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●まともな取材も無くデマやヘイトをまき散らしたDHCテレビ「ニュース女子」《番組が差別を扇動した》、《ベースにあるのは沖縄差別》だった

2023年06月08日 00時00分13秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20230521[])
まともな取材も無くデマやヘイトをまき散らしたDHCテレビニュース女子」《番組が差別を扇動した》、《ベースにあるのは沖縄差別》だった。(琉球新報社説)《問題の根本には、韓国・朝鮮人や琉球・沖縄人への差別意識や、基地反対運動に対する憎悪、排外主義も存在するとみられる。機動隊が高江で市民に土人と発言したことなど沖縄ヘイトの文脈で問題を捉えなければならない》。

   『●「亡命」させられた辛淑玉さんは「一時帰国するにも勇気がいる…」とは、 
                            一体ニッポンはどんな国なのか?
    「ブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊
     辛淑玉さんの裁判を応援する。】(…)では、《…辛さんへの攻撃をはじめ、
     ネトウヨ・ファシスト勢力の沖縄や在日、アイヌ、その他への差別と
     暴力許さないために、力を尽くしたい憎悪を向けられている者が
     泣き寝入りし、逃げていたら、いつか実体的に抹殺される》」   

   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
       「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん
    《そのひとつが「日本女性の会 そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、「慰安婦」問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には大阪・
     鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく
     『鶴橋大虐殺』を実行しますよ!」などとジェノサイドを先導した
     ヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠・元在特会会長の
     「日本第一党」の副党首まで務めている》
    《「平和運動を愚弄(ぐろう)する悪質なフェイクニュースだった」。
     辛さんは会見で、制作会社DHCテレビジョンの番組をこう断じた。
     訴訟の発端となった番組は、2017年1月に放送された。
     「反対運動を扇動している黒幕」「テロリスト」。インターネットの
     SNSなどで事実に基づかない中傷被害を受け続けたこれまでを
     振り返り「むごいものだった」と怒りをにじませた》

   『●《安倍晋三元首相の応援演説でも「日当」5千円》《慣例化》…デマ
     やヘイトをまき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている
   『●三つの忸怩たる思い…ジャーナリストとしての思い、あぁ、アベ様の
     NHKをまたしても批判せざるを得ない思い、情けなきBPOへの思い
    「《沖縄の基地反対運動を中傷し…辛淑玉が黒幕として
     カネを出しているかのような印象操作》、沖縄デマ
     アベ様らこそ、一体何をやっているのやら。デマやヘイトを
     まき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている」

   『●《表現の自由は、民主主義の根幹でもある。しかし出自を理由に人を深く
      傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない》
    《判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より
     踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)
     中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。
     番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。番組は
     反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指し
     して「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、
     差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは
     沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた》

 目取真俊さんのブログ【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/辛淑玉さんの勝訴確定に思う】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/bc56cf82b30e929840020d5c908e289b)。《沖縄に対するデマと憎悪をまき散らした「ニュース女子」に関し、制作したDHCテレビジョンを訴えていた辛淑玉さんの勝訴が確定した。ここにいたるまで辛さんに対し、どれだけの脅迫、嫌がらせ、圧力があったことかそれに耐えるのにどれだけの労苦と決意があったか、を考えると胸が詰まる。勝訴は辛さんはもとより沖縄にとっても大きな意義がある。「本土防衛」のために沖縄が犠牲になるのはやむを得ない。日本人の多数にそのような意識をつくり出すため、沖縄人は犠牲になっても仕方がない人たち、というイメージを植え付ける。「沖縄ヘイトはたしている役割がそれだ。「沖縄ヘイトがまき散らすデマと差別意識は、沖縄を戦場にする布石となる決して許してはならない》。

 散々WPでデマやヘイトをまき散らせるだけまき散らし、閉鎖。判決をどう実現するつもりか? 有耶無耶にしてお終いにするつもり。MXテレビも知らん顔? この不始末、どう責任を取るつもりか。
 琉球新報の【<社説>「ニュース女子」名誉毀損 ヘイトのない社会実現を】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1703104.html)によつと、《嫌がらせを受けながら、5年以上にわたる法廷闘争を闘い抜いた辛淑玉(シンスゴ)氏が勝訴した意義は大きい。沖縄の基地反対運動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、ヘイトスピーチ反対団体共同代表の辛氏が、番組を制作した旧DHCテレビジョン(現・虎ノ門テレビ)などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は同社の上告を退けた。辛氏への550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文掲載を命じた一、二審判決が確定した》。


【DHCTVとマスコミの責任 辛淑玉 × 北丸雄二【マイノリティ・リポート】】
 (https://www.youtube.com/watch?v=ko65-Qrq04I)
デモクラシータイムス
《ニュース ピックアップ
・闘うオーストリア レイシストデモを圧倒
・ウクライナ 戦場のカミングアウト
・選挙演説中に「この彼が私のパートナーです」
・反差別は「日本の国柄に合わない」西田昌司
・入管法廃案に向け動き出す世論 
・元外国籍で「ゴルフクラブ入会拒否」一審 合法判決
・マツダ社従業員 障がい者差別動画投稿
・新宿区 差別アート全開 スロープ閉鎖
・デマ放送FOX 1000億円支払い》

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1703104.html

<社説>「ニュース女子」名誉毀損 ヘイトのない社会実現を
2023年5月1日 05:00

 嫌がらせを受けながら、5年以上にわたる法廷闘争を闘い抜いた辛淑玉(シンスゴ)氏が勝訴した意義は大きい。

 沖縄の基地反対運動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、ヘイトスピーチ反対団体共同代表の辛氏が、番組を制作した旧DHCテレビジョン(現・虎ノ門テレビ)などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は同社の上告を退けた。辛氏への550万円の支払いとウェブサイトへの謝罪文掲載を命じた一、二審判決が確定した。

 辛氏の訴えをおおむね認めた判決は画期的である。ただ辛氏が「誰かが何かをしてくれる国ではない。討ち死にした人も多くいる。闘い続けるのが私の次の課題」と述べたように、全て解決したわけではない。ヘイトスピーチはいまだ後を絶たないそもそもヘイトを許してはならない。そんな社会を実現したい。判決を機にヘイト抑止の機運を一層高める必要がある。

 「ニュース女子」は、東村高江のヘリパッド建設に反対する住民運動を取り上げ、辛氏を「過激な犯罪行為を繰り返す基地反対運動の黒幕」と名指しし、高江住民らを「テロリスト」扱いした

 辛氏の申し立てを受けた放送倫理・番組向上機構(BPO)は重大な倫理違反や辛氏への人権侵害を認定。その後、辛氏は訴訟を起こした。東京地裁は番組内容について「根拠として薄弱」「裏付け取材をしていない」などと指摘し、名誉毀損(きそん)を認めた。事実に基づかないデマによって辛氏は深く傷つけられたのだ。

 控訴審の判決はさらに踏み込んだ。人種差別の認定を求めた辛氏の訴えに対し「在日朝鮮人である一審原告の出自に着目した、誹謗(ひぼう)、中傷を招きかねない構成」と指摘した。

 この控訴審判決に対し、当時のDHCテレビジョン代表は同社ホームページで掲載を続ける番組の削除が命じられなかった点を挙げ「プチ勝訴」と主張。賠償命令の金額に不満を示し「不当判決」と断じ、上告した。反省の態度はなく、問題の根深さをのぞかせた。

 問題の根本には、韓国・朝鮮人や琉球・沖縄人への差別意識や、基地反対運動に対する憎悪、排外主義も存在するとみられる。機動隊が高江で市民に土人と発言したことなど沖縄ヘイトの文脈で問題を捉えなければならない

