管する方法が海外ではすでに確立している。日本学術会議もこの方式を提言している。

■政策転換への機会に
 福島第一原発の事故収束や老朽化した原発の廃炉、代替電源の開発、送電網の再構築など、電力産業が今ほど資金を必要としているときはない。
 一方で、巨額の設備投資を電気料金で確実に回収できる総括原価方式は、廃止が決まっている。巨大な「金食い虫」になることが確実なサイクル事業を続ける余裕はないはずだ。
 政府内では過去にも政策転換が模索されてきた。それが実現しなかった背景には、使用済み燃料を再処理への「資源」として受け入れてきた青森県に「廃棄物の処分場にはしない」と約束してきた経緯がある。
 再処理をやめれば、各原発が青森県から使用済み燃料の引き取りを求められ、原発の稼働に支障が出るという恐怖心だ。
 だが、これだけ大きな原発事故を起こしたのである。切るに切れなかった不良債権を処理する機会にすべきだ。
 もちろん青森県にはていねいに説明する必要がある。乾式貯蔵についても電力消費地を含めた協議が必要だ。必要な費用を誰がどう負担するかなど課題は山積している。それでも、意味のないサイクル事業を続けるより、はるかに建設的だ。
 原発事故の後始末で、国は一歩前へと出る決断をした。原発政策全体についても、責任放棄は許されない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014010402000132.html

【社説】
年のはじめに考える 福島への想い新たに
2014年1月4日

 時間を押し戻そうとするかのような北風が、年の瀬を駆け抜けました。三度目の年頭。もう一度、心に深く刻まなければなりません。福島を忘れない。
 オランダの首都アムステルダムの街を歩くと、三つ並んだ十字の印を至る所で見かけます。
 赤い地の真ん中に、黒っぽい横線が一本、その上に白い十字が横に三つ並ぶのは市の旗です。
 そして、二頭のライオンに挟まれて、十字が縦に三つ並ぶのが市の紋章です。

十文字が意味するもの
 三つの十字の意味はと言えば、その昔、街を襲った三つの災い、洪水、火災、感染症を表しているそうです。
 起こりうる災いの怖さを子々孫々まで語り継ぎ、常に備えを怠ることがないように、あえて十字を掲げています。
 江戸時代からオランダに多くを学び、近代化の礎にしたこの国も、災厄を歴史に刻む方法までは、教わらなかったと言うのだろうか。首都東京の中心が、忘却の波に沈み始めているようです。
 福島の事故現場は収束に向かうどころか、混迷を深めています。
 爆発を免れた4号機では、傷ついていない核燃料の取り出し作業が始まりました。
 しかし、1~3号機から溶け出した燃料は所在さえつかめません。原子炉格納容器の外に溶け落ちた恐れもある。無事故でも一基百年といわれる廃炉、解体への道は、緒に就いたとも言い難い。
 汚染水は年末年始もお構いなしに流れ出ています
 熟練の作業員は、被ばく線量が限度に達して次々に現場を離れ、作業の質は低下する。
 自治体に丸投げされた、有事の際の避難計画作りは一向に進みません。計画はできたとしても、目に見えない放射線からどこへ逃げれば安心なのか。
 使用済み核燃料の捨て場所は、どこにも見つからないでしょう。リサイクルの計画も夢物語の域を出ていません。
 十字、いやバツ印をいくつ付ければいいのでしょうか。
 これだけ多くの災いの種を抱えているにもかかわらず、政府は前政権の「二〇三〇年代原発ゼロ」から一転、原発を「重要なベース電源」と位置付けました。
 ベース電源とは、二十四時間、しかも安価に稼働させられる電源です。震災前は、原発と揚水発電以外の一般水力。そして石炭火力がそうでした。

原発こそ不安定では
 電力需要時に足りない分を補うのが、ピーク電源と呼ばれるLNGや石油火力です。
 原発は、出力調整が極めて難しく、一度運転を始めたら、二十四時間最大出力で、突っ走るしかありません。
 今、国内に五十基ある全ての原発が、再び停止しています。
 天候に左右されやすく、出力が不安定な風力や太陽光には、ベース電源の重責を担えないといわれています。
 だとすれば、無限大の安全管理が必要な、扱いにくい原発こそ、最も不安定な電源なのだと考えなければなりません。
 原発を動かさないと、LNGや石油火力の燃料費がかさみ、電力会社は年間三兆六千億円の負担増、百万キロワット級の原発一基を稼働させれば、温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)を、一年で0・5%減らせるとされています。
 原発は、本当に割安なのか。
 政府によれば、福島の賠償と除染、さらに廃炉や汚染水対策に、少なく見積もって約二十兆円の費用がかかります。
 東電の負担なら電気料金への転嫁、国が持つなら税金です。結局つけは国民に回ります。どれだけお金を使っても、福島の人たちの暮らしや風景は、もう元へは戻せません。
 現在十六基の原発が、原子力規制委員会に再稼働の申請を出しています。政権は今年を、再稼働の年にしたいのでしょう。
 原発は金のかかる危険なものだということに、国民の多くはもう気づいているはずです。
 温暖化対策ならば、再生エネルギーの普及の方が王道です。私たちは“太陽と風の年”をめざしましょう。

