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●《表現の自由は、民主主義の根幹でもある。しかし出自を理由に人を深く傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない》

2022年07月26日 00時00分00秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220710[])
【<金口木舌>リプレイスメント・セオリー】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1526872.html)。

 《中国語やハングルで表記された沖縄本島中北部の観光地案内板をインターネットに上げてこんな書き込みがあったという。「沖縄が中国、韓国に占領されつつある」。ノンフィクションライターの安田浩一さんが伝えている ▼現地に赴き外国語表記の案内板からやや手前に引いて撮影すると、そこには日本語表記の案内板があった。あたかも外国語の案内板しかないようにフォーカスし「占領」とするデマだった》。

   『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
      裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」
    「沖縄タイムスの記事【津田大介さん・安田浩一さん、「ニュース女子
     問題でMXテレビ出演辞退】…《津田大介さんと安田浩一さんが
     18日までに同局が放送する別のニュース番組への出演を辞退した。
     「取材がずさんで事実でない」「報道に値しない」と2日の番組
     批判している》」

   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    「やはり「歴史的暴言」でした。アベ様定義の「積極的平和主義」の
     産物な「歴史的暴言」。「本土」による差別意識が顕在化し、
     表面化した「歴史的暴言」。安田浩一さん《社会的少数者や弱者を
     たたき、引きずり降ろすのを楽しむ空気が日本社会の一部に
     流れている》。歪んでる」

   『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」? 
      …沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」
   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…
   『●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったい
     いつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

 アベ様の取り巻き連中の醜悪さときたら…(青木理さん、安田浩一さん)『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』。ヘイトも含めて、その源流は《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事。さらに、メディアあるいはジャーナリズムについて、…青木理さんと安田浩一さん。《「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

 東京新聞の記事【DHCテレビ「ニュース女子」の名誉毀損を認定 高裁も一審判決支持「番組に真実性は認められない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/181448)《判決は、辛さんが組織的に参加者を動員して過激な反対運動をあおっているという番組の内容に、真実性は認められないと判断。現在もDHCのサイトで番組が閲覧できる状態で「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」などとテロップで表示されているとして、「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない」と言及した》。
 沖縄タイムスの【社説[「ニュース女子」名誉毀損] ヘイト止める仕組みを】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970199)によると、《大勢が視聴した番組のうそが再び認定された。制作したDHCテレビジョンは判決を重く受け止めるべきだ。テレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は、一審判決を支持し、DHCテレビに550万円の支払いと、謝罪広告の掲載を命じた。問題となったのは2017年1月に放送された2回。同社が制作し、東京MXテレビなどで放送された》。
 さらに、琉球新報の【<社説>ニュース女子二審判決 差別扇動は許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1529440.html)によると、《判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。番組は反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指しして「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた》。

 最後に、沖縄タイムスの記事【「ヘイトスピーチは魂の殺人。暴力だからこそ認められない」作家の安田浩一さん、社会の崩壊を懸念】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970606)によると、《ノンフィクションライターの安田浩一さん=写真=を講師に招いた学習会では、取材してきた差別と偏見の現場について説明しながら「誰かが差別に苦しんでいる人や地域、社会が壊れていくのをこれ以上、見たくない」と語気を強めた》。

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
    《鶴橋で行われた街宣で、女子中学生が「鶴橋大虐殺」の演説をしたことは
     ネットで話題になっていましたし、韓国でも報じられていたようです》

   『●ヘイトスピーチ、自らの言論の自由を狭めている
   『●『朝日』の「誤報」よりも、誰が国際社会の印象を落としているでしょうか?
   『●小池百合子「ト」知事、追悼文は? 《…ようやくこう答えたのだった。
      「それは毎年送っておりません」…この回答はあまりに卑怯だろう》
    《その急先鋒になってきたのが「そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、慰安婦問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には
     大阪・鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺では
     なく鶴橋大虐殺を実行しますよ」などとジェノサイドを
     先導したヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠
     前在特会会長の「日本第一党」の副党首まで務めている》

   『●自民党亜種トファ・キトの「反作用として期待される
       リベラルの結集」…それが最後の望み・希・希望
   『●「植民地気分」な日米共犯・両政府から
      「犠牲だけを強いられる沖縄」…両国に「真の文明」はあるのか?
    《大阪の鶴橋で女子中学生がこんなことをがなった。
     「…もう、殺してあげたい! いつまでも調子にのっとったら
     南京大虐殺じゃなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ!」》

   『●《明らかに、小池都知事の「追悼文拒否」は歴史修正主義の虐殺否定論と
     ヘイトに勢いを与えた》…《空疎な小皇帝》石原慎太郎元「ト」知事越え
   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
       「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん
    《そのひとつが「日本女性の会 そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、「慰安婦」問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には大阪・
     鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく
     『鶴橋大虐殺』を実行しますよ!」などとジェノサイドを先導した
     ヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠・元在特会会長の
     「日本第一党」の副党首まで務めている》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>ヘイトクライムを生まないために】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1529019.html)によると、《▼ヘイトクライムは米国だけの問題ではない。昨年8月には朝鮮半島出身者が暮らす京都府宇治市のウトロ地区で放火があった。被告は「韓国が嫌いだった」と供述している。2016年には障がい者が殺傷される事件も起きた ▼人種や国籍、性別、障がいという属性を理由にマイノリティーが暴力の標的にされ命を奪われるこんな理不尽なことがあろうか ▼ネット上の悪意に満ちた言葉、日常生活で聞こえる誹謗中傷偏見ヘイトクライムにつながりかねない「芽」はあふれている。異なる文化や歴史を知り、互いを認め尊重しあう。ヘイトクライムを生まない社会は一人一人の日常の一歩から始まる。》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1526872.html

<金口木舌>リプレイスメント・セオリー
2022年6月2日 05:00
金口木舌 リプレイスメント・セオリー

 中国語やハングルで表記された沖縄本島中北部の観光地案内板をインターネットに上げてこんな書き込みがあったという。「沖縄が中国、韓国に占領されつつある」。ノンフィクションライターの安田浩一さんが伝えている

▼現地に赴き外国語表記の案内板からやや手前に引いて撮影すると、そこには日本語表記の案内板があった。あたかも外国語の案内板しかないようにフォーカスし「占領」とするデマだった

▼こうした事象はリプレイスメント・セオリー(置き換え理論)といわれる。古くはグレイト・リプレイスメントと呼ばれた。白人至上主義に基づき、白人以外の人種に国土が乗っ取られると危機感をあおる陰謀論という

▼那覇市若狭に建つ龍柱をめぐっては「中国の属国か」とする主張もあった。県内でも顕在化する排斥の動きに改善策はないものか

▼作家の落合恵子さんが、微力ではあっても「一人一人がつながる」大切さを提唱していた。確かに身内や友人、知人が差別されてはいたたまれない。社会が分断されては未来は描けないだろう
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/181448

DHCテレビ「ニュース女子」の名誉毀損を認定 高裁も一審判決支持「番組に真実性は認められない」
2022年6月3日 22時08分

     (控訴審の判決後、記者会見をする辛淑玉さんら
      =3日、東京都内で)

 沖縄の米軍基地反対運動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、人権団体「のりこえねっと」の共同代表辛淑玉(シンスゴ)さんが、番組を制作したDHCテレビジョンなどを訴えた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(渡部勇次裁判長)は3日、名誉毀損を認めてDHCに550万円の損害賠償などを命じた一審・東京地裁判決を支持した。

 判決は、辛さんが組織的に参加者を動員して過激な反対運動をあおっているという番組の内容に、真実性は認められないと判断。現在もDHCのサイトで番組が閲覧できる状態で「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」などとテロップで表示されているとして、「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない」と言及した。

 番組の司会者だった本紙元論説副主幹の長谷川幸洋氏の責任については「番組の制作や編集に一切関与がなかった」とし、一審と同様に認めなかった。長谷川氏が辛さんに損害賠償を求めた反訴も同様に退けた。

 番組は東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で2017年1月に放送された。昨年9月の一審判決は、DHCに賠償と自社サイトへの謝罪文掲載を命じた。

 判決後の会見で辛さんは「名誉毀損が認められてうれしいが、沖縄に対して申し訳ない気持ちもある平和運動や沖縄を、在日である私を使ってたたくという、二重、三重に汚い番組だった」と振り返った。金竜介弁護士は、判決が出自に絡む誹謗中傷に言及した点に「人種差別をきちんと認めたことは評価できる」と話した。(小嶋麻友美)

【関連記事】DHC吉田会長、ネット上で「コリアン系」ヘイト声明 荒唐無稽な主張次々
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970199

社説[「ニュース女子」名誉毀損] ヘイト止める仕組みを
2022年6月5日 10:10

 大勢が視聴した番組のうそが再び認定された。制作したDHCテレビジョンは判決を重く受け止めるべきだ。

 テレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は、一審判決を支持し、DHCテレビに550万円の支払いと、謝罪広告の掲載を命じた。

 問題となったのは2017年1月に放送された2回。同社が制作し、東京MXテレビなどで放送された。

 高裁判決では、番組が東村高江の米軍ヘリパッド建設での抗議行動を取り上げ「過激」「襲撃」「警察でも手に負えない」「テロリスト」といった表現を用いたことに対して、実際の抗議活動に比べて「異質のものというべきである」とした

 事実に基づかない報道であり、放送を通じて多くの沖縄県民を深く傷つけた

 また判決では、市民団体が地元の沖縄以外から参加者を組織的に雇って動員したとする番組の主張に対しても「煽動(せんどう)しているとは認められない」とした。

 司会者と出演者とのやりとりや、さまざまなテロップなどを使うことで、辛氏が抗議活動を煽動する危険な人物であると印象付けたとも指摘した。

 判決を受けDHCテレビ側は「不当判決だ」とした。現在もネットで閲覧できる番組の削除は求められなかったとして「プチ勝訴」とするが詭弁(きべん)だ。番組構成全般に瑕疵(かし)が認められたことを率直に受け止めるべきだ。

■    ■

 判決は、くしくもヘイトスピーチ解消法施行から満6年の日に言い渡された。番組は「在日朝鮮人である辛氏の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない」と指摘し、ヘイトスピーチを誘導する危険性があったと認めた。

 解消法は、外国にルーツを持つ人々などへの差別を許さない社会を目指して2016年に施行された。国や都道府県の責務を定める一方、規制や罰則などの定めがない理念法にとどまっている。

 しかし今回のケースを見れば、より踏み込んだ対応が必要だ。東京MXテレビは同番組の放送を打ち切ったが、ネット上ではいまだに配信されている。

 判決後に辛氏は「たたいてもいい存在と見なした沖縄を、在日である私を使ってたたく、二重三重に汚い番組だった」と振り返った。

 ヘイトを放置しない仕組み作りが求められる

■    ■

 表現の自由は、民主主義の根幹でもある。

 しかし出自を理由に人を深く傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない

 個人に対する差別表現であれば、訴訟で刑事や民事上の責任を追及する道もある。一方で特定の地域や国、民族をターゲットにした差別表現についての責任追及は難しい。

 沖縄差別が沖縄出身者にも向けられるように、不特定多数への差別表現は個人の人権を侵害する危険性もあるヘイト根絶は社会の使命だ
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1529440.html