 こうしたヘイトを防ぐためには法整備やメディアの自浄作用が必要だろう。しかし、それらを待っていられないほどヘイトははびこり、深刻だ

 県内ではヘイトスピーチ防止を図る「県差別のない社会づくり条例」が先月1日に施行されたばかりだ。条例は、公共の場やネット上でのヘイトを許さないという県民の明確な意思である。その理念の具現化が急がれる。辛氏は最高裁判決後に「長くて、長くて、長かった」と語った。沖縄のためでもあった多大な苦労を無駄にしてはいけない
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コメント
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●《表現の自由は、民主主義の根幹でもある。しかし出自を理由に人を深く傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない》

2022年07月26日 00時00分00秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(20220710[])
【<金口木舌>リプレイスメント・セオリー】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1526872.html)。

 《中国語やハングルで表記された沖縄本島中北部の観光地案内板をインターネットに上げてこんな書き込みがあったという。「沖縄が中国、韓国に占領されつつある」。ノンフィクションライターの安田浩一さんが伝えている ▼現地に赴き外国語表記の案内板からやや手前に引いて撮影すると、そこには日本語表記の案内板があった。あたかも外国語の案内板しかないようにフォーカスし「占領」とするデマだった》。

   『●「アベ様広報」…安田浩一さん「現地の人に話を聞く、
      裏取りするという取材の基本ができていない…デマ」
    「沖縄タイムスの記事【津田大介さん・安田浩一さん、「ニュース女子
     問題でMXテレビ出演辞退】…《津田大介さんと安田浩一さんが
     18日までに同局が放送する別のニュース番組への出演を辞退した。
     「取材がずさんで事実でない」「報道に値しない」と2日の番組
     批判している》」

   『●「差別意識に基づく、官憲による歴史的暴言」…
      ガルトゥング氏「非常に深刻な状況となる兆候…」と警鐘
    「やはり「歴史的暴言」でした。アベ様定義の「積極的平和主義」の
     産物な「歴史的暴言」。「本土」による差別意識が顕在化し、
     表面化した「歴史的暴言」。安田浩一さん《社会的少数者や弱者を
     たたき、引きずり降ろすのを楽しむ空気が日本社会の一部に
     流れている》。歪んでる」

   『●安田浩一さん「沖縄の新聞は本当に『偏向』」? 
      …沖縄への「思い込みによる差別で、それを許す日本社会」
   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…
   『●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったい
     いつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

 アベ様の取り巻き連中の醜悪さときたら…(青木理さん、安田浩一さん)『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』。ヘイトも含めて、その源流は《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事。さらに、メディアあるいはジャーナリズムについて、…青木理さんと安田浩一さん。《「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

 東京新聞の記事【DHCテレビ「ニュース女子」の名誉毀損を認定 高裁も一審判決支持「番組に真実性は認められない」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/181448)《判決は、辛さんが組織的に参加者を動員して過激な反対運動をあおっているという番組の内容に、真実性は認められないと判断。現在もDHCのサイトで番組が閲覧できる状態で「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」などとテロップで表示されているとして、「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない」と言及した》。
 沖縄タイムスの【社説[「ニュース女子」名誉毀損] ヘイト止める仕組みを】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970199)によると、《大勢が視聴した番組のうそが再び認定された。制作したDHCテレビジョンは判決を重く受け止めるべきだ。テレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は、一審判決を支持し、DHCテレビに550万円の支払いと、謝罪広告の掲載を命じた。問題となったのは2017年1月に放送された2回。同社が制作し、東京MXテレビなどで放送された》。
 さらに、琉球新報の【<社説>ニュース女子二審判決 差別扇動は許されない】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1529440.html)によると、《判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。番組は反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指しして「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた》。

 最後に、沖縄タイムスの記事【「ヘイトスピーチは魂の殺人。暴力だからこそ認められない」作家の安田浩一さん、社会の崩壊を懸念】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970606)によると、《ノンフィクションライターの安田浩一さん=写真=を講師に招いた学習会では、取材してきた差別と偏見の現場について説明しながら「誰かが差別に苦しんでいる人や地域、社会が壊れていくのをこれ以上、見たくない」と語気を強めた》。

   『●「日本の恥と呼ぶべき存在」
    《鶴橋で行われた街宣で、女子中学生が「鶴橋大虐殺」の演説をしたことは
     ネットで話題になっていましたし、韓国でも報じられていたようです》

   『●ヘイトスピーチ、自らの言論の自由を狭めている
   『●『朝日』の「誤報」よりも、誰が国際社会の印象を落としているでしょうか?
   『●小池百合子「ト」知事、追悼文は? 《…ようやくこう答えたのだった。
      「それは毎年送っておりません」…この回答はあまりに卑怯だろう》
    《その急先鋒になってきたのが「そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、慰安婦問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には
     大阪・鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺では
     なく鶴橋大虐殺を実行しますよ」などとジェノサイドを
     先導したヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠
     前在特会会長の「日本第一党」の副党首まで務めている》

   『●自民党亜種トファ・キトの「反作用として期待される
       リベラルの結集」…それが最後の望み・希・希望
   『●「植民地気分」な日米共犯・両政府から
      「犠牲だけを強いられる沖縄」…両国に「真の文明」はあるのか?
    《大阪の鶴橋で女子中学生がこんなことをがなった。
     「…もう、殺してあげたい! いつまでも調子にのっとったら
     南京大虐殺じゃなくて鶴橋大虐殺を実行しますよ!」》

   『●《明らかに、小池都知事の「追悼文拒否」は歴史修正主義の虐殺否定論と
     ヘイトに勢いを与えた》…《空疎な小皇帝》石原慎太郎元「ト」知事越え
   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
       「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん
    《そのひとつが「日本女性の会 そよ風」というヘイト団体だった。
     「そよ風」はヘイト団体・在特会の関連団体で、「慰安婦」問題や
     関東大震災朝鮮人虐殺の否定などを主張しており、2013年には大阪・
     鶴橋で「いつまでも調子にのっとったら、南京大虐殺ではなく
     『鶴橋大虐殺』を実行しますよ!」などとジェノサイドを先導した
     ヘイトデモに協力。北海道支部長の女性は桜井誠・元在特会会長の
     「日本第一党」の副党首まで務めている》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>ヘイトクライムを生まないために】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1529019.html)によると、《▼ヘイトクライムは米国だけの問題ではない。昨年8月には朝鮮半島出身者が暮らす京都府宇治市のウトロ地区で放火があった。被告は「韓国が嫌いだった」と供述している。2016年には障がい者が殺傷される事件も起きた ▼人種や国籍、性別、障がいという属性を理由にマイノリティーが暴力の標的にされ命を奪われるこんな理不尽なことがあろうか ▼ネット上の悪意に満ちた言葉、日常生活で聞こえる誹謗中傷偏見ヘイトクライムにつながりかねない「芽」はあふれている。異なる文化や歴史を知り、互いを認め尊重しあう。ヘイトクライムを生まない社会は一人一人の日常の一歩から始まる。》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1526872.html

<金口木舌>リプレイスメント・セオリー
2022年6月2日 05:00
金口木舌 リプレイスメント・セオリー

 中国語やハングルで表記された沖縄本島中北部の観光地案内板をインターネットに上げてこんな書き込みがあったという。「沖縄が中国、韓国に占領されつつある」。ノンフィクションライターの安田浩一さんが伝えている

▼現地に赴き外国語表記の案内板からやや手前に引いて撮影すると、そこには日本語表記の案内板があった。あたかも外国語の案内板しかないようにフォーカスし「占領」とするデマだった

▼こうした事象はリプレイスメント・セオリー(置き換え理論)といわれる。古くはグレイト・リプレイスメントと呼ばれた。白人至上主義に基づき、白人以外の人種に国土が乗っ取られると危機感をあおる陰謀論という