フクシマを心の地図に
 ドイツでは、再生可能エネルギーへの転換が着々と進んでいます。総電力の約二割を賄い、温室効果ガスを一九九〇年比で二割以上減らしています。
 市民自ら電力会社を設立し、再生可能エネルギーでつくった電力だけを地域へ供給するという、エネルギー自治も進んでいます。
 なぜでしょう。
 スリーマイルとチェルノブイリとフクシマを、心の地図にしっかりと、刻みつけているからです。
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http://www.asahi.com/paper/editorial.html?iref=com_top_pickup、2014年1月8日(水)付】

原発輸出―立法府から再考促せ
2014年1月8日(水)付

 安倍首相がトルコのエルドアン首相と会談し、日本からトルコへの原発輸出を進めることを確認した。
 経済浮揚につながるとして原発輸出に積極的な安倍政権だが、過酷事故が起きれば被害は一国にとどまらず、日本も責任を負わせられかねない
 使用済み核燃料の最終処分や管理方法の確立といった国際課題もある。日本とトルコとの原子力協定は、核燃料サイクルをめぐる記述すらあいまいだ。
 協定の発効には国会の承認がいる。与野党の議員は立法府の責任として、政府に再考を促すべきだ。
 トルコとの原子力協定で問題視されているのは、ウラン濃縮と、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理に関する記述である。将来的にトルコが「できる」余地を残す文面となっている
 いずれも核兵器の製造につながりかねない技術だけに、国際社会はきわめて神経質に対処してきた。
 今回、協定が発効したとしても、トルコが簡単に再処理できるわけではない。先の国会でも岸田外相が「日本として認めない」と答弁している。
 にもかかわらず、不明瞭な記述となったのは「肯定的な表現」を求めるトルコ側の要望を受けてのことだという。原発輸出の道筋を早くつけたい日本の前のめりぶりを表している。
 ごく一部の国に限られていた原発の利用は、ここにきてエネルギー不足に悩む新興国に広がっている。安倍首相がトップセールスで原発を売り込んでいる先も新興国ばかりだ。
 原発開発を急ぐ国々には、政情不安な地域や非民主的な政治基盤のところが少なくない。安易に原発を売り込み、相手の求める内容で協定を結べば、核不拡散への国際的な取り組みは難しさを増す。
 ただでさえ、国際原子力機関(IAEA)による従来型の査察は強制力に欠けるなどの限界が指摘されている。
 日本自体、核燃サイクルは頓挫しており、海外への再処理委託で大量に積み上がった余剰プルトニウムの確実な処理が国際的な関心事となっている。
 まずは、足元の問題解決に専心し、放射性廃棄物の管理や処分をどうするかという国際課題に正面から取り組む。それが、安倍政権の責務だろう。
 野党はもちろん、自民党内にも拙速な原発輸出や協定発効に対する慎重論があるという。与野党協力して立法府の良識を示してほしい。
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http://www.asahi.com/articles/ASG166D83G16UCVL022.html

もんじゅ君のエネルギーさんぽ)今年の再稼働どうなる?
2014年1月10日09時30分

■原発ゼロで迎えた新年

 あけましておめでとうございます。高速増殖炉のもんじゅ君ですだよ。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 じつは2014年は、1970年代以来、はじめての原発ゼロで迎えたお正月だったんだ。昨年9月に福井の大飯くん3号機、4号機が定期点検のためにストップして、そのままゼロがつづいているんだね。
 いまは暖房の必要な冬の季節だけれど、原発がなくたって電力不足にはなっていないね。このことがもっと知られるようになるといいな。

■年の瀬ぎりぎりの再稼働申請
 ところで、年末ぎりぎりにふたつの原発が再稼働の申請を出したんだよ。そのあとすぐ世間はお正月休みに入っちゃって、あまり大きなニュースにはならなかったけれどね。
 ひとつは12月25日、島根原発2号機が再稼働を申請したんだ。
 島根くんは松江市に位置していて、全国で唯一、県庁所在地にある原発なの。万が一の事故があったときに、人口の多い市街地まで10キロという近さなんだよ。