<社説>ニュース女子二審判決 差別扇動は許されない
2022年6月7日 05:00

 東村高江周辺の米軍ヘリコプター発着場建設への抗議行動を中傷したテレビ番組「ニュース女子」の人権侵害が改めて認定された。名誉を傷つけられたとしてヘイトスピーチ反対団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が制作会社DHCテレビジョンなどに損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は制作会社側に再び損害賠償550万円と同社ウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた。

 判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。

 番組は反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指しして「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた。

 辛共同代表はそれまでの活動でもネットでの誹謗中傷を受けてきたが、地上波で公然と行われたことが深刻な人権侵害につながった。国会内で国会議員も参加して「辛淑玉氏等在日朝鮮人による反日反米工作を糾弾する国民集会」が開かれたり自宅前に何時間も不審者がいたりするなどした。危険を感じてドイツに生活拠点を移した時期もあったなどと、法廷で訴えた。

 番組の司会だったジャーナリスト長谷川幸洋氏にも「共同不法行為責任」を負うとして損害賠償を請求した。長谷川氏側は辛共同代表の記者会見での発言で名誉を毀損(きそん)されたと反訴した。双方とも一審で棄却され控訴していたが、再び棄却された。

 ジャーナリストを名乗る立場で司会をした長谷川氏は、差別や誹謗中傷をあおった責任を問われた。だが、判決は「番組収録時点で各出演者がどのような発言をするかを具体的に把握しておらず、どのようなテロップが付されるかも知り得ない」「名誉毀損の結果を招来することを認識し得たということは困難」として認めなかった。

 問題の番組は、その後の「検証番組」も含め、今もDHCテレビジョンのホームページに掲載されている。判決は削除を命じなかった。基地反対運動と辛共同代表に対する誹謗中傷は今も続いている。DHCテレビジョンは全く反省しておらず、差別をあおりながら、誹謗中傷で沖縄の基地反対運動をおとしめ続けている

 裁判に先立って、番組は放送倫理・番組向上機構(BPO)によって人権侵害を認定されている。それにもかかわらず、差別と誹謗中傷が放置されている。法整備を待つだけでなく、ジャーナリズムとメディア界が自浄作用を発揮すべきだ
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970606

「ヘイトスピーチは魂の殺人。暴力だからこそ認められない」作家の安田浩一さん、社会の崩壊を懸念
2022年6月6日 07:47

     (「ヘイトスピーチは魂の殺人」と訴える安田浩一さん
      =5日、那覇市久茂地のブックカフェ&ホール「ゆかるひ」)

 ノンフィクションライターの安田浩一さん=写真=を講師に招いた学習会では、取材してきた差別と偏見の現場について説明しながら「誰かが差別に苦しんでいる人や地域、社会が壊れていくのをこれ以上、見たくない」と語気を強めた。

 安田さんは「在日特権を許さない市民の会在特会)」に迫った著著「ネットと愛国」で講談社ノンフィクション賞を受賞。2016年のヘイトスピーチ解消法の施行以前から問題を指摘し、学習会でも被害者の声なども紹介した。

 昨年3月、名古屋出入国在留管理局の施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡した事件についても触れ、「背景にある外国人への憎悪は、以前から日本社会にあった」と指摘した。

 また、基地問題に関連して「沖縄は外国に乗っ取られる」などとの言説があることや、過去に機動隊の「土人」発言擁護する声があったことを挙げ、差別を正当化する理論として危惧。「ヘイトスピーチは魂の殺人暴力だからこそ認められない」と訴えた。

(社会部・平良孝陽)
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●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

2021年09月08日 00時00分09秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]


(2021年08月28日[土])
マガジン9のコラム【こちら編集部/「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体」とは何か? 青木理さん×安田浩一さんのお話を聞いてきた(マガジン9編集部】(https://maga9.jp/210804-6/)。

 《青木さんと安田さんの対話をもとにつくられた『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』では、今のこの国の社会を覆っている排他的で不寛容な空気の深層をお二人が掘り下げ、解き明かしています》。

   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…
    「青木理さんと安田浩一さん。《「この国」には、いったいいつから、
     どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?」

 カースーオジサンの取り巻き連中も酷いねぇ。
 リテラの記事【高橋洋一はこの状況でも「さざ波」発言を正当化!「予測はほぼ当たってる」「さざ波よりちっちゃい」とフェイク連発】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5989.html)によると、《しかし、こうした状況になって改めて浮き彫りになったのが、「コロナなんてたいしたことがない」と五輪強行や有観客開催などを主張してきた連中の無責任さだ。とくに、〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉とツイートし、辞任に追い込まれた元内閣官房参与・高橋洋一無責任・出鱈目ぶりについては改めて、指摘しておく必要がある。…8月7日に公開された、高橋氏の師匠である竹中平蔵・パソナグループ会長との対談動画でのこと。この対談では竹中氏の発言もひどく、「重症者はちょっと増えて500人台でしょ。ピーク時の3分の1。史上最大の感染だって言ってるけど……」などとでたらめを口にしていたのだが(この動画が公開された8月7日時点で重症者は1000人を超えていた)、これに高橋氏も我が意を得たりと、こう発言したのだ。「全然たいしたことない。私、さざ波って言って怒られたでしょ。まさしく正しいんだけどね。世界から見れば。さざ波よりさらにちっちゃくなっちゃって」》。
 《悪魔のような対談》のお相手、《過去には…書類送検された経歴もある》…アノ元内閣官房参与も相変わらずの醜悪さ。その後釜・岸博幸氏もねぇ…。竹中平蔵氏・高橋洋一氏・岸博幸氏、一体どんな系譜?

   『●内閣官房参与は《過去には…書類送検された経歴もある》…《菅首相が
      任命拒否した学術会員候補6人の方が…社会的な信用性》は遥かにあり
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らと
     グローバル巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『PCR検査抑制論者の皆さんの沈黙 ――「検査の能力あるんですか?
      仮にあるとして、じゃあ一般の感染者の検査どうするんですか?」
   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
      《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ
    《室井 前川さんは会った人から嫌われないでしょうね。
     あったかい感じがするもん。嫌いだって言ってる人って、高橋洋一さん、
     八幡和郎さん、岸博幸さんとか、安倍応援団か国家戦略特区の利権に
     関係している人たちばかりですもんね。》

   『●《政府の新型コロナウイルス対策が国民の理解や共感を得られない
     背景には、政治家の発信力不足だけでなく、政策決定過程の不透明さが》
   『●五輪貴族から《菅総理と小池都知事に功労章が贈られるなんて、
        「儲けさせてくれてありがとう」っていうこと》(ラサール石井さん)

 《…鏡に映っているのは今の日本社会の姿》。
 本田コッペ氏による【生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5988.html)によると、《人の命に優劣をつけ、自分にとって“価値のない”者の命は殺されてもかまわないというその発言は優生思想そのものだ。しかも現実にホームレスが襲撃されたり殺人される事件は多数起きているなか、DaiGoの発言はこうしたホームレスや生活困窮者に対するヘイトクライムを誘発しかねない非常に危険なもので、断じて許されるものではない》。
 《小泉首相から安倍首相へと引き継がれてきた新自由主義政策は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量るものだ政治家たちが責任転嫁のために行った扇動が優生思想まがいの弱者排除を社会に浸透させ、弱者である国民がより弱者の国民を攻撃するというグロテスクな状況を生み出した》。

   『●選挙制度の不備に加えて、大企業を巻き込みながら
     《極右のタニマチ》が《組織的な選挙運動》を展開…
    《調べてみると、勝兵塾の「講師・特等生」リスト…には56名の
     国会議員が入っており、そのほとんどが自民党だった。
     …参院議員では生活保護バッシングのデマゴーグ・片山さつきや、
     “ネトウヨのお母さん”と呼ばれる中山恭子(希望)、そして、
     安倍首相と日本会議系人脈を繋いだとも言われる側近の
     衛藤晟一らが加入している》

   『●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする
     差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》

 正論・事実報道《感染急拡大の原因はデルタ株と首相》。
 リテラの記事【菅首相のコロナ対策ブレーン・岡部信彦内閣参与が暴言!「24時間楽しめる世の中こそ是正が必要」「コロナは静かな夜に戻すための鉄槌」】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5991.html)によると、《ところが、この発言が思わぬ盛り上がりを見せた。というのも、この菅首相の発言を共同通信は「感染急拡大の原因はデルタ株と首相」とタイトルに打って配信。共同としては「『感染急拡大の原因はデルタ株』と首相(が発言した)」という意味でタイトルにしたのだろうが、「感染急拡大の原因は“デルタ株と首相”」とも読めるため、ネット上では〈おお!確かに、感染拡大の原因は「デルタ株」と「首相」で間違いない〉〈うん。そうだね。デルタ株と首相だね〉〈そのとおり。デルタ株と、何も有効策を講じない菅首相が原因〉という声があがったのだ。共同にとっては予期せぬ事態だったろうが、しかし、まさしくこれこそが事実だろう》。

 cakesのコラム【ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/​メンタリストDaiGoの主張を読む】(https://cakes.mu/posts/34362)によると、《生活保護やホームレスの実情を知ろうともせず猫の命と比べた「シンキング」には、「クリティカル」が欠けていなかっただろうか。…「1日に10冊~20冊の本を読んで」いるDaiGoからすれば、私が読んだ5冊なんて、ごくわずかな冊数かもしれないが、彼の本をたった5冊だけ読んでみて感じ取ったのは、とにかく、時間をかけてひとつの物事を考えることを回避する姿勢だ。それは当然、ひとつの物事をじっくりと考えてきた人を軽視する態度によって構築される議論である。反省しました、では、続きまして、ずっと支援してきた人に話を聞きますね、という素早さは、反省ではなく、彼のこれまでの考えの延長にある。「(1)目の前の問題に関する証拠と論理の流れを正しく把握し、そこに関わる人たちの感情も適切に解釈する」「(2)自分が考える論理や証拠の集め方に偏りがないかを確かめる」という、DaiGoが提唱してきたクリティカル・シンキングが、DaiGoに足りていないと思う》。

 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/誹謗中傷や差別を繰り返す人のアカウントをなぜ凍結しないんだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293571)によると、《嘘つけ。今も昔も、あたしは散々中傷されまくっていますけど。山崎さんのいうように、銭のためならヘイトも放置だろ。これはヤフージャパンだけじゃなく、ツイッタージャパンにも、ユーチューブにもいえる。誹謗中傷や差別をくり返す人のアカウントをなぜ凍結しないんだ。銭のためというのじゃなくて、むしろそっちを応援しているようにも見えんぞ。最近、話題になった有名人のホームレス叩き。謝罪したからいいじゃんって、この人謝罪動画でもPVを稼いでんじゃん。でもって、遡って調べてみたら、何度もヘイトをくり返してるじゃん》。

 最後に、一点、言いたいことがある。
 違和感しかない記事…。どの口で言っているのだろうか…。【注目の人 直撃インタビュー/渡邉美樹氏「国会議員はなぜ働かないのか、憤りを感じています」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293564)によると、《…84年、ワタミを創業。2000年、東証1部上場。13年、自民党公認で参院選(全国比例区)に初当選し、1期で引退。》

   『●ワタミ過労死自殺訴訟和解: 問題は、そんなダークな
            企業の会長が自民党の政治家になったこと
   『●高度プロフェッショナル制度導入の社会的事実
      「立法事実」を支えるのは…たった1人の調査対象者の声!?

