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Activated Sludge ブログ ~日々読学~

資料保存用書庫の状況やその他の情報を提供します。

●呆れて言葉も出ない・・・血も涙もない人達: 東日本大震災後の福島で、そして、いま福島で・・・

2014年08月30日 00時00分52秒 | Weblog


東京新聞の記事【極限状況 噴き出す差別 被災地の朝鮮学校】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014080902000122.html)。

 「半年後には「在日特権を許さない市民の会宮城支部」や「北朝鮮に拉致されたすべての人を救う会宮城」などが、仙台市からの約百万円の補助打ち切りを求めて監査請求した。請求は棄却されたが、補助は一三年度打ち切られた」・・・・・・東日本大震災後の仙台市で、そんなことが起きていたなんて、全く知りませんでした。血も涙もない人達である。呆れたねっ。

   『●『創(2010年8月号)』読了
   『●「九電本店前ひろば」「経産省前テントひろば」の継続した抗議行動
   『●「九電本店前ひろば」: 「原発推進派」の〝とある暴力集団〟による
                        嫌がらせ、それに乗っかる警察
   『●〝とある暴力集団〟の警察お墨付きの「自由」は許されるのか?
   『●〝とある暴力集団〟、九電前テント村に現る
   『●「言論の暴力」の一線を超えた暴力を行使する〝とある暴力集団〟
   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
   『●「言論の自由」と、「言論の暴力」をも超える行為
   『●ヘイトスピーチ、自らの言論の自由を狭めている
   『●「放射能と学校給食③」『週刊金曜日』
             (2013年6月7日、946号)についてのつぶやき
   『●「真っ当に憲法を考えている政党はどこだ?」
          『週刊金曜日』(2013年6月21日、948号)について
   『●情けないオトナ達: コドモへの『はだしのゲン』閲覧制限事件
   『●「ネットとデマと大震災」『週刊金曜日』
        (2013年8月30日、957号)についてのつぶやき
   『●「露骨な企業優遇、労働者いじめ」 『週刊金曜日』
             (10月11日、963号)についてのつぶやき
   『●「知られざる素顔と「自我作古」 筑紫哲也」
           『週刊金曜日』(10月25日、965号)について
   『●「戦争の端緒」と
     「表現の自由は他人の自由を侵害したら自由でなくなる」
   『●「消費税増税の悪夢」 『週刊金曜日』
       (2014年3月21日、984号)についてのつぶやき
   『●「ぼくらは差別が見えていない」
            『週刊金曜日』(2014年5月9日、990号)
   『●「主権在民 創刊1000号」 『週刊金曜日』
      (2014年7月18日、1000号)についてのつぶやき
   『●「言葉を鍛える。」 『週刊金曜日』
       (2014年8月1日、1002号)についてのつぶやき


 そして、吐き気のするCMLの記事を見ました。最低の人達です。『[CML 033470] 在特会が原発被災者を襲撃します』(http://list.jca.apc.org/public/cml/2014-August/033524.html)によると・・・・・・:

   「
これまで在日コリアン、滞日フィリピン人、在日中国人を
    襲撃してきた在特会が、こんどは福島第一原発事故の
    被災者を襲撃すると予告しています。
    ・・・・・・主催 第2回・プロ避難民を許すな!街宣・・・・・・
    ・・・・・・と予告しています。
    原発被災者を「東電からの賠償金で昼間はパチンコを打ち、
    夜は酒を飲み、更に賠償金の増額を求め訴訟を起こしている」
    と罵倒しています。
    どこまで腐った連中でしょうか!

 本当に「腐った連中」です!!

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014080902000122.html

極限状況 噴き出す差別 被災地の朝鮮学校
2014年8月9日 朝刊

     (救う会宮城の安藤哲夫会長(右)、監査請求書(上)、
      校舎の跡地に立つ東北朝鮮初中級学校の
      玄唯哲校長(左)=コラージュ

 「うちの子どもたちとどう関係があるんですか」。東日本大震災から半月後の二〇一一年三月二十五日朝。仙台市にある東北朝鮮初中級学校の校長だった尹鐘哲(ユンヂョンチョル)(53)は、宮城県庁で、目前に迫った二〇一一年度からの補助金百万円打ち切りを告げられ思わず机をたたいた。

 理由は前年十一月の北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃への「県民感情」。怒りの後は不安に襲われた。「震災を機に朝鮮学校をなくそうと思っているのか」。最大震度6強に見舞われた仙台市。山の中にある同校も築四十年の校舎が全壊した。

 半年後には「在日特権を許さない市民の会宮城支部」や「北朝鮮に拉致されたすべての人を救う会宮城」などが、仙台市からの約百万円の補助打ち切りを求めて監査請求した。請求は棄却されたが、補助は一三年度打ち切られた

 「三陸沿岸部は悲惨な状況。大変な中、朝鮮学校は地震で壊れたのを国の金で撤去した。拉致問題を起こした総連が関わる学校に、なぜ私たちが税金を出す必要があるのか」。救う会会長の安藤哲夫(67)は監査請求の理由をそう説明する。

 「絆」という言葉がさかんに使われた震災後の過酷な現実。拉致問題が表面化した〇二年以降、高校無償化からの排除など「これまでにない厳しい時期」と感じていた尹にとっても、二重三重の打撃だった。

     ◇

 「不安や困難に追い詰められた被災地で普段、社会の根底に覆われていたものが噴き出した。やさしさもいたわりももちろん出てきたけれど、無意識のうちに抱え込んできた差別も出てきた」。震災直後、被災地を回った在日コリアン三世の人材コンサルタント辛淑玉(シンスゴ)(55)はそう感じる。

 宮城県の避難所で、自分が韓国人であり、外国籍の女性たちを支援に来たことを説明すると「韓国は日の丸焼いてるだろ」と、目の前の男性に罵倒された。「韓国人や中国人が自衛隊員や警察官を殺している」などの風説もささやかれていた。

 敗戦直後の在日差別について研究する在日三世の李杏理(リヘンリ)(27)=一橋大大学院=も震災時、仙台と福島の朝鮮学校を支援した。「ヘイトスピーチ(差別扇動表現)は今に始まったことではなく、ほぼ同じ内容のことを敗戦直後から為政者が話していた」というのが持説だが、3・11後の空気の変化も感じている。「震災以前の安定した生活の中にかりそめにもあった社会的寛容が、崩れたように思う」

     ◇

 仙台の東北朝鮮学校は今も校舎再建のめどが立たず、寄宿舎を教室として使う。だが、震災の時、炊き出しなどで支え合ったことをきっかけに、近くの八木山小学校の児童とクラブ活動などでの交流が始まった。同小教頭の門間(もんま)和彦は「震災の時は地域が一体となり助け合った。子ども同士が交流を続けていくのは自然なこと」と話す。現校長の玄唯哲(ヒョンユチョル)(42)も「草の根の交流で、子どもたちが日本社会に溶け込んでいってほしい」との望みは捨ててはいない。 (敬称略、小林由比)

 <朝鮮学校> 第2次世界大戦後、日本の植民地下で日本に暮らしていた朝鮮人らが設置。現在全国に71校あり、幼稚園児から高校生まで約7000人が通う。学校教育法では自動車学校などと同じ「各種学校」として都道府県の認可を受けており、国からの補助はない。大阪高裁は7月、2009、10年の京都の朝鮮学校へのヘイトスピーチをめぐる訴訟で「民族教育を軸に据えた学校教育を実施する場として社会的評価が形成されている」との判断を示した。
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●「積極的平和主義」なアベ様というcivili-UNcontrolな大暴走(out of control)

2014年08月23日 00時00分16秒 | Weblog


東京新聞のコラム【私説・論説室から】シビリアンの戦争』(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2014073002000134.html)。

   『●「積極的平和主義」の本性、つまり「死の商人」「そういうビジネス」
   『●戦争屋による憲法違反の「集団的自衛権」閣議決定・・・
               「やめろと言わないのは“許した”のと同意」
   『●憲法違反を犯しつつ壊憲する愚な・・・・・・
                       「原理原則の無い国」「悪魔の島」
   『●野中広務氏「憲法があり、9条があったからだ」・・・・・・
                   自公議員や翼賛野党議員への痛烈批判
   『●戦争できる国にしたくてしょうがないらしい・・・アベ様に一番に戦場へ
   『●「人殺し」なんぞには行かせたくない


 「安倍晋三首相は政府の憲法解釈を変えて海外での武力の行使に道を開き、国会もそれを止められない。軍部は暴走する、は歴史の教訓だ。シビリアンコントロール(文民統制)こそが誤った戦争を阻むと信じられてきた。しかし、シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない」・・・・・・。
 「積極的平和主義」なアベ様というciviliUNcontrol。Civilian uncontrol。主権在民どころか、俺様なアベ様は違憲な閣議決定で壊憲する始末、それを許す国会、自公投票者。この国はunder controlでもないし、out of controlなアベ様に目茶目茶にされている。