▼那覇市若狭に建つ龍柱をめぐっては「中国の属国か」とする主張もあった。県内でも顕在化する排斥の動きに改善策はないものか

▼作家の落合恵子さんが、微力ではあっても「一人一人がつながる」大切さを提唱していた。確かに身内や友人、知人が差別されてはいたたまれない。社会が分断されては未来は描けないだろう
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/181448

DHCテレビ「ニュース女子」の名誉毀損を認定 高裁も一審判決支持「番組に真実性は認められない」
2022年6月3日 22時08分

     (控訴審の判決後、記者会見をする辛淑玉さんら
      =3日、東京都内で)

 沖縄の米軍基地反対運動を取り上げたテレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして、人権団体「のりこえねっと」の共同代表辛淑玉(シンスゴ)さんが、番組を制作したDHCテレビジョンなどを訴えた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(渡部勇次裁判長)は3日、名誉毀損を認めてDHCに550万円の損害賠償などを命じた一審・東京地裁判決を支持した。

 判決は、辛さんが組織的に参加者を動員して過激な反対運動をあおっているという番組の内容に、真実性は認められないと判断。現在もDHCのサイトで番組が閲覧できる状態で「韓国人はなぜ反対運動に参加する?」などとテロップで表示されているとして、「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗中傷を招きかねない」と言及した。

 番組の司会者だった本紙元論説副主幹の長谷川幸洋氏の責任については「番組の制作や編集に一切関与がなかった」とし、一審と同様に認めなかった。長谷川氏が辛さんに損害賠償を求めた反訴も同様に退けた。

 番組は東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)で2017年1月に放送された。昨年9月の一審判決は、DHCに賠償と自社サイトへの謝罪文掲載を命じた。

 判決後の会見で辛さんは「名誉毀損が認められてうれしいが、沖縄に対して申し訳ない気持ちもある平和運動や沖縄を、在日である私を使ってたたくという、二重、三重に汚い番組だった」と振り返った。金竜介弁護士は、判決が出自に絡む誹謗中傷に言及した点に「人種差別をきちんと認めたことは評価できる」と話した。(小嶋麻友美)

【関連記事】DHC吉田会長、ネット上で「コリアン系」ヘイト声明 荒唐無稽な主張次々
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970199

社説[「ニュース女子」名誉毀損] ヘイト止める仕組みを
2022年6月5日 10:10

 大勢が視聴した番組のうそが再び認定された。制作したDHCテレビジョンは判決を重く受け止めるべきだ。

 テレビ番組「ニュース女子」で名誉を傷つけられたとして市民団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で東京高裁は、一審判決を支持し、DHCテレビに550万円の支払いと、謝罪広告の掲載を命じた。

 問題となったのは2017年1月に放送された2回。同社が制作し、東京MXテレビなどで放送された。

 高裁判決では、番組が東村高江の米軍ヘリパッド建設での抗議行動を取り上げ「過激」「襲撃」「警察でも手に負えない」「テロリスト」といった表現を用いたことに対して、実際の抗議活動に比べて「異質のものというべきである」とした

 事実に基づかない報道であり、放送を通じて多くの沖縄県民を深く傷つけた

 また判決では、市民団体が地元の沖縄以外から参加者を組織的に雇って動員したとする番組の主張に対しても「煽動(せんどう)しているとは認められない」とした。

 司会者と出演者とのやりとりや、さまざまなテロップなどを使うことで、辛氏が抗議活動を煽動する危険な人物であると印象付けたとも指摘した。

 判決を受けDHCテレビ側は「不当判決だ」とした。現在もネットで閲覧できる番組の削除は求められなかったとして「プチ勝訴」とするが詭弁(きべん)だ。番組構成全般に瑕疵(かし)が認められたことを率直に受け止めるべきだ。

■    ■

 判決は、くしくもヘイトスピーチ解消法施行から満6年の日に言い渡された。番組は「在日朝鮮人である辛氏の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない」と指摘し、ヘイトスピーチを誘導する危険性があったと認めた。

 解消法は、外国にルーツを持つ人々などへの差別を許さない社会を目指して2016年に施行された。国や都道府県の責務を定める一方、規制や罰則などの定めがない理念法にとどまっている。

 しかし今回のケースを見れば、より踏み込んだ対応が必要だ。東京MXテレビは同番組の放送を打ち切ったが、ネット上ではいまだに配信されている。

 判決後に辛氏は「たたいてもいい存在と見なした沖縄を、在日である私を使ってたたく、二重三重に汚い番組だった」と振り返った。

 ヘイトを放置しない仕組み作りが求められる

■    ■

 表現の自由は、民主主義の根幹でもある。

 しかし出自を理由に人を深く傷つける差別表現は、人権を侵害する行為であり決して認められない

 個人に対する差別表現であれば、訴訟で刑事や民事上の責任を追及する道もある。一方で特定の地域や国、民族をターゲットにした差別表現についての責任追及は難しい。

 沖縄差別が沖縄出身者にも向けられるように、不特定多数への差別表現は個人の人権を侵害する危険性もあるヘイト根絶は社会の使命だ
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1529440.html

<社説>ニュース女子二審判決 差別扇動は許されない
2022年6月7日 05:00

 東村高江周辺の米軍ヘリコプター発着場建設への抗議行動を中傷したテレビ番組「ニュース女子」の人権侵害が改めて認定された。名誉を傷つけられたとしてヘイトスピーチ反対団体「のりこえねっと」の辛淑玉(シンスゴ)共同代表が制作会社DHCテレビジョンなどに損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁は制作会社側に再び損害賠償550万円と同社ウェブサイトへの謝罪文の掲載を命じた。

 判決は、原告側が求めていた差別の認定について一審判決より踏み込み「在日朝鮮人である原告の出自に着目した誹謗(ひぼう)中傷を招きかねない構成になっている」と番組の構成に言及した。番組が差別を扇動したと指摘しており、判決の意味は重い。

 番組は反対運動をする市民をテロリストに例え、辛共同代表を名指しして「黒幕」などと報じた。辛共同代表は判決後の記者会見で、差別認定が前進したことを評価しつつも「ベースにあるのは沖縄差別だ」と述べ、悪質なヘイトを規制する法律の必要性を訴えた。

 辛共同代表はそれまでの活動でもネットでの誹謗中傷を受けてきたが、地上波で公然と行われたことが深刻な人権侵害につながった。国会内で国会議員も参加して「辛淑玉氏等在日朝鮮人による反日反米工作を糾弾する国民集会」が開かれたり自宅前に何時間も不審者がいたりするなどした。危険を感じてドイツに生活拠点を移した時期もあったなどと、法廷で訴えた。

 番組の司会だったジャーナリスト長谷川幸洋氏にも「共同不法行為責任」を負うとして損害賠償を請求した。長谷川氏側は辛共同代表の記者会見での発言で名誉を毀損(きそん)されたと反訴した。双方とも一審で棄却され控訴していたが、再び棄却された。

 ジャーナリストを名乗る立場で司会をした長谷川氏は、差別や誹謗中傷をあおった責任を問われた。だが、判決は「番組収録時点で各出演者がどのような発言をするかを具体的に把握しておらず、どのようなテロップが付されるかも知り得ない」「名誉毀損の結果を招来することを認識し得たということは困難」として認めなかった。

 問題の番組は、その後の「検証番組」も含め、今もDHCテレビジョンのホームページに掲載されている。判決は削除を命じなかった。基地反対運動と辛共同代表に対する誹謗中傷は今も続いている。DHCテレビジョンは全く反省しておらず、差別をあおりながら、誹謗中傷で沖縄の基地反対運動をおとしめ続けている

 裁判に先立って、番組は放送倫理・番組向上機構(BPO)によって人権侵害を認定されている。それにもかかわらず、差別と誹謗中傷が放置されている。法整備を待つだけでなく、ジャーナリズムとメディア界が自浄作用を発揮すべきだ
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/970606