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https://maga9.jp/210804-6/

こちら編集部
「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体」とは何か? 青木理さん×安田浩一さんのお話を聞いてきた(マガジン9編集部)
By マガジン9編集部 2021年8月4日

 リベラルなニュース解説を配信しているインターネットメディア「デモクラシータイムス」の「著者に訊く!」は、マガジン9のコラム「言葉の海へ」でおなじみの鈴木耕さんが司会をつとめ、話題の新刊の著者にお話を聞く番組です。
 7月30日には『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』(講談社+α新書)の著者、ジャーナリストの青木理さんとノンフィクションライターの安田浩一さんがゲストに登場。その収録の場にお邪魔させていただきました。そこでのお話の一部を以下にご紹介します。

 青木さんと安田さんの対話をもとにつくられた『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』では、今のこの国の社会を覆っている排他的で不寛容な空気の深層をお二人が掘り下げ、解き明かしています。番組の冒頭、鈴木さんがこの本のテーマとも関わる最近の話題、オリンピックの開会式をめぐる辞任・解任騒ぎについて、お二人にどうとらえたかをたずねました。

 今年に入って、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会前会長と開閉会式の演出総括担当だった佐々木宏氏の女性蔑視・侮蔑発言が続き、さらに開会式の作曲担当、演出担当として関わる小山田圭吾氏と小林賢太郎氏が過去に障がい者へのいじめを雑誌で語っていたり、ナチスドイツによるジェノサイドを笑いのネタにしたりしていたことが発覚しました。
 青木さんは、政治家や著名人による排外主義や歴史修正を容認する発言が許されてしまうこの国で、オリンピック開幕直前にこのようなトラブルが起きたのは「必然的帰結。日本の現状が等身大であらわれた」と指摘します。
 安田さんも「森、佐々木、小山田、小林だけの問題ではなく、差別的な言動を問題視しない人がこの国にはたくさんいる。社会全体がヘイト化している。日本らしいありのままの姿がみごとにあぶり出されたのだと思う」と言います。

 この20年ほどの間に、韓国、北朝鮮、中国といった近隣の国々や弱者、マイノリティを差別、嘲笑する言説がネット上で広がってきました。ネットだけではなく、テレビなどのマスメディアでも出演者が問題発言を軽々と口にし、批判されると謝罪するということが繰り返されています。こうした「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流」はいつから社会の中に流れ、どのようにして勢いを増していったのでしょうか。番組の中では、お二人がそれぞれの豊富な取材経験をもとに、その経緯を解説してくれました。

 2002年から2006年まで共同通信社のソウル特派員だった青木さんは、「2002年の日朝首脳会談がひとつの分岐点になった」と話します。当時の小泉純一郎首相と金正日総書記の会談では、北朝鮮が長年否定していた日本人拉致の問題を初めて認めました。朝鮮半島との関係において、戦後、日本は戦争中の侵略、支配に対して常に謝罪を求められてきた。ところが、拉致問題が明らかになったことで、日本は初めて被害を訴える側に立った。そこから北朝鮮には何を言ってもいい、罵倒してもいい、冷笑してもいい、蔑んでもいいという風潮が広がり、さらに韓国、中国の経済成長と日本の景気低迷が重なり、近隣諸国へのヘイト言説があふれてきた、というのが青木さんの見解です。
 さまざまな差別の現場で取材を重ねてきた安田さんは、2002年に日韓共催ワールドカップが開催されたことにも触れて、「日本人はあのとき、それまで極東の遅れた隣国だと思っていた韓国のパワーを発見し、それをきっかけに嫌韓の波が起きた」と述べます。
 2005年にはマンガ『嫌韓流』が発売され、2006年には「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が発足。街頭で日章旗、旭日旗を掲げて、在日コリアンや隣国を罵るヘイトスピーチが繰り広げられるようになりました。やがてヘイトの対象は、国内の沖縄やアイヌ、障がい者、LGBT、生活困窮者などへと波及していきます
 後半では、大手出版社で長く編集者としてつとめてきた鈴木さんも加わり、差別や排他を煽ってきたメディアの責任にも言及。日韓問題、沖縄問題を中心に、政治、歴史、外交、文化、報道など、多角的な視点でこの国が抱える問題点に切り込んでいきました。

 安田さんが言うように、いまやヘイト言説は普通の人々に浸透し、うっすらと、しかし確実に日本の社会を覆っています
 『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』には、番組でお二人が語ってくれた内容が詳しく記されています。番組の最後、ヘイトと排他と不寛容が蔓延している中でオリンピックが開かれている、そんな時代の空気を「読み解くには最適の本です」と鈴木さん。今、何が起きているのか、なぜこんな社会になったのかを知るために、番組の動画を見て、本を読み、一人ひとりが考えるきっかけになればと思います。

(マガジン9編集部)



 「デモクラシータイムス」での放送内容は、こちらから見られます。


【青木理×安田浩一 この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体【著者に訊く!】 20210722】
 (https://www.youtube.com/watch?v=knOX-CJusSY
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https://lite-ra.com/2021/08/post-5988.html

生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ
2021.08.15 10:48

     (謝罪動画をアップしたDaiGo)

 メンタリストのDaiGoが、生活保護受給者やホームレスについて「必要のない命」などと発言したことが大きな問題になっている。

 当然だろう。「僕は生活保護の人たちに、お金を払うために税金を納めてるんじゃない」「生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしい」と生活保護受給者を完全否定した上、「ホームレスの命はどうでもいい」「どちらかというといないほうがよくない、ホームレスって?」「正直。邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ、治安悪くなるしさ、いないほうがいいじゃん」などと、ホームレスに対する排除までを肯定したDaiGo。

 人の命に優劣をつけ、自分にとって“価値のない”者の命は殺されてもかまわないというその発言は優生思想そのものだ。しかも現実にホームレスが襲撃されたり殺人される事件は多数起きているなか、DaiGoの発言はこうしたホームレスや生活困窮者に対するヘイトクライムを誘発しかねない非常に危険なもので、断じて許されるものではない。

 DaiGoはその後、2度にわたる謝罪動画をアップしたが、自身の発言の問題が何なのか理解し反省しているとは到底思えない。動画のプラットフォームであるYou Tubeや、DaiGoを起用しているメディアも、差別発言に対して明確に否定するメッセージを発信する責任があるだろう。

 しかし、DaiGoの一件であらためて指摘しておかなくてはならないのが、生活保護受給者やホームレス攻撃が、DaiGoだけの思想ではなく、現在の日本社会で広くはびこっているものであるということだ。

 しかも、自民党の政治家たちこそが近年、生活保護バッシング・弱者バッシングを扇動してきたことを見逃してはならない

 その筆頭格が片山さつき・元総務相だろう。現在も続く生活保護バッシングの嚆矢となったのが、2012年にもちあがった次長課長の河本準一の親族による生活保護問題だった。このケースは不正受給など違法にあたるものではなかったが(後の法改正で扶養義務が強化されることになる)、この河本の問題を利用して、生活保護バッシングを仕掛けた急先鋒が参院議員の片山さつき氏だった。


■生活保護バッシングの仕掛人・片山さつきは「生活保護を恥だと思え」という趣旨の発言まで

 片山さつきはこの河本の母親の生活保護問題で連日のようにテレビ、雑誌に出演。不正受給だけでなく、「生活保護は、親族扶養や血縁者による支え合いなど日本の伝統的モラルを破壊している」「生活保護は、権利ばかり主張して義務を果たさない人々を生み出す」「生活保護は働けるのに働かない人々を生み出す」などと生活保護制度を全面否定し、さらには「生活保護って他人が払った税金で食べさせてもらっているってこと」「ずっと誰かに養われ続ける人をそんなに作りたい理由はなに?」「生活保護を恥と思わないのが問題」と、生活保護受給者の人格まで否定するような差別発言を行っていた。

 また、片山議員は2016年の『NHKニュース7』に端を発した“貧困女子高生”バッシングのときも騒動に乗っかり、ツイッターで“貧乏人は贅沢するな!と言わんばかりの批判を公然とおこなっている

 しかし、こうした発言は片山議員だけではない。この時期、安倍前首相の側近である世耕弘成参院幹事長も生活保護バッシングに加担。雑誌で「税金で生活を見てもらっている以上、生活保護受給者の権利が一定程度制限されるのは仕方ない」というどう考えても憲法違反としか思えない主張をしている。

 また、自民党の国会議員ではないが、橋下徹氏も大阪府知事・大阪市長時代に徹底した生活保護バッシングを展開している。不正受給でもなんでもない生活保護の申請者に違法な圧力を加えるなどして、生活保護費を圧縮。2014年には「生活保護受給者にも一定の負担はお願いする」「働ける人に働いてもらうのは当たり前」「日本のルールは甘すぎる。憲法25条の改正も必要」などという発言までしている。

 いまさら言うまでもないが、生活保護は憲法25条で保障された当然の権利だ。ところが、こうした政治家の言動により、「生活保護は税金泥棒」「生活保護は恥」という空気が社会に広がっていった

 そして、2012年12月の衆院選で自民党・安倍晋三総裁は「生活保護の給付水準を10%引き下げる」という公約を掲げて政権に復帰。生活保護費の削減を断行し、13年には生活保護の申請厳格化という「水際作戦」の強化ともいえる生活保護法改正と生活困窮者自立支援法を成立させてしまったのである。


■麻生太郎は高齢者に「いつまで生きてるつもりか」、石原伸晃は胃ろう患者を「エイリアン」

 政治家が攻撃を仕掛けてきたのは生活保護受給者だけではない。障がい者、高齢者など社会福祉の当然の対象である弱者に対しても、こうした露骨な差別や排除発言が向けられてきた。

