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●青木理さん✕安田浩一さん対談 ―――《「この国」には、いったいいつから、どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?

2021年09月08日 00時00分09秒 | Weblog

[※《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商 (日刊ゲンダイ 2020年9月7日 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/278353)↑]


(2021年08月28日[土])
マガジン9のコラム【こちら編集部/「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体」とは何か? 青木理さん×安田浩一さんのお話を聞いてきた(マガジン9編集部】(https://maga9.jp/210804-6/)。

 《青木さんと安田さんの対話をもとにつくられた『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』では、今のこの国の社会を覆っている排他的で不寛容な空気の深層をお二人が掘り下げ、解き明かしています》。

   『●《国民の2割強しか支持を得ていない政治勢力が国会の3分の2を
     支配できているところに問題がある》…#投票倍増委員会 会員として…
    「青木理さんと安田浩一さん。《「この国」には、いったいいつから、
     どういう理由で「憎悪と嘲笑」に満ち溢れてしまったのか》?」

 カースーオジサンの取り巻き連中も酷いねぇ。
 リテラの記事【高橋洋一はこの状況でも「さざ波」発言を正当化!「予測はほぼ当たってる」「さざ波よりちっちゃい」とフェイク連発】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5989.html)によると、《しかし、こうした状況になって改めて浮き彫りになったのが、「コロナなんてたいしたことがない」と五輪強行や有観客開催などを主張してきた連中の無責任さだ。とくに、〈日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑〉とツイートし、辞任に追い込まれた元内閣官房参与・高橋洋一無責任・出鱈目ぶりについては改めて、指摘しておく必要がある。…8月7日に公開された、高橋氏の師匠である竹中平蔵・パソナグループ会長との対談動画でのこと。この対談では竹中氏の発言もひどく、「重症者はちょっと増えて500人台でしょ。ピーク時の3分の1。史上最大の感染だって言ってるけど……」などとでたらめを口にしていたのだが(この動画が公開された8月7日時点で重症者は1000人を超えていた)、これに高橋氏も我が意を得たりと、こう発言したのだ。「全然たいしたことない。私、さざ波って言って怒られたでしょ。まさしく正しいんだけどね。世界から見れば。さざ波よりさらにちっちゃくなっちゃって」》。
 《悪魔のような対談》のお相手、《過去には…書類送検された経歴もある》…アノ元内閣官房参与も相変わらずの醜悪さ。その後釜・岸博幸氏もねぇ…。竹中平蔵氏・高橋洋一氏・岸博幸氏、一体どんな系譜?

   『●内閣官房参与は《過去には…書類送検された経歴もある》…《菅首相が
      任命拒否した学術会員候補6人の方が…社会的な信用性》は遥かにあり
   『●《私たちの艱難辛苦は、ひとえに五輪で巨万の富を得る貴族らと
     グローバル巨大資本、その走狗たる日本の傀儡権力のために捧げられるのだ》
   『PCR検査抑制論者の皆さんの沈黙 ――「検査の能力あるんですか?
      仮にあるとして、じゃあ一般の感染者の検査どうするんですか?」
   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
      《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ
    《室井 前川さんは会った人から嫌われないでしょうね。
     あったかい感じがするもん。嫌いだって言ってる人って、高橋洋一さん、
     八幡和郎さん、岸博幸さんとか、安倍応援団か国家戦略特区の利権に
     関係している人たちばかりですもんね。》

   『●《政府の新型コロナウイルス対策が国民の理解や共感を得られない
     背景には、政治家の発信力不足だけでなく、政策決定過程の不透明さが》
   『●五輪貴族から《菅総理と小池都知事に功労章が贈られるなんて、
        「儲けさせてくれてありがとう」っていうこと》(ラサール石井さん)

 《…鏡に映っているのは今の日本社会の姿》。
 本田コッペ氏による【生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5988.html)によると、《人の命に優劣をつけ、自分にとって“価値のない”者の命は殺されてもかまわないというその発言は優生思想そのものだ。しかも現実にホームレスが襲撃されたり殺人される事件は多数起きているなか、DaiGoの発言はこうしたホームレスや生活困窮者に対するヘイトクライムを誘発しかねない非常に危険なもので、断じて許されるものではない》。
 《小泉首相から安倍首相へと引き継がれてきた新自由主義政策は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量るものだ政治家たちが責任転嫁のために行った扇動が優生思想まがいの弱者排除を社会に浸透させ、弱者である国民がより弱者の国民を攻撃するというグロテスクな状況を生み出した》。

   『●選挙制度の不備に加えて、大企業を巻き込みながら
     《極右のタニマチ》が《組織的な選挙運動》を展開…
    《調べてみると、勝兵塾の「講師・特等生」リスト…には56名の
     国会議員が入っており、そのほとんどが自民党だった。
     …参院議員では生活保護バッシングのデマゴーグ・片山さつきや、
     “ネトウヨのお母さん”と呼ばれる中山恭子(希望)、そして、
     安倍首相と日本会議系人脈を繋いだとも言われる側近の
     衛藤晟一らが加入している》