 ブッシュ(パパブッシュのドラ息子の方)はなぜ靴を投げつけられたのか、なぜ「犬」と蔑まれたのか?、自公投票者の皆さんはよく考えた方が良い。

   『●『松下竜一未刊行著作集3/草の根のあかり』読了(2/2)
    「・・・ブッシュ大統領めがけて、イラク人記者が靴を片方ずつ
     投げつけたのです。・・・「イラク人からのさよならのキスだ、め」、
     「これは夫を亡くした女性や孤児、殺されたすべての人のためだ」
     といいながら投げた・・・一般にイスラム世界では「」と
     呼ぶのも靴を投げつけるのも「最大級の侮辱」だということです」

   『●靴を投げられたブッシュ氏のいま
    「大統領だった当時、靴を投げつけられるという屈辱を受けた
     ブッシュ氏。
大量破壊兵器を捏造してまでイラクに侵略したブッシュ氏」

   『●『松嶋×町山 未公開映画を見る本』読了

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2014073002000134.html

【私説・論説室から】
シビリアンの戦争
2014年7月30日

 国際政治学者、三浦瑠麗さんが著した「シビリアンの戦争」(岩波書店)という本を読み始めて、二〇〇二~〇五年の米国ワシントン勤務時代を振り返っている。

 イラク戦争前、ブッシュ政権によって米国民のみならず、日本政府を含む国際社会がイラクに大量破壊兵器があると信じ込まされていた(後に大うそだと分かったのだが…)。

 軍人出身のパウエル国務長官ら政権内部や米軍首脳部にあった慎重論は退けられ、開戦に突き進む。米連邦議会も結局、対イラク武力行使の権限を大統領に与えてしまう。

 開戦に前のめりだったのは軍ではなく、大統領やチェイニー副大統領らシビリアン(文民)であり、シビリアンたる議会も、誤った戦争を阻止できなかった、という構図だ。

 全く同じではないが、当時の状況が今の日本と重なって見えて仕方がない。「集団的自衛権の行使」容認問題である。安倍晋三首相は政府の憲法解釈を変えて海外での武力の行使に道を開き国会もそれを止められない

 軍部は暴走する、は歴史の教訓だ。シビリアンコントロール文民統制こそが誤った戦争を阻むと信じられてきた。しかし、シビリアンの暴走癖もまた、見過ごせない

 私たち有権者が声を上げなければ、シビリアンは時として有権者をだましてでも、暴走し始める。「こんなはずじゃなかった」と後悔してからでは遅い。 (豊田洋一)
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●丸腰市民へ掃海母艦派遣・・・アベ様豪語「最高の責任者は私だ。・・私たちは選挙で国民の審判を受ける」

2014年08月09日 00時00分30秒 | Weblog


『世田谷区長 保坂展人のどこどこ日記』の記事【卒原発の民意に耳を傾けるか、それとも (「太陽のまちから」2014年7月15日)】(http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/72c9d8b13cd88e5956c3dd70cb1f100d)。
琉球新報の社説【海自艦出動 武力で県民恫喝する野蛮】http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-229832-storytopic-11.html)。

 「滋賀県知事選挙・・自民党・官邸をあげての総力支援にもかかわらず及びませんでした・・・・・・「最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは内閣法制局長官ではない。私だ」(2014年2月12日、衆議院予算委員会)」・・・・・・では、近々の福島県知事選・沖縄県知事選等々・・・・・・アベ様のお望み通り、是非、「国民の審判」を下してほしいものです。

   『●首相は産経や読売以外も読んでるのね!?:
               「首相はくず」とは言っていないけれど・・・
   『●ブレーキは無く、二つの「アクセル」な自公政権
   『●『DAYS JAPAN』(2014,JUN,Vol.11,No.6)の
                         最新号についてのつぶやき
   『●「主権在民 創刊1000号」 『週刊金曜日』
         (2014年7月18日、1000号)についてのつぶやき


 さて、琉球新報の社説の指摘「中世の専制君主国と見まがうありようだ。何という野蛮な政府か」・・・・・・沖縄辺野古の普天間基地問題や「子どもにスラップSLAPPSLAPP」した高江オスプレイヘリパッド問題での「アベ様の「政権が抱える差別性の極み」」、そして、「政府が海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」の派遣を検討している」という「日本は中世なみの野蛮さ。もう、呆れるしかない。来る11月の沖縄知事選、現状3候補のうち、選ぶべき候補者は明確だ。アベ様の望む「国民の審判」を、前回の2010年11月のように、決して誤ってはいけない。

   『●国外移設どころか、やはり辺野古埋立承認へ:
             2010年11月の沖縄知事選の予想が現実に
   『●2010年11月の沖縄知事選の選択はやはり誤りだった
                    ~そうさせた「本土」の重い責任~
   『●稲嶺進氏が名護市長選圧勝:
        「安倍政権はそれでも埋め立てを強行できるのか?」
   『●「辺野古の海を守ろう」:
         アベ様の「政権が抱える差別性の極み」に屈せずに

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http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/72c9d8b13cd88e5956c3dd70cb1f100d

卒原発の民意に耳を傾けるか、それとも
保坂展人
2014年7月15日

   (写真:滋賀県知事選で当選した三日月大造氏(右)と、嘉田由紀子・同県知事)

 7月13日の滋賀県知事選挙で、前衆院議員の無所属、三日月大造氏が当選しました。自民党と公明党から推薦を受けた元経済産業省の小鑓(こやり)隆史氏は、事前調査で三日月氏にリードされているとの報道後、自民党・官邸をあげての総力支援にもかかわらず及びませんでした。

 当初優勢だった小鑓氏にとっては、「自衛隊による集団的自衛権行使容認の閣議決定」(7月1日)が転換点になったと伝えられています。

 あの時、憲法解釈の変更をめぐり、安倍晋三首相はこう言い放ちました。

    「最高の責任者は私だ。政府答弁に私が責任を持って、
     その上で私たちは選挙で国民の審判を受ける。審判を受けるのは
     内閣法制局長官ではない。私だ」
     (2014年2月12日、衆議院予算委員会)

 「憲法解釈の最高責任者は私」という首相発言にこそ、自民・公明の与党内協議を急がせて、国会審議もしないまま、閣議決定による憲法解釈の変更に躊躇(ちゅうちょ)なく踏み切った政治姿勢が端的に現れています

   <小鑓氏の最後の街頭演説。地元選出の自民党の武藤貴也
     衆議院議員が『集団的自衛権にイエスかノーか、今回の選挙は
     安倍政権を信任するかどうかを決める選挙だと報道されている。
     ならば負けるわけにいかない』と訴えた。集団的自衛権を自ら
     争点化するような発言に、小鑓陣営の幹部が『何を考えているんだ』
     と武藤氏を叱りつける場面があった>(7月14日付朝日新聞朝刊)

 このような記事に、政治の構図が見え隠れしています。

 もうひとつの争点は、原発でした。嘉田由紀子知事の掲げる「卒原発」の旗を継承する三日月氏は「原発銀座と呼ばれる福井県に隣接して、重要な水源である琵琶湖を抱える滋賀県は、いざという事故の時には大きな影響を受ける『被害地元』である」と訴えました。

 そして、僅差(きんさ)ながら、三日月氏は小鑓氏を抑えて当選しました。

 こうして滋賀県民が「卒原発を掲げる知事を誕生させたとしても、安倍政権は、あくまで既定路線として再稼働に突き進もうとしているようです。鹿児島県の九州電力川内原発1・2号機が「新審査基準を満たすもの」とする原子力安全委員会による審査案を受けて、この秋の再稼働を既定路線として実現させる意向です。

 3年前の東京電力福島第1原発事故の現場で起きていることに、たびたび驚かされます。最近では、福島県南相馬市の農家が収穫したコメから国基準を超えたセシウムが検出された件で、農林水産省が昨夏のがれき撤去によって放射性物質が飛散している可能性を知り、東京電力に対策を要請しながら、地元には説明していなかったというニュースが流れました。

 2011年ではなく、2年後の2013年8月に3号機の「がれき撤去」した際に飛散した放射性物質の影響が、20キロ離れた南相馬市の農地に及んでいたとしたら、当然、農林水産省や東京電力はすみやかに自治体や当事者の農家に説明する責任があります。また、これから1号機のカバーを外す工事をするにあたり、抜本対策は予算不足などの理由から見送られ、放射性物質のさらなる拡散が予想されるというのです。

 原発事故直後、救援物質を送るなどの支援をしてきた南相馬市で、私は桜井勝延市長から強い語調で聞きました。桜井勝延市長が「国からも、東京電力からも、何の情報もない。けれども市民からはすべての回答を求められる」と苦悩の淵にいたことを思い出します。当時と何ら変わっていないどころか、あえて変えようとしないのが永田町と霞が関の実態のようです。

 国際オリンピック委員会(IOC)総会における、オリンピック・パラリンピック招致のための安倍首相のプレゼンテーションを思い出します。

   「汚染水による影響は、福島第1原発の港湾内の
    0.3平方キロメートル範囲内の中で、完全にブロックされています」

 そう断言した後、次のように約束しました。

   「完全に問題のないものにするために、抜本解決に向けた
    プログラムを私が責任をもって決定し、すでに着手をしております。
    実行していく」

 そうした国際公約を掲げるまでもなく、政府が福島第1原発の収拾のための対策に万全を期すのは当然のことです。滋賀県知事選挙の直前には、「最後は金目でしょ」という石原伸晃環境相の失言もありました。