 石原伸晃・元幹事長は、2012年2月に胃ろう患者が入院する病室を視察した際に、「エイリアンが人間を食べて生きている」と発言。また、2012年12年9月に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)では、社会保障費削減について問われると、生活保護をネット上の蔑称である「ナマポ」という言葉で表現した上、「私は尊厳死協会に入ろうと思っている」と発言、延命治療をやめて尊厳死を認めることで医療費がカットできるといった考えを露呈させた。

 きわめつきは麻生太郎副総理だ。老後を心配する高齢者について「いつまで生きているつもりだよ」と発言したり、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」などと国民皆保険制度を否定するようなことを繰り返し発言してきた。

 そして、自民党の政治家やその支持者であるネトウヨたちによるこうした弱者バッシング・弱者排除の空気をエスカレートしていくなかで起きたのが、2016年の相模原障害者殺傷事件だった。

 そういう意味では、生活保護バッシングやヘイトクライムはたまたま起きたものではない。

 小泉首相から安倍首相へと引き継がれてきた新自由主義政策は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量るものだ

 政治家たちが責任転嫁のために行った扇動が優生思想まがいの弱者排除を社会に浸透させ、弱者である国民がより弱者の国民を攻撃するというグロテスクな状況を生み出した


■DaiGoの生活保護・ホームレス差別・排除発言も新自由主義台頭の延長線上に出てきた可能性

 そして、この状況は今も変わっていない。日本政府は国連の社会権規約委員会から〈生活保護につきまとうスティグマを解消〉するようにという勧告さえ受けているが、菅政権にもこれを是正する動きはない。

 それどころか、コロナ禍で生活に困窮している人が増えているのに、菅首相は「自助」を掲げ、自己責任を押し付け続けている。

 実際、コロナ以降も、生活保護受給者がほとんど増えておらず、昨年、10万円の一律給付がおこなわれた際は、橋下徹・元大阪市長や百田尚樹らが生活保護受給者への給付は必要ないと大合唱した。

 そういう意味では、今回、DaiGoの生活保護、ホームレス差別・排除発言がこうした政治の動きの延長線上に出てきたと考えるべきだろう。この数年、政治家の弱者排除と自己責任論がエスカレートする一方で、それに呼応するように、堀江貴文らのネオリベ自己啓発ビジネス本がブームになっていった。その多くは社会全体の構造的な問題を個人の責任に矮小化し、弱者切り捨ての自己責任論をぶつものだが、DaiGoはまさに、そうした自己啓発ビジネス本の著者の一人である。

 もちろん、こうした政治的背景によってDaiGo自身の発言の危険性や罪がいささかも減じられるわけではないことは言うまでもないが、同時に10年近くに渡って生活保護バッシング・困窮者バッシングを扇動してきた自民党政治家たちの責任も、あらためて問う必要があるだろう。

(本田コッペ)
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●《厚労省が五輪開幕3日前の「国内初のラムダ株」を隠蔽!》(リテラ)――― しかも《ラムダ株感染の女性は五輪関係者》も《隠蔽》

2021年08月26日 00時00分10秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(20210814[])
リテラの二つの記事。伊勢崎馨氏による記事【都のコロナ療養施設がこっそり「五輪選手用」に差し出されていた! 別の施設では五輪関係の十数人が収容され国内感染者と同居】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5979.html)と、
【東京オリンピック閉幕特別企画/東京五輪「7人の戦犯」の罪を改めて徹底糾弾する! 安倍晋三森喜朗から、竹田恒和電通竹中平蔵小池百合子菅義偉まで】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5981.html)。

 《ところが、そんななか、あ然とする事実が判明した。東京都が貴重な感染者用の宿泊療養施設をひそかに五輪関係者用の療養施設に転用していたというのだ。「しんぶん赤旗」日曜版8月1日号がスクープしたのは、東京都内にある300室規模のホテル。同ホテルには、正面入り口に、「リニューアル工事中」の張り紙があり、一般客は入ることができなくなっている。しかし、1階には「宿泊療養施設スタッフの皆様」のタイトルで、防護服の装着方法の説明動画にリンクするQRコードが掲示され、駐車場には「TOKYO 2020」のステッカーを貼った車両が出入り。陽性が確認された複数の五輪選手が同ホテルからSNSで検査の様子や食事の内容を投稿したことも確認されている。ようするに、東京都が確保していた都民のための療養施設いつのまにか、五輪選手専用の療養施設になっていたということらしい》。

   『●倉持仁医師《どうにもならない》…武田砂鉄さん《問われなければ
     いけないことが無数に残っている。…やってよかったとは思えない》
   『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
      事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】
   『●《「やめることは一番簡単なこと」「挑戦するのが政府の役割だ」と
     発言。意味不明。…日本が再び焦土と化す日も近い》(適菜収さん)
   『●カースーオジサンもCOVID19人災という「火事場」を作り、さらには
        油を注ぎ、電通やパソナが《中抜きで大儲け》な「泥棒」を働く…


 小池百合子「ト」知事ときたら、どこが都民ファーストなのか? よく言われるが《自分ファースト》、〝小池百合子「ト」知事ファースト〟。感染爆発しようがどうしようが、お構いなしだ。しかも、パラリンピックを開催することだけでも問題なのに、有観客とし、さらには、子供の動員を主張しているらしい。選手や観客、子供たちの感染リスクを一体どう考えているのか? 市民には〝人流の抑制〟という《自助》を求める一方で、海外からの選手や関係者を大量に呼び込み、有観客で〝人流を喚起〟という大矛盾。正気なのか? 《政府や東京都が「国民・都民の命より五輪優先」》。

 ラムダ株の件、《隠蔽》もしっかりとアベ様から《継承》。しかも、《ラムダ株感染の女性は五輪関係者》(東京新聞)であることがが、後程、判明する始末。
 リテラの記事【厚労省が五輪開幕3日前の「国内初のラムダ株」を隠蔽! 海外メディアの追及で渋々発表したが五輪終了まで公表しない方針だった】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5980.html)によると、《8月6日、厚生労働省が、国内ではじめて、新型コロナの変異ウイルス「ラムダ株」が見つかったことを明らかにした。羽田空港の検疫所で新型コロナウイルスへの感染が確認された女性から検出されたという。周知のように、ラムダ株は、ペルーで最初に報告されて以降、南米を中心に感染拡大している変異株で、現在、日本を席巻しているインド由来のデルタ株よりもさらに感染力が強く、ワクチンが効きづらい可能性も指摘されている。感染がさらに深刻化することが心配されるが、もうひとつ問題なのは、政府がこのラムダ株検出という事実を隠蔽していたことだ》。
 これに対して、これまた、取り巻き連中の酷さの一例。「もっと早く問い合わせがあれば答えた」って、よく言うよなぁ~。
 【高致死率ラムダ株2週間報告せず「もっと早く問い合わせがあれば答えた」自民党外交部会長が番組で釈明】(https://www.chunichi.co.jp/article/309964)によると、《自民党外交部会長を務める佐藤正久参院議員…番組では羽田空港で陽性反応が出た30代女性からラムダ株を解析、7月26日に国際機関に報告したという国立感染症研究所の「日本では懸念すべき変異株、注目すべき変異株のどちらにも指定されていない」とのコメントを紹介。五輪があるから発表しなかったのではと問われた佐藤部会長は「(検疫は)もっと早く問い合わせがあれば答えたという感覚。ラムダ株に対する意識の高さがなかった。空港検疫で見つかったとあれば発表すべき。それは内閣官房関係者も同じ意見だ」と語った。続けて「空港で陽性になった人のゲノム解析は全て行っている。それで今回ラムダ株が見つかった。市中では見つかっていない。感染研は今では注目すべき変異株に指定している」と発言した。番組に出演した国際医療福祉大学大学院の松本哲哉教授(58)は「ラムダ株はすでに中南米を中心に広域に拡大している。そういう株が日本国内に入ってくれば、出た時点できちんと公開し、デルタはあまりにも増えたので、今度はラムダへと体制を切り替えるものだと思う。五輪の時期だからということかもしれないが、早めに公開しなかったというのは何かの意図があったと疑われても仕方がない」と指摘した》。

 もちろん、アベ様の取り巻き連中の醜悪さときたら…(青木理さん、安田浩一さん)『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』。ヘイトも含めて、その源流は《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事。
 リテラの記事【民族差別だけでない 百田尚樹が五輪女性選手を「男だ」とあげつらう発言! この差別思想が安倍前首相の周辺にいる連中の本質】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5982.html)によると、《もう、何から何までひどい。わずか100文字足らずのツイートに、民族差別とルッキズムと女性差別を詰め込んでいる。…というのは韓国に対するヘイトスピーチの典型。みなまで言わずとも、百田ファンのネトウヨ・差別主義者たちのヘイトスピーチを扇動するには十分だ。実際、百田氏のこのツイートには…などという差別リプが殺到している》。

 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》(古賀茂明さん)。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない

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https://lite-ra.com/2021/08/post-5979.html

都のコロナ療養施設がこっそり「五輪選手用」に差し出されていた! 別の施設では五輪関係の十数人が収容され国内感染者と同居
2021.08.07 11:52

     (「しんぶん赤旗」日曜版8月1日号)

 菅政権が唐突に打ち出した「中等症は入院させない」という方針は世論の猛反発で修正されたものの、「入院したくても入院できない」状況はどんどんひどくなっている。

 とくに、感染爆発の東京都では、6日時点で自宅療養者が1万8036人、入院・療養等調整中が1万1001人にのぼり、入院病床も療養施設もまったく足りていない状況だ。そして、入院も療養施設にも入れず自宅に止めおかれた自宅療養者の死者がここにきて急増している。FNNは5日、8月に入って、少なくとも8人が自宅療養中に死亡していると報じた。

 ところが、そんななか、あ然とする事実が判明した。東京都が貴重な感染者用の宿泊療養施設をひそかに五輪関係者用の療養施設に転用していたというのだ。

 「しんぶん赤旗」日曜版8月1日号がスクープしたのは、東京都内にある300室規模のホテル。同ホテルには、正面入り口に、「リニューアル工事中」の張り紙があり、一般客は入ることができなくなっている。

 しかし、1階には「宿泊療養施設スタッフの皆様」のタイトルで、防護服の装着方法の説明動画にリンクするQRコードが掲示され、駐車場には「TOKYO 2020」のステッカーを貼った車両が出入り。陽性が確認された複数の五輪選手が同ホテルからSNSで検査の様子や食事の内容を投稿したことも確認されている。ようするに、東京都が確保していた都民のための療養施設がいつのまにか、五輪選手専用の療養施設になっていたということらしい。

 しかも、都民の療養施設の五輪利用はこれだけではなかった。同じ「しんぶん赤旗」日曜版が翌週、上記とは別の療養施設となっている都内のホテルに、海外から来日した五輪関係者十数人が入所していたことを報じたのだ。

 こちらは、専用施設でなく、都民の感染者といっしょに入っているという。都福祉保健局感染症対策本部も取材に「メディア関係者など海外の五輪関係者十数人がとの宿泊療養施設に入所している。都民と混在しているのは事実だ」と答えている。