「ヘイトスピーチは魂の殺人。暴力だからこそ認められない」作家の安田浩一さん、社会の崩壊を懸念
2022年6月6日 07:47

     (「ヘイトスピーチは魂の殺人」と訴える安田浩一さん
      =5日、那覇市久茂地のブックカフェ&ホール「ゆかるひ」)

 ノンフィクションライターの安田浩一さん=写真=を講師に招いた学習会では、取材してきた差別と偏見の現場について説明しながら「誰かが差別に苦しんでいる人や地域、社会が壊れていくのをこれ以上、見たくない」と語気を強めた。

 安田さんは「在日特権を許さない市民の会在特会)」に迫った著著「ネットと愛国」で講談社ノンフィクション賞を受賞。2016年のヘイトスピーチ解消法の施行以前から問題を指摘し、学習会でも被害者の声なども紹介した。

 昨年3月、名古屋出入国在留管理局の施設に収容中だったスリランカ人女性が死亡した事件についても触れ、「背景にある外国人への憎悪は、以前から日本社会にあった」と指摘した。

 また、基地問題に関連して「沖縄は外国に乗っ取られる」などとの言説があることや、過去に機動隊の「土人」発言擁護する声があったことを挙げ、差別を正当化する理論として危惧。「ヘイトスピーチは魂の殺人暴力だからこそ認められない」と訴えた。

(社会部・平良孝陽)
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●《安倍晋三元首相の応援演説でも「日当」5千円》《慣例化》…デマやヘイトをまき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている

2021年12月05日 00時00分32秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


(2021年11月23日[火])
日刊ゲンダイのコラム【佐高信「この国の会社」/”企業再建の神様” 早川種三をDHCの吉田嘉明は理解できるのか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/297358)。
日刊ゲンダイのコラム【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/美化されたドラマ「アンという名の少女」は歴史修正ではないか】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/297484)。

 《会長の吉田嘉明ヘイトスピーチをまきちらすDHCがまだ存続していることが私には理解できない。…すべて悪質なデマである。DHCは化粧品やサプリメントの製造販売業の大手だが、消費者はそれを知った上で買っているのだろうか。さすがに問題になっても、吉田はまったく反省することなく、2020年11月には自社サイトに「ヤケクソくじについて」という呆れるような一文を掲載した。こうである。…》
 《制作者の意図はよくわかる。多くの部分で共感もできる。しかしーー。私には違和感が払拭できない。このようなドラマ作りは、ある種の歴史修正主義にも通じかねないのではないか? 原作が書かれたのは1908年だ。1世紀以上も前のプリンスエドワード島で、本作のような状況があり得ただろうか。当時の現実に基づいて描かれた「空気」を後世の人間が勝手に改変して構わないとは思えない。歴史修正主義においては、南京大虐殺従軍慰安婦ホロコーストまでもが“なかったことにされている。同様に、アンのドラマが、制作者の思いとは裏腹に、あの時代は差別も偏見も大したことがなかった、という認識を招いてしまう危険を、私は恐れる。どれほどの悲惨も陰惨も、歴史は歴史として正視しなければならないその上での議論なのだ》。

   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」番組について、
        想像を超えた制作会社の対応のあまりの酷さ
   『●東京MXテレビ「沖縄デマ」宣伝…「目的がデマの拡散による
               沖縄の反基地運動への不信あおりにあった」

 ヘイト・差別をまき散らす…悍ましい。
 歴史修正主義者たちは、概してレイシストである確率が高い。

   『●小池百合子「ト」知事、追悼文は? 《…ようやくこう答えたのだった。
      「それは毎年送っておりません」…この回答はあまりに卑怯だろう》
   『●この《レイシスト・歴史修正主義体質》な小池百合子東京「ト」知事に
        「2,912,628票」「3,661,371票」も投じてしまった都民の皆さん

 《沖縄の基地反対運動を中傷し、北朝鮮支持の辛淑玉が黒幕としてカネを出しているかのような印象操作》…アベ様らこそ、一体何をやっているのやら。デマやヘイトをまき散らす悍ましい人たちこそ、汚いことをやっている。

   『●東京新聞【首相街頭演説動員に5千円…安倍晋三元首相の応援演説でも
            「日当」5千円 衆院選・茨城】…《慣例化》してたのかぁ、納得ぅ

 2017年2月のリテラの記事【経済界「極右&ヘイト」ミシュラン発表!(前編)/アパから出光創業者まで…歴史修正主義や極右、ヘイト思想に侵されている企業・経営者を判定する】(https://lite-ra.com/2017/02/post-2888.html)と【経済界「極右&ヘイト」ミシュラン発表!(後編)/JR東海からDHCまで…安倍政権と一体化して歴史修正主義や極右、ヘイト思想を撒き散らす企業経営者たち】(https://lite-ra.com/2017/02/post-2889.html)。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/297358

佐高信 評論家
1945年山形県酒田市生まれ。「官房長官 菅義偉の陰謀」、「池田大作と宮本顕治 『創共協定』誕生の舞台裏」など著書多数。有料メルマガ「佐高信の筆刀両断」を配信中。


佐高信「この国の会社」
企業再建の神様” 早川種三をDHCの吉田嘉明は理解できるのか
公開日:2021/11/16 11:15 更新日:2021/11/16 11:15

     (DHC吉田嘉明会長(1996年当時)/(C)日刊ゲンダイ)

 会長の吉田嘉明ヘイトスピーチをまきちらすDHCがまだ存続していることが私には理解できない。

 吉田は2016年2月の「会長メッセージ」で、政府に批判的な言動をする在日コリアンを「似非日本人」と呼んで中傷し、政界や法曹界、そしてメディア等にいる在日が「国民の生活に深刻な影響を与え」ていると非難した。すべて悪質なデマである

 DHCは化粧品やサプリメントの製造販売業の大手だが、消費者はそれを知った上で買っているのだろうか。

 さすがに問題になっても、吉田はまったく反省することなく、2020年11月には自社サイトに「ヤケクソくじについて」という呆れるような一文を掲載した。こうである。

 「サントリーのCMに起用されているタレントはどういうわけかほぼ全員がコリアン系の日本人です。そのためネットではチョントリーと揶揄されているようです。DHCは起用タレントをはじめ、すべてが純粋な日本人です」

 このDHCの子会社のDHCテレビジョンが吉田の意を受けて、さらにひどい番組をタレ流している。

 MXテレビがDHCテレビジョンが制作した番組をそのまま流し、被害を受けた辛淑玉に訴えられた。それが「ニュース女子」事件である。

 女性のための「ニュース&時事問題トーク番組」と謳って始まった「ニュース女子」で、沖縄の基地反対運動を中傷し、北朝鮮支持の辛淑玉が黒幕としてカネを出しているかのような印象操作をしたのである。

 それで辛は番組の司会者の長谷川幸洋DHCテレビジョンを訴えた。

 途中、MXテレビが辛に謝罪する場面があり、辛に頼まれて私と弁護士の宇都宮健児がその場に同席した。

 しかしMXは座敷を貸しただけとも言える。もちろんデマを流した責任は免れないが、とんでもないのはDHCである。

 辛が『世界』の12月号に書いているように、9月1日に東京地裁の判決が出て、DHCテレビジョンは550万円の賠償金を払えと命じられたしかし、長谷川と吉田には批判の切っ先が及んでいない

 ここで私は”企業再建の神様”といわれた早川種三を思い出す。実に魅力のある人だったが、早川は日本特殊鋼の再建に行った時、大森警察署から、同社には100人余りの共産党員がいると言って、そのリストを渡された。

 しかし、早川は「僕は働いてさえもらえば共産党でも大本教でも何でもいいと思っています。企業は教育の場でもなければ政治の場でもない。組合は更生に協力すると言っているんですから、それだけで十分です」と答え、そのリストを突き返したという。この意味が、吉田はもちろん、長谷川にも終生わからないだろう。(敬称略)
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/297484