 福島第1原発事故からは、事故によって影響を受ける「地元」が、原発が立地している市町村や県にとどまらないことが証明されました。しかし、現実に進められようとしている「原発再稼働」では、緊急事故時の避難経路の作成や情報伝達などの具体的な対策は放置されたままです。まさに、南相馬市で起きた事態が今後も繰り返されていくのです。

 10月には、福島県知事選挙が予定されています。現在も続く事故収束のための長い苦闘の現場では、「すでに起きたこと」「避難を続けている生活」「放射性物質による健康リスク」が問われるはずです。同時に「原発をつくらない、原発に頼らない社会」をきりひらく大きな議論が必要です。
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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-229832-storytopic-11.html

社説
海自艦出動 武力で県民恫喝する野蛮
2014年8月8日

 中世の専制君主国と見まがうありようだ何という野蛮な政府か

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設強行の前段である海底ボーリング調査に向け、政府が海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」の派遣を検討していることが分かった。

 移設反対派の市民を武力で恫喝(どうかつ)する狙いであるのは明らかだ。

 政府は沖縄を、軍が市民を威嚇してよい地域と見なすということだ。そんなことを実行してしまえば政府と沖縄が抜き差しならぬ対決局面に入ることを、安倍政権は知るべきだ。

 「ぶんご」は前甲板に速射砲を持ち、重機関銃数丁を格納する。掃海母艦との名称はあるが、攻撃能力を見れば事実上、軍艦だ。

 それに対し、移設反対の住民は暴動どころか破壊活動一つ行っていない。武器一つ持たず、非暴力に徹している人々だ。その“丸腰”の市民に軍艦を差し向けるという市民を、交戦中の敵国の軍のように見なすということだ。

 政府は機関砲なども装備する海上保安庁の巡視船も全国から総動員している。中立の第三者として不測の事態に備えただけの前回と異なり、海保も明らかに市民弾圧に転じている。それに加えて軍も出動する。安倍晋三首相は「地元に丁寧に説明し、理解を求める」と言うが、実態はこの強権ぶだ。しらじらしいにも程がある


 「銃剣とブルドーザー」で無理やり土地を接収し、基地を造った米軍占領統治下と何が違うのか。

 そもそも市民運動の抑圧に自衛艦を投入することに法的妥当性はあるのか。防衛関係者は「国の施策に資する場合、あらゆる事態に対応できる」という理屈を持ち出すが、それが許されるなら、どんな政策についても軍の出動が可能ということになる。

 東村高江のヘリコプター着陸帯建設現場近くでも倒錯がまかり通る。県道の路側帯で阻止行動をする住民を排除するため、路側帯を米軍専用区域に変更するという。政府のやりたいことのために法的規定の方を変えるというわけだおよそ法治国家とは思えない

 県道の路側帯を県民が通れない、車道に出て歩くよう求める。そんな県道が沖縄以外のどこにあるか。

 「琉球処分」の際、明治政府は官吏と軍人を差し向け、併合に反対する市民を逮捕、拷問した。住民に軍を対峙(たいじ)させようとする今の政府の姿はそれと二重写しになる。
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●「主権在民 創刊1000号」 『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号)についてのつぶやき

2014年07月21日 00時00分15秒 | Weblog


週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、石坂啓さん【本質をわかりやすく言うと】、「病床の母はあっさりと一言、「テメーが行ってこい」」。

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■①『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 「主権在民 創刊1000号」。同封チラシ「「戦後」の1000号として」(平井康嗣編集長)、「たかが1000号、されど1000号」(北村肇発行人)、「『週刊金曜日』1000号の歩み」。創刊準備号『月刊金曜日』から買い続けた身としては、感慨深いものに

■②『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 三宅勝久さん【自衛隊「訓練」中の死亡事故が多発 10年で69人、「人命軽視」か】、「〝不要な危険〟を強要か・・「教育訓練」以外の死亡事故も多数あり、事故死の実数はこれよりも多いものとみられる」。「戦争できる国」になれば「訓練」死どころか・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cc3976ac9b61db2a8b6c540d79ff96ba

■③『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 及川健二さん【「集団的自衛権の行使容認」閣議決定に各地で抗議 「文章は形容詞によって腐る」】、「・・といった開高健の言葉が思い出される・・」「暴力の連鎖が拡大することを止めたい!」。戦争絶滅受合法案を定める矜持もない自公議員(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/77de2f301efae2ff4a6c6e5f58a3a960

■④『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 満田夏花さん【川内原発再稼働手続き進むも避難弱者は・・・・・・ 施設管理者に避難計画丸投げ】、「伊藤祐一郎鹿児島県知事・・「10キロ圏外の、要支援者・・の施設については避難計画を策定する必要はない」と発言」。死の灰は宮崎や熊本まで届くというのに(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a724141dcbc2f9d68a76dd33d89418d3

■⑤『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 平野次郎氏【人の尊厳守り抜く二審判決 在特会の控訴を棄却】、「大阪高裁(森宏司裁判長)は・・の支払いを命じた一審(京都地裁判決)を支持し、在特会側の控訴を棄却する控訴審判決」。こちらは至極当たり前の判決で、司法の良心は守られた

■⑥『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 「編集委員抗議声明/集団的自衛権行使に否(いな)!」。石坂啓さん【本質をわかりやすく言うと】、「病床の母はあっさりと一言、「テメーが行ってこい」」。そう、戦争絶滅受合法案を制定してから言ってくれ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/bf0581c0ebf44de944dfaeda3fe0ddc5

■⑦『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 雨宮処凛さん【この流れに抗う方法】。宇都宮健児さん【闘いはこれからだ】、落合恵子さん【市民へのテロ!】。佐高信さん【改めて「国とは何か」を問え】。田中優子さん【パンとサーカス】。中島岳志さん【立憲主義を守るために】

■⑧『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 横田一さんら【滋賀県知事選、自公敗北の衝撃 福島県知事選、沖縄県知事選に波及する三日月大造氏の勝利】、「原発政策が問われる10月の福島県知事選、普天間基地の名護市辺野古移設問題のゆくえを左右する11月の沖縄県知事選と、自公連立体制には荒波が待ち受けている」

■⑨『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 半田滋さん【旧日本軍化する自衛隊が苦心する若者の呼び込み 自衛官募集CMにAKB島崎遥香】、「戦死と自殺と・・防衛省が8500万円かけて制作した自衛官募集のテレビCM・・徴兵制への道・・憲法の屋台骨である9条でさえ、解釈を変更して「戦争できる国」に・・」

■⑩『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 安田純平さん【現地ルポ 「イスラム国」が支配地域を拡大 制圧されたファルージャをゆく】、「イラクは国家分裂の危機にある・・イラク市民の間の亀裂は危険な水準にまで来ているようだ」。『ルポ戦場出稼ぎ労働者』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/25aeb85839f7e9274655adf7a976c909

■⑪『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 伊田浩之さん【新聞全面広告を7月1日に全国展開した三菱電機 武器】、「ミサイル共同開発・・過大請求明るみに・・NHK報道に疑問・・同じ番組で2回も三菱電機(とその子会社)が出るのは異例。必然性が無い宣伝であれば放送法・・に触れる恐れすら・・」

■⑫『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 浅野健一さん【命懸けた訴えを犯罪にしたメディア 新宿焼身自殺未遂】。「安倍首相の回答は、メモの棒読みで、質問にまともに答えていない。日本の国の形をクーデター的に変えようとする首相を追及する気もない記者たちに絶望した」

■⑬『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 【佐々木実の経済私考/空振りする日銀の“異次元緩和”企業優遇だけの成長戦略は的外れ】、「「企業が潤えば、従業員も潤う」。そんな楽観論はもはや通用しなくなった。企業優遇策に遍した成長戦略では問題を解決できない・・」

■⑭『週刊金曜日』(2014年7月18日、1000号) / 矢崎泰久さん【発言2014】、「日本の歴史認識は軍国主義時代の皇国史観を未だに引きずっているように思える。その見本が解釈改憲を強行する安倍政治に他ならない」。「積極的平和主義」という言葉のいかがわしさがすぐわかる」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cc3976ac9b61db2a8b6c540d79ff96ba
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●「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」 『週刊金曜日』(11月15日、968号)についてのつぶやき

2013年11月18日 00時00分59秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年11月15日、968号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。

 今週のブログ主のお薦めは、青井美帆氏【日本が「法治国家」ではなくなる 統治機構のバランスが崩れ三権分立が消滅】、「軍無き国に軍事機密なし」。筑紫哲也さん(文責 編集部)【超訳 「特定秘密保護法」が子分を連れてやってきた】と横田一さん【新潟県で東電の福島原発事故検証がスタート 地震か津波か、原因に切り込む】。