震災で被害のあった女川も再稼働?
 そしてもうひとつは、宮城県にある女川原発の2号機。こちらは12月27日と、まさに仕事納めの日に申請が出されたの。
 女川原発1~3号機は、ふくいち君とおなじように、2011年の東日本大震災で被害を受けたんだ。電力の5系統のうち四つが地震で断線して、過酷事故にもなりかねない状況だったといわれているんだよ。
 再稼働申請を出した2号機なんかは、震災で建屋の地下が浸水して、冷却水ポンプもこわれたの。国際原子力事象評価尺度(INES)では「レベル2」の事態だと認定されたんだ。

■地震・津波がくるとわかっているのに
 巨大地震と津波におそわれることのある場所だとわかっていても、女川くんは再稼働申請が出されちゃったんだ。建屋の耐震性を上げたり、防潮堤を建てたりという安全対策は計画されてはいるものの、こんなに早く再稼働を表明できてしまったことに、ボクはすこしびっくりしたよ。
 2013年10月の宮城県内の世論調査では、再稼働に反対する声が60%を超えていたから、県民の要望というわけでもないんだよね。
 いかにいま、原発をとりまく雰囲気がゆるんでいるのか、電力会社さんたちがエイヤッと申請してしまえるような政治的追い風があるのか、ということを痛感しちゃうよ。

■ずさんすぎて再稼働の許可に遅れ
 そんなわけでいまは全国で7電力会社、9原発、16基から再稼働の申請が出ているの。
 当初は再稼働の審査には半年から1年ほどがかかるといわれていたんだ。だから、早ければ昨年7月に申請した原発たちが2014年頭に再稼働をはじめるかな?という見方もあったんだけど、そうはなっていないよね。
 それは、原子力規制委員会さんは「安全に動かすためにはこれとこれを用意してくださいね」と条件を出していたのに、多くの電力会社さんが「えーい。まじめにぜんぶ準備してたら時間かかっちゃうもんね。とりあえず書類を出しちゃえ」と見切り発車で申請しているからなんだ。

■安全審査の見切り発車はやめてね
 2013年7月の申請ラッシュのときには、ボクもニュースを見ながら「あれれ? 準備が不十分なままでも再稼働の書類って受理してもらえるんだ。雑だなぁ……」とびっくりしてたんだけど、さすがにそのままでは審査はパスしないみたい。
 ただでさえ日本の安全基準は、真下の活断層ばっかり気にしていてヌケやモレが多いといわれているの。審査だけでもせめてしっかりとして、見切り発車はやめてほしいよね。
 春以降には審査の済んだ原発も出てくるかもしれないけれど、そのときには地元の人たちの「こわいよ」「ホントに大丈夫?」って声がますます重要になってくると思うよ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014011002000139.html

原発政策 政権「二枚舌」 再稼働方針は不変
2014年1月10日 朝刊

 安倍政権の原発政策で矛盾が表面化している。安倍晋三首相や自民党の石破茂幹事長は「原発依存度をできる限り低減させる」と強調するが、昨年末、政府がつくったエネルギー基本計画案では原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けている。原発再稼働にも突き進もうとしており首相らの言葉は「二枚舌」と批判されかねない。 (金杉貴雄

 首相は六日の年頭記者会見で、原発について「エネルギー源の多様化を図りながら、可能な限り依存度を低減するのが基本方針だ」と強調した。
 首相らは、脱原発を求める世論を意識。「首相が決断して即ゼロに」と求めている小泉純一郎元首相の影響力も考慮し、原発政策を語る時は必ず「依存度減」を強調する。石破氏も「小泉氏と方向性は変わらない」と取りつくろう
 だが、現実の対応は逆だ。エネルギー基本計画案では、民主党政権時代の「二〇三〇年代の原発ゼロ」を破棄。原発を「重要なベース電源」と位置付け「基盤となる」との表現まで追加した。「依存度を可能な限り低減」との表現も盛り込んだが、原発推進の姿勢を鮮明にした。
 政権の姿勢には、経済成長には原発による安定的な電力供給が不可欠との判断や、自民党内で電力会社と密接な関係を保つ電力関係議員が発言力を増している影響がある。
 政権は、各電力会社が原子力規制委員会に申請した再稼働の審査が終わる見込みの春ごろから、原発を再稼働させていく方針。現在の「原発稼働ゼロ」の状態を転換し、稼働率を高めていこうとしている。
 だが、エネルギー基本計画案には自民党内からも「東京電力福島第一原発事故を引き起こした過去の原発政策への反省がない」と批判の声が出ている。連立与党の公明党からも異論が出始めている。
 政府は、計画案を一月中に閣議決定する方針だったが、ずれ込む可能性もある。
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http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/514655.html

社説
理念なき原発政策 「福島」前に後戻りするな(1月11日)