斎藤貴男 ジャーナリスト
1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「戦争経済大国」(河出書房新社)、「日本が壊れていく」(ちくま新書)、「『明治礼賛』の正体」(岩波ブックレット)など著書多数。

二極化・格差社会の真相
美化されたドラマ「アンという名の少女」は歴史修正ではないか
公開日:2021/11/17 06:00 更新日:2021/11/17 06:00
今だけ無料

     (「赤毛のアン」原書の初版本(C)共同通信社)

 NHKが日曜の夜に放送している「アンという名の少女」(原題は「Anne with an“E”」)の評判がいい。カナダの公共放送CBCとNetflixが共同制作した連続ドラマだ。

 放送中のシーズン2は、原作の「赤毛のアン」(モンゴメリ)にはないストーリーや登場人物が目立つ。ジョセフィン大叔母さまやフィリップス先生が同性愛者だったり、船で働いていたギルバートが友人になった黒人バッシュをアボンリーの村に連れてきたり。きわめて今日的かつ政治的な問題提起の連続なのである。

 しかも、それらを積極的に受容し、フェミニズムを叫ぶのは、アンばかりではない。同級生やマリラやマシュー、少なからぬ大人たちが、差別や偏見の旧弊から解放されていく。好評のゆえんだ。

 制作者の意図はよくわかる。多くの部分で共感もできる。しかしーー。

 私には違和感が払拭できない。このようなドラマ作りは、ある種の歴史修正主義にも通じかねないのではないか?

 原作が書かれたのは1908年だ。1世紀以上も前のプリンスエドワード島で、本作のような状況があり得ただろうか当時の現実に基づいて描かれた「空気」を後世の人間が勝手に改変して構わないとは思えない。

 歴史修正主義においては、南京大虐殺従軍慰安婦ホロコーストまでもが“なかったことにされている。同様に、アンのドラマが、制作者の思いとは裏腹に、あの時代は差別も偏見も大したことがなかった、という認識を招いてしまう危険を、私は恐れる。

 どれほどの悲惨も陰惨も、歴史は歴史として正視しなければならないその上での議論なのだ

 「こうだったらいい」あるいは「こうあるべきだ」という物語には、新たな創作こそがふさわしいのではないか。広く知られたキャラクターをベースにしたければ著作権の保護期間が過ぎた後であっても、「異説」とか「PF(ポリティカルフィクション)」とか、何でもよいから元の作品とは別物であることを明示しておく必要があるように思う。

 CBCは一昨年、Netflixを「文化帝国主義」だと評して、同社との共同制作を中止。「Anne with an“E”」もシーズン3を最後に打ち切られた。

 近年は歴史修正主義以外にも「キャンセルカルチャー」だの「ディープフェイク」だのという、よく似た概念や技術が台頭している。何も信じられなくなりつつある時代だ。メディアを担う側も、使う側も、ゆめゆめ警戒と自制を怠るまい
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●COVID19対策に「せんにん」するため粛々と政権を無責任に放り出してアベ様を《継承》し、一体どこが「国民のために働く。」政権か?

2021年09月10日 00時00分48秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(2021年09月07日[火])
一体何が「国民のために働く。」だったのか? 無責任に政権を放り投げることまでもアベ様を《継承》。
 《専念》ではなく「専にん」ね。「専任」「仙人」「選任」「先任」「千人」、どの「せんにん」なのか知らんが、言い直せばいいのにね。間違ったということに気づいていないのかな。
 《会見は2分程度。質問を受けず、マイクの前から去った》…アベ様やカースーオジサンによる《メディアコントロール》の大罪。ぶら下がりの記者達も情けない…。
 琉球新報のコラム【<金口木舌>「できないことは、やらない」政権】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1387210.html)によると、《「菅義偉首相が総裁選不出馬」の一報を聞いたのは与那原町内の取材先から那覇へ向かう車中であった。同乗者が言った。「1年って短いね。コロナで失敗したからかな」 ▼午後1時すぎ、菅首相の記者会見をテレビで見た。不出馬の理由は「新型コロナ対策に専念したい」。コロナ対策と総裁選とは両立できないとも言った。会見は2分程度質問を受けず、マイクの前から去った。あっけに取られたのは記者だけではないはず …▼官房長官を7年半務め、存在感を発揮した菅氏だが、政権は短命に終わる。沖縄への強権姿勢が県民に記憶されよう。最近は聞かなくなったが、「粛々と新基地建設を強行したことに変わりはない ▼在任中の来県はなかった。今年の全戦没者追悼式に寄せたビデオメッセージでは安倍晋三前首相と同様、「できることはすべて行う」と発言した。結局は「できないこと、やりたくないことはやらないという意味ではなかったか ▼党内事情も絡み、菅首相は政権を放り投げた格好だが、国民の安心、安全まで放り投げられてはたまらない。言葉通り、新型コロナに専念してほしい。人の命がかかっている》。

 8年8カ月の数多のデタラメの責任をとれ。
 毎日新聞の記事【中島岳志さんに聞く 「安倍・菅政権が徹底的に破壊したもの」とは】(https://mainichi.jp/articles/20210906/k00/00m/010/230000c)によると、《菅内閣が持ち直す可能性がたった一つあった。それは臨時国会を開き、本気でコロナ対策に取り組むことだった。8月中旬、保坂展人・世田谷区長をはじめとする東京都内の区市長6人が、与野党の「政治休戦」を求め、臨時国会を開いて新型コロナウイルス対応で協力するよう提言を発表した。これに立憲民主党の枝野幸男代表は呼応し、与野党の党首会談を含めた協力の意思を示した。政局よりもコロナ対策を重視した枝野代表の決断は、菅首相にとっては「救いの手」になる可能性があった。しかし、首相はこの呼びかけを無視し、党内の権力闘争に奔走した。そして、万策尽きて政権を放り出した》。

   『●自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多の
     アベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある

 《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)。
 リテラの記事【菅首相辞任も…元凶を作った安倍晋三は何の批判もされずキングメーカーに! 岸田河野高市、誰がなっても安倍の言いなり】(https://lite-ra.com/2021/09/post-6009.html)によると、《問題は、この国の状況をここまで悪化させた最大の原因をつくった挙げ句、菅首相を生み出した張本人キングメーカー気取りでチョロチョロ動き、後継候補を操ろうとしていることだ。ほかでもない安倍晋三・前首相のことだ》。
 品格羞恥心も無し、ミーン》ばかりだ。典型例 ⇨《この人にそういう羞恥心はない》アベ様や、ウルトラ差別主義者の副首相・財務相だ。福岡8区山口4区の彼らの支持者や投票者の皆さんの民度も疑うね。

   『●まだまだ続くのか、ウルトラ差別主義者の失言・暴言
         …福岡8区の皆さん、いい加減に落選させてください
   『●《この人にそういう羞恥心はない。…山口4区の有権者に聞きたい。
     「投票用紙にまた安倍晋三と書くのですか」と。》(前川喜平さん)

 それにしても、スッゲェなぁ、自民党の総裁候補ら。その中でもアベ様が推すのがねぇ? まさかニッポンの首相にするつもり? 正気かね?
 リテラの記事【安倍が支援、高市早苗の問題はヒトラー礼賛本推薦だけじゃない!「さもしい顔して貰えるもの貰おうという国民ばかり」と弱者攻撃発言】(https://lite-ra.com/2021/09/post-6010.html)によると、《菅義偉首相が退陣表明をおこなったと思ったら、さっそくあの男が動き出した。安倍晋三・前首相が自民党総裁選で高市早苗・前総務相を支援すると打ち出し、細田派幹部にも支援を求めたと報じられたからだ》。
 日刊ゲンダイの記事【高市早苗氏まさかの自民新総裁“爆誕”も タカ派人気とアベ・ファーストで現実味】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294353)によると、《突然の菅首相の不出馬により、候補者乱立の様相を呈する自民党総裁選。大混戦が予想される中、エラソーにキングメーカーを気取る安倍前首相が、子飼いの高市早苗前総務相のバックアップに動いた。初の女性宰相“爆誕”の可能性が高まっているが、高市氏といえば危ういタカ派思想の持ち主。このままだと、トンデモないことになりかねない》。
 経歴詐称の話は以前からあるし、ナチス礼賛本の件や、閣僚(総務相経験者)としての能力への疑問などもあり、《危ういタカ派思想の持ち主。…トンデモ》な御方であることは間違いなく、このままでは傾いた国がさらに壊れる。