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■①『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 「世紀の大悪法 特定秘密保護法案」。横田一さん【新潟県で東電の福島原発事故検証がスタート 地震か津波か、原因に切り込む】。自然の災害ではなく、人災でしょう!(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a3ffb87aa63324f861c829d0357d4721

■②『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 編集部【練馬区民が閲覧制限請求に抗議の署名提出 『はだしのゲン』を隠すな】、神田香織さんと佐高信さん、「・・を隠して、どんな子どもを育てたいのか、どんな社会にしたいのか」? (http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6be86bd9ca068a1948302f1e349f8664

■③『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 落合恵子さん【風速計/言葉が欲しい】、「分からない三〇%賛成八%に驚く、「会場とはまったく別の風が、外では吹いている・・」。ウソをつく人達の作る猛毒など許してはいけない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/48272cd76b5adc03ece0c6295eef6308

■④『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 小倉利丸さん【「スノーデン問題」を闇に葬るな 米諜報機関は日本で何を行ってきたか】、「実態は何も判っていない」「本人への聴取は不可欠」「なにをさておいても、スノーデンから話を聞かなければならない」

■⑤『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 村上和巳氏【東電が5カ月ぶりに公開した福島第一原発 危険な4号機燃料棒取り出し作業がはじまる】、「1年続く取り出し作業」「増える撮影禁止場所」。恐ろしい神頼み作業がはじまる・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/24d458cb16a2c7c82eaeadd12df9d664

■⑥『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 【西川伸一の政治時評/三権分立を理解していない議員に司法はなめられている 裁判所は「闘う司法」であれ】。【竹信三恵子の経済私考/生活扶助引下げの根拠「物価指数」に仕掛け 統計や報道まで操作しようとするこの政権のゆがみ

■⑦『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 編集部【あなたがテロリストにされる日】、「「国家の安全」優先」「完全な警察国家になる」「私たちが大切にしてきた民主主義」「国際平和」「主権在民」が、消し去られようとしている」。猛毒(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/48272cd76b5adc03ece0c6295eef6308

■⑧『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 三宅勝久さん【「広報」を通さないと刑務所送り!? 元情報保全隊長が法廷で漏らした記者監視という任務】、「「働きかけ」を監視」「記者も調査対象に」「あらゆる官庁が情報収集」。こんな法案が通ってしまうと・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a38306f4b58e0871400154b303996c38

■⑨『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 青井美帆氏【日本が法治国家ではなくなる 統治機構のバランスが崩れ三権分立が消滅】、「軍無き国に軍事機密なし」「裁判官も議員も処罰対象」「「うるさい市民」を監視」「自由を下支えする9条」。日本は既にそんな法案は不要な状況かも?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4beb72bb9c24264018e095a5e1c5218f

■⑨『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 筑紫哲也さん(文責 編集部)【超訳 「特定秘密保護法」が子分を連れてやってきた】、「不当な秘密があったとしても、秘密は秘密」「政治家のスキャンダルは一切後を絶った」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/2e3d95d5ba4ab46702523623d4b8dd04

■⑩『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 宇都宮健児さん【黒風白雨26/情報公開は民主主義の「通貨」である】、「政府がなさねばならないのは、情報公開を徹底することでありそのための情報公開法の改正であるはずである」。(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/b2db1d90312dd74e39c7492159840a78

■⑪『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 【伊藤千尋の国際時転/米国 他国指導者や市民への盗聴・通信傍受が発覚 各国が抗議し米国市民による盗聴反対デモも】

■⑫『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / みわよしこ氏【あまりにも危うい「両刃の刃」 国会に再提出された生活困窮者自立支援法案】。永六輔さん【無名人語録/トイレの無いマンション・・でもそんなきれいごとじゃありません。もっとはっきり言いましょう。ウンコだらけのマンション】

■⑫『週刊金曜日』(2013年11月15日、968号) / 明石昇二郎さん【日本は韓国の手厚い被害者救済を見習うべし 「枯葉剤」を浴びた兵士たちの今】、「晩発性疾患も「被害」」「疑わしきは救済」。枯葉剤と放射能(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/826f81f88c49f5fc553712714d3291b2
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●麻生太郎氏「だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」

2013年08月07日 00時00分22秒 | Weblog


asahi.comの記事二つ(http://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310562.htmlhttp://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310561.html)。橋下徹元大阪「ト」知事のアホな助太刀についてのnikkansports.comの記事(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20130802-1166848.html。gendai.netの二つの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/143737http://gendai.net/articles/view/syakai/143785)と東京新聞のコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080402000103.html)。

 どうせ、有耶無耶になってお終いなんでしょうね。普通、恥ずかしくって、人前に出れないでしょうに。元東京「ト」知事や元大阪「ト」知事と同じ脳味噌の構造。

 こんな議員に投票してしまった方々、何にも感じていないのでしょうね・・・?

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http://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310562.html

2013年8月1日0時7分
麻生副総理の発言要旨 ナチス憲法改正「手口学んだら」

 麻生副総理の憲法改正関連の発言要旨は次の通り。

 狂騒、狂乱のなかで、騒々しいなかで決めてほしくない。落ち着いて、我々を取り巻く環境は何なのか、この状況をよく見てください、という世論の上に憲法改正は成し遂げるべきだ。そうしないと間違ったものになりかねない。靖国神社の話にしても静かに参拝すべきだ。お国のために命を投げ出してくれた人に敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。いつからか騒ぎになった。騒がれたら中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろうや、と。憲法はある日気づいたら、ワイマール憲法がかわって、ナチス憲法にかわっていたんですよ。だれも気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね
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http://www.asahi.com/politics/update/0731/TKY201307310561.html

2013年7月31日23時48分
ナチスの憲法改正「手口学んだら」 麻生副総理が発言

 社民党の又市征治幹事長は31日、麻生太郎副総理がナチス政権の憲法改正の手法を引き合いにした発言について「断固糾弾し、発言の撤回と閣僚及び議員辞職を求める」とする談話を発表した。共産党の志位和夫委員長もツイッターで「憲法を機能停止させた(ナチスの)手口に学べというのか」と批判した。
 麻生氏は29日、東京都内でのシンポジウムで「ある日気づいたら、ワイマール憲法がかわって、ナチス憲法にかわっていた。だれも気づかないでかわった。あの手口を学んだらどうかね」などと語った。改憲について「狂騒のなかで決めてほしくない」と冷静な議論の必要性も指摘したが、ナチス政権を肯定したとも受け取られかねない
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http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20130802-1166848.html

麻生発言擁護の橋下大阪市長も批判

 憲法改正で戦前のドイツ・ナチス政権を引き合いにした麻生太郎副総理兼財務相の発言について、ユダヤ系団体幹部は1日、「ブラックジョークだった」と擁護した日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長について、「ブラックジョークとして扱ってはならない事柄がある」と批判した。
 批判したのは「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・米ロサンゼルス)幹部のエーブラムス・クーパー氏。
 クーパー氏は共同通信の電話取材に「私は30回以上、日本を訪問したが、原爆を投下された広島と長崎の人々の苦しみが冗談にされているのを聞いたことがない」と指摘。第2次大戦中、ナチス政権下のユダヤ人の他にも、世界中で多くの人々が理不尽に殺されたと述べた。
 橋下氏は1日、麻生氏の発言について「行き過ぎたブラックジョークだったのではないか。正当化した発言でないのは、国語力があればすぐ分かる」「政治家だとこういった批判は出るが、エンターテインメントの世界ならいくらでもある」などと擁護した。(共同)

 [2013年8月2日13時22分]
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143737

ナチスの手口に学べ」麻生発言の恐ろしさ
2013年7月31日 掲載

 「ナチスの手法に学べ」――。麻生副総理の発言が波紋を広げている。29日、都内の講演会で憲法改正について語り、「ワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。あの手口を学んだらどうか。(国民が)騒がないで、納得して変わっている。喧騒の中で決めないで欲しい」と言った。ナチスを参考にしろとは“舌禍男”の麻生らしい言葉だが、単なる失言で片付けるわけにはいかない。
 ワイマール憲法は1919年、第1次大戦に敗れたドイツで成立。主権在民や男女平等の自由選挙などをうたった進歩的な内容だった。
 この憲法を骨抜きにしたのがヒトラー率いるナチスだ。33年、ヒトラー政権が樹立し、「全権委任法」を可決させた。この法律は内閣が自由に立法権を行使できるというもので、以後、ナチスは他国への侵攻やユダヤ人虐殺などに暴走し、ワイマール憲法は事実上消滅した。麻生の発言は、同じ手法で日本国憲法を改定すればいいという意味に解釈できる。

 「当時のドイツといまの日本は酷似しています」と言うのは政治評論家の本澤二郎氏だ。

   「ドイツ人は敗戦で多額の賠償金を取られ、経済が停滞して意気消沈して
    いました。そこに強い国家を標榜するヒトラーが登場。国民の圧倒的な
    人気を得て政権を掌握し、ナチスの前に立ち向かったのは共産党だけ
    という状況でした。現在の日本も同じ。長いデフレ不況で気分が
    ふさいでいた国民は詐欺的なアベノミクスに引き付けられ、
    参院選で自民党を大勝させた。安倍政権を真っ向から批判するのが
    共産党くらいという点も似ています」

 行き着く先は「96条改定→平和憲法破棄」なのだが、いまの日本人はその危うさを理解しているのだろうか。社会学者で作家の岳真也氏が言う。

   「長引く不景気の中で、日本人はアベノミクスに一筋の光を見いだし、
    何も考えずに心酔している。批判精神も希薄になっています。
    これは為政者にとってすごく好都合な状況。大衆は安倍政権の
    操り人形みたいなものです」

 これぞ安倍―麻生の正体なのだ。
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http://gendai.net/articles/view/syakai/143785

ナチス発言 麻生財務相 どのツラ下げてG20に出るのか!?
2013年8月2日 掲載

もう辞めろ!