   『●リテラ《弱肉強食の新自由主義政策と安倍政権下でエスカレートする
     差別主義が合体した結果、起きた…「安楽死」の名を借りた殺人事件》

 正論・事実報道《感染急拡大の原因はデルタ株と首相》。
 リテラの記事【菅首相のコロナ対策ブレーン・岡部信彦内閣参与が暴言!「24時間楽しめる世の中こそ是正が必要」「コロナは静かな夜に戻すための鉄槌」】(https://lite-ra.com/2021/08/post-5991.html)によると、《ところが、この発言が思わぬ盛り上がりを見せた。というのも、この菅首相の発言を共同通信は「感染急拡大の原因はデルタ株と首相」とタイトルに打って配信。共同としては「『感染急拡大の原因はデルタ株』と首相(が発言した)」という意味でタイトルにしたのだろうが、「感染急拡大の原因は“デルタ株と首相”」とも読めるため、ネット上では〈おお!確かに、感染拡大の原因は「デルタ株」と「首相」で間違いない〉〈うん。そうだね。デルタ株と首相だね〉〈そのとおり。デルタ株と、何も有効策を講じない菅首相が原因〉という声があがったのだ。共同にとっては予期せぬ事態だったろうが、しかし、まさしくこれこそが事実だろう》。

 cakesのコラム【ワダアキ考 〜テレビの中のわだかまり〜 武田砂鉄/​メンタリストDaiGoの主張を読む】(https://cakes.mu/posts/34362)によると、《生活保護やホームレスの実情を知ろうともせず猫の命と比べた「シンキング」には、「クリティカル」が欠けていなかっただろうか。…「1日に10冊~20冊の本を読んで」いるDaiGoからすれば、私が読んだ5冊なんて、ごくわずかな冊数かもしれないが、彼の本をたった5冊だけ読んでみて感じ取ったのは、とにかく、時間をかけてひとつの物事を考えることを回避する姿勢だ。それは当然、ひとつの物事をじっくりと考えてきた人を軽視する態度によって構築される議論である。反省しました、では、続きまして、ずっと支援してきた人に話を聞きますね、という素早さは、反省ではなく、彼のこれまでの考えの延長にある。「(1)目の前の問題に関する証拠と論理の流れを正しく把握し、そこに関わる人たちの感情も適切に解釈する」「(2)自分が考える論理や証拠の集め方に偏りがないかを確かめる」という、DaiGoが提唱してきたクリティカル・シンキングが、DaiGoに足りていないと思う》。

 日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/誹謗中傷や差別を繰り返す人のアカウントをなぜ凍結しないんだ】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/293571)によると、《嘘つけ。今も昔も、あたしは散々中傷されまくっていますけど。山崎さんのいうように、銭のためならヘイトも放置だろ。これはヤフージャパンだけじゃなく、ツイッタージャパンにも、ユーチューブにもいえる。誹謗中傷や差別をくり返す人のアカウントをなぜ凍結しないんだ。銭のためというのじゃなくて、むしろそっちを応援しているようにも見えんぞ。最近、話題になった有名人のホームレス叩き。謝罪したからいいじゃんって、この人謝罪動画でもPVを稼いでんじゃん。でもって、遡って調べてみたら、何度もヘイトをくり返してるじゃん》。

 最後に、一点、言いたいことがある。
 違和感しかない記事…。どの口で言っているのだろうか…。【注目の人 直撃インタビュー/渡邉美樹氏「国会議員はなぜ働かないのか、憤りを感じています」】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/293564)によると、《…84年、ワタミを創業。2000年、東証1部上場。13年、自民党公認で参院選(全国比例区)に初当選し、1期で引退。》

   『●ワタミ過労死自殺訴訟和解: 問題は、そんなダークな
            企業の会長が自民党の政治家になったこと
   『●高度プロフェッショナル制度導入の社会的事実
      「立法事実」を支えるのは…たった1人の調査対象者の声!?

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https://maga9.jp/210804-6/

こちら編集部
「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体」とは何か? 青木理さん×安田浩一さんのお話を聞いてきた(マガジン9編集部)
By マガジン9編集部 2021年8月4日

 リベラルなニュース解説を配信しているインターネットメディア「デモクラシータイムス」の「著者に訊く!」は、マガジン9のコラム「言葉の海へ」でおなじみの鈴木耕さんが司会をつとめ、話題の新刊の著者にお話を聞く番組です。
 7月30日には『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』(講談社+α新書)の著者、ジャーナリストの青木理さんとノンフィクションライターの安田浩一さんがゲストに登場。その収録の場にお邪魔させていただきました。そこでのお話の一部を以下にご紹介します。

 青木さんと安田さんの対話をもとにつくられた『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』では、今のこの国の社会を覆っている排他的で不寛容な空気の深層をお二人が掘り下げ、解き明かしています。番組の冒頭、鈴木さんがこの本のテーマとも関わる最近の話題、オリンピックの開会式をめぐる辞任・解任騒ぎについて、お二人にどうとらえたかをたずねました。