 将来像も理念も十分な検証も欠いたまま、エネルギー政策が東京電力福島第1原発事故以前の状態に引き戻されようとしている
 原発を重要なベース電源と位置付けたエネルギー基本計画案、福島第1原発事故による避難住民の全員帰還を断念する復興加速指針、事故対策への国費投入を拡大する東電の新再建計画。
 政府は昨年末、議論を尽くすことなく、これらの重要な政策を矢継ぎ早に打ち出した。
 年が明け、新たな規制基準で原発再稼働を判断する原子力規制委員会の審査が始まってから半年が経過した。早ければ今春にも最初の審査結果がまとまる見通しだ。
 エネルギー基本計画案は原発依存度を可能な限り低減させるとしながら、将来の電源構成比率を示していない。時間を稼いで再稼働の既成事実を積み重ね、その結果を追認させようとする意図は明らかだ。
 これが原子炉3基の炉心溶融という大惨事を引き起こした国の政策だろうか。事故の反省も再生可能エネルギーを育てる意欲も見えない。なし崩しに原発回帰を図るようなやり方は断じて認められない。

   ◆サイクル堅持する愚◆

 日本原燃は、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理工場(青森県六ケ所村)について、原子力規制委に審査を申請した。
 工場は20回も完成延期を繰り返し、本格操業のめどは立たない。
 それでも申請に踏み切ったのは、「核燃料サイクルの推進」を盛り込んだエネルギー基本計画案に力を得てのことだろう。
 長期にわたって巨額の費用を投じながら、展望が全く開けない国家プロジェクトの事例の中でも、核燃サイクルは最悪の見本だ。
 仮に再処理工場が稼働しても、プルトニウムを燃やす高速増殖炉が実用化される見込みはない。
 プルトニウムを通常の原子炉で使用するプルサーマル計画は安全性に疑問があり、コストも高い。
 日本は既に、核兵器に転用可能な余剰プルトニウムを国内外に44トンも抱えている。さらに増え続ければ、核不拡散の見地から国際的な批判を招くだけだ。
 核燃サイクルが破綻した現実に目をつむり、ひたすら延命を図る厚かましさには驚くほかない。
 青森県など関係自治体と代替策を話し合い、サイクル撤退の道を追求することこそ政治の役割だ。

   ◆問題多すぎる再稼働◆

 再稼働に向けた安全審査は、北海道電力泊原発を含む9原発16基について行われている。電力各社の地震や津波の想定には甘さが目立ち、安全対策への熱意がうかがえない。
 北電も原子力規制委の指摘を受け、最大津波の高さをはじめ火山噴火や竜巻被害の想定などで修正を繰り返してきた。敷地内や海底の活断層の疑いも依然残されている。
 規制委は政治的圧力や経済性に左右されぬ原則を貫き、厳格な審査に徹しなければならない。
 周辺自治体の住民避難計画作りも遅れている。泊原発から30キロ圏内の13町村は本年度内に作成する予定だが、問題はその中身だ。
 計画の基礎となる防災指針自体が急ごしらえで、規制委によってさみだれ式に追加修正された。計画はあっても、渋滞対策など詰めるべき課題が多い。訓練も不足しており、現状では実効性が疑わしい。
 政府は再稼働の問題を規制委に、避難計画を自治体にそれぞれ丸投げし、成り行きまかせの状況を静観している。無責任な態度と言わざるを得ない。
 少なくとも「原発依存度を下げる」と言うのであれば、全原発が停止している今こそ、その展望と電源多様化の具体策を示すべきだ。
 福島の事故後、国内の原発はほとんど稼働していない。政治の意思と目標が明確になれば、多くの国民は新たな挑戦に踏み出す用意がある。

   脱原発の見取り図を

 跳ね上がる安全対策費、立地対策を含む社会的コストなどを考えれば、原発は割安な電源ではない。あてのない放射性廃棄物処分、福島の事故の賠償、除染、廃炉の費用も際限なく膨らむだろう。
 復興加速指針は、政府が福島の一部地域について原状回復を事実上放棄することを意味する。
 放射能汚染によって故郷が失われ、人が住めなくなってしまうような事態をコストに換算することなど、そもそも不可能なのだ。
 一昨年、民主党政権に「原発ゼロ目標」を掲げさせた脱原発を求める民意は、決して揺らいでいない。
 将来のエネルギーの選択は結局、どのような社会に暮らしたいかという根本的な問題につながる。
 途方もない危険と巨額で無意味な負担を先送りしない見取り図を描き、真剣に到達の道筋を考える時だ。
 そのために国民が議論する機会さえ封じておいて、脱原発の目標をあっさり否定するのは、民意軽視も甚だしい。
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http://www.asahi.com/articles/ASG1H5T5JG1HULFA023.html?iref=com_top6_01