<釈明文の漢字も読み間違い>

 ナチス発言で世界中から袋叩きにあっている麻生財務相が1日、発言を撤回した。「私の真意と異なり、誤解を招いたことは遺憾である」とか釈明していたが、驚いたことが2つある。ひとつは釈明文を読んだ際、「真意」を「しんし」と読み間違えたこと。もうひとつは、こんな紙切れ一枚で、幕引きが図れると思っていることだ。バカにつける薬はない

 さすがにヤバイと思ったのか、1日の麻生は報道陣に囲まれると、いきなり、釈明文を読み上げ、発言を撤回した。ま、漢字の読み間違いはいつものこととして、釈明の理由は支離滅裂だ。

   「憲法改正について、落ち着いて議論することが重要と考えている。
    喧騒にまぎれて十分な国民的理解および議論のないまま進んでしまった
    悪しき例として、ナチス政権下のワイマール憲法にかかる経緯を挙げた」

 まるで、誤解した報道が悪いと言わんばかりだったのだが、冗談じゃない。麻生は「(静かにワイマール憲法を変えたナチスの)手口を学んだらどうかね」と言ったのである。正確に再現するとこうだ。

   〈(靖国参拝が)わーわー騒ぎになったのはいつからですか? 
    昔は静かに行っていた。(原因は)マスコミですよ。騒がれたら中国も
    騒がざるを得ない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろうや、と。
    憲法もある日気がついたら、ワイマール憲法が変わっていて、
    ナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。
    あの手口に学んだらどうかね?
    わーわーわーわー騒がねえで。重ねて言うが、
    喧騒の中で決めて欲しくない〉

 どこをどう読んだって、「静かに憲法を変えたナチスに学べ」としか聞こえないのだ。苦し紛れの釈明は見苦しいの一語だが、麻生はこれで「幕引き」と思っている。議員辞職はもちろん、財務大臣も辞めない気だ。これまたとんでもない感覚なのだ。

 ビジネス・ブレークスルー大教授の田代秀敏氏が言う。

   「欧米は日本の財務大臣がバカでも問題にしないが、
    ナチスは絶対に許さない。あんな発言をしたら、政治家はもちろん、
    社会生活も送れなくなりますよ。それほどの大暴言です。しかも、
    世界の金融市場はユダヤ人が握っている。どんな顔をしてG20などの
    国際会議に出るつもりでしょうか。麻生さんが発言したら、
    席を立つ閣僚やスタッフがいてもおかしくない。もう国際社会で仕事は
    できないのです。それでなくても、安倍政権は慰安婦問題で世界から
    奇異の目で見られている。麻生発言で奇異から忌避に変わると思う。
    もうこの政権には関わりたくない。そう見られると思いますよ」

 麻生は2日午前、「辞職するつもりはない」と話し、謝罪する考えもないと表明したが、粘っても無駄だ。議員バッジを外すしかない。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013080402000103.html

【コラム】
筆洗
2013年8月4日

 歴史観や国際常識に加え、国語力の欠如をもさらけ出した麻生太郎副総理の発言は世界中から批判が集まったが、活発な国民的な議論を経ずに憲法を変えてしまえばよい、というのは本音だろう▼憲法改正は国会の発議だけでなく、国民投票が必要だ。初めての体験である。賛成、反対の立場から激しい議論が起きるのは必然だ。侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を重ねることで国民はこの国が直面している課題への理解を深める▼結果はどうあれ、その過程を経ることで民主主義は鍛えられるはずだが、「いつの間にか変わっているのが理想らしいその発想は、安倍政権の動きと重なる▼内閣法制局長官に外務官僚を起用する異例の人事が決まった。集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈の見直しに前向きな人物をトップに据える狙いは明白だ▼自衛隊の海外活動を縛ってきた法制局の解釈は、長年にわたる国会での議論を踏まえ歴代政権が引き継いできた重みがある。「内閣法制局長官が時の政権によって解釈を変更できるなら、企業のお抱え弁護士と変わらない」(阪田雅裕元長官)▼集団的自衛権の行使容認は究極の「解釈改憲」である。国民が直接、意思を示す機会を与えないまま、過半数の国会議員の賛成だけで憲法は完全に形骸化する。憲法を変えられるのは主権者の多数意思だけだ。安倍首相は学び直した方がよい
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●沖縄の「屈辱の日」を祝う神経

2013年04月29日 00時00分45秒 | Weblog


沖縄の人々にとっての「屈辱の日」について、東京新聞の社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013042802000135.html)とコラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042802000132.html)、そして、CMLの記事(http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-April/023793.html)。

 衆院選での自公政権復権で浮かれている。当初は「安全運転」するつもりだったらしいが、どんどんと箍が緩んできている。自公(や元両〝ト〟知事のトンデモ党)に投票した人たちや、支持者の人達は何も感じないのでしょうかね?

   『●改憲などしている場合か? ~壊憲派に勝たせてはならない~
   『●トンデモな両元〝ト〟知事がリーダーの「維新」を支持する価値はあるのか?
   『●橋下元大阪〝ト〟知事の問題というよりも、投票者・支持者の問題?
   『●来るところまできた原発推進、 
             3.11東京電力原発人災は一体何の教訓をもたらしたのか?
   『●東京電力原発人災、大熊町双葉病院の患者遺族が東電を提訴
   『●元大阪〝ト〟知事は単なる目立ちたがり屋!? 「あざとい」・・・
   『●民意薄き圧勝: 原発推進してきた自民党

 コラム「筆洗」の云う「仲井真弘多沖縄県知事は欠席する。当然だ。沖縄にとっては、祖国から切り離された「屈辱の日」なのだから▼「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」。保守系の翁長雄志那覇市長が語っていた。こうした正論は安倍晋三首相の耳には聞こえないようだ」、に全く同感。
 「屈辱の日」を祝う神経を疑う。

 「安倍政権を礼賛している右寄りの人たちは、実は自分たちも切り捨てられる側にいることに気づいていない」、これってハシズムを大絶賛している人たちにも言えます。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013042802000135.html

【社説】
週のはじめに考える 日本の真の独立を思う
2013年4月28日

 きょう二十八日は主権回復の日。天皇、皇后両陛下も出席されての初の式典開催ですが、沖縄の当然ともいえる反発があっては虚心にはなれません。 
 サンフランシスコ講和条約が発効した一九五二年四月二十八日はどんな日だったか。データベースを検索して当時の新聞各紙を読み比べると、歓喜と不安が交錯する日だったことがわかります。
 六年八カ月の軍事占領からの解放。中日新聞(当時中部日本新聞)は一面に「雲ひらく」と題した横山大観画伯の大きな多色刷り富士山頂図を奮発しています。


歓喜と不安交錯の記念日

 朝日新聞は天声人語の「二つの日本に分割されなかった幸い」や「有史以来初の主権在民の独立国になったのである」に高揚感を漂わせます。「自主独立が外交の基本」-夕刊紙だった東京新聞はこの朝の吉田茂首相と内閣記者団との一問一答を掲載しています。
 不安は東西冷戦に由来します。五〇年六月、北朝鮮軍の砲撃から始まった朝鮮戦争は、死者四百万~五百万人、その大半が一般市民という凄惨(せいさん)な事態となりますが、まだ休戦に至っていません。講和も旧ソ連や大陸の中国との締結のない単独講和でした。
 中日新聞に「独立に想(おも)う」を寄稿した社会学の清水幾太郎は「アメリカのソ連包囲網の一環になったまでのこと。新しい大戦の危険は大きい」と不気味な予言。「八千五百万人の日本人が独立の気力をもって現実に働きかければ」と期待しました。「共産主義が歴史の必然」ともいわれた時代。世界の行方などわからないものです。
 講和条約と同時に発効した日米安全保障条約によって、西側陣営に立ち、反共の砦(とりで)の役割を担うことになった日本。戦後社会をけん引したのは吉田首相の軽武装・経済重視の「吉田ドクトリン」路線でしたが、最近の昭和史研究や豊下楢彦前関西学院大教授の「昭和天皇・マッカーサー会見」(岩波現代文庫)は、外交、防衛、安全保障面で昭和天皇の果たした役割の大きさを明らかにしています。昭和天皇の沖縄メッセージや講和条約交渉への天皇の介入は、沖縄の運命や日本の防衛や安全保障に決定的だったように見えます。


