この鳥獣戯画展を面白くするために、
NHKハイビジョンスペシャル
「アニメのルーツ 鳥獣人物戯画の不思議ワールド」
という番組が
とても頼りになったし、録画を何度見ても面白い番組となっている。
だから、NHKにはしっかりお支払い~
また、鳥獣戯画の甲巻が
この春先、東博の国宝室でお披露目されていた。
そういうことで、
鑑賞するヒントが大当たりしたことも
企画の罠にはまるところ。
前期は、大学の友人達9人ほどで鑑賞。
時は11月10日。
雨模様でミッドタウンで一日過ごせる段取り。
幹事の私はホッと一安心。
あぁ~じゃないこうじゃないと鑑賞して会場を出たら、
長蛇の行列に仰天。
タイミングが良くて、幹事一同日ごろの行いに
感謝。?
それにしても
あの絵巻がだら~~~~っと
一巻広げられてのショーケースは圧巻。
大観の「生々流転」を思い出す。
鳥獣戯画は、正しくは国宝「鳥獣人物戯画絵巻」
絵巻は、全部で甲乙丙丁の4種類あり、著名なのは甲巻。
他の巻があることを初めて知った。
高山寺から明治32年に東博に所蔵され、
以来、京都観光で高山寺で見る絵巻は、模本。
間近に鑑賞した後、模本と知って拍子抜けした記憶が。
絵巻のところどころに高山寺の印があるのは、
江戸時代の頃とかで、散逸するのを避けるためだったのだろうか?
しかし、残念ながら、東博に残る絵巻の絵の流れが
途切れたり、シミがあったり不自然なところが見受けられるようだ。
その不思議を模本が助けてくれる。
模本やら、断簡やら、探幽の縮図やらで
失われた場面をつなぎ合わせることができた。
かの探幽までもが戯画を縮図にして写したのだ。
本物の絵巻が下に、上に模本が並んで展示されて、
お互いを補い合っている。
ホノルル美術館にその模本があるのが驚き。
オリジナルを想像するのにとても貴重なのだそうだ。
猿の顔が赤く色が付けられている。
後期は友人と二人で見に行った。
貴重な断簡4枚と遭遇できて大感動。
ほんの一切れでも素晴らしい出来なのだから。
ねんねこのお猿親子がいとおしかった。
これだけでも価値大有り。
他に鳥獣戯画の仲間達。
勝絵絵巻を三井が所蔵に驚き。
こんな美しい美術館に全部お披露目、
OKなんですか???え~~~!!
その裏に
悲しき切なき、西行が我が娘をご乱心で蹴飛ばすシーン。
御伽草子のかわいらしい絵巻。
私はこれを見て、ますます御伽草子のファンになり、
雀のお宿のつづらを背負って逃げる
悪行ばあさんの挿絵を思い出してしまった。
意を決すると出家して高野山なんだ、と変に納得も。
この鳥獣戯画にめぐる様々な謎解きが
展示替えリストにわかりやすく紹介されている。
さて、この鳥獣戯画、一体誰が誰のために描いたのか?
公家皇族の身分の高い人の子供達、わこ様たちのため?
巻のシミは高山寺であった放火火事の後のようだ。
解明した人がいるのだから凄い。
また、甲巻の始まりの前に、随分違った絵が描かれていたようだ。
NHKの番組はそのあたりを丁寧に検証して、
画面に仕立ててくれている。
宮中の様々な遊びや、勝負事、行事、
そんな話を実際のやり方を忠実に現しているようだ。
そうなると、宮中でいずれ活躍する人たちのために
面白楽しく伝授するための
絵巻だったのではないだろうか?
そんなことを想像する物語を見た人が作る
ものすごく画力がありながらも、表現のゆるさで
見る人を油断させながら、
きっちり勉強もさせられる名教則本なのではないだろうか?
今もなお日本画を学ぶ学生達は
この鳥獣戯画を模写することが課題となっているそうだ。
作者が鳥羽僧正か否かは別としても、
12世紀後半以降の作の鳥獣戯画。
高山寺がいかなる由縁で長らく守り続けてきたのか、
明恵上人に伺うこともできないのが残念だ。
結論が出てこないミステリーは
生き生きとした鳥獣たちの表情さえ生きていれば、
充分なのだと思っている。
サントリー美術館サイトはこちら。
画像が充実です。
NHKの番組案内はこちら。
NHKハイビジョンスペシャル
「アニメのルーツ 鳥獣人物戯画の不思議ワールド」
という番組が
とても頼りになったし、録画を何度見ても面白い番組となっている。
だから、NHKにはしっかりお支払い~
また、鳥獣戯画の甲巻が
この春先、東博の国宝室でお披露目されていた。
そういうことで、
鑑賞するヒントが大当たりしたことも
企画の罠にはまるところ。
前期は、大学の友人達9人ほどで鑑賞。
時は11月10日。
雨模様でミッドタウンで一日過ごせる段取り。
幹事の私はホッと一安心。
あぁ~じゃないこうじゃないと鑑賞して会場を出たら、
長蛇の行列に仰天。
タイミングが良くて、幹事一同日ごろの行いに
感謝。?
