あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

夏休みの鑑賞記録

2012-09-10 22:29:49 | アート鑑賞記録
7月の展覧鑑賞

 サントリー美術館 紅型 内覧&記念講演

 根津美術館 中世人の花会と茶会展

 出光美術館 白いやきもの展

 森美術館 アラブ・エキスプレス展

8月の展覧鑑賞

 パルコ劇場 三谷文楽 其礼成心中

 国立新美術館 具体展

 山種美術館 福田平八郎展

 三井記念美術館 日本美術デザイン大辞典展 

 サントリー美術館 おもしろびじゅつワンダーランド展

 日本橋高島屋 バーナード・リーチ展

 今年の夏はロンドンオリンピックに釘付け。
 テレビ放映されない種目はオリンピックサイトで応援も出来るという時代となった。
 テニスは実に白熱したし、乗馬はイギリスの素晴らしい国技を垣間見た。
 それと、特筆すべきは
 BBSのテレビ「シャーロック」2
 この放送をずっと楽しみに待ち焦がれていた。
 毎回のストーリー展開、会話のテンポ、クールな応酬。
 舞台の道具立て、俳優の魅力、音楽とのコラボも素晴らしく、
 初回は生音で文字スーパーで視聴し、
 後から録画を日本語吹き替えで楽しむという嵌まりよう。
 実家へ両親の顔を見に行ったときは
 コナン・ドイル本を手に入れて楽しむこともしていた。

 展覧ではサントリー美の「おもしろびじゅつワンダーランド展」の
 楽しさ、おもしろさ、参加型の新しい試みに共に鑑賞した友人共々
 心から遊び楽しんだ。
 展覧で遊ぶという試みにサントリー美の本気を嬉しく思った。
 また、森美術館のアラブ展はアラブの今のアート界の実態を
 始めて鑑賞する機会を得て、その表現の幅の広さ、その地域に内在する
 深い傷や理不尽を具体的に視覚的聴覚的に切々と訴えられて
 新鮮な驚きを持った。
 よくぞ企画を実現されたことと拍手を贈りたい。

 現代の文楽、三谷文楽の其礼成心中は曽根崎心中と網島心中が流れていることを
 踏まえてのコケティッシュな解釈ではあったが、
 大夫さんが三味線と並んで舞台の正面上に座ったり、
 外来語がてらいなく使われたり、舞台道具などにも芝居の大道具のような
 斬新な使い方があったりと客席との距離も近く、充分楽しめる舞台だった。
 しかし、本家の文楽の懐深い哀切と陶酔の美学には遠く、
 やはり本家の文楽をしっかり見たくなると云う効果もあったと思う。
 観客はおおよそ、三谷ファンに包まれていたようだが、
 その雰囲気も面白かった。
 杉本文楽の真逆に位置するユーモアは其礼成り。
 情痴の陶酔に文学と芝居があるのだとするならば、
 ドロドロを消化し、型にし、長く伝えられてきたものの
 美学には昨日、今日で動くものはないと確信も出来た。
 ある日突然見た文楽の感想を大阪で盛り上げた事象を思えば、
 ある意味日本の現実だろうが、伝統芸能の意味とは遠すぎる話だと
 唯々純粋に文楽鑑賞をして現場を応援したいと思った。
 それにしても、住大夫さんの休演に始まり、
 今回は文雀さんも体調不良のため休演とか。
 一日も早いご快癒を願うだけだ。

 山種美術館の福田平八郎展、これもとても粒ぞろいの傑作揃いで喜んだ。
 デザインと写実とその間の日本絵画、大和絵。
 時代の変化を見事に取り入れ、色の表現に苦心された画面が素晴らしかった。
 牡丹の妖しい魅力には見るたびにぞくっとさせられる。

 出光の白いやきもの展は酷暑の夏の間のオアシスだった。
 白という悩ましい色は人を誘惑する罪深い色だと思った。
 ただ白いのではなく、どこか丸い暖かさも感じられる白。
 その表現のためにどの位苦心してきたか。
 その白い土の神様達の間にひょうきんな仙厓和尚の微笑ましい軸が
 緊張を解いてくれた。会期は10月21日まで。

 他、根津の茶碗コレクションの本流、
 三井の古美術への誘いという好企画、
 日本の民芸運動に参加したバーナード・リーチの用の美に対する活動。
 相変わらずやきもの好きな私にとっての大好物展が並んで
 嬉しい限りだった。
 新美の具体展は時代そのものと、万博時代の熱狂とリンクして
 迫るものがあった。具体という活動があったことを始めて知った。

ざっと暑い最中の夏休み中の展覧鑑賞メモでしたが、
余りにも暑い毎日で外出する気合いが足りなかった今年の夏。
まだまだ暑い日々が続くようだが、
秋にはビッグ展覧が目白押し。

嬉しい悲鳴と、スケジューリングに悩まされる。
無理せず、タイミングと、沸き上がる気分に流されつつ
アートの魅力に振り回される喜びを幸せに変えたい。

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