沖縄の犠牲に支えられて

 沖縄メッセージは四七年九月、天皇御用掛の寺崎英成氏が連合国マッカーサー総司令部に伝えた極秘メッセージ。天皇が米軍の沖縄占領継続を希望し、占領は長期租借(二十五年ないし五十年、あるいはそれ以上)で-などの内容。七九年の文書発掘は沖縄に衝撃を与え、その後、入江侍従長の日記で内容がほぼ事実と確認されたことで、沖縄の人々は大きく傷ついたといわれます。
 豊下前教授はダレス米国務省顧問を相手にした講和条約、安保条約交渉でも、吉田首相と昭和天皇の二重外交があったことを論証しています。当時の天皇にとっての脅威は朝鮮半島にまで迫った共産主義でした。共産主義から天皇制を守ることは日本を守ることでもあったのでしょう。戦争放棄の憲法と非武装となった日本で天皇が頼ったのは米軍、それが沖縄占領継続の希望や基地提供でした。
 そこにはパワーポリティクスや外交的駆け引きの余地はなく、ダレスに対日交渉での当初からの目論見(もくろみ)「望むだけの軍隊を、望む場所に、望む期間だけ駐留させる権利の確保」を勝ち取らせることになってしまいました。およそ独立にふさわしくないこの条約は、今も日米地位協定の不平等のなかに潜まされ、変えられていません。
 講和条約三条で沖縄は本土から分離され米国の施政権下に移されました。講和条約や安保条約の成立過程の検証は、本土の独立が沖縄の一方的犠牲の上に築かれていることを教えます。
 沖縄への理不尽は、世界一危険な普天間飛行場移転問題に集約的に現れます。沖縄の四十一全市町村長の反対にもかかわらず、政府は県内の辺野古移転を変えません。米軍の移転候補基地の比較衡量で満点は「本土の自衛隊基地」。辺野古への固執は本土移転回避の政治的理由としか思えません。
 日米安保の重要性は否定できません。それなら負担は国民が等しく、本土でも米軍基地を引き受けていくべきです。憲法改正に声高な政府や政治家が日米地位協定改定には及び腰なのはなぜか。国民のために当たり前のことを主張し要求していくのが独立国の政府、正しいことに勇気をもって立ち向かうのが独立国の国民。


日本全体で考える

 昭和を継いだ今上天皇の沖縄への思いはことに深いようです。昨年十二月の七十九歳の誕生日のお言葉は「日本全体の人が沖縄の人々の苦労を考えていくことが大事」でした。沖縄こそ真の主権回復の一歩にしたいものです。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013042802000132.html

【コラム】
筆洗
2013年4月28日

 <パスポート笈(おい)底深く復帰の日>。『南島俳句歳時記』(瀬底月城著)から志多伯得壽さんの句を引いた。笈とは背負って歩く木製の箱。沖縄が復帰するまでの間、本土への渡航に必要だったパスポートをしまい込んだ感慨を詠んだのだろうか▼一九五八年、夏の全国高校野球大会に沖縄代表として初出場した首里高校の選手もパスポートを携えて渡航した。甲子園のグラウンドから土を持ち帰ろうとすると、検疫で「外国の土」とみなされ、那覇港で廃棄させられた▼五二年四月二十八日、サンフランシスコ講和条約が発効し、連合国軍総司令部(GHQ)の占領が終わった。沖縄にとってはさらに二十年間に及ぶ米軍統治の始まりだった米軍基地はそっくり残り、再び本土の「捨て石」にされたのである▼政府はきょう、主権回復を記念する式典を開く。仲井真弘多沖縄県知事は欠席する。当然だ。沖縄にとっては、祖国から切り離された屈辱の日」なのだから▼「憲法改正よりも日米地位協定を改定することが主権回復だ」。保守系の翁長雄志那覇市長が語っていた。こうした正論は安倍晋三首相の耳には聞こえないようだ▼講和条約と同時に結ばれた日米安保条約の下で沖縄の人々が強いられてきた犠牲は、本土のメディアや国民の無関心によって一層強められた。「屈辱の日に立ち上る声に耳を澄ませたい
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http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-April/023793.html

[CML 023924] 主権と回復 慶応大学教授・片山杜秀さん

BARA ・・・・・・
2013年 4月 27日 (土) 11:28:10 JST


新聞記事
朝日新聞2013.4.27朝刊
http://digital.asahi.com/articles/TKY201304260492.html?ref=comkiji_redirect

4月28日、安倍政権は「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」を開き、天皇、皇后両陛下も出席する。
閣僚の靖国神社参拝などと相まって国家主義的な動きが強まっているように見えるが、政治思想史家の片山杜秀さんは「国民国家が崩壊過程にあるからこそ起きる現象だ」と語る。
いったいどういうことなのだろうか。


 ――「主権回復の日」をどうみますか。

 「実に『安上がり』な国民統合の仕掛けですね。安倍政権が主権や国防軍、日の丸、君が代といったナショナルなシンボルをやたらと強調するのはもう国は国民の面倒はみないそれぞれ勝手に生きてくれ』という、政権の新自由主義的なスタンスと表裏の関係にあります

 「日本という国は明治以来、天皇の下で国民統合が図られてきました。革命が起きて天皇制がつぶれたり、共和国になったりすることをずっと怖がってきて、社会主義や共産主義を抑圧しようと幸徳秋水を殺し、大杉栄を殺し、治安維持法を制定し、その一方で国民に不満を持たせないように、食わせるための努力をしてきた。社会党や共産党よりも天皇を仰ぐ私たち保守の方が皆さんを食わせることができますよと、実際に札ビラを見せながらやってきたのが戦後自民党で、池田勇人の所得倍増計画はその典型です。しかし今の安倍政権はそういう保守ではもはやない。税金や徴兵など国民に犠牲を強いるかわりに後々までちゃんと面倒みるよ、というのが国民国家ですが、安倍政権の国家観はすでにそこからズレていっています。そのことをまずは深く認識すべきです」


 ――どういうことでしょうか。

 「例えば自民党の改憲草案では、わざわざ条項を新設し、『家族は、互いに助け合わなければならない』とうたっています。オールド左翼は『天皇を家長とする家族主義的国家の復活だ』といった方向から批判をしていますが、全くピントがずれている。これは自助努力の文脈で捉えなければなりません。家族で助け合ってくれれば安上がりですから

 「草案には天皇の元首化や国防軍の創設なども盛り込まれているため『右傾化』『軍国主義』といった枠組みで批判されがちですが、問題の本質を見誤っています。安倍政権の特質をひとことで言うなら『安上がり』です。国民の面倒はみない、でも文句を言わせないための安上がりな仕掛けをたくさん作っておこうというのが安倍政権の改憲路線です。国民皆兵にして海外で戦争を……なんて考えているわけがない。面倒なことは少しでもやりたくないというのが新自由主義ですから」

 「ただ、面倒をみなければ当然、国家としての凝集力は弱まります。富裕層は国外に流出するかもしれないし、貧乏人は暴動を起こすかもしれない。さあどうするか。以前のようにお金をバラまけないのなら、とりあえずは精神で統合をはかるしかありません。日の丸。君が代。靖国神社。主権回復の日。あるいは国民栄誉賞もそうかもしれませんが、『俺たちは日本人だ』という雰囲気を盛り上げ、つらい目にあっている人ほど持っている『連帯したい』という感情を糾合し、文句を言わせないようにしようと。安倍政権を礼賛している右寄りの人たちは、実は自分たちも切り捨てられる側にいることに気づいていないし、左の人たちは批判のポイントを間違っていて、その意味では両方ともうまくごまかされてしまっています」

     ■     ■

 ――確かに、式典を批判する側の足場は「沖縄の心」に偏っていて、どうにも心もとない感じです。

 「サンフランシスコ講和条約と同時に日米安保条約が結ばれたことによって、主権とアメリカ、どちらを立たすか難しい『二頭立て』の状態が現在も続いています。沖縄にとって4・28が『屈辱の日』であるのはその通りで、それを祝うなんて沖縄に失礼だ、申し訳ないというのはひとつの正しいロジックです。ただそれは逆にいうと、沖縄を犠牲にして本土はいい思いをしたということを裏で認めることになる。真っ先に語られるべきは、4・28は日米安保とセットだったということで、『沖縄が怒っている』ではない。沖縄に極端に出ている問題を本土もまた抱えているのだという視点を強調せずに、沖縄に寄りかかって批判していると、筋がズレてしまいます」


 ――式典には天皇も出席します。

 「『最低価格』での連帯感の維持を考えた時、最も有効なのは天皇を政治的に利用することです。天皇が来なければ、せっかくの式典の価値が減じます。国歌や国旗と違って、天皇は生身ですから。お言葉を発したり歌を詠んだりすれば、別に懐は温まらなくても『日本人でよかった』という連帯心が醸成される。日本に天皇がいなかったら、国民統合にかかるコストは今とは比較にならないくらい高くついたでしょう」