 今年に入って、森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会前会長と開閉会式の演出総括担当だった佐々木宏氏の女性蔑視・侮蔑発言が続き、さらに開会式の作曲担当、演出担当として関わる小山田圭吾氏と小林賢太郎氏が過去に障がい者へのいじめを雑誌で語っていたり、ナチスドイツによるジェノサイドを笑いのネタにしたりしていたことが発覚しました。
 青木さんは、政治家や著名人による排外主義や歴史修正を容認する発言が許されてしまうこの国で、オリンピック開幕直前にこのようなトラブルが起きたのは「必然的帰結。日本の現状が等身大であらわれた」と指摘します。
 安田さんも「森、佐々木、小山田、小林だけの問題ではなく、差別的な言動を問題視しない人がこの国にはたくさんいる。社会全体がヘイト化している。日本らしいありのままの姿がみごとにあぶり出されたのだと思う」と言います。

 この20年ほどの間に、韓国、北朝鮮、中国といった近隣の国々や弱者、マイノリティを差別、嘲笑する言説がネット上で広がってきました。ネットだけではなく、テレビなどのマスメディアでも出演者が問題発言を軽々と口にし、批判されると謝罪するということが繰り返されています。こうした「この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流」はいつから社会の中に流れ、どのようにして勢いを増していったのでしょうか。番組の中では、お二人がそれぞれの豊富な取材経験をもとに、その経緯を解説してくれました。

 2002年から2006年まで共同通信社のソウル特派員だった青木さんは、「2002年の日朝首脳会談がひとつの分岐点になった」と話します。当時の小泉純一郎首相と金正日総書記の会談では、北朝鮮が長年否定していた日本人拉致の問題を初めて認めました。朝鮮半島との関係において、戦後、日本は戦争中の侵略、支配に対して常に謝罪を求められてきた。ところが、拉致問題が明らかになったことで、日本は初めて被害を訴える側に立った。そこから北朝鮮には何を言ってもいい、罵倒してもいい、冷笑してもいい、蔑んでもいいという風潮が広がり、さらに韓国、中国の経済成長と日本の景気低迷が重なり、近隣諸国へのヘイト言説があふれてきた、というのが青木さんの見解です。
 さまざまな差別の現場で取材を重ねてきた安田さんは、2002年に日韓共催ワールドカップが開催されたことにも触れて、「日本人はあのとき、それまで極東の遅れた隣国だと思っていた韓国のパワーを発見し、それをきっかけに嫌韓の波が起きた」と述べます。
 2005年にはマンガ『嫌韓流』が発売され、2006年には「在日特権を許さない市民の会(在特会)」が発足。街頭で日章旗、旭日旗を掲げて、在日コリアンや隣国を罵るヘイトスピーチが繰り広げられるようになりました。やがてヘイトの対象は、国内の沖縄やアイヌ、障がい者、LGBT、生活困窮者などへと波及していきます
 後半では、大手出版社で長く編集者としてつとめてきた鈴木さんも加わり、差別や排他を煽ってきたメディアの責任にも言及。日韓問題、沖縄問題を中心に、政治、歴史、外交、文化、報道など、多角的な視点でこの国が抱える問題点に切り込んでいきました。

 安田さんが言うように、いまやヘイト言説は普通の人々に浸透し、うっすらと、しかし確実に日本の社会を覆っています
 『この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体』には、番組でお二人が語ってくれた内容が詳しく記されています。番組の最後、ヘイトと排他と不寛容が蔓延している中でオリンピックが開かれている、そんな時代の空気を「読み解くには最適の本です」と鈴木さん。今、何が起きているのか、なぜこんな社会になったのかを知るために、番組の動画を見て、本を読み、一人ひとりが考えるきっかけになればと思います。

(マガジン9編集部)



 「デモクラシータイムス」での放送内容は、こちらから見られます。


【青木理×安田浩一 この国を覆う憎悪と嘲笑の濁流の正体【著者に訊く!】 20210722】
 (https://www.youtube.com/watch?v=knOX-CJusSY
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https://lite-ra.com/2021/08/post-5988.html

生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ
2021.08.15 10:48

     (謝罪動画をアップしたDaiGo)

 メンタリストのDaiGoが、生活保護受給者やホームレスについて「必要のない命」などと発言したことが大きな問題になっている。

 当然だろう。「僕は生活保護の人たちに、お金を払うために税金を納めてるんじゃない」「生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしい」と生活保護受給者を完全否定した上、「ホームレスの命はどうでもいい」「どちらかというといないほうがよくない、ホームレスって?」「正直。邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ、治安悪くなるしさ、いないほうがいいじゃん」などと、ホームレスに対する排除までを肯定したDaiGo。

 人の命に優劣をつけ、自分にとって“価値のない”者の命は殺されてもかまわないというその発言は優生思想そのものだ。しかも現実にホームレスが襲撃されたり殺人される事件は多数起きているなか、DaiGoの発言はこうしたホームレスや生活困窮者に対するヘイトクライムを誘発しかねない非常に危険なもので、断じて許されるものではない。

 DaiGoはその後、2度にわたる謝罪動画をアップしたが、自身の発言の問題が何なのか理解し反省しているとは到底思えない。動画のプラットフォームであるYou Tubeや、DaiGoを起用しているメディアも、差別発言に対して明確に否定するメッセージを発信する責任があるだろう。

 しかし、DaiGoの一件であらためて指摘しておかなくてはならないのが、生活保護受給者やホームレス攻撃が、DaiGoだけの思想ではなく、現在の日本社会で広くはびこっているものであるということだ。