 前述の専用施設があるのになぜ?と疑問を抱かざるを得ないが、選手と関係者を分けたいという組織委の意向で、別に提供させられたということのようだ。

 いわずもがな。都の宿泊療養施設は都民の税金で確保されたもの。しかも、医療崩壊が進み、都民は入院や療養施設に入れない状態が起きているというのに、その貴重な療養施設を五輪のために明け渡すというのは、いったい何を考えているのか。


選手と分けるために、海外の五輪関係者十数人が別の療養施設に! 国内感染者と同居でバブル崩壊

 さらに問題なのは、後者の施設で、都民の感染者と海外の五輪関係者の感染者がいっしょに宿泊していることだ。

 エレベーターや食事を取りに行くときなどに接触する可能性がある。組織委が打ち出した五輪関係者を外部と接触させないバブル方式が破綻しているのは今に始まったことではないが、よりにもよって、国内の感染者と海外の感染者を接触させるというのは、それこそ新たな変異株のリスクもある。

 とにかく何から何までありえないのだが、こんな無茶苦茶が平気でまかりとおるというのは、結局、政府や東京都が「国民・都民の命より五輪優先」だからだろう。

 そして、これはマスコミも同じだ。五輪開催前は、五輪優先で感染対策がおろそかになっていることを批判していたが、五輪が始まった途端、「〇〇がメダル」といった礼賛報道一色。この療養施設の五輪差し出し問題も追及しているのは「赤旗だけで、まったく報道されていない。

 五輪の影響が本格的に出るのはこれからだ。おそらく医療崩壊はさらに進み、自宅療養中の死者はどんどん増えていくだろう。その責任を一体誰が取るのだろうか

伊勢崎馨
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https://lite-ra.com/2021/08/post-5981.html

東京オリンピック閉幕特別企画
東京五輪「7人の戦犯」の罪を改めて徹底糾弾する! 安倍晋三森喜朗から、竹田恒和電通竹中平蔵小池百合子菅義偉まで
2021.08.08 08:46

     (左・安倍晋三/右/森喜朗(公式サイトより))

 本日、東京五輪がようやく閉会式を迎える。だが、この“狂乱の宴”によって国民が抱え込まされた負債はあまりにも大きい。大会期間中、メディアは連日の金メダルラッシュに大はしゃぎしていたが、その一方、東京都の新規感染者数は5000人を超え、菅政権や東京都は「自宅を病床に」と言い出し、事実上の「医療崩壊」を自ら宣言。すでに医療を受けられないまま命が失われる「自宅死」が発生しているが、今後、かつてない危険がこの国を襲うことになる。
 そして、これは間違いなく「人災」だ。政治の役割である「人命第一」の立場に立てば、感染拡大防止のために中止あるいは再延期の判断が下されるべきだった。だが、この国の為政者たちはそれをせず、必要な医療提供体制の整備さえ怠った。その結果、国民は命がけでそのツケを払わされるのである
 このような「人災」を招いた戦犯は誰なのか。さらに高笑いしているのは誰なのか。本サイトでは、非常事態のなかで「東京五輪」を開催するという愚行を引き起こした“七悪人”をここに挙げたい。


【戦犯その1】安倍晋三(前・内閣総理大臣/東京オリパラ組織委名誉最高顧問) 「首相在任中の五輪開催」という私利私欲で1年延期を決め、大混乱をもたらした最大の戦犯

 そもそも東京五輪はこの男がついた「アンダーコントロール」という嘘からはじまった。そして、招致が決まると、今度は自分の親分である森喜朗を組織委会長にねじ込み、私物化と混乱を巻き起こした。
 これだけでも、安倍晋三は十分、A級戦犯と言えるが、しかし最大の罪はやはり、昨年3月に「1年の延期」を決定したことだ。
 東京五輪の延期をめぐっては、「1年の延期ではとてもコロナが収束しない」「もし収束しなかったらもう再延期は難しい」として「最初から2年延期すべきだ」という意見が大勢を占めていた。それは識者だけの意見ではなく、当時の森喜朗・組織委会長も当時の安倍首相に「2年延ばしたほうがいいのではないか」と提案。しかし、当時首相だった安倍が「1年以内の延期」をゴリ押し。これは当時、今年9月の総裁任期いっぱいまで総理大臣をつづける気満々だった安倍が、自分の在任中にどうしても東京五輪を開催したいためだった。こうして安倍の政治的もくろみのために、昨年流行した従来型より感染力も毒性も強い変異株が猛威を振るうなかでの開催という非常事態となってしまった。
 ところが、五輪開催中の7月30日に読売新聞に掲載されたインタビューでも、「首相在任中の開催にはそれほど、こだわりはなかったです。大切なのは中止することではなく、様々な知恵を出し合って安全で安心な大会を行い、多くの人に感動を与えることだと考えました」などと語ったのだ。
 だが、この発言が真っ赤な嘘であるということはあっという間にバレる。というのも、その3日後に同じく読売に掲載されたインタビューで、森前会長がその裏側をこう証言したからだ。

「新型コロナウイルスの感染が拡大した時、「コロナに打ち勝ってオリンピックを成功させる」と、(当時の首相の)安倍さんは言いました。だから大会を1年延ばしました。あのとき、私は安倍さんと2人きりで会って、延期は「2年でどうですか」と言ったが、「それは駄目」と言われた。私も、1年あれば大丈夫だなと思いました。日本の科学技術を信頼しようと考えたからです」

 「首相在任中の開催にこだわりはなかった」という人間が、実際は2年延期論に「それは駄目」と強固に反対していた──。「日本の科学技術を信頼しようと考えた」などと言うが、ようするに相当なこだわりを持って首相在任中に開催するために1年延期を決めたということだ。
 しかも、その後政治的に行き詰まり持病の悪化を理由に首相を辞職するも、安倍はその後も組織委の名誉最高顧問に就任。五輪が無観客開催となり感染拡大で東京五輪が「負のレガシー」になる公算が高まるや否や、土壇場になって開会式の欠席を決定したが、実際には開会式に同じ極右思想の持ち主で自身のパトロンである人物をねじ込んでいた。
 開会式では選手入場行進曲として、性的マイノリティへの差別同調や歴史修正主義発言を繰り返している現役レイシストである作曲家・すぎやまこういち氏のゲーム音楽が使用された。この件について、米メディアの「The Daily Beast」は3日付記事で、これは最高名誉顧問である安倍が要求して採用されたものであると言及。組織委のスタッフによると、組織委内部でも「すぎやま氏の有害な持論によって大会が汚される」という指摘があったにもかかわらず、組織委の武藤敏郎事務総長が“安倍案件”だとして、「やれ」と言ったのだという。
 本サイトでは7月24日付配信記事でいち早くすぎやま氏と安倍の深い関係を掘り下げ、「晴れ舞台で自分の支持者に花を持たせようとしたのではないか」と指摘したが、やはり首相を退いても安倍は東京五輪を私物化していたのである。
 厚顔無恥であるこの男は、チャンスさえあれば、またぞろ自分の不正や失政にすべて頰かむりして、再び権力の表舞台に躍り出てくるだろう。だからこそ、「首相在任中の五輪開催」という私利私欲のために1年延期を決めたことの責任を問いつづけなくてはならないのだ。


【戦犯その2】森喜朗(前・東京オリパラ組織委会長) エンブレムや開会式への介入、女性差別、五輪買収と五輪開発利権への関与…それなのに「名誉最高顧問」就任!?

 エンブレムのデザインや国立競技場の設計案、開会式への介入、人事の私物化、そして、女性差別発言……。この間、東京五輪がおちいった混乱の大半は組織委会長だった森喜朗の独善・暴走がもたらしたものだった。だが、それ以上に、忘れてはならないのは、この男が五輪を「私物化」「利権化」してきたという問題だ。
 そのひとつが、五輪招致の買収関与の疑惑だろう。昨年3月、ロイター通信は組織委の理事である高橋治之・電通顧問が招致委員会から約8億9000万円相当の資金を受け取り、IOC委員らにロビー活動をおこなっていたと報じたが、その際、森が代表理事・会長を務める「一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」にも招致委から約1億4500万円が支払われていたと報道。つまり、この嘉納治五郎財団を介して買収工作がおこなわれた可能性があるのだ。
 この問題については、昨年11月にトーマス・バッハIOC会長の来日時におこなわれた記者会見で、ロイターの記者が直接、森に「これは何のために使ったのか」とぶつけたのだが、「私は実際の経理や金の出し入れというのは直接担当しておらず、おっしゃったようなことがどこまでが正しいのか承知していない」などと返答。このロイターのスクープや会見でのやりとりをメディアは無視したため大きな問題となっていないが、森は招致買収疑惑の当事者なのである。
 しかも、この疑惑の「嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センター」が、昨年12月末で活動を終了させていたことを1月26日にロイターが報道。東京都の担当者も「(同財団の)活動が終了することについては説明を受けていないし、知らなかった」と答えているように密かに活動終了していたわけだが、これはロイター記者に直接追及され、疑惑の深堀りを恐れ慌てて畳んだということではないか。
 いや、森の疑惑はこれだけでは終わらない。それは、東京五輪招致、新国立競技場建設にともなう「神宮外苑地区の再開発」への暗躍だ。詳しくは既報を読んでいただきたいが(https://lite-ra.com/2016/10/post-2601.html)、五輪招致の背後では、神宮外苑地区の再開発をめぐって、森の親友とされ明治神宮と太いパイプを持つとされていた人物の関与が囁かれるなど、森が東京五輪開催による再開発に絡んだ建設利権を狙っているのではないかといわれてきた。森は2016年五輪招致の際から「国立競技場や岸記念体育館の建て替えが、政治家の私が(日本体育協会の)会長になった意味。東京に五輪が来れば、全部できる」と当時の石原慎太郎都知事に話し、東京への五輪招致を焚きつけたと報じられている。
 このように、「五輪の闇」のキーパーソンのひとりである森だが、最近になって信じられないようなことを口にしている。前述した8月2日付の読売インタビューで森は、組織委会長を辞任するにいたった女性差別発言などなかったことのように、自身の体調不良を挙げて「辞任したのは、良かったと思っています」「がんの手術もしたので体もつらかった」などと言い、「そういうときに私の発言が問題となり、これ以上続けたら大変な迷惑をかける、オリンピックそのものが前に進まなくなると思い、辞めることにしました」と語っているのだ。
 開会式当日の7月23日には朝日や読売が「組織委内で『森氏を名誉最高顧問に』という案が浮上」と報道したが、森が辞任理由を体調問題にすり替えていることからも、本人がその気であるのは間違いない。しかし、森が受けるべきはそんな肩書きでなく、数々の疑惑についての徹底した追及だろう。


【戦犯その3】竹田恒和(東京五輪招致委理事長/前・JOC会長) 五輪招致の贈収賄で捜査対象も弁護士費用2億円をJOCに負担させ…死亡事故起こしながらJOC会長になった無責任男