 「今上天皇はまさにアメリカが占領時代に日本に植えつけた民主主義的な価値観を、ある意味最も体現している人物でもある。もし自らの意見を表明することが許されるなら……。一番よくわかっておられる。そう信じています」


 ――安く上げるために、利用価値があるものは何でも利用すると。まさに新自由主義的ですね。

 「安倍政権が戦後の保守とは質を違えていることはまさに、4・28で歴史に線をひくという発想に現れています。軍国主義から平和主義へ。天皇主権から国民主権へ。天皇のいる民主主義国家をつくり、守っていくための仕掛けは、占領時代、日米の絶妙な政治的駆け引きによって生まれ、だからこそ自民党の長期政権も可能になったのです。4・28以前の日本は占領軍に手足を縛られ、何も思うようにできなかったかのごとく言うのは、歴史の歪曲(わいきょく)であり、戦後保守の自己否定です」

 「さらに占領期のネガティブな面を強調し、4・28を一種の解放記念日のように位置づけることは、反米ナショナリズムに火をつけ、自主防衛、日米安保破棄論につながりかねません。反米世論を抑え、アメリカを『番犬』にしながら日本を豊かにして国民に分け前を与えるというのが戦後保守の王道なのに、下手をするとその構図を壊しかねません」

     ■     ■

 ――それでもあえて4・28を強調するのはなぜでしょうか。

 「改憲への地ならしにしたいという意図ははっきりしています。『憲法は占領時代に押し付けられた。自分たちでつくり直さなければ真の自立とはいえない』という言説を振りまき、そうだったのか、じゃあとりあえず96条を改正して憲法を変えやすくした方がいいかもしれない、という世論を形成したいのでしょう」


 ――憲法を変えれば日本は良くなるなんて、ずいぶんナイーブというか精神主義的な議論ですね。

 「日本の精神主義は、『持たざる国』であることからきています。地政学上、日本のライバルは中国、アメリカ、旧ソビエトですから、嫌でも資源に乏しい国であることを自覚せざるを得ません。その結果、人口が足りないから産めよ増やせよとか、資源を求めて植民地主義に走るとか、現実を直視せずに常に背伸びをして頑張る、頑張っていればきっとそのうちなんとかなるさ……という習性が身についています」

 「背伸びをさせるには精神主義しかありません。戦争中、レーダーを開発するお金がなくても、日本人は目がいいから大丈夫だとか、空襲も音で判断しろと学校でレコードを聞かせ、『これはB29だ』と教えている。体が小さい日本人は大きくて小回りが利かないアメリカ人よりも戦闘機乗りとして有利だと、本に真面目に書いてありますから。『持たざる国』だという現実を美化するためのロジックは無尽で、あとは精神力でカバーすればなんとかなると。そうやってずっとやってきたのです」

     ■     ■

 ――為政者にしてみれば、安上がりな統治がしやすいと。

 「そういうことになりますね。安上がりに済ますにはうってつけの精神的風土があることは疑いない。ただ、それでも戦前の日本は、『この戦争に勝てば大東亜共栄圏ができて日本は繁栄する』と、将来のビジョンを示している。所得倍増計画だって、みんな電化製品に囲まれていい暮らしができるよというビジョンを見せて、それなりに実現させることによって国民を統合していました。ところが、今の安倍政権はビジョンを見せたり約束したりはしてくれません。『美しい国』なんて何の実態もないし、『アベノミクスもお祭り囃子(ばやし)に過ぎないでしょう。踊れや踊れ、でもその後は自助だよ知らないよと開き直るのは、日本においては新しい統治のパターンです」

 「そもそも日本が国民国家であるということが、もはや当たり前ではなくなってきています。フランスでは高額な税率を嫌い、有名人が実際に国籍を捨てている。高度資本主義国家のたどる末路です。安倍政権は、日本も将来、そういう国にならざるを得ないというビジョンは持っているのではないでしょうか。国民国家が崩壊の過程にあるからこその、主権の強調。今回の『主権回復』をめぐる動きは、そういう歴史の皮肉として捉えられるべきです」

 (聞き手・高橋純子)

     *

かたやまもりひで 63年生まれ。
専門は政治思想史。音楽評論家としても活躍し、東京芸術大学で非常勤講師を務める。著書に「未完のファシズム」など。
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●「「希望はTPP。」なのか」『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)

2013年04月15日 00時00分37秒 | Weblog


週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge

 今週のブログ主のお薦めは、田中優子さん【風速計/私の方が民族主義者だ】と山口正紀さん【呼称・表記よ報道 「安全基準」か「規制基準」か】。

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■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号) /「農業危機の本質を探る「希望はhttp://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A3%D4%A3%D0%A3%D0。」なのか」。漸く開封。横田一さん【安倍首相のお膝元での参院山口補選/自民、民主が事実上の一騎打ち】。これについては山岡俊介さんのWP(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/)に一連の面白い記事が出ていました

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 「平田剛士氏【アイヌ人骨〝発掘〟研究の実態は依然不明 北大のずさんな管理が発覚】。田中優子さん【風速計/私の方が民族主義者だ】、「在特会も街宣車で怒鳴る人たちも、おそらく日本などには何の関心もない」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%BA%DF%C6%C3%B2%F1

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 【青島顕の政治時評/個人情報流出や詐欺の懸念、費用もろくに審議しないまま通りそうな共通番号法案】。【竹信三恵子の経済私考アベノミクスはやっぱり毛針? 「参院選までは経済」の後が怖い】、「サンデル教授・・「参院選後の経済の話をしよう」と」

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 【農民運動全国連合会(農民連)事務局長笹渡義夫さんに聞く/100年先を考える農業は株式会社になじまない】、「儲かるのは農家ではなく大手商社」「TPPは日本の農業の再生の芽を摘む」、同感である(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%A3%C6%A3%C5%A3%C3

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 伊藤真氏【自民党憲法改正草案徹底批判シリーズ2/全文】、「国が価値観を押し付け」「人権より国歌を尊重」「改憲論じる資格が今の議員にある?」。山口正紀さんが「壊憲」を提唱(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B2%F5%B7%FB

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 大塚将司さん【黒田日銀総裁「異次元の金融緩和」策の〝落とし穴〟 円安を止められなくなるリスク】。松村洋氏、『非原発 「福島」から「ゼロ」へ/東京新聞「こちら特報部」=編著』書評【大事故の背景に鋭く切り込む 「特報部」1年間の奮闘の記録】

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 矢崎泰久さん【発言2013】、「主権在民・・・「共通番号制度」というとんでもない法律を作ろうとしている。・・・司法から「違憲」「無効」とされた現国会が、こともあろうに国民を隷属されるための法案を作るなんて、言語道断ではないか」

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 【本多勝一の俺と写真①/初めての登山としての塩見岳へ 戦後3年目、16歳の夏に】。増山麗奈氏【実態もないのに、ばらまかれた復興予算 がれき受入を検討しただけで一七六億円】、「搬入するがれきがない」「ばらまきの責任者はだれ」

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 中嶋啓明さん【「自治体・警察・検察が人権つぶしていいのか」 堅川弾圧裁判が判決へ】。岩本太郎氏【国会記者会館の使用拒否問題で会計検査院に審査要求】。高嶋伸欣氏【情報隠しを黙認? 気概のなさ疑われる文科省記者クラブ】

■『週刊金曜日』(2013年4月12日、939号)  / 山口正紀さん【呼称・表記よ報道 「安全基準」か「規制基準」か】、「一票の不平等」など色々考えさせられた。「規制基準」については実質が伴わないと意味がない様にも思っているけれども・・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/s/%B5%AC%C0%A9%B4%F0%BD%E0
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●「東京に原発を」の〝ト〟知事は、住民投票を受けて立ってはどうか?

2012年05月12日 00時00分57秒 | Weblog


東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012051102000098.html)および社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012051102000131.html)、コラム(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012051102000100.html)。

 これだけリーダーシップが有るだの何だの、とても「人気がある」訳だし、「マスコミ受けも良い」そうなので、石原慎太郎〝ト〟知事の「東京に原発を」の思想は住民投票で多数を確保するはずであり、この際是非、住民投票を実施してはどうか? これまで四選を果たした訳だし、3.11直後でさへも氏が選任された訳なので、きっと「東京に原発を」の思想が認められる結果になり、原子力ムラの皆さんも喜ぶ結果になるはずです。
 勝ち戦の大好きな氏なのですから、これだけ氏の「東京に原発を」の思想が人気を呼び、これだけの勝てる戦に打って出ないのは奇妙です。是非、住民投票の実施を実現してほしいと思います。改憲(壊憲)派の氏が、まさか憲法違反だの、まさか憲法を蔑にするだの仰らないでしょうし、決してポケットマネーでとか、私財をなげうってとは仰いませんが尖閣諸島問題では「国がやらないのならば地方(東京都民の血税)がやる」とまで仰っている訳ですので、エネルギー問題・原発問題は国が判断すべき、などとはまさか仰らないでしょう。
 必ずや「暗闇の思想」派やその他の反原発派・減原発派を打ち負かすことになる勝ち戦な訳でしょうから、いつもの強気な姿勢で、白黒ハッキリさせてみてはいかがでしょうか? この際、プルトニウムまで取り出す政策を訴えられれば、好戦派〝ト〟知事として中国を軍事的に牽制できる強力な「武器」も得ることができるのでしょうから、まさに〝ト〟知事の面目躍如でしょう。氏を支えてくれている都民の皆さんの大きな喝采を得ることもできると思います。腰抜けでなく、リーダーシップのあるらしい〝ト〟知事がここで指導力を発揮すれば、議会もきっと実現に向けて進むはずです。
 これを受けて立たずして、「(おとこ)(こん) 小説家)」石原慎太郎氏の「リーダーシップ」が名前倒れになってしまいますし、〝ト〟知事は腰抜けで意気地なし、という烙印を押されかねません。この絶好の機会に、住民投票、受けて立つべきです。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012051102000098.html

