朝から肌寒い風が吹いていたし、雨もショボショボ降っていたが、
近代美術館に友人と待ち合わせて行ってきた。
彼女とは、お互いの好みが分かり合えるので、一緒に行ってとても面白い時間が過ごせる。
毎日新聞社のエントランスに、茶色に染まった牛のオブジェがあったので、
あぁ、これは、丸の内のイベントの流れかな?
さて、会場に入ろう。
今回は、藤田嗣治の時のような大混雑とは言わないまでも、
そこそこの入場者があって、へぇ、ウィークデイなのに、
たいしたものだなぁと変なところに感心。
中高年ばかりではなく、若い人も随分いたし。
会場は、5章によるパートに分かれて展示されていたけれど、
自分好みを見つけては喜んだ。
今回は、写真や、彫刻も取り込まれていて、絵画だけに終わっていないところが面白い。
パートで言えば、「Ⅲ 心のかたち」が一番。
高村光太郎の、「手」「腕」に出会えた。
あの質感、神経質な手の表情、ごつんとした重量の中に、精神までもが内在している。
萬 鉄五郎 「雲のある自画像」
雲は白じゃないんだ、緑と赤。
線の細い臆病者には、この人からの一言で、きっと前に歩き出せる。
萬さんと知らない頃、萬鉄(まんてつ)さんだと思っていた。
だから、今でも私は萬鉄(まんてつ)さんと呼ぶ。
岸田劉生 「麗子肖像」
あまりにも有名な作だけれど、てかてかしたほっぺや、浴衣の柄がとっても好きだ。まるで、イコン絵のような宗教絵画のような無垢に、こちらも無邪気に対面しないと劉生氏に怒られそうだ。
セバスチャン・サルガド 「サヘルの飢饉」
シリーズ3作は非常に神々しい写真だった。
事態は大変な悲劇のただ中なのに、とても超越したなにかがあって、
美しかった。
ルオーがここにあるのが不思議で、次の夢かうつつかの方にあっても良いのに、
と思ってはみたけれど、心のかたち、とすれば、当てはまるのか・・
悲哀のこもった道化の横顔、疲れた顔からは、現実と自分を統合できずに苦しんでいるかのようだった。
次のお気に入りは、「Ⅳ 夢かうつつか」
なんて懐かしい、キリコがいる。
ピカソや、ダリ、ムンクなどを美術館で見始めたとき、
不思議な絵を見た。キリコのこんな絵だった。
印象派の絵よりもこちらのシュールが好きだった。
今もその好みは変わっていない。
その奥に見てはいけない摩訶不思議が潜んでいそうだったから。
そして、最後「Ⅴ 楽園へ」
カンディンスキーと富岡鉄斎とミロが同じブースにある。
これが企画の妙なのだろう。
今回の目玉は
ゴーギャンの「かぐわしき大地」と、萬 鉄五郎の「裸体美人」のセット。
私には、萬鉄さんの裸体に軍配を上げたい。
文句を言わせない迫力があるから。
緑深い丘に、裸体の女性が見下ろす視線に対して、誰が何を言っても
圧倒的すぎるのだ。ハハァ~~
なんて色んな世界が混在していたのだろう!!
私には、「カオス・パラダイス!!」であった。
近代美術館に友人と待ち合わせて行ってきた。
彼女とは、お互いの好みが分かり合えるので、一緒に行ってとても面白い時間が過ごせる。
毎日新聞社のエントランスに、茶色に染まった牛のオブジェがあったので、
あぁ、これは、丸の内のイベントの流れかな?
さて、会場に入ろう。
今回は、藤田嗣治の時のような大混雑とは言わないまでも、
そこそこの入場者があって、へぇ、ウィークデイなのに、
たいしたものだなぁと変なところに感心。
中高年ばかりではなく、若い人も随分いたし。
会場は、5章によるパートに分かれて展示されていたけれど、
自分好みを見つけては喜んだ。
今回は、写真や、彫刻も取り込まれていて、絵画だけに終わっていないところが面白い。
パートで言えば、「Ⅲ 心のかたち」が一番。
高村光太郎の、「手」「腕」に出会えた。
あの質感、神経質な手の表情、ごつんとした重量の中に、精神までもが内在している。
萬 鉄五郎 「雲のある自画像」
雲は白じゃないんだ、緑と赤。
線の細い臆病者には、この人からの一言で、きっと前に歩き出せる。
萬さんと知らない頃、萬鉄(まんてつ)さんだと思っていた。
だから、今でも私は萬鉄(まんてつ)さんと呼ぶ。
岸田劉生 「麗子肖像」
あまりにも有名な作だけれど、てかてかしたほっぺや、浴衣の柄がとっても好きだ。まるで、イコン絵のような宗教絵画のような無垢に、こちらも無邪気に対面しないと劉生氏に怒られそうだ。
セバスチャン・サルガド 「サヘルの飢饉」
シリーズ3作は非常に神々しい写真だった。
事態は大変な悲劇のただ中なのに、とても超越したなにかがあって、
美しかった。
ルオーがここにあるのが不思議で、次の夢かうつつかの方にあっても良いのに、
と思ってはみたけれど、心のかたち、とすれば、当てはまるのか・・
悲哀のこもった道化の横顔、疲れた顔からは、現実と自分を統合できずに苦しんでいるかのようだった。
次のお気に入りは、「Ⅳ 夢かうつつか」
なんて懐かしい、キリコがいる。
ピカソや、ダリ、ムンクなどを美術館で見始めたとき、
不思議な絵を見た。キリコのこんな絵だった。
印象派の絵よりもこちらのシュールが好きだった。
今もその好みは変わっていない。
その奥に見てはいけない摩訶不思議が潜んでいそうだったから。
そして、最後「Ⅴ 楽園へ」
カンディンスキーと富岡鉄斎とミロが同じブースにある。
これが企画の妙なのだろう。
今回の目玉は
ゴーギャンの「かぐわしき大地」と、萬 鉄五郎の「裸体美人」のセット。
私には、萬鉄さんの裸体に軍配を上げたい。
文句を言わせない迫力があるから。
緑深い丘に、裸体の女性が見下ろす視線に対して、誰が何を言っても
圧倒的すぎるのだ。ハハァ~~
なんて色んな世界が混在していたのだろう!!
私には、「カオス・パラダイス!!」であった。
麦僊・ルノアール組vs萬鉄五郎・ゴーギャン組の
ようにも思えました。
前者は優美、後者は、う~ん、生命力・・・
あの展覧会、いろいろ仕掛けがあったようです。
陰と陽、太陽と月、東西、色んな対局があるけれど、ひたすら作家達はみつめていたんだなぁ・・・観賞後時間がたっても様々な眼につきまとわれているようです。
モダン・パラダイス展は“心のかたち”のコーナーがよかったですね。関根正二の2点は03年東近美であった“青木繁展”でもペアリングされてました。この形でみるとすごくいい気持ちになります。
見逃してました!!
色んな時代の、色んなアーティストがいたことを、教わりました。
現代の作家は、まだまだ知らないことだらけです・・・日本芸術の深いところ、誇りに思います。