 しかも、自民党の政治家たちこそが近年、生活保護バッシング・弱者バッシングを扇動してきたことを見逃してはならない

 その筆頭格が片山さつき・元総務相だろう。現在も続く生活保護バッシングの嚆矢となったのが、2012年にもちあがった次長課長の河本準一の親族による生活保護問題だった。このケースは不正受給など違法にあたるものではなかったが(後の法改正で扶養義務が強化されることになる)、この河本の問題を利用して、生活保護バッシングを仕掛けた急先鋒が参院議員の片山さつき氏だった。


■生活保護バッシングの仕掛人・片山さつきは「生活保護を恥だと思え」という趣旨の発言まで

 片山さつきはこの河本の母親の生活保護問題で連日のようにテレビ、雑誌に出演。不正受給だけでなく、「生活保護は、親族扶養や血縁者による支え合いなど日本の伝統的モラルを破壊している」「生活保護は、権利ばかり主張して義務を果たさない人々を生み出す」「生活保護は働けるのに働かない人々を生み出す」などと生活保護制度を全面否定し、さらには「生活保護って他人が払った税金で食べさせてもらっているってこと」「ずっと誰かに養われ続ける人をそんなに作りたい理由はなに?」「生活保護を恥と思わないのが問題」と、生活保護受給者の人格まで否定するような差別発言を行っていた。

 また、片山議員は2016年の『NHKニュース7』に端を発した“貧困女子高生”バッシングのときも騒動に乗っかり、ツイッターで“貧乏人は贅沢するな!と言わんばかりの批判を公然とおこなっている

 しかし、こうした発言は片山議員だけではない。この時期、安倍前首相の側近である世耕弘成参院幹事長も生活保護バッシングに加担。雑誌で「税金で生活を見てもらっている以上、生活保護受給者の権利が一定程度制限されるのは仕方ない」というどう考えても憲法違反としか思えない主張をしている。

 また、自民党の国会議員ではないが、橋下徹氏も大阪府知事・大阪市長時代に徹底した生活保護バッシングを展開している。不正受給でもなんでもない生活保護の申請者に違法な圧力を加えるなどして、生活保護費を圧縮。2014年には「生活保護受給者にも一定の負担はお願いする」「働ける人に働いてもらうのは当たり前」「日本のルールは甘すぎる。憲法25条の改正も必要」などという発言までしている。

 いまさら言うまでもないが、生活保護は憲法25条で保障された当然の権利だ。ところが、こうした政治家の言動により、「生活保護は税金泥棒」「生活保護は恥」という空気が社会に広がっていった

 そして、2012年12月の衆院選で自民党・安倍晋三総裁は「生活保護の給付水準を10%引き下げる」という公約を掲げて政権に復帰。生活保護費の削減を断行し、13年には生活保護の申請厳格化という「水際作戦」の強化ともいえる生活保護法改正と生活困窮者自立支援法を成立させてしまったのである。


■麻生太郎は高齢者に「いつまで生きてるつもりか」、石原伸晃は胃ろう患者を「エイリアン」

 政治家が攻撃を仕掛けてきたのは生活保護受給者だけではない。障がい者、高齢者など社会福祉の当然の対象である弱者に対しても、こうした露骨な差別や排除発言が向けられてきた。

 石原伸晃・元幹事長は、2012年2月に胃ろう患者が入院する病室を視察した際に、「エイリアンが人間を食べて生きている」と発言。また、2012年12年9月に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)では、社会保障費削減について問われると、生活保護をネット上の蔑称である「ナマポ」という言葉で表現した上、「私は尊厳死協会に入ろうと思っている」と発言、延命治療をやめて尊厳死を認めることで医療費がカットできるといった考えを露呈させた。

 きわめつきは麻生太郎副総理だ。老後を心配する高齢者について「いつまで生きているつもりだよ」と発言したり、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」などと国民皆保険制度を否定するようなことを繰り返し発言してきた。

 そして、自民党の政治家やその支持者であるネトウヨたちによるこうした弱者バッシング・弱者排除の空気をエスカレートしていくなかで起きたのが、2016年の相模原障害者殺傷事件だった。

 そういう意味では、生活保護バッシングやヘイトクライムはたまたま起きたものではない。

 小泉首相から安倍首相へと引き継がれてきた新自由主義政策は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量るものだ

 政治家たちが責任転嫁のために行った扇動が優生思想まがいの弱者排除を社会に浸透させ、弱者である国民がより弱者の国民を攻撃するというグロテスクな状況を生み出した


■DaiGoの生活保護・ホームレス差別・排除発言も新自由主義台頭の延長線上に出てきた可能性

 そして、この状況は今も変わっていない。日本政府は国連の社会権規約委員会から〈生活保護につきまとうスティグマを解消〉するようにという勧告さえ受けているが、菅政権にもこれを是正する動きはない。

 それどころか、コロナ禍で生活に困窮している人が増えているのに、菅首相は「自助」を掲げ、自己責任を押し付け続けている。

 実際、コロナ以降も、生活保護受給者がほとんど増えておらず、昨年、10万円の一律給付がおこなわれた際は、橋下徹・元大阪市長や百田尚樹らが生活保護受給者への給付は必要ないと大合唱した。