原発都民投票求め 32万人分署名提出 来月都議会審議
2012年5月11日 朝刊

 原発稼働の是非を問う東京都民投票条例の制定を求める市民グループ「みんなで決めよう『原発』国民投票」は十日、地方自治法に基づき、条例制定請求に必要な三十二万三千七十六人分の署名簿を添え、石原慎太郎知事に請求書を提出した。石原知事は、グループが作った条例案に自らの意見を添え、都議会に議決を求める。 
 石原知事は住民投票に否定的で、条例制定に反対する意見を付けるとみられる。都議会の民主、自民、公明各会派は態度を明確にしておらず、採否は流動的な情勢。来月五日に開会する見通しの都議会定例会で審議される。
 これまで原発に関し住民投票が実現したのは、新潟県刈羽村など原発立地もしくは計画のあった三自治体で、いずれも原発反対派が勝利している。東京で住民投票条例が成立すれば、脱原発派へ追い風となり、柏崎刈羽原発の再稼働を前提に経営再建計画を進める東京電力や政府に見直しを迫ることになる。
 請求代表者には社会学者の宮台真司さんや漫画家のちばてつやさんらが名前を連ねた。昨年十二月十日からの二カ月間で条例制定の請求に必要な二十一万四千二百六筆(有権者の2%)を上回る約三十四万五千筆の署名を集めた。都内の各区市町村選挙管理委員会で審査し、93・5%が有効と認められた。
 グループは大阪市でも、同様に条例制定を求めたが、橋下徹市長は自らが既に脱原発を進めているとして住民投票の必要性を否定。市議会は三月末に反対多数で否決している。

役人シナリオけん制を 請求代表者の1人・宮台真司さん
 住民投票条例の目的をひと言で言えば、民主主義の本義を貫徹することです。日本では民主主義は多数決だと理解されているが、これは先進国的には標準を逸脱した考え方です。民主主義の本質は参加と自治です。
 そこで住民投票が非常に意味を持つ。住民投票による決定は、いわゆる世論調査で政策を決定することとは違う。住民投票では、半年後とか一年後の投票に向けて、住民たちが公開討論会やワークショップを開き、自治体や企業にさまざまな情報を公開させ、さまざまな立場の専門家から意見を聞き、最後は非専門家である住民が決める仕組みです。
 医療におけるインフォームドコンセント(十分な説明と同意)とセカンドオピニオンの組み合わせとよく似ています。いろんな医者の話を聞き、最後は患者本人が決める。これと同じです。住民はさまざまな専門家の意見を聞いて最後は住民同士で討議し、意識を高め投票に臨む。従って住民意識あるいは民度は上昇します。民度の上昇、それ自体が重要な目的になります。
 日本では、審議会や有識者会議で専門家の意見を聞いているというが、実は茶番。専門家は研究にお金が必要だから、必ず利権構造の中にいます。従って役人がどういう専門家を人選したかでシナリオは決まる。そして、議員が役人のシナリオ通りに議決してしまう。こういう状況をけん制、許さない仕組みが住民投票とワークショップなどの組み合わせなんです。
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012051102000131.html

【社説】
原発住民投票 今こそ民意問うときだ
2012年5月11日

 原発を動かすべきか否か。東京都民の意思表示の機会を求め、市民団体が石原慎太郎知事に住民投票の条例づくりを請求した。原発ゼロの地平に立ち、草の根の本音をじかに確かめる意味は大きい。
 市民団体「みんなで決めよう『原発』国民投票」は地方自治法に基づき、有権者の2%を超す三十二万三千人分余りの有効署名を添えて直接請求した。
 石原氏は、市民団体がつくった条例案に賛否の意見をつけて議会に出す。条例ができれば住民投票が実現する。議会は直接民主制の重みを十分にくみ取り、成立を期してほしい
 問われるのは、都内に本店を構える東京電力の原発運転を認めるかどうかだ。福島第一原発の事故を引き起こした当事者である。
 原発の放射能禍は恐ろしい。多くの国民の命や暮らし、国土さえ奪い去る。発電に使った核燃料のごみは手つかずのまま増える一方だ。将来の世代につけを回す負の遺産はあまりにも大きい。
 こんな厄介な原発の取り扱いが国と電力会社、立地先自治体のみのさじ加減に委ねられている。国民を欺いてきた安全神話は崩壊したが、閉鎖的な仕組みは相変わらず温存されている。
 東電の再建に向けた総合特別事業計画には、新潟県にある柏崎刈羽原発を二〇一三年度に再稼働させる方針が盛り込まれている。国はゴーサインを出した。またも国民は蚊帳の外に置かれた。
 原子力政策は国家の命運を左右する。原発事故でそれがはっきりした。市民団体が求める住民投票は、いわば“原子力ムラ”が独占している政策を国民の手に取り戻そうとする試みでもある。
 首都東京は、福島県や新潟県などの地方に原発を押しつけ、その電力を大量に消費して繁栄を築いてきた東京都は東電の大株主でもある。もはや都民は原発に対して無関心でいてはいけない。
 住民投票が実現すれば、一人ひとりが問題意識をしっかりと持ち、意思を示す。その代わり結果について責任を負う覚悟が求められる。法的拘束力はないが、歴史を見れば民意は重い。
 福井県にある関西電力大飯原発の再稼働に対し、大阪府や京都府、滋賀県などの関西の周辺自治体は慎重な姿勢だ。だが、政治的駆け引きで原発の取り扱いが決まらないかと不安の声も出ている。
 地域ごとに住民の思いを真摯(しんし)にすくい取る努力が大切だ。住民投票の機会を全国各地に広げたい。
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この点に関して、以下、しつこく再々掲。

  『●『松下竜一未刊行著作集4/環境権の過程』読了(2/8)
    「埋め立て「協定調印の翌夜・・・一人のおじいさんが、さも納得いかぬげに
     質問に立った。「わしゃあ百姓をしちょるもんじゃが・・・・・・協定がもう結ばれた
     ちゅうけんど、そらあおかしいなあ。わしんとこには、なんの相談もこんじゃったが・・・・・・」
     /・・・まさに自分は市民の一員なのだから。/首をかしげいうおじいさんの疑問に、
     私は胸が熱くなり「そうなんです。市民一人一人の声に耳を傾けてまわらない政治が
     間違っている
のです」と答えた。・・・むしろ、おじいさんの発言を常識外れとして
     失笑した人々の、その〈ならされた常識〉にこそ、現今の民主主義の衰退があるのだ。
     /・・・その可否には、それこそ市民一人一人の意見を徴して回るのが当然である。
     今の行政機構の中でそれが不可能だとしても、そのような姿勢だけはもたねばならぬ。」
     (p.106)。「それこそが真の民主主義である」(p.141)。」


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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012051102000100.html

【コラム】
筆洗
2012年5月11日

 「行政に従うだけの住民、いわば“従民”意識のままなら、地方自治は根付かない」。かつて市町村合併問題を取材していた時に聞いた言葉が今も頭にこびりついている▼歴史的に刻み込まれたDNAなのか、日本人は「お上意識」をなかなか払拭(ふっしょく)できない。敗戦後、新しい憲法に「主権在民」が定められたのに、現実は「主権在官」の強固な牙城をなかなか崩せないでいる▼首都大学東京教授の宮台真司さんは<任せて文句を言う社会>から<引き受けて考える社会へ>と言い続けてきた社会学者だ。福島第一原発の事故の後は、「原発をやめる」ではなく、「原発をやめられない社会をやめよう」と訴えてきた▼その宮台さんも請求代表者の一人である市民団体がきのう、原発稼働の是非を問う住民投票条例の制定を石原慎太郎東京都知事に請求。署名簿の入った百六十三個の段ボール箱が都庁の中に運び込まれた▼三十二万人もの都民が署名、押印したずっしりと重い署名簿だ。石原知事は条例制定に否定的だが、決めるのは議会だ。署名した人は、来年の都議選も見すえ、議員一人ひとりの態度をよく観察するだろう▼大阪市、東京都に続いて、中部電力浜岡原発を抱える静岡県でも、住民投票条例の制定を求める署名活動が十三日からスタートする。<引き受けて考える社会>に向け、意味ある第一歩になるはずだ。
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