   『●「恥」の三重塗り: 高市早苗氏・稲田朋美氏の
        「ネオナチ」写真問題・「在特会」機関紙執筆問題

   『●日本社会は歪んでる: ネオナチやヘイトスピーチ集団に
                    「信奉」される議員が取り巻くアベ様
    《第2次安倍内閣の命取りになりかねないのが女性大臣や党幹部と
     極右活動家とのつながりだ。高市早苗総務相と稲田朋美政調会長が
     「国家社会主義日本労働者党」の代表者・山田一成氏と撮った
     ツーショット写真が海外メディアに報じられてしまった

   『●大水害被害者は癒えず……そんな時に 
     極右ネットテレビに出演して御自身が「癒される」アベ様の神経とは?
    《それはコンテンツを見れば一目瞭然。シリーズで行っている企画は
     「この憲法でいいのか!?」「中国に立ち向かう覚悟」
     「事実と歴史を歪めた朝日新聞」「原発と日本再生」
     番組ゲストも百田尚樹に竹田恒泰、金美齢、青山繁晴など
     ネトウヨ支持率の高い論客揃いで、政治家も「ヒゲ」こと佐藤正久
     高市早苗稲田朋美萩生田光一など安倍チルドレンが多数出演。
     ちなみに、安倍首相の生出演が終わったあとに始まったのは、
     「WiLL」(ワック)編集長・花田紀凱による
     「WiLL場外論戦 花田編集長の右向け右!」。
     …どうしてこんな極右しか見ないであろう番組に出ることが、
     国民に広く説明する」ことになるのか

   『●斎藤貴男さん、大新聞社は「自分たちだけは例外。
        権力にオネダリして、そうしていただいたのである」
    「アベ様に逆らう者は「誰一人残っていなかった」…という惨状な
     ジャーナリズム。「電波」な「凶器」高市総務相の暴走と「報道現場…
     の声」から見えてくるのは、「自粛」「忖度」「委縮」…が「内部から」

   『●前川喜平さん《総務相…経験者…高市氏は「最終決裁者は大臣ではなく
      局長だ」とあぜんとする言い訳をした…。法律は政治家に甘すぎる》


 取り巻き連中による同情論、お疲れ様論って、アホか。8年8カ月の数多のデタラメの責任をとらせてから言ってくれ。
 リテラの記事【堀江貴文竹中平蔵だけじゃない 菅首相に「がんばった」「かわいそう」と同情論噴出! 辞任したとたん権力者を許す世論】(https://lite-ra.com/2021/09/post-6011.html)によると、《コロナ下で多くの国民の命が危機に晒されているなか、国会も開かずまともな対策も取らず、権力闘争に明け暮れ、結果、総裁選不出馬に追い込まれた菅首相。ところが、こんな無責任かつ無能な総理大臣に対して、擁護や評価の声が上がっている。その筆頭がホリエモンこと堀江貴文氏。堀江氏は自身のYouTubeチャンネルでなんと「歴代首相の中では非常に優れた首相」とまで絶賛した》。

 さらには、アノ総裁候補、ワクチンデマまで流すデタラメ閣僚だ。
 リテラの記事【本日の会見も…河野太郎のワクチン”総裁選利用”が露骨に! はじめしゃちょー相手に「ワクチン打てば人に感染さないとデマも】(https://lite-ra.com/2021/09/post-6012.html)によると、《ところが、そうして緊急におこなわれた会見で、河野大臣は「(ファイザー製ワクチンは)すべて10月中に輸入が完了する」と宣言し、「(接種済みと配送完了分、配送予定分を合わせれば)12歳以上の人口の8割が接種を受けるのに必要な回数が出ている」などと明言。総裁選についての質問も飛んだが、「きょうはワクチンのほうに(説明の)的を絞る」とし、ワクチン供給の話題に終始したのだ》。
 河野太郎氏が脱原発?? 一時期、反核燃サイクルを唱えただけですが…それが、いまや「核武装」支持派です。
 日刊ゲンダイの記事【河野氏は総裁選出馬で「脱原発」の封印を解くのか? それでも拭い去れない“悪太郎”の本性】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294347)によると、《「3.11以前から『脱原発』が持論で、政府の原発政策をブログなどで批判してきましたが、2015年の初入閣と同時に持論を封印ブログも削除し、『大臣のイス欲しさにそこまでやるか』と党内の失笑を買いました」(自民党関係者)…自身のツイッターでは都合の悪い意見を片っ端からブロック。外相時代の18年には会見でロシアとの平和条約を問われて「次の質問どうぞ」を連発と、一皮むけば異論を許さない“悪太郎”が河野氏の本性だ。総理になったら「説明しない政治の延命を許すだけである》。

 もう一度言わせてほしい…自民党総裁? 誰でも同じ ――― 野党による政権交代を! 数多のアベ様案件の解明、公文書の開示だけでも、十分に政権交代の意義はある
 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》(古賀茂明さん)。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない。主権を取り戻しましょう。主権者として、必ず選挙に行きましょう。

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https://lite-ra.com/2021/09/post-6009.html

菅首相辞任も…元凶を作った安倍晋三は何の批判もされずキングメーカーに! 岸田、河野、高市、誰がなっても安倍の言いなり
2021.09.03 07:07

     (自民党HPより)

 本日、菅義偉首相が総裁選の不出馬を党臨時役員会で表明し、今月末の総裁任期満了にともなって総理大臣を退任することとなった。

 無論、これはコロナ対策の失敗や自身の無能さを認めての退任ではなく、打つ手なしの状況に追い詰められた結果でしかない。実際、総裁選を先送りして解散に踏み切る案が封じ込められたあとも、来週におこなう方針だった党役員人事で河野太郎・行革相らを要職で起用することを検討するなど、昨日までは強気の姿勢を崩していなかった。

 ところが、菅離れが加速するなかで目玉だったはずの執行部刷新の人事が難航。一部では「河野氏の処遇をめぐって菅首相と麻生太郎副総理が電話で大喧嘩になった」とも伝えられている。

 さらに、昨夜には菅首相のお膝元である自民党神奈川県連の幹事長までもが「県連としては特に、菅さんを頼むという運動をするつもりは一切ない」と発言。お得意の人事権を振りかざすこともままならないばかりか、「推薦人20人も集められないのではないか」という声さえあがるまで追い込まれてしまったのだ。

 まったく自業自得としか言いようがないが、呆れたのはその捨て台詞だ。菅首相は総裁選への不出馬表明後におこなわれたぶら下がり取材で、不出馬の理由をこのように語った。

「コロナ対策と選挙活動、こうしたことを考えたときに、実際、莫大なエネルギーがこれ必要でありました。そういうなかで、やはり両立はできない。どちらかに選択すべきである」

 「コロナ対策と両立困難」って、いまのいままで党利党略ならぬ「個利個略」の権力闘争に明け暮れていたのは一体どこのどいつだ。ようするに、この期に及んでもこの男は、自分の無責任さには頬被りしているのである。

 まあ、それでも、菅首相のやり口は完全に国民にバレている上、総理大臣の座を追われるかたちになったわけだから、まだいい。

 問題は、この国の状況をここまで悪化させた最大の原因をつくった挙げ句、菅首相を生み出した張本人キングメーカー気取りでチョロチョロ動き、後継候補を操ろうとしていることだ。ほかでもない安倍晋三・前首相のことだ。