 そういう意味では、今回、DaiGoの生活保護、ホームレス差別・排除発言がこうした政治の動きの延長線上に出てきたと考えるべきだろう。この数年、政治家の弱者排除と自己責任論がエスカレートする一方で、それに呼応するように、堀江貴文らのネオリベ自己啓発ビジネス本がブームになっていった。その多くは社会全体の構造的な問題を個人の責任に矮小化し、弱者切り捨ての自己責任論をぶつものだが、DaiGoはまさに、そうした自己啓発ビジネス本の著者の一人である。

 もちろん、こうした政治的背景によってDaiGo自身の発言の危険性や罪がいささかも減じられるわけではないことは言うまでもないが、同時に10年近くに渡って生活保護バッシング・困窮者バッシングを扇動してきた自民党政治家たちの責任も、あらためて問う必要があるだろう。

(本田コッペ)
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●厚労相「義務ではない」扶養照会…カースーオジサン、躊躇わずに生活保護を申請できるようにしてから「生活保護がある」と言ってくれ

2021年01月31日 00時00分54秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]


(2021年01月29日[金])
リテラの記事【GoToに1.1兆円予算の一方、菅首相がコロナ困窮者支援を拒否し「生活保護がある」 しかも申請しづらい生活保護の問題点に知らんぷり】(https://lite-ra.com/2021/01/post-5775.html)。
日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/「生活保護」は最後の命綱ではない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101290000045.html
日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/石原氏は無症状コロナ感染でも即入院…“道徳心”ぶっ壊れた】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284505)。

 《医療体制の強化はもちろんだが、新型コロナ感染拡大の影響を受けて解雇・雇い止めされた人(見込みも含む)が8万人を突破したいま、生活困窮者の支援は「命」にかかわる問題だ。だが、菅義偉首相はこうした現実を無視し、見殺しにしようとしている。その本音が出たのが、昨日27日におこなわれた参院予算委員会の答弁だ。野党議員から生活困窮者への支援を求められた際、菅首相はなんと、「生活保護がある」と言い出したからだ》。

 《ようするに、“生活保護があるから支援策はいらない”と述べたのだ》…。《つまり、最終手段である生活保護しか、この国では「公助」はない、と言ったようなものだ》…。
 「生活保護がある」…平時から、《生活困窮者への支援》になっているだろうか? 当然の権利を躊躇う方も多いし、役所も生活保護の手続きを躊躇いなくやっていますか? 捕捉率2割と言われている。また、生活保護を受けたくないという人の3人に1人が生活保護を家族に知られたくない、と言っている。法的根拠なき扶養照会問題 (2021年01月28日参議院予算委員会 (5時間25分あたり) での小池晃さんの質疑、https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php)[もう一つ、内閣官房機密費という〝ヤミ金〟=税金のデタラメ使用も議論 ⇨ 『●しんぶん赤旗スクープ…《官房機密費(内閣官房報償費)は95億4200万円超…菅氏が自身に支出したのは86億8000万円超にものぼる》』]。役所職員が大変な手間をかけて、照会によって家族からの何らかの経済的支援につながったのは僅か1%程度。躊躇わずに、生活保護を申請できるようにしてから、「生活保護がある」と言ってくれ。

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https://twitter.com/shiikazuo/status/1354955313460334596

志位和夫@shiikazuo

生活保護を利用するうえで、最大の障害の一つとなっている「扶養照会」。厚労大臣は「義務ではない」と3回も明言。重要な答弁です。生活保護は憲法25条にもとづく国民の権利安心して、堂々と利用しましょう!

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小池晃(日本共産党)@koike_akira

...…
コロナで仕事を失い、生活が苦しい皆さん、この動画をご覧ください。
あなたのご親族に問い合わせさせずに、生活保護を利用することができます
厚生労働大臣が今日の国会で3回も明言しました。役所でそう伝えてください。
安心して生活保護を利用して、力を合わせて生き抜きましょう!
…… 
(https://twitter.com/emil418/status/1354766831051968512)
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午前9:51 · 2021年1月29日
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 《自助》大好きオジサン…《失敗を国民のせいにして権利を制限する前にすることがあるでしょうに。《自助》大好きオジサンらによる《冷たい新自由主義の弱者切り捨て》。《蓮舫議員が指摘したように、生活保護は最後の手立てであって、その前に支援策を講じるのが政治の責任だ》というのに。
 【政界地獄耳/「生活保護」は最後の命綱ではない】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101290000045.html)によると、《★結局、この「最終的には生活保護がある」の先は知らないとも聞こえる発想は生活保護の制度や発想とも異なる冷たい新自由主義の弱者切り捨てではないか。生活保護は最後の命綱ではない。図らずも仕事や家を失う人はこの経済環境の中では特別なことではない。生活保護を受けることで、態勢を立て直し、新たな生活の下支えをすることでもある。そこから再度はいあがり新たな生活を築く人たちも多い。ただ頼るべき場所のない生活に困窮する人たちを一時的に保護し、社会に送り返す施策ではないのか。》

   『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って…冷たい国だ
     「「オーウェルの「一九八四年」…まで、あと一歩ではないか」…」