政府、東電の再建計画を認定 柏崎刈羽「7月再稼働」
2014年1月15日19時07分

 政府は15日、東京電力の新たな総合特別事業計画(再建計画)を正式に認定した。2014年度中に柏崎刈羽原発(新潟県)の4基を再稼働させるなどして、年間で1千億円以上の経常黒字を安定して稼げるようにする。再稼働が想定より遅れた場合、電気料金を最大で1割値上げすることも盛り込んだ。
 政府は、原子力損害賠償支援機構(原賠機構)を通じて東電株の過半数を保有し、実質的に国有化している。再建計画は、除染など福島第一原発事故の対応で東電を支援する前提になっており、政府と東電は一体となって原発の再稼働を進めていく。
 新たな再建計画は、東電と原賠機構が昨年末に政府に申請していた。認可された計画では、原子力規制委員会が審査している柏崎刈羽6、7号機の7月からの再稼働をめざす。安全対策工事をしている1、5号機も15年3月までに動くと想定し、14年度は1677億円の経常黒字を見込む。

・・・・・・・・・。
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●2030「年代」原発ゼロと原発建設再開

2012年10月05日 00時00分25秒 | Weblog


東京新聞の二つの社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012092402000101.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012092802000119.html)と二つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012092802000095.htmlhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012092802000245.html)。

 2030「年代」原発ゼロというユルユルの目標さへ、アメリカの横やりで閣議決定できず、建設着工済みの大間原発島根原発は建設を続けるそうだ。民主党政権も次回の衆院選で消えるのだろうし、マニュフェスト問題を見ても明らかなように、そもそもこんな努力目標を守ることなどできもしないだろう。原発を再稼働したり、新規に動かせば、刻一刻と〝死の灰〟が原子炉の中に溜まっていく。その処理法や処分地は決まっていない。原発再稼働・原発建設再開・原発輸出なんて、いい加減にしてほしい!

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012092402000101.html

【社説】
原発建設再開 矛盾ではなく欺瞞だ
2012年9月24日

 「不断の見直し」は、もう始まってしまったのか。政府は「二〇三〇年代原発ゼロ」の看板を書き換えて、原発の建設再開を認めるつもりらしい。新増設なしは基本である。例外は許されない。
 矛盾というより欺瞞(ぎまん)である。何枚、舌があるのだろうか
 枝野幸男経済産業相は、経産省が工事許可を出した原発に関しては、それを変更する考えはないと、明言した。
 着工済みの原発は、青森県大間町で電源開発(Jパワー)が建設中の大間原発(進捗(しんちょく)率37・6%)、青森県東通村の東京電力東通原発1号機(9・7%)、そして松江市の中国電力島根原発3号機(93・6%)である。
 このうち、福島第一原発事故収拾のめどがつかない東電の東通を除く二基については、東日本大震災で中断していた建設工事の再開を認める方針という。
 「二〇三〇年代に稼働原発ゼロ」は、十四日に政府が決めたエネルギー・環境戦略の看板だ。それを実現するための二本柱が、原発の稼働期間を四十年に厳しく制限すること、そして原発の新増設はしないことではなかったか。
 例えば一〇年代に稼働を始める原発を四十年間運転できるとすれば、五〇年代まで寿命を保つことになる。誰にでもわかる足し算だ。大間と島根は新増設にほかならない
 雇用を守ることは大切だ。だからといって、政府の大方針を簡単に曲げるというのは情けない。原発や再処理施設に代え、新たな廃炉ビジネスや電源ビジネスの創出を図るのが政治の仕事である。
 そもそも「二〇三〇年代にゼロ」という期限の切り方が極めてあいまいなものであり、意見聴取会などを通じて脱原発を選択した多くの市民の不興を買った。
 使用済み核燃料からプルトニウムを取り出して再利用する核燃料サイクルは、核のごみの排出元である原発の存続が前提になる。そのような“実験”の継続を認めたことも、安全と倫理を求める国民を落胆させた。
 その上、新戦略発表の翌日に、原発ゼロを骨抜きにするような経産相発言が飛び出すとは、国民の過半がゼロという目標に込めた思いを、あまりにも軽んじてはいないだろうか。
 これ以上不信が広がれば、この国の未来に大きな影が差す。民主党内でも異論はある。四十年廃炉、新増設なしの大原則は、例外なく堅持すべきである。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012092802000119.html

【社説】
どうする核のごみ だから原発は動かせない
2012年9月28日

 核燃料サイクルが行き詰まり、核のごみはたまる一方だ。ごみ処理ができない以上、原発は動かせない。だが、出してしまったものは、どうするか。
 「二〇三〇年代原発ゼロ」の閣議決定が、米国からの横やりで見送られた。その理由は、再処理施設を稼働させ続けたまま原発ゼロにすると、核兵器に転用可能なプルトニウムが国内にたまること、ひいては日本の核武装、核拡散を恐れるからでもあるという。だが、現実は違っている。