■今起きていることの原因はすべて安倍の責任!東京五輪強行、コロナ対策放り出し仮病で辞任

 いや、安倍前首相がやったことは、たんに菅首相を生み出しただけではない。菅首相がおこなったデタラメな政治の大半は安倍前首相に原因と責任がある

 その代表的なものが東京五輪だ。五輪開催が感染爆発に大きく影響を与えたことは論を俟たないが、世界的パンデミックの最中に東京五輪が強行開催されたのは、もともとは安倍前首相が昨年春に「1年以内の延期」をゴリ押ししたせいだ。

 当時は総理大臣をつづける気が満々だった安倍前首相は、今夏までに東京五輪を成功させ、その勢いを買って自民党総裁任期の延長を宣言、9月の総裁選で4選を果たし10月の総選挙で大勝して一気に改憲に持ち込む──というシナリオを描いていた。この安倍前首相が描いたシナリオを菅首相は自分に置き換えて実行したわけだが、その結果はご覧のとおり、変異株が猛威を振るうなかでの強行開催によってこの国は深刻な医療崩壊にまで至ってしまった。もちろん、安倍前首相が総理大臣をつづけていれば、菅首相と同様、自分の権力維持のためにコロナ対策も投げ出して五輪を強行開催し、いまごろ同じ窮地に立たされていたはずだ。

 だが、安倍前首相は姑息なことに、「アベノマスク」をはじめとするバカ丸出しのコロナ対応に批判が集中すると、昨年8月末にまたも持病を持ち出し、コロナ禍に政権を放り出してしまった。しかも、病気を理由にしたことで内閣支持率を爆上げさせるという花道までつくりあげたのだ。

 これが「仮病」であったことは、辞意表明から1カ月も経たないうちに「新しい薬が効いている。もう大丈夫だ」と言い出し、その後も次々と議員連盟の最高顧問に就任したり、さらには選択的夫婦別姓制度の導入や「LGBT理解増進法案」を子飼いの極右議員を動かして潰しにかかるという活躍ぶり”からも明らかだ。

 つまり、自身の継承者として菅氏に政権を禅譲して院政を敷き、気に食わない政策は潰し、山積したままの疑惑について何ひとつ責任をとらないまま、いまや総裁選のキングメーカーとして幅を利かせているのである。


■岸田文雄、高市早苗はもちろん、河野太郎も安倍には絶対逆らえない関係

 実際、菅首相が総裁選の不出馬を決めて、さまざまな候補者の名前が浮上しているが、そのほとんどはこの男の息がかかっている。すでに出馬の意向を示してきた岸田文雄高市早苗はもちろん、菅首相の不出馬を受けて出馬の意向を固めたという河野太郎にしても安倍政権で重要閣僚に引き上げられた関係で、安倍前首相には頭が上がらないと言われている。

 いまのところ、安倍前首相は岸田を押すと見られているが、安倍はとにかく石破茂・元幹事長だけは総理にしたくないと考えており、石破がもし立候補して、岸田では勝てないと見るや、河野に乗り換えるはずだ。

 そもそも、河野は行政改革およびワクチン担当の大臣として菅政権の責任を負う人物であり、その責任に対する総括なくして総裁選に出馬することはあまりにも虫が良すぎる。

 この問題については別稿であらためて触れたいが、ともかく、河野か岸田のどちらが次期総理になっても、安倍前首相が関与してきた森友加計学園問題や「桜を見る会問題河井案里氏の選挙買収問題などの真相究明がおこなわれることは永遠にない。石破茂が総裁選に立たないかぎり、どのみち「第4次安倍政権」が発足するようなものなのだ

 しかも、コロナ対策でも、すでにワクチンの安定供給に失敗して馬脚を現している河野はもちろん、岸田も高市もまったく期待できない。石破にしても「メディアは恐怖を煽るばかり」などとコロナを軽視しているとしか思えない発言をおこなっている。ようするに、菅首相が退任したところで、安倍自民党が政権をとるかぎり、国民の生活や安全が最優先されることはありえないのだ

 菅政権の終焉では何も解決しないどころか、安倍前首相が牛耳りつづける国民軽視の政治がつづいていくだけ。いまはその現実を直視すべきだろう。

水井多賀子
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https://lite-ra.com/2021/09/post-6010.html

安倍が支援、高市早苗の問題はヒトラー礼賛本推薦だけじゃない!「さもしい顔して貰えるもの貰おうという国民ばかり」と弱者攻撃発言
2021.09.04 10:47

     (公式HPより)

 菅義偉首相が退陣表明をおこなったと思ったら、さっそくあの男が動き出した。安倍晋三・前首相が自民党総裁選で高市早苗・前総務相を支援すると打ち出し、細田派幹部にも支援を求めたと報じられたからだ。

 安倍前首相といえば、本日には〈昨年持病悪化の為急に職を辞する事となり、国民の皆様にご迷惑をおかけする中、立派に後を引き継いで頂いた菅総理には感謝の気持ちで一杯です〉とツイート。表向きは菅支持を示しながらも実際は「菅降ろし」に暗躍していた張本人だというのに、しれっと感謝ツイートを投稿するという陰険さを見せたばかりだが、この「高市支持」にも当然、裏がある。

 本サイトで指摘してきたように、安倍前首相にとって今回の総裁選は「石破茂以外は全員、自分の犬」であり、石破氏さえ落とせれば誰でもいい状態だが、とりわけ次期総裁として好都合なのは完全に自分の言いなりである岸田文雄氏だ。だが、このままでは全体の半数を占める党員・党友票は出馬に意欲を見せている河野太郎氏や石破氏に流れることは必至。そのため、投票先をなるべく分散させようと高市支持を打ち出したのだろう。

 しかし、安倍前首相による今回の「高市支持」の最大の目的は、自分の熱狂的な支持者である保守・極右層にアピールすることにある。

 事実、高市氏は総裁選の告示前であるにもかかわらず、安倍応援団メディアに次々と登場しては極右思想・政策を全開に。露骨にも経済政策に「ニューアベノミクス」を掲げるばかりか、「(安倍前首相と)コッソリふたりだけの勉強会を重ねてきた」などと発言するなど、高市氏は自分のPRというよりも「安倍健在」を印象づける存在になっているからだ。

 どこまで行っても自分の私利私欲でしか動かない──さすがはコロナ禍の「国難」に直面するなか支持率回復を望めないと踏むや否や健康状態を理由に2度目の政権放り出しをおこなった世紀の無責任男なだけあると言うべきだが、しかし今回、安倍前首相が支持を決めたことで、泡沫扱いだった高市氏の存在感が増したことは事実。そして、これは言うまでもなく危険な動きだ。

 そもそも高市氏は1994年、「説得できない有権者は抹殺」などという記述のある、ナチス礼賛本『HITLER ヒトラー選挙戦略』(小粥義雄/永田書房)に推薦文を寄せたり、2014年に安倍改造内閣に入閣した際にはネオナチ団体代表とツーショット写真を撮っていたことも発覚するなどウルトラタカ派として知られてきた政治家。自身も「先の戦争は侵略戦争ではなかった」「国会デモを取り締まれ」「福島原発事故で誰も死んでいない」などという暴論を吐いてきた

 また、その言論弾圧体質も有名で、総務相だった2016年には“国は放送局に対して電波停止できる”と国会答弁したこともある。

 しかも、こうしたトンデモ極右言動は決して過去の話ではない。つい最近も高市氏のヤバさを象徴する行動が見られた。それは、高市氏が9月2日に安倍前首相も贔屓にしてきたネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』に生出演したことだ。