   『●「60万人雇用増の正体」: アベ(ホ)ノミクスの現実
   『●湯浅誠さん達の試み: 
      真に「苦境にある」人が救われない社会でいいのか?
    「マスコミや一部の政治家の言動に踊らされていはいけない。
     湯浅誠さんの言葉、「「もし生活保護がなければ、彼らを納税者に
     育てることができただろうか」。湯浅さんの言葉に納得させられる。
     12月に出す次号では、高校時代に生活保護を受け、いまは
     市役所職員として困窮者への対応にあたっている人を取り上げる」」

   『●沖縄県「子どもを育てている県内世帯の3分の1以上が貧困」…
                アベ様らは「思いやる」先を間違ている
   『●アベ様参院選公約「子育て…」: 「3歳児、おなかすいて盗んだ」 
                …アベ様のニッポン、病んでいないか?
   『●2016年報道の自由度ランキング72位: 
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪


 《国民》に検査検査検査…・追跡・保護を徹底出来ない中、カネメノビテル君がなぜ検査でき、なぜ入院できたのか?
 【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/石原氏は無症状コロナ感染でも即入院…“道徳心”ぶっ壊れた】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284505)によると、《「多くの人が感染して、症状があっても入院できない中で、なぜすぐに入院ができたのかってことは、石原伸晃さん、テレビをご覧になっていると思うが、(入院できた理由を)明らかにされる必要はあると僕は思う」(玉川徹…)》。
 閣僚だろうが、自公お維議員であろうが、野党議員であろうが、《高級国民》だろうが、普通の市民であろうが、生活保護を受けている人であろうが、無料で検査を受けることができ、症状の有無に関係なく感染者は保護されるべきなのではないですか?

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https://lite-ra.com/2021/01/post-5775.html

GoToに1.1兆円予算の一方、菅首相がコロナ困窮者支援を拒否し「生活保護がある」 しかも申請しづらい生活保護の問題点に知らんぷり
2021.01.28 10:54

     (参議院インターネット審議中継(1月27日)より)

 本日、与党や日本維新の会などの賛成多数によって、「GoTo」キャンペーンに追加で約1.1兆円も計上された第3次補正予算案が参院本会議で可決、成立した。立憲民主党と日本共産党は「GoTo」予算などを医療体制の強化や生活困窮者の支援などに充てる組み替え動議を共同提出していたが、自民党などはそれを否決。緊急的・機動的な予算措置であるはずの補正予算であるのに、菅政権はこの緊急事態にまったく対応しない内容のまま押し通したのだ。

 医療体制の強化はもちろんだが、新型コロナ感染拡大の影響を受けて解雇・雇い止めされた人(見込みも含む)が8万人を突破したいま、生活困窮者の支援は「命」にかかわる問題だ。だが、菅義偉首相はこうした現実を無視し、見殺しにしようとしている

 その本音が出たのが、昨日27日におこなわれた参院予算委員会の答弁だ。野党議員から生活困窮者への支援を求められた際、菅首相はなんと、「生活保護がある」と言い出したからだ。

 その答弁が飛び出したのは、午前中の質疑でのこと。立憲民主党の石橋通宏参院議員は「昨年来の新型コロナ感染症対策のなかで、弱い立場にある方々に政府の施策が届いているでしょうか?」と質問したのだが、菅首相は「医療が逼迫しているので、そうしたことには全力をあげていま取り組んでいる」と答弁。文脈を考えても生活困窮者の問題を問われているのに、菅首相は医療の話をはじめるというポンコツぶりを発揮したのだが、このあと石橋議員から「収入を失って路頭に迷う方々が多数にのぼっています」「政府の施策が届いていないことがあきらかになれば、菅総理の責任において即刻、届けていただくお約束をいただけますか?」と問われると、菅首相はこんなことを言い出したのだ。

「それは、あのー、いろんな見方があるでしょうし、いろんな対応策もあるでしょうし、政府には、最終的には生活保護という、そうした仕組みも、最終的にですよ、そうしたことも、しっかりセーフティネットをつくっていくという、それが大事だというふうに思います」

 生活困窮者への支援策を求められて、「最終的には生活保護がある」と答弁する──。ようするに、“生活保護があるから支援策はいらない”と述べたのだ。

 この驚きの答弁には、午後の質疑で同じく立憲の蓮舫参院議員が「あんまりですよ、この答弁。生活保護に陥らせないためにするのが総理の仕事で、政治じゃないですか」と追及したのだが、またしても菅首相はこう述べたのだ。

「生活保護っていう言葉をさせていただきましたけど、自助・共助・公助、そのなかの話のなかであります

 本人にとっては釈明の答弁のつもりだったのかもしれないが、これ、逆にダメ押しだろう。

 蓮舫議員が指摘したように、生活保護は最後の手立てであって、その前に支援策を講じるのが政治の責任だ。しかも、2度目の緊急事態宣言を出さざるを得ない状況までコロナの感染拡大を招き、さらなる困窮者を生み出しているのは、菅首相が対応策を打ってこなかったせいだ。だからこそ、野党は第3次補正予算案の組み替えによって緊急の貸付制度などの充実や低所得子育て世帯への給付金、持続化給付金の延長、大学授業料への半額補助、アルバイト学生への収入補助などをおこなうよう要求してきた。