それにしても
あの絵巻がだら~~~~っと
一巻広げられてのショーケースは圧巻。
大観の「生々流転」を思い出す。
鳥獣戯画は、正しくは国宝「鳥獣人物戯画絵巻」
絵巻は、全部で甲乙丙丁の4種類あり、著名なのは甲巻。
他の巻があることを初めて知った。
高山寺から明治32年に東博に所蔵され、
以来、京都観光で高山寺で見る絵巻は、模本。
間近に鑑賞した後、模本と知って拍子抜けした記憶が。
絵巻のところどころに高山寺の印があるのは、
江戸時代の頃とかで、散逸するのを避けるためだったのだろうか?
しかし、残念ながら、東博に残る絵巻の絵の流れが
途切れたり、シミがあったり不自然なところが見受けられるようだ。
その不思議を模本が助けてくれる。
模本やら、断簡やら、探幽の縮図やらで
失われた場面をつなぎ合わせることができた。
かの探幽までもが戯画を縮図にして写したのだ。
本物の絵巻が下に、上に模本が並んで展示されて、
お互いを補い合っている。
ホノルル美術館にその模本があるのが驚き。
オリジナルを想像するのにとても貴重なのだそうだ。
猿の顔が赤く色が付けられている。
後期は友人と二人で見に行った。
貴重な断簡4枚と遭遇できて大感動。
ほんの一切れでも素晴らしい出来なのだから。
ねんねこのお猿親子がいとおしかった。
これだけでも価値大有り。
他に鳥獣戯画の仲間達。
勝絵絵巻を三井が所蔵に驚き。
こんな美しい美術館に全部お披露目、
OKなんですか???え~~~!!
その裏に
悲しき切なき、西行が我が娘をご乱心で蹴飛ばすシーン。
御伽草子のかわいらしい絵巻。
私はこれを見て、ますます御伽草子のファンになり、
雀のお宿のつづらを背負って逃げる
悪行ばあさんの挿絵を思い出してしまった。
意を決すると出家して高野山なんだ、と変に納得も。
この鳥獣戯画にめぐる様々な謎解きが
展示替えリストにわかりやすく紹介されている。
さて、この鳥獣戯画、一体誰が誰のために描いたのか?
公家皇族の身分の高い人の子供達、わこ様たちのため?
巻のシミは高山寺であった放火火事の後のようだ。
解明した人がいるのだから凄い。
また、甲巻の始まりの前に、随分違った絵が描かれていたようだ。
NHKの番組はそのあたりを丁寧に検証して、
画面に仕立ててくれている。
宮中の様々な遊びや、勝負事、行事、
そんな話を実際のやり方を忠実に現しているようだ。
そうなると、宮中でいずれ活躍する人たちのために
面白楽しく伝授するための
絵巻だったのではないだろうか?
そんなことを想像する物語を見た人が作る
ものすごく画力がありながらも、表現のゆるさで
見る人を油断させながら、
きっちり勉強もさせられる名教則本なのではないだろうか?
今もなお日本画を学ぶ学生達は
この鳥獣戯画を模写することが課題となっているそうだ。
作者が鳥羽僧正か否かは別としても、
12世紀後半以降の作の鳥獣戯画。
高山寺がいかなる由縁で長らく守り続けてきたのか、
明恵上人に伺うこともできないのが残念だ。
結論が出てこないミステリーは
生き生きとした鳥獣たちの表情さえ生きていれば、
充分なのだと思っている。
サントリー美術館サイトはこちら。
画像が充実です。
NHKの番組案内はこちら。
私は、鼠草子絵巻がお気に入りです。
ゴンノカミに男の悲哀を感じてしまいました。
NHKの番組、見逃して残念です。
で終っていたら、どんなにつまらなかったでしょう。
様々な変遷や、物語が知らされて、
一層心引かれていきました。
ゴンノカミ、ばれちゃうんですねぇ。
悲しいことに。
NHKの番組は必ず再放送あると思います。
「天才の肖像」ともに濃くて、面白い企画でした。
鳥獣戯画はOKで済まさなくて良かったです。
サントリーといえば、一級工芸品というイメージがあるのですが、屏風の後に戯画の絵巻物とは、
とても楽しめるいい企画でした。
次回はまた婦女子好みの麗しい企画で、
それももまたわくわくです。