「もんじゅ」は廃炉へ
 再処理とは、発電所で使用済みの核燃料からプルトニウムやウランを取り出すことをいう。それらを新型炉で再利用するのが、核燃料サイクルの基本である。それが長年頓挫したままなのだ。
 核燃料サイクルの中心にあるのが、福井県敦賀市の高速増殖原型炉「もんじゅ」である。ところが二十一年前に試運転を始めて以来、事故や事故隠しが相次ぎ、発電できた期間は延べ約四カ月間しかない。
 青森県六ケ所村の再処理工場も、たび重なるトラブルのため、開業が十九回も延期されてきた。十兆円ともされる事業費をつぎ込みながら、リサイクルの輪が閉じる見込みは立っていない。
 現実的に考えるなら「もんじゅ」は速やかに廃炉にし、核燃料サイクル計画は直ちに中止すべきである。欧米諸国はとうに手を引いている。
 そうなると、プルトニウムはもう増えない。だがごみの行き場がない。原発内に併設された貯蔵プールが満杯になる日は遠くない。原発ゼロだから核のごみ処理に困るのではなく、核のごみ問題が解決できないから、これ以上原発を動かすことが不可能なのだ。問題は、すでに出してしまったごみをどうするか。
 青森県と六ケ所村は、リサイクルを前提に、原発から再処理工場へすでに運び込まれた使用済み核燃料の返還を訴えている。
 当の米国自身がこの八月、使用済み核燃料の処分にめどがつくまでは、原発の新設許可を凍結する方針を打ち出したばかりではないか。米国は、ネバダ州のユッカマウンテンを処分場として選定したが、住民の強い反対もあり、オバマ政権は、この問題を白紙に戻している。
 日本でも、地下四百メートルの安全な地層内に埋設するという処分方法だけは決まっているが、処分場の候補地すら挙がっていない。

世界が頭を悩ませる
 地中での最終処分は当面考えず、将来的に取り出して適切に処理し直せるような状態で、暫定保管してはどうかという声も上がり始めている。だが、直接処分とか、乾式貯蔵とか、どのような処分方式を取るにせよ、危険な核のごみの受け入れ先が、簡単に決まるはずもない。
 世界中が使用済み核燃料の処分用地を探しあぐねる中、フィンランドだけが十二年前、オルキルオトというまちに処分用地を決定し、八年後の操業開始に向けて着々と準備を進めている。
 使用済み核燃料を再処理せずに金属製の容器に収め、四百メートルの地下に埋設、管理する。直接処分である。容器の寿命は十万年とされている。
 事業主体は、原発を持つ電力二社が共同で設立したポシヴァ社だ。立地による交付金などは一切ない。住民との徹底した対話と共存の姿勢でここまでこぎ着けた。
 日本では、やはり電力事業者でつくる原子力発電環境整備機構(NUMO)がこの十年、自治体からの応募を待ち続けている。しかし、フィンランドでは地層の古さを調査して候補地を四カ所に絞り込み、安全性や環境への影響評価などを経て、原子力施設が集まる南西部のオルキルオト地域を選定した。
 ポシヴァ社は先を急がず、大小の対話集会を根気よく開催し続けた。共同研究を進めるスウェーデンなど内外の研究機関から客観的な助言を受け、中立的な政府の規制機関の監視にさらされながら、住民との信頼関係を築いていった。その結果「自国のごみは自国で」という空気が醸成された。
 ポシヴァ本社は、現地の古い特別養護老人ホームを借り受けたものである。クリーム色の瀟洒(しょうしゃ)な外観を持つ歴史的な建物を保存する意味もあり、移転した。一階の社員食堂は市民に開放されている。

ゼロから信頼回復を
 英国やカナダ、スイスなどでも、政府や自治体が積極的に住民と事業者との間を取り持つ姿勢を強め、比較的スムーズに事が運んでいる。
 信頼と協調。3・11以降、原発や電気に関して、私たちが失ったものである。もう一度、ゼロから築き直すため、まずは公正な政府の積極的な関与が必要だ。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012092802000095.html