 こうした支援策が本来「公助」というものだが、その「公助」の提案を蹴って、菅首相は「生活保護がある」「生活保護とは公助のこと」と主張したのである。つまり、最終手段である生活保護しか、この国では「公助」はない、と言ったようなものだ


■自民党の生活保護バッシング、家族への「扶養照会」のせいで生活保護を申請しづらい状況に

 しかも、菅首相は生活保護を「最後のセーフティネット」と言うが、この国の生活保護制度はそのようには機能していない

 実際、本来ならば生活保護を利用すべき世帯のうち実際に利用している世帯の割合(捕捉率)は2〜3割程度にすぎない。その背景には、窓口に訪れた人に生活保護の申請をさせず追い返す「水際作戦」があるが、そこに追い打ちをかけたのが、自民党議員が煽動してきた生活保護バッシング。たとえば、2012年4月に持ち上がった次長課長・河本準一の親族が生活保護を受けていた問題では、違法なものでもなかったにもかかわらず、自民党の片山さつき参院議員や世耕弘成参院議員がメディアに登場しては河本の大バッシングを展開。同年1月には、札幌市で40代の姉妹が生活保護の相談に出向きながらも申請に至らず死亡するという痛ましい事件が起こっていたが、生活保護の重要性が訴えられるどころか、片山の主張と同じようにメディアも「不正受給許すまじ」バッシングに加担し、「生活保護は恥」などという空気を社会につくり出していった

 つまり、菅首相は「生活保護がある」「生活保護は公助」と言うが、その公助が受けられない、受けづらい状況を醸成したのは当の自民党なのである。

 さらに、そもそも捕捉率が低い状況なのに、このコロナ禍で生活困窮に陥っている人びとの多くが生活保護を受けられる状況にあっても申請をためらっている。その大きな原因となっているのが、家族への「扶養照会」だ

 生活保護法では生活保護より親族による扶養を優先しており、生活保護の申請をおこなうと、基本的に自治体は親族に連絡して援助できるか否かを尋ねる「扶養照会」をおこなう。これが大きな抵抗感を生んでおり、たとえば生活困窮者を支援する一般社団法人「つくろい東京ファンド」が、この年末年始に生活困窮者向け相談会の参加者を対象にしたアンケート調査をおこなったところ、「生活保護を利用していない理由」という質問に対して3人に1人が「家族に知られるのが嫌」と答えたという。

 しかも、この国では「扶養義務」の範囲が他国と比べても広いという特徴がある。本日おこなわれた参院予算委員会で質疑に立った共産党の小池晃参院議員によると、フランスやスウェーデン、イギリスは扶養義務の範囲は配偶者と子(未成年)で、ドイツはそこに子(成人)と親が含まれる。いずれも1親等の範囲だ。ところが、日本は兄弟姉妹や祖父母、孫という2親等、曾祖父母に曾孫、さらには家族が認めた場合は叔父・叔母、甥・姪という3親等までが範囲とされているのである。

 ようするに、これは「親や子どもに迷惑をかけたくない」「きょうだいに困窮していることを知られるのは恥ずかしい」といった感情を引き出して生活保護を諦めさせようとする「水際作戦」のひとつとして機能しているのだ。

 現に、田村憲久厚労相の答弁によると、「扶養照会」をした3.8万人のうち、金銭的な援助が可能と回答が得られた件数はわずか600件これでは手間暇をかけて嫌がらせをしているようなものだ


■ワイドショーは蓮舫批判一色だが、SNSでは菅の「生活保護がある」に非難殺到 「#もういらないだろ自民党」拡散

 一方、厚労省は昨年12月、生活保護の利用を促進するためHPに「生活保護を申請したい方へ」というページを新たに設け、「生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください」という一文を明記した。このこと自体は意味のあることだが、しかし、このページには簡単にたどり着けない構造になっており、この重要なメッセージはほとんど国民に浸透していない。政府はマイナンバーカード普及のための「マイナポイント」の広報費として53億8000万円も計上してコロナ禍でもさんざんテレビCMを垂れ流していたが、むしろ「生活保護の申請は国民の権利です」というメッセージをいまこそ徹底的に広報すべきであり、ネックとなっている「扶養照会」を即刻見直すべきだ

 しかし、「最終的には生活保護がある」と言って支援策を否定した菅首相は、この「扶養照会」の見直しを求められても、信じられない答弁をおこなった。

 本日の参院予算委員会で小池議員は、扶養照会は法律上明記されていないため義務ではないことを確認した上で、「大臣が決断すればできる」として運用の見直しを迫り、菅首相にこう訴えた。

「総理は『最後のセーフティネットは生活保護だ』とおっしゃった。私は生活保護に行き着く前にいろんな手立てで支えなければいけないと思いますよ。でも『最後は生活保護だ』とまでおっしゃるのであれば、それを阻んでいる、ためらわせているものについて、こういうときに見直す必要があるんじゃないですか?