■ヘイトデマで敗訴したばかりの『虎ノ門ニュース』出演、「Hanada」では“大東亜戦争”肯定論

 ご存知のとおり、『虎ノ門ニュース』を制作しているのは、吉田嘉明会長による在日コリアン差別発言が問題となっているヘイト企業・DHCの子会社であるDHCテレビジョン。そのDHCテレビジョンは『ニュース女子』をめぐる名誉毀損裁判で、9月1日に敗訴したばかりだ。

 この『ニュース女子』問題については別稿で詳しく伝える予定だが、その番組内容の悪質さを裁判所が認めた翌日だというのに、高市氏は平然と、何事もなかったかのようにDHCテレビが同じく制作する『虎ノ門ニュース』に生出演したのである。

 しかも、この日は司会者の居島一平氏がコロナ陽性で休みをとっているため、百田尚樹『殉愛』騒動でも名前が取り沙汰されたDHCテレビの山田晃社長が代打の司会者を務めたのだが、高市氏は山田氏に「社長様、ですね?」と発言。山田氏は『ニュース女子』裁判で判決が出たあとも「まあまあ勝訴」と発言するなど何ら反省も見せていないが、そんな人物と「社長様」などと和やかに挨拶を交わしたのである。

 このような番組に、このタイミングで堂々出演するという事実だけでも神経を疑わざるを得ないが、さらに酷いのが高市氏の主張だ。

 同番組では安倍応援団の有本香氏や竹田恒泰氏を前に男系による皇統の継承や憲法改正の必要を訴えた高市氏だったが、同様に有本氏を聞き手に迎えた「月刊Hanada」(飛鳥新社)10月号の記事では「わが政権構想」を披露。

 だが、「政権構想」と銘打ちながらも、このインタビューでは初っ端から靖國神社参拝について高市氏が「一人の日本人として、国家存続のために、愛する人たちを守るために、国策に殉じられた方々への御霊に対して、尊崇の念をもって感謝の誠を捧げることは、自らの役職に関係なく、私が大切にしている時間です」と強調。「大東亜戦争」肯定論を繰り広げたと思えば、今度は「世界の真ん中で咲き誇る日本外交の姿を見せてくださったのは、安倍さんです」などと安倍礼賛をはじめる始末

 そして、肝心のコロナ対策は「全世帯にパルスオキシメーターを配布」などというもので、国民への補償や支援金の提案は一切なし。一方で「今後の戦争の様態変化、中国や北朝鮮の活動による国防上のリスクを考えると、研究開発や装備費を含めて防衛予算は大幅に増額すべき」と言い、この状況下で防衛費のさらなる増額を訴えたのだ。


■『ひるおび!』で夫婦別姓反対の急先鋒だったことを問われても「ありがとうございます」としか答えず

 さらに、露骨だったのは、憲法改正についての発言だろう。

「いまの自民党案よりも、二〇一二年の草案がベターだと私は考えます」
「「自衛隊」ではなく、やはり「国防軍」と明記したいですね」

 自民党は世間の反発を抑えるため、改憲の手始めとして4項目の改正・追加の提示にとどめているが、なんとこれを高市氏はひっくり返し、「基本的人権の尊重を削除するなど明治憲法そっくりに仕上がっている2012年の自民党憲法改正草案に戻すべきだと主張。さらに、安倍前首相の意見を反映させて草案で書き換えられた「国防軍」明記にこだわったのだ。

 もはや安倍氏が首相時代に大声では言えなかったことを代わりに叫んでいるとしか思えない発言ばかりでウンザリしてくるが、高市氏の問題はこれだけではない。

 高市氏の総裁選出馬に対しては「女性初の総理誕生に期待」などとも言われているが、高市氏の思想は、やはり安倍前首相と同じで「反女性」「反・反性差別」と呼ぶべきものだ。

 たとえば、2013年には最高裁で婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法規定が違憲とされた判決が出た際には、当時、自民党政調会長だった高市氏は「ものすごく悔しい」と発言。

 さらに、菅政権で進みそうになった「選択的夫婦別姓制度」導入の議論では、反対派の議員連盟「『絆』を紡ぐ会」の共同代表として高市氏は「家族単位の社会制度を崩壊させる可能性がある」などと猛反発。結果、導入どころか議論は後退まで追い込まれることに。また、高市氏は導入に反対する文書を、自民党籍を持つ42道府県の議長宛てに自身の名前が入った封筒で発送までしていたこともわかっている。

 このように女性の権利や自立、社会進出を阻む言動を繰り返してきた高市氏。しかも、2日に出演した『ひるおび!』(TBS)では、全国紙で初の女性政治部長を務めた毎日新聞の佐藤千矢子氏が、高市氏が選択的夫婦別姓反対の急先鋒だったことなどを例に挙げて「高市さんが女性の活躍を推進・応援するような政策をとってくれるかといえば、そこは疑問に思っている」と指摘したのだが、対して高市氏は「ありがとうございます」と一言。何ひとつ反論せず、むしろ堂々と「何が問題で?」とでも言いたげな態度を見せたのだ。


■生活困窮者対策は信用できず! 過去に「さもしい顔して貰えるもの貰おうという国民ばかり」

 これでは、たとえ女性初の総理大臣が登場しても女性に対する差別や不公平は是正されるどころかより強化されるのは目に見えているが、高市氏がこうした態度をみせるのは女性にだけではなく、社会的弱者全体に対してだ

 前述した『ひるおび!』で高市氏は、「お困りの方、生活者の声をきちっと積み上げながら政策を構築していくと、わりと1年、2年で相当なことができる」などと語っていたが、これは選挙対策の中身が空っぽの発言でしかない。

 というのも、高市氏は、安倍前首相が会長を務める極右議員連盟である「創生「日本」」が2012年におこなった研修会で、こんな発言をしていた。

「さもしい顔して貰えるものは貰おう。弱者のフリをして少しでも得しよう。そんな国民ばかりでは日本国は滅びてしまいます」
「安倍総理はつねに日本と日本人の可能性を信じつづけて、多くの方が真面目に働く、人様にご迷惑をかけない、自立の心を持つ、そして秩序のある社会をつくる。それによって日本がどんどん成長していく。まあ、本当に気の毒な方々のためにも頑張っていける、力強い国をつくれるんだ。その思いがすべての閣僚に浸透していたからこそ、私たちは自由に働かせていただきました」

 この「さもしい顔して」「弱者のフリ」「人様に迷惑をかけない」という発言は、当時、自民党が積極的に煽動していた生活保護バッシングに乗っかったものであることはあきらかだが、こうして国民の当然の権利を否定する人物がコロナ禍で総理大臣にでもなれば、菅首相以上に「自助」が叫ばれ、棄民政策が加速していくことは間違いないだろう。

 安倍氏が首相としてやりたくてもやれなかったこと、言いたくても言えなかったことを煮詰めたら出来上がったとでも言うべき存在。それが高市氏なのだ。

 そもそも、高市氏は総務相だった2016年に“国は放送局に対して電波停止できる”と国会答弁した件や、同じく2016年に持ち上がった計925万円の「闇ガネ」疑惑など、問題を数々抱えている。にもかかわらず、安倍前首相は2019年に高市氏を再入閣させ、問題を矮小化させてきた。そしていまは、自分の傀儡であることを高市氏に強調させながら、極右政策を今後も推し進めていくという姿勢を打ち出すための代弁者として、この総裁選で高市氏を動かしていこうというのである。

 実際、安倍応援団は軒並み「高市支持」を表明し、ネトウヨもTwitter上で「#高市早苗さんを総理大臣に」と大盛り上がり中で、期待を一身に集めている。自民党内の極右議員も支持に回ることになるだろう。

 もちろん、いくら極右票を得たとしても総裁選の有力候補になれるとはかぎらない。だが、注目すべきは総裁選での勝敗ではなく、高市氏の総裁選をめぐる活動自体が、安倍前首相による極右勢力を勢いづけ自身の再登板に備えた運動であるということなのだ。

(編集部)
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