 この男も森喜朗と同様、2019年に表舞台から降りているが、戦犯から外すわけにはいかない。
 竹田恒和は旧宮家という威光をバックに長らくJOC会長のポストに居座り、五輪利権を貪ってきたが、最大の問題は賄賂工作だ。東京五輪招致時、招致委員会理事長の立場で買収行為を主導していたとして、いまもフランス司法当局の捜査を受けている。
 招致委員会は当時、IOCの委員だったラミン・ディアク氏の息子であるパパマッサタ・ディアク氏が関係するシンガポールの会社「ブラック・タイディングズ社」(BT社)の口座に招致決定前後の2013年7月と10月の2回に分けて合計約2億3000万円を振り込み。そこからパパマッサタ氏名義の口座や同氏の会社の口座に約3700万円が送金されていたことが判明している。
 そして、森喜朗、電通とともに、この買収行為に深く関わってきたのが竹田氏だった。竹田氏は招致委理事長としてこの振込を承認し、BT社との契約にサインしている。
 ところが、竹田氏はこうした不正の事実が明らかになっても、“回ってきた稟議書にハンコを押しただけ”と主張。「いかなる意思決定プロセスにも関与してない」と言い張ってきた。
 しかも、フランス司法当局の捜査が始まると、竹田氏はなんと、自分の弁護費用2億円をJOCに負担させていたのである。
 本日8日の朝日新聞がスクープしたのだが、竹田氏には日仏の合同弁護士チームがついており、翻訳料金なども含むと、JOCは仏当局の捜査が本格化した2018年度に約6000万円、2019年度に約1億円、2020年度に約4000万円をすでに負担。今後も捜査終結までお金を出しつづける予定だという。
 JOC側は「国などからの補助金ではなく、企業からの協賛金などの自主財源で賄っている」と説明しているようだが、いずれにしても公金であることに変わりはない竹田は2億円以上を賄賂に使ったあげく、その不正のケツを拭くためにさらに2億円以上の公金を使っているというわけだ。
 まさに無責任、厚顔の極みと言うほかはないが、それも当然なのかもしれない。本サイトでも2016年に報道しているが、40年ちょっと前、女性をはねて死なせるという重大な交通事故を起こしているのだ。
 当時の新聞報道によれば、相手は歩行者で、事故はあきらかに竹田氏側の過失だと思われるが、竹田氏は重い刑事責任を問われることもなく、ほどなく馬術競技に復帰。事故から2年も経っていない1976年に開かれたモントリオール五輪に出場したのである。
 しかも、竹田氏はこの後、1984年のロサンゼルス五輪で日本選手団コーチ、1992年のバルセロナ五輪で日本選手団監督と、JOC内部でどんどん出世していく。そして、2001年にはとうとうJOC会長に就任。2003年にはそれまでJOC役員は無給だったが、竹田会長含め3人の役員に報酬を支給することが決定し、2011年に公表された竹田会長への報酬額は月額130万円(年間1560万円)だった。
 もちろん、交通事故は過失であり、人を死なせた人間にも人生をやり直すチャンスは与えられるべきだ。しかし、通常の会社勤務なら、死亡事故を起こすと解雇になるケースも多く、これだけの大事故を引き起こしていたら、やはり五輪のような華々しい表舞台からは身を引くのが普通の神経だろう。それが、すぐに五輪出場、そしてJOCの会長にまでのぼりつめるとは……。
 今回の東京五輪では、国際公約の反故、エンブレムの盗作から、差別発言、さらには、小山田圭吾や小林賢太郎の問題までさまざまな不祥事が続出したが、こんな無責任で反倫理的な人物がつい最近まで組織のトップにいたことを考えたら、こういうことになるのは当然だったといえあるかもしれない。


【戦犯その4】電通(髙田佳夫・代表取締役ら) 五輪招致の賄賂工作から、マーケティング、大会運営で暴利貪りまで 開会式ではMIKIKO先生の排除にも関与

 金と利権まみれのグロテスクな東京五輪。そのトラブルや不正には必ず巨大広告代理店・電通の影が見え隠れしていた。
 招致の賄賂工作からしてそうだった。前述した竹田恒和の項目で、招致委員会がIOC委員ラミン・ディアク氏の息子が関係するシンガポールのBT社の口座に合計約2億3000万円を振り込んだことを紹介したが、この賄賂工作はまさに電通の描いた絵図だった。実際、竹田会長自身、「電通さんにその実績を確認しましたところ、(BT社は)十分に業務ができる、実績があるということを伺い、事務局で判断したという報告を受けています」と国会で電通の関与を証言。さらに、BT社の代表はラミン・ディアク氏が会長を務めていた国際陸上競技連盟(IAAF)のマーケティングや放映権の配分などをおこなう電通の関連会社「アスレチック・マネージメント&サービシズ」のコンサルタントだったことも判明している。
 そして、賄賂工作によって招致が決まると、電通はその見返りとばかりに、あらゆるマーケティングや広告利権を一手に掌握すべく、動き始める。スポンサーの広告やCM、イベントはもちろん、大会の会場運営まで電通など大手広告代理店等が受注していた。
 東京五輪の会場運営を担う企業への委託費の見積額を記した組織委作成の内部資料によると、人件費単価はなんと1日当たり最高30万円、委託費は計約163億9000万円にものぼっていた。
 しかも、そうやって委託された会場運営のほとんどは、下請け会社に再委託自社では何もやらずに10%〜15%を中抜きして丸儲けしていたのである
 さらに、電通は開会式をめぐる混乱と醜態をつくり出した張本人のひとりでもある。周知のように、東京オリンピックの開会式はある時期から、事実上の総合演出はPerfumeの振り付けで知られるMIKIKO氏が担当していた。ところが、電通のナンバー2である髙田佳夫・代表取締役が森喜朗の意を受けて、MIKIKO氏を排除。自分がコントロールしやすいからと、自分と電通の同期のクリエイティブディレクター・佐々木宏氏を立てたのだ。
 その後、佐々木氏は渡辺直美をブタに見立てるというルッキズム全開の演出案を出したことで責任を問われ、演出を降りたあとも、電通は開会式の主導権を握りつづけ、今度は小山田圭吾や小林賢太郎を起用した。
 電通がまさに東京五輪のすべての闇、不祥事に深く関係していたことがよくわかるが、しかし、電通がタチが悪いのは、こんな実態があっても、この巨大広告代理店が批判されることはほとんどないということだ。
 いまさら説明するまでもないが、電通は広告収入に大きく依存するテレビ局はもちろん、新聞、雑誌などあらゆるメディアにとってアンタッチャブルな存在。そのため、招致委や組織委は批判しても電通のことはほとんど批判できない。これだけの暴利貪りとデタラメな大会運営が露見しても、テレビや新聞がそのことを触れることはない。おそらく、次の巨大イベントでも結局、この巨大広告代理店が政界と癒着しながら幅を利かすのだろう。タチが悪いというしかない。


【戦犯その5】竹中平蔵(パソナ代表取締役会長) 五輪でパソナ純利益11倍のボロ儲け! 挙げ句「さらに小さなさざ波になっちゃってる」の暴言

 「五輪開催でいちばん高笑いした」のは、もしかすると電通とこの男なのではないか。本サイトでは、竹中氏が会長を務めるパソナグループが「五輪事業の大量受注で今期10倍以上の純利益を上げる見込み」と伝えてきたが、実際、7月15日に同社が発表した2021年5月期の通期連結業績では、予想どおり前期の約11倍もの純利益を叩き出したからだ。
 パソナグループは東京五輪の「オフィシャルサポーター」として大会スタッフの派遣業務を請け負い、その中抜き率は97とも言われてきた。しかも、無観客開催によって動員するスタッフ数は減ったとはいえ、「週刊文春」(文藝春秋)8月5日号によると「大勢のボランティアが辞退し、その穴埋めをパソナが担いました」(パソナ関係者)という。
 だが、竹中氏が下劣なのは、五輪で暴利を貪ったことだけではなく、東京五輪開催のためにコロナの感染拡大を無視した無責任な発言を繰り返してきたことだ。
 たとえば、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長が国会で「いまのパンデミックの状況で五輪を開催するというのは、普通はない」と発言した際も、6月6日放送の『そこまで言って委員会NP』(読売テレビ)で「明らかに越権」と批判。さらには「人流抑制の効果はエビデンスがない」「日本の国内事情で世界に『やめます』というのはあってはいけない」などと五輪開催を主張し、挙げ句、「世論は間違ってますよ。世論はしょっちゅう間違ってますから」などと反対世論にまでケチをつけた。
 また、無観客開催の決定で経済3団体のトップが開会式を欠席するというニュースが伝えられると、竹中氏は〈騒がしいネット世論を気にした日和見主義ではないか!せっかくの五輪を盛り下げている〉とTwitterで批判。だが、「スポンサー企業では経営幹部の開会式への出席を見送る動きが広がっている」というニュースのなかで欠席を決めた企業のなかにパソナグループがあったことからツッコミが殺到すると、今度は〈政治のトップ、経済のトップが出るべきだが、スポンサー企業は大会を支えるのが仕事。役割が違う。ちなみに私が会長を務めるパソナはスポンサーじゃない、サポーターだ〉などと強弁。さらに、こうもツイートした。

〈故堺屋太一さんは、祭りのような「非日常」があって初めて、社会は面白くなり発展すると述べられた。五輪は最高の「非日常」だ。だから色んなことも起こりうる。それを政治的に、姑息に目くじら立てて批判するのは寛容・平和の五輪精神に反する。心からこの五輪を応援しよう、それが心ある国民の声だ。〉

 反対の声が上がってきたのは、感染拡大のなかで東京五輪がそれを加速させないか、いまは命を守ることを優先すべきというものだったのに、竹中氏はそれを「政治的」「姑息に目くじら立てて批判」などと党派性の問題へと矮小化し、この非常事態に「最高の非日常」だの「寛容・平和の五輪精神に反する」だのと言い張って、あたかも反対する者は心無い国民、つまり非国民であるかのように決めつけたのである
 いや、それどころか、昨日7日に公開された竹中氏のYouTubeチャンネル「平ちゃんねる」の動画では、「さざ波」「屁みたい」発言で内閣官房参与を辞任した高橋洋一氏と対談。そこで竹中氏が「重症者はちょっと増えて500人台でしょ。ピーク時の3分の1。史上最大の感染だって言ってるけど……」と言うと、高橋氏は性懲りもなく「さざ波よりさらにちっちゃくなっちゃって」と発言。竹中氏も「さらに小さなさざ波になっちゃってるわけで。死者なんて10数人になってしまってるから」などと暴論を振りかざしたのだ。
 いまどきニュースをよく見ている小学生なら理解しているはずだが、感染者の増加から遅れて重症者や死亡者が増えていく。現に、東京都でも全国でも重症者の数は右肩上がりの状態だ。しかも、竹中氏は「重症者はちょっと増えて500人台でしょ」などと軽く言うが、その数でこの国は医療崩壊してしまうほどの脆弱さなのだ。そしてその原因は、竹中氏が小泉純一郎政権時代、経済財政政策担当相や金融担当相として「構造改革」を主導し、医療・社会保障費抑制策を打ち出した結果でもあるのだ。
 「死者なんて10数人」などと平気で口にする人物が感染拡大を招いた東京五輪でボロ儲けしているというグロテスクさ……。竹中氏の存在自体が「東京五輪の闇」だと言うべきだろう。