 だが、菅首相は答弁席に立つと、弛緩しきった声で“雇用調整助成金や小口の特例貸付などがある”と現行の支援策を挙げ、肝心の「扶養照会」の見直しについては、最後にこう述べただけだった。

「運営の仕方は所管大臣に当然委ねるわけですから、そのほうのなかで対応されるものだと思います」

 現行の支援策だけでは生活困窮者をまったく救えきれていないという現実が目の前にあるのに、それを無視した挙げ句、「生活保護がある」と言いながら、生活保護申請の足枷になっている問題も“俺は対応しない”責任を放棄したのだ。

 追加支援策という本来の「公助」もなく、菅政権下で唯一の「公助」だという生活保護さえまともな運用をおこなう気がまったくない──。生活保護バッシングの片棒を担いできたワイドショーは、蓮舫議員の追及に菅首相が「失礼ではないか」と言い返した場面ばかり取り上げ、「蓮舫議員は失礼すぎる」などと菅首相に同調しているが、ネットでは、菅首相の「最終的には生活保護がある」発言に、「#もういらないだろ自民党」というハッシュタグが拡散されている。

 ワイドショーはこんなくだらない話で菅擁護と野党叩きをする暇があったら、菅政権がいま生活困窮者を見殺しにしている問題こそ伝えるべきだ

(編集部)
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202101290000045.html

コラム
政界地獄耳
2021年1月29日9時5分
「生活保護」は最後の命綱ではない

★首相・菅義偉の「自助・共助・公助」の考え方がやっとわかった。27日の参院予算委員会で定額給付金の給付について「予定はない」と冷たく言い放ってきた首相は野党の「収入を失い路頭に迷う人々、命を失った多数の人々に政府の政策は届いているのか」との問いに「雇用を守り暮らしをしっかり支えていく。できる限り対応したい」としたが、政策が届いているかの問いには「いろいろな見方がある。政府には最終的に生活保護があり、セーフティーネットを作っていくのが大事」とした。

★結局、この「最終的には生活保護がある」の先は知らないとも聞こえる発想は生活保護の制度や発想とも異なる冷たい新自由主義の弱者切り捨てではないか。生活保護は最後の命綱ではない。図らずも仕事や家を失う人はこの経済環境の中では特別なことではない。生活保護を受けることで、態勢を立て直し、新たな生活の下支えをすることでもある。そこから再度はいあがり新たな生活を築く人たちも多い。ただ頼るべき場所のない生活に困窮する人たちを一時的に保護し、社会に送り返す施策ではないのか。

★生活保護受給者は社会の脱落者や不適格者ではない。普通の市井の人たちが何かの拍子、今はコロナ禍で生活のリズムやサイクルが崩れ同じように会社が傾き、それに伴い家や生活が崩壊してしまう普通の人たちが多くいる。首相の考えでは最後の最後にギリギリの生活は国が面倒みるから問題ないだろうという発想だろうが、それはコロナ禍の政策にも色濃く見え隠れする。生活保護にはそのあと再び社会復帰する工程が含まれる。ところが、一度受給しようものなら社会の落ちこぼれという発想をやめてほしい。その再生の手助けを役立てる人とうまく受け止められない人がいたとしても政治は最後の1人まで、守り助ける努力をするものではないのか政治の仕事は暮らしを救い守ることだ。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/284505

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
石原氏は無症状コロナ感染でも即入院…“道徳心”ぶっ壊れた
公開日:2021/01/29 06:00 更新日:2021/01/29 06:00

      (説明してください(C)日刊ゲンダイ)

多くの人が感染して、症状があっても入院できない中で、なぜすぐに入院ができたのかってことは、石原伸晃さん、テレビをご覧になっていると思うが、(入院できた理由を)明らかにされる必要はあると僕は思う」(玉川徹・テレビ朝日局員)

 これは1月25日、「羽鳥慎一モーニングショー」での玉川氏の発言。

 自民党の石原伸晃議員が新型コロナに感染し、無症状ながら不整脈という疾患を持っているので、病院に即入院できたことについて。玉ちゃんは「不公平感がある」ともいっていた。

 だよねぇ。多くの人が、この件についてはそう思ったんじゃなかろうか。だって、自宅待機を強いられ、大変な目に遭ったという方や、お亡くなりになったという方々の話も、今年に入ってたくさんニュースで観てきたもん。

 玉ちゃんは、PCR検査を徹底的にやり、「無症状の感染者を見つけて隔離するのが有効と実感されたと思う」とも語った。国会議員なんだから、退院したらそのことをアピールしろとも。

 そうだ! 石原議員は退院したら、まず自分が入院できた理由を説明、そのあとすぐ全国のPCR検査のさらなる拡大と、無症状な陽性者の隔離に向けて動き出せ。その動きによって、今回の件、許すかどうか決めっから。

 それにしても、この7、8年でこの国の道徳心みたいなものはぶっ壊れた

 3・11の東日本大震災のとき、一部の地域で水道が止まった。そこで水の配給に並ぶ人々の写真に、海外の人たちが、

「なんて行儀よく、日本人は素晴らしいんだ」

 そう絶賛したわけだけど、今、おなじことが起きたとして、みんなそうする?

 いや、この国の多く、みんなはそうするに違いない。けど、石原伸晃氏をはじめ自民党の面々がそうすっか? なんで彼らみたいなのがバッチつけて、我々の代表となるのかよくわからん。
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コメント
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