「原発ゼロ」エネ環会議 発言わずか1回 19分で目標後退
2012年9月28日 朝刊

 「二〇三〇年代に原発稼働ゼロ」の目標を掲げた革新的エネルギー・環境(エネ環)戦略を正式決定した会議で、出席者の発言が一回だったことが内閣府が公表した議事録で分かった。会議時間も十九分のみ。中身の薄い議論で、国の重要戦略が決定された様子が浮き彫りになった。
 議事録が公開されたのは十四日に開かれたエネルギー・環境会議。この非公開の会議で三〇年代の原発ゼロが決まったが、多くの国民が求めた全ての原発からの脱却を含め、三〇年までの稼働ゼロから大きく後退した。それだけに、政策決定過程を国民が知る唯一の手段としての議事録公開が待たれていた。
 会議には野田佳彦首相や古川元久国家戦略相、枝野幸男経済産業相ら計十六人が参加。
 冒頭、議長の古川氏がエネ環戦略案を説明。「今回の戦略では(核燃料)サイクル政策の変更を決めたわけではなく、今後、議論して詰めていく方針」などと課題を先送りする考えも示し、参加者に意見や質問を求めたが、意見を述べたのは外務省の加藤敏幸政務官のみ。
 その加藤氏も「国際社会との関係でも検証を行い、不断に見直していく必要性があることを強調したい」と、戦略を見直す余地を残すよう求めただけだった。結局、会議は参加者全員が「異議なし」と戦略を承認し、野田首相があいさつを述べて終了した。
 政府関係者は「エネ環会議は閣僚の承認をもらう形式的な場。中身は事前に決まっており、あまり突っ込んだ議論はしない」と明かす。だが、今回の戦略は節電や省エネに取り組む「国民一人一人の協力が不可欠」(古川氏)で、丁寧な説明こそが重要。形式的な決定過程を公表するだけでは政策を進めるための国民の理解は得られない。 (岸本拓也
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2012092802000245.html

Jパワー 大間原発 建設再開へ 経産相容認受け
2012年9月28日 夕刊

 電源開発(Jパワー)は二十八日、中断している大間原発(青森県大間町)の建設工事を年内にも再開する方針を固めた。同社幹部が十月一日に地元自治体を訪れ説明する。昨年の東京電力福島第一原発事故後、建設中の原発の工事が再開されるのは初めて。
 政府の新たなエネルギー・環境戦略では原発の新増設を認めない方針を示しているが、枝野幸男経済産業相は「建設途上のものは原則の外側にある」としてすでに着工した原発は建設継続を容認する姿勢を示していた。
 大間原発は二〇〇八年五月に着工。工事は四割程度まで進んでいたが、昨年三月の東日本大震災後に中断していた。着工済みの原発は、国による建設再開の許認可は必要なく、Jパワーの判断で再開できる。
 大間原発をめぐっては大間町など青森県の自治体が建設の早期再開を求める一方、対岸の北海道では中止を求める声が強い。函館市議会は建設の無期限凍結を求める決議を全会一致で可決している。
 大間以外で着工済みの原発は、東電東通原発1号機(青森県東通村)と中国電力島根原発3号機(松江市)。中国電は島根3号機の建設再開に意欲を示している。東通1号機に関しては、枝野経産相が「東電は原子力にどう対応するか議論できる段階ではない」と再開には慎重姿勢だ。

政府方針 矛盾抱えたまま拙速

<解説> 電源開発が、大間原発を建設すれば、四十年で廃炉にしたとしても二〇五〇年代まで稼働することになり、政府が決めた三〇年代の原発ゼロ目標は遠のく。枝野幸男経済産業相が着工原発の建設継続を認める考えを示したとはいえ、政府方針の矛盾が解消されていない段階での再開判断は、拙速との批判が予想される。
 政府は原発ゼロを目指す戦略の中で、着工済み原発の取り扱いには触れなかった。建設を認めれば三〇年代のゼロ方針が極めて難しくなる一方で、大間町や民主党議員の中には早期の建設再開を求める声もあり、問題から目を背けたためだ。
 枝野経産相は戦略が決まった翌日の十五日に青森県を訪れ、三村申吾知事らに建設再開を認める考えを伝え、矛盾を露呈。電源開発は同日、「今後のエネルギー政策の検討を確認のうえ対応する」とのコメントを発表しており、それからまだ二週間程度しかたっていない。
 原発ゼロ方針と、枝野経産相の再開容認の矛盾は解消されていない。そんな中で原発の維持推進を掲げる電力事業者の建設再開方針は、なし崩しで拙速との印象が強い。原発に頼りたくないという国民の意思からも懸け離れている。 (吉田通夫
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●リラッキングとオンカロ

2011年07月12日 00時01分55秒 | Weblog


WP『小出裕章(京大助教)非公式まとめ/京大原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報』(http://hiroakikoide.wordpress.com/)に出ていた記事http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/29/tanemaki-jun28/)。

 このまま福島第一原発の汚染問題が何らかの終息を見たとしても、これまで生成されてきた核のゴミを数万年、数十万年と管理し続けなければならない。今後、運転すればするほど放射性廃棄物が増え続ける。本当にバカげた発電方式である。

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http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/06/29/tanemaki-jun28/