【戦犯その6】小池百合子(東京都知事) 陽性率20%超え…それでも五輪強行開催・感染拡大の責任追及からトンズラの厚顔

 他の連中に比べると、あまり批判の声は大きくないが、世界的パンデミック下での五輪開催にストップをかけなかったという意味で、小池都知事にも大きな責任がある。それどころか小池都知事は、感染拡大に懸念が高まるなかでも代々木公園などでのパブリックビューイングを強行しようとしたり、東京五輪の競技会場への子ども動員問題では、観戦を区市町村にキャンセルさせないよう、キャンセル受付の文書を「隠蔽」した問題も発覚した(詳しくは既報参照 → https://lite-ra.com/2021/06/post-5923.html)。
 さらに、7月26日には「一人暮らしの方々などは、自宅も、ある種、病床のようなかたちでやっていただくことが、病床の確保にもつながるし、その方の健康の維持にもつながる」などと言い、政府に先駆けて「自宅放置」を打ち出したのも小池都知事だった。
 しかも、小池都知事が姑息なのは、自分にとって分が悪いと見るや否や、あきらかに露出を控えてトンズラを決め込む点だ。
 たとえば7月27日には新規感染者数が2848人と第3波のピークを超え、本来であれば緊急会見を開いてお得意の「パネル芸」で危機的状況であることを都民に訴えるべき局面だったが、小池都知事は新規感染者数が発表となる前の15時ごろに退庁し、代わりに吉村憲彦・福祉保健局長が取材対応をおこなった。そして、このとき報道陣に対して吉村局長の口から飛び出たのが「いたずらに不安をあおるようなことはしていただきたくない」という発言だった。
 この発言をメディアもこぞって取り上げて批判していたが、しかし、この吉村局長の“恫喝”も、都庁担当記者の間では「明らかに小池都知事の意向だろう」という認識が一般的だ。実際、小池都知事といえば、西村康稔・経済再生相が酒類提供停止に応じない飲食店に対して金融機関を使って圧力をかけようとした際にも、当初は「思いは私も同じ」「現場を担う者としては動きやすくなる、また(飲食店を)説得をしていただきやすくなる」などと同調、違法の恫喝行為を後押ししていた。にもかかわらず、その後、西村大臣の発言に批判が殺到すると、今度はダンマリを決め込んだ。
 恫喝体質を隠さず、都合が悪くなると何事もなかったように知らんぷり。メディアに対して「いたずらに不安をあおるな」と脅しをかけたのも、自分の手を汚したくなくて役割を部下に押し付けた。そんなところだろう。
 だが、いくら小池都知事が気配を消しても、その失策は日に日に浮き彫りになっている。保健所機能のパンク、陽性率20%超えからも明らかな検査数の圧倒的不足、そして療養施設の新設放棄──。東京五輪の開催強行にかまけてコロナ対策を怠った、その罪は極めて重い。


【戦犯その7 菅義偉(内閣総理大臣) 国民の命より五輪を優先、「自宅死」の衝撃走るも本人は金メダル祝福

 東京五輪の戦犯、トリはやはり、現役の総理大臣である菅義偉をおいていないだろう。

そもそも菅は東京五輪招致時から、安倍首相の右腕としてセガサミー会長に贈賄資金提供を要請するなど、かなり深く関わってきたと見られている。
 しかし、菅首相の最大の罪はやはり、コロナ感染拡大のなかで、嘘とデタラメを駆使して東京五輪を強行したことだろう。
 あれだけ「バブル方式で安全安心の大会」と言い張りながら、そのバブルは大会開催前から幻だったことが露呈。「国民の命と健康を守るのは私の責務で、このことより(五輪開催を)優先させることはない」と国会で答弁しておきながら、五輪を中止することなく「重症リスクの高い人以外は自宅療養」などという棄民政策まで打ち出すという暴挙にまで出た菅。そして、政府分科会の尾身茂会長までもが現在の感染爆発について「オリンピックをやるということが人々の意識に与えた影響はあると思う」と指摘しているというのに、いまだに「五輪が感染拡大につながっているとの考え方はしていない」と言い募り、頑として五輪開催強行の責任を認めようとしていない。
 だが、現在の医療崩壊はすべて、この男の現実否認、度が過ぎた楽観主義がもたらした結果だ。
 実際、東京五輪の開会式直前の7月21日におこなわれたぶら下がり取材では「(国民の命は)守れると思っている」と明言し、その根拠に挙げたのは「重症化の一番多いと言われる高齢者の感染者はこのところ4%を切っている」「ワクチン接種というのは大きな効果が出ている」というものだった。しかし、当時から重症化が深刻化していたのはワクチン接種の進んでいない40〜50代。ようするに、現実を見ようとしないまま五輪に突き進んだのである。
 さらに、7月8日の会見で菅首相は、野村総研のリポートを根拠にして「人口の4割がワクチンを1回接種したあたりから感染者の減少傾向が明確になっている」などと語ったが、問題の野村総研のレポートでは〈日本でも感染拡大が懸念されるインド変異株については、特に1回のワクチン接種時での有効性が低下するという指摘もあり、今回の試算の目安となる状況が担保されるには、特にワクチンの2回接種が相応の比率に進捗するまで、変異株のまん延を回避することが重要になってくる〉と指摘されていた。このように菅首相が都合の悪い部分を無視した結果、いまの感染爆発を招いてしまったのだ。
 しかし、この男に反省はまるでない。昨日7日には、2日に陽性と判明して「自宅療養」となっていた都内在住の50代女性が、5日に容体が急変し搬送先の病院で亡くなっていたことが判明。政府が進めようとする「自宅放置」がいかに危険かがあらためて浮き彫りになっていたというのに、菅首相の公式Twitterアカウントはノーテンキに金メダルを獲った日本選手に対する祝福ツイートを3連投。「自宅死」問題はおろか、コロナについては何ひとつつぶやくことはなかった。
 おそらくこの先、医療崩壊がさらに深刻さを増していくだろう。ところが、IOCのバッハ会長は菅首相と小池都知事に対し、特例で「五輪オーダー」(功労章)で最高の金章を授与するのだという。昨年、安倍前首相も同じく金章を授与されているが、東京五輪の開催と引き換えに国民の命を危険に晒した戦犯たちが讃えられるとは、一体、五輪とはどこまで歪んだものなのだろうか

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 いかがだったろうか。繰り返すが、東京五輪はきょう閉会しても、この戦犯たちの罪は消えてなくなるわけではない。「終わってもまだ言うか」などという意見は通用しない。その責任はこれから、徹底的に追及されなければならないものなのだ。

(編集部)
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●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…

2021年08月10日 00時00分18秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日)↑]


// (20210801[])
ビデオニュースドットコム神保哲生さんの記事【コロナと五輪で機能不全ぶりを露呈した政府がそれでもなお権力の座に居座り続けられるカラクリを斬る/マル激トーク・オン・ディマンド マル激トーク・オン・ディマンド (第1059回)ゲスト 古賀茂明氏 元経産官僚・政治経済アナリスト】(https://www.videonews.com/marugeki-talk/1059)。
吉田通夫記者による、東京新聞の記事【酷暑の東京五輪「ひどいうそついた」米メディア、IOCへの「理想的な」報告を問題視】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/119785)。

 《ところが、政府がここまで機能不全に陥ったことは決して偶然ではないと、元通産官僚で公務員制度改革などにも関わった経験を持つ古賀茂明氏は言う。長年にわたる政治改革の結果、首相官邸に権力が集中した結果、その権力を能力の低い政治家が握った場合、政府自体が機能不全に陥ることは避けられない。また実質的に権力を操縦している官邸官僚も、首相の能力が低い方が操縦がしやすく、自分たちの思うがままに権力を行使できるので好都合なのだと言う。特に安倍政権では首相の信任が篤く陰の首相とまで異名を取った今井尚哉首相補佐官が経産省の出身であったことから、経産官僚が官邸の実権を握った。…また、安倍政権以降、官邸がメディアの抑え込みに成功したことも、日本の実態を分かり難くしている一要因になっていることも事実だろう》。
 《東京五輪で選手から酷暑への悲鳴が相次いでいることについて、米国内では、2013年に当時の東京五輪招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルで、7月下旬から8月上旬の気候を「温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」と主張したことを問題視する報道が相次いでいる》。

 何もかもウソ塗れ…。そして、経産省内閣メディアコントロール。《日本の国際的地位は低下の一途を辿った。…その間、ほとんどすべての指標で先進国中最下位に転落してしまった。…日本が発展途上国の後塵を拝している分野も少なくない》。あぁ、情けなく、哀しい国ニッポンになり下がった。アベ様やカースーオジサンのおかげだ。

 そんな中、カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪が強行された。COVID19禍、酷暑…《国民に我慢を強いながら五輪開催》を強行…。そして、《ゴール後に暑さで倒れ込む選手たちが相次いだ光景を「戦場のよう」と表現。「東京の真夏を『温暖』とか『理想的』と表現する住民は一人もいない」として、「日本人は、このことを謝らなければならないひどいうそをついたことを」》。世界に恥をさらし、大変な迷惑を振りまくニッポン。蔑まれるばかりだ。
 「復興五輪」「新型コロナに打ち勝った証し」はどこに行った? 〝安全安心〟が聞いて呆れるよ。2013年9月、世界に向けて「汚染水漏えい問題はない」と言い切ってしまったょ……以来ずっと《五輪中止を》言い続けてきたのだが…。いや、《空疎な小皇帝石原慎太郎元東京「ト」知事が五輪招致をやり始めて以来だ。

 話しは変わるのですが、メディアあるいはジャーナリズムについて、是非ご覧ください…青木理さんと安田浩一さん。《「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?
 デモクラシータイムスの番組【鈴木耕 【著者に訊く!】この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体(青木理さん、安田浩一さん) 20210722】(https://www.youtube.com/watch?v=knOX-CJusSY)によると、《本のタイトル『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』が、内容を表している。「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか。地べたを這うように現場に足を運んでルポする安田さんと、引いた目線で現象の原因を探ろうとする青木さんのバランスが絶妙。「匿名の悪意」をどうすれば押し戻すことができるのか。最先端で活躍する気鋭のジャーナリストふたりが、本の中身と時代の現況を語り尽くす!》