628 全国の原発で使用済み燃料を密に詰めなおし余裕を切り落としている 小出裕章(MBS

2011
年6月28日(火)、MBS(毎日放送)ラジオの「たね蒔きジャーナル」に、小出裕章氏(京大原子炉実験所助教)が出演されました。


番組案内
9000人以上の株主が詰めかけた東電の株主総会。怒号が飛び交う中、混乱の幕開けでした。原発被災者の株主は、福島に帰ることができない無念を訴えるとともに、原発撤退を求めました。この株主から提案された原発撤退は否決され、総会に出席した多くの株主の怒りは収まらないままの閉会。それでは、原発は投資に値するものなのか?株主はどのように判断するべきなのか?投資家の助言機関大手の「日本プロクシーガバナンス研究所」の吉岡洋二さんに聞きます。
京都大学の小出先生とは、話題のあの映画について話します。


録画
20110628 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章

要約
・(昨日の核のゴミの話に引き続き伺いたい。昨日の話は発電するときに核のゴミを生み出し、全国の原発で行き場がない。六ヶ所再処理工場に作った燃料冷却のプールも満杯。置場が無くなっている使用済み核燃料を冷やすプールの容量が足りないので、本来なら間隔を空けて保管しなくてはいけないものを詰め込んでいるという話を聞いたんですが?)私たちはそれをリラッキングと呼んでいる。元々は使用済燃料を安全に保管するためにはこの程度の感覚で詰めたほうが良いとプールに入れてきたが、スペースがなくなってきたので密に詰め始めている。ビールやワインを箱に詰めるときには間に緩衝材を置いて、触れないように割れないようにする。その緩衝材を(使用済燃料プールでは)とっぱらって詰めるようにしている。冷却ということをもっと考えなくてはいけない。核分裂の連鎖反応がまた始まってしまうかもしれない。ギリギリという限度という余裕を切り落とそうとしている。

・(リラッキングは極めて稀なのか)全国の原発でやろうとしている。(外に出す保存が行なわれているというふうに聞いているが)本来は使用済燃料を取り出した直後は水で冷やすほかありません。プールに沈めて冷やすのが有効。4年から5年冷やしておけば線量が減る。ある程度冷えたあとは水にに頼らないで保管したいと思うようになるものです。既に実績があり、大部分は金属製のキャスクというものの中に入れて、空気中に放熱する工夫を山のように凝らして、水で冷やさないですむようにするもの。実績もそれなりにあります。

・(それならまだまだ核のゴミが出てきても保管できるのか?)すでにもう核のゴミが出続けてきてもうどうしようもない状態になって、再処理工場を作りそこに移したわけですが、再処理工場自身動かないし、原子力発電所が動いている限り核のゴミが出てしまう。仕方が無いので乾式貯蔵をしなければいけない事になった。そして今は青森県のむつ市に東京電力が5000トン分の乾式貯蔵施設をつくろうとしている。六ヶ所村の再処理工場のプールは3000トンです。

・(本当はプールで冷やさなくてはいけないものをしょうがなくやってる状況なわけですね?)はいそうです。

・(私ある映画を見まして、「100000年後の安全」というものです。この映画の中でフィンランドでは地下500メートルのところに大量に眠らせようとやっている。とりあえず10万年眠らそうということができるのかという映画。核のゴミにとって10万年という値はどういう時間を意味するものですか?)皆さん10万年後を想像できるでしょうか。日本では高松塚の古墳が出たと言ってるわけですが、1000年2000年の前のこともわからないと言ってる中で興味があって調べている。それが10万年、私は100万年と思っているのですが、人間としては想像を絶する時間の長さのことを話しています。

・(少なくとも10万年この建物がもつはずだとフィンランドの技術者達は作っているらしが、まず1万年もった建物は誰も見たことがなく6万年後には氷河期が来ると考えられており、10万年後に「あけないでください」と書いておいても、人類がいるかもわからないと思うのだが?)居るはずがないですね(笑)。5000年前の石に書かれた言語を私たちはわからない

・(フィンランドの人は少なくとも最終的なことに決着をつけようと向き合っていると思ってたのだが?)私たちの世代が原子力に手をつけてしまって、どうしようも無いゴミを生み出しているなんとか決着を付ける責任は私たちにある。しょうがないから地下に埋めようとしている。私はその方法すら正しいとは思いません。せめてゴミは生み出さないようにしたい原子力はやめたほうがいいというのが私の意見です。

・(東電の株主総会で原発推進の方向は変わりませんでしたが?)不思議ですね。東電は何十回倒産してもまだ足りないぐらいの被害を今起こしているわけで、株主の方は1銭の配当も得られない。投資したものが全部なくなるという事態に至っている。それなのになぜ原子力を推進するのか私にはわからない。どういう社会システムで今の社会が成り立ってるんですかね。
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