【青木理×安田浩一 この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体【著者に訊く!】 20210722】
https://www.youtube.com/watch?v=knOX-CJusSY


   『●無観客開催にすり替え…緊急事態宣言の最中、五輪貴族やその取り巻き
         連中による醜悪な〝バカの祭典〟〝パソナの祭典〟をやる気?
   『●《大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》 ―――
     どこまでも醜悪なバカの祭典、パソナ五輪。一体どちらが《反日的》か?
   『●《人々を苦しめているのは…満足に給付や補償をせずに自粛を強制
     する政権》(町山智浩さん)…一体どちらがバカで、《反日的》か?
   『●《「スガ総理」…内閣支持率の下落が止まらない。その要因は
     コロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に…》
   『●この最悪なCOVID19禍、さらに、酷暑の中、開催強行…皆さん
     ご帰国の折、《反日》アスリートや《反日》ジャーナリスト製造な東京五輪
   『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
     「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)
   『●自公お維トファに投票してはいけない、《普通の国》とするために
     ―― 《普通の国なら何度も政権が吹っ飛ぶ失態が繰り返されてきた》
   『●《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事による五輪招致が間違い
        だった…小池「ト」知事「コロナとの戦いで金メダル取りたい」…
   『●《それでもバカとは戦え/…2021年7月23日は非常に残念ながら
         悪が人類に打ち勝った日として確実に歴史に残ることになる》
   『●アベ様の害交・害遊の大きな成果 ―― 「ゴールまで、ウラジーミル、
        二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。」
   『●アベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出
       …政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》
   『●あぁ、《「復興五輪」「新型コロナに打ち勝った証し」…スローガン》の
        《大会経費は3兆円を超える》…そのおカネで何ができただろう?
   『●保坂展人世田谷区長が《この方針を打ち出した当初、感染症の専門家や
           マスメディアからの激しい批判に晒されたという》…東京は4000人超

 デタラメがまかり通るこの国を変えなきゃ。もはや、(斎藤貴男さん)《こうした“巧妙さ”が消えた》《あからさまに民主主義を破壊し、露骨に憲法をなきものとし、人権を踏みにじり、差別を隠そうともせず、言論を弾圧して、平然としている。…悪党がその正体をあらわにして、居直ったのである》。《民主主義はもう終わったという前提》の下で…、《バッハ会長が来日し、小池都知事と会談した日の都庁周辺には、自衛隊員や彼らの車両が絶え間なく行き来していた果たして大手メディアは何も伝えようとしない。これは治安出動なのか、だとしたら、軍事政権とどこがどう違うのかあからさまな暴政の前に》…どうすべきなのか…。もしかすると、次がラストチャンスかもしれない。
 《古賀氏は実際は国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を支配できているところに問題があるとも言う》。何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない

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https://www.videonews.com/marugeki-talk/1059


 (https://youtu.be/e-BV99Tapbo

コロナと五輪で機能不全ぶりを露呈した政府がそれでもなお権力の座に居座り続けられるカラクリを斬る
マル激トーク・オン・ディマンド (第1059回)
2021年07月24日

ゲスト
古賀茂明(こが しげあき)
元経産官僚・政治経済アナリスト
1955年長崎県生まれ。80年東京大学法学部卒業。同年通産省(現経産省)入省。経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長、国家公務員制度改革推進本部審議官などを経て2011年退官。同年より現職。著書に『官邸の暴走』、『官僚と国家』、『日本中枢の崩壊』など。

司会
宮台真司
神保哲生

 ある程度予想されていたこととは言え、直前になって開会式の担当者が次々と解任や辞任に追い込まれるなど、東京五輪は麻生財務相の言葉を借りるまでもなく「呪われた」大会になることが開催前から確定的になりつつある。いや、呪いというのは誰かの恨みなどを買ったことで、本来身に覚えのない人の上に災厄が降りかかる場合に使う言葉だろうから、これは呪いでさえない。東京五輪についてはむしろ「自業自得」とか「馬脚を現した」と言った方がより正確だろう。

 コロナ対策も世界一多くの病床を抱える日本でコロナ病床への転換が一向に進まないため、感染者数としては国際的にはまだそれほど高いとはいえない水準にあるにもかかわらず、日本国民、とりわけ東京は今年に入ってからほぼ毎日、緊急事態宣言下に置かれ、行動を厳しく制限されている。コロナ病床が全病床の数パーセントしかないため、僅かでも感染者が増えればたちまち医療崩壊の淵に立たされる危険性がある状態にあるのは、1年半前から何も変わっていない

 感染源を突き止める上での必至条件となるPCR検査も相変わらず増えていないし、ワクチンこそ菅首相の「とにかく打ちまくれ」の号令の下、なり振り構わず打ちまくった結果、とりあえず1日100万件のベンチマークをクリアしたまではよかったが、今度は在庫が足りなくなり地方自治体や職域接種が予約分をキャンセルしなければならなくなるというちぐはぐぶりを露呈している。

 五輪では国立競技場のやり直し問題に始まり盗用エンブレムの採用、竹田恆和JOC会長の贈賄疑惑による辞任、森喜朗組織委員長による女性蔑視発言を始めとする数々の問題発言と相次ぐ責任者の辞任、そして箱物を含めると当初7000億円台だったはずの「コンパクト五輪」が、いつのまにか箱物を含めると3兆円超にまで膨れあがった五輪経費等々、これでもかというくらいの不祥事や失敗が続いている

 一方、コロナ対策の方も、進まない病床転換や増えないPCR検査に加えて、そもそも日本はダイヤモンドプリンセス号の漂流に始まり、習近平来日前だったために中国からの入国制限が後手に回ったために、容易に感染の国内蔓延を許してしまったり、かと思うといきなり根拠なき一斉休校をしてみたり、意味不明の小さな布マスクを配ってみたり、首相が得意げに星野源ビデオを公開してみたりと、当初から危うい対応が続いた。加えて、感染が疑われても一向につながらない保健所の電話と、結果的に発熱してもなかなか受けられないPCR検査、二階幹事長への遠慮から感染が広がっても止められないGo To Travel、どうしても五輪をやりたいがために延長に延長を繰り返す緊急事態宣言等々。日本は要請ベースであるにもかかわらず国民の多大な犠牲によってかなり感染が抑えられてはいるが、政府のコロナ対策でまともに機能していると言えるものが何一つないという有様なのだ

 ところが、政府がここまで機能不全に陥ったことは決して偶然ではないと、元通産官僚で公務員制度改革などにも関わった経験を持つ古賀茂明氏は言う。長年にわたる政治改革の結果、首相官邸に権力が集中した結果、その権力を能力の低い政治家が握った場合、政府自体が機能不全に陥ることは避けられない。また実質的に権力を操縦している官邸官僚も、首相の能力が低い方が操縦がしやすく、自分たちの思うがままに権力を行使できるので好都合なのだと言う。

 特に安倍政権では首相の信任が篤く陰の首相とまで異名を取った今井尚哉首相補佐官が経産省の出身であったことから、経産官僚が官邸の実権を握った。古賀氏によると、古賀氏の古巣でもある経産省は高度経済成長以降は事実上省庁としての仕事がなく、経産官僚の主な仕事は補助金を配ることになっていた。そのため経産官僚は中身のない政策をもっともらしく見せ、面白いキャッチフレーズや話題作りで世論の目を引くことにかけてはどのの省も真似できない高度なノウハウを身に付けているという。安倍政権下で使われた「アベノミクス」「一億総活躍」「働き方改革」等々、数々のキャッチフレーズが思い出されるが、その経産省の性格こそがまさに安倍政権の性格そのものになっていたと古賀氏は指摘する。

 しかし、多くの国民が真新しいキャッチフレーズに目を奪われている間に、安倍政権は金融緩和による円安誘導と日銀や公的資金による株価や地価の買い支え、大企業支援に自民党支持層へのバラマキを続けた結果、日本の国際的地位は低下の一途を辿った。そして、かつて国民一人当たりのGDPで世界一になり、アジアの奇跡などと持て囃されたこともある日本だったが、その間、ほとんどすべての指標で先進国中最下位に転落してしまった。こと豊かさや幸福度、ジェンダーや表現の自由度などの指数では、日本が発展途上国の後塵を拝している分野も少なくない

 そして、菅政権になってからも、その路線は基本的には何ら変わっていない。

 そこにコロナ禍が降りかかり、日本の真の実力が露呈してしまった。キャッチフレーズだけではコロナは乗り切れなかった。そのような状態にある日本が、思いっきり背伸びをして五輪を主催しようというのだ。あちらこちらでボロが出るのも無理はない

 古賀氏は実際は国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を支配できているところに問題があるとも言う。そしてその主要因の一つが、低い選挙での投票率にある。投票を義務化でもしない限り、その問題は容易に解決しないのではないかと、古賀氏は言う。

 また、安倍政権以降、官邸がメディアの抑え込みに成功したことも、日本の実態を分かり難くしている一要因になっていることも事実だろう。

 今週は古賀氏と、コロナと五輪で露わになった現在の日本の明らかな機能不全とその原因、そしてその処方箋を、ジャーナリストの神保哲生、社会学者の宮台真司が議論した。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/119785

酷暑の東京五輪「ひどいうそついた」米メディア、IOCへの「理想的な」報告を問題視
2021年7月27日 20時15分

 【ワシントン=吉田通夫】東京五輪で選手から酷暑への悲鳴が相次いでいることについて、米国内では、2013年に当時の東京五輪招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)に提出した立候補ファイルで、7月下旬から8月上旬の気候を「温暖で、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」と主張したことを問題視する報道が相次いでいる。
 ネットニュース「デーリー・ビースト」は26日、「この時期に東京を訪れたことがある人ならだれでも知っているように、報告の内容は良く言えば楽観的、悪く言えばうそだ」と指摘。「問題は、なぜIOCがそれを真実として受け入れたのかということだ」とIOCも批判した。
 米ヤフーニュースのコラムニスト、ダン・ウェツェル氏は25日に、男子トライアスロンのゴール後に暑さで倒れ込む選手たちが相次いだ光景を「戦場のよう」と表現。「東京の真夏を『温暖』とか『理想的』と表現する住民は一人もいない」として、「日本人は、このことを謝らなければならないひどいうそをついたことを」と強調した。
 また、米国内で放送権を持つNBCが視聴率を稼げるようアメリカンフットボールなどと競合しないこの時期の開催が前提になったことも疑問視。放送権収入を重視するIOCが日本の「ばかげた」報告に「気付かないふりをした」と批判し、「しわ寄せを受けているのは選手たちのようだ」と書いた。
 米紙ウォールストリート・ジャーナルも25日に、報告を指して「日本の組織委は暑さの問題を小さく扱おうとしてきた」と指摘。1964年の東京五輪が暑さを避けて10月に開かれたことも紹介した。
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