あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

日本美術が笑う・笑い展  ・森美術館

2007-04-29 12:09:52 | 日本美術
この展覧会は、以前友人と見に来ているけれど、
作品の入れ替わりなどがあるから、
新しい出会いが待っていることだろうと、再度の鑑賞を試みた。

新しい発見は、
 狩野山雪 寒山拾得図
  私はこの人の怪しい雰囲気が気に入っている。
  お化けが出るぞ~~
  
 甲斐庄楠音 花札と女
  幸せな女が描けないのか、と思うほど、危ない危険が漂う。
  でも、こういう姿が女の本性なのかもしれない。
 
 曽我簫白 柳下鬼女図屏風
  この絵を一度この眼で見てみたかった。
  やはり、妖気漂う、異界の形相だった。ぶるっっ 
 
 伊藤若冲 鼠婚礼図
  若冲が楽しい絵を描いてくれると、こちらまで嬉しくなる。
 
 白隠 お灸お福図
  白隠とこの展覧会でたくさんお目にかかったが、
  このお福さんは、最高にいい感じだった。
  寿の着物を着たお福さんが痔主の亭主にお灸を据えている。
  亭主はただ痔主でお灸なのかな?
  
 狩野典信 大黒図
  なんとも大きな大黒様。
  こんな福福しい大黒様があれば、この家は安泰。
  しかし、こんな大きな絵を置ける家だったら、
  その心配は、はなっからないに違いないけれど。

そして、前回も見惚れた英一蝶の舞楽図屏風は、相変わらずかっこいい。
裏に描かれた、獅子たちも元気溢れている。

それと、最近狩野山雪の虎図屏風とわかった屏風も、
その流転の歴史がどのくらいのものだったか、
こうして、ここにお目見えできたことのめでたさ。

などなどやはりものを見ることの嬉しさを感じることができた。

しかし、その中で、エレベーター火災が発覚し、
保管の甘さがニュースになったばかりで、
長澤芦雪の岩上猿・唐子遊図屏風が展示されなくなった。

持ち主のお気持ちはいかばかりか。

ともかくは、安全を一番に日本文化の証を無き物にならないために
万全を期してほしいものだ。

隣には、相変わらずゆるい笑い展

赤瀬川原平のお札シリーズが泣かせる。
これで、裁判になったとは、その時代の窮屈さ。真面目すぎさ。お堅さ。
さぞさぞ切ない裁判だったでしょうが、それで、彼の名が轟いたのだから、
何が幸いとなるか、わかったものじゃない。

無用の発明作家の、無役な作品の哀しさが充満しつつ、
それを作っていた時間がきっと、楽しくって仕方が無かったんだろうなと、
うらやましくも、うすら笑いの展覧会だった。

何をやってもいいのだ。楽しくやって行こう~~なのだ。

久しぶりに母と、とても美味しいおすしランチをして、満足な一日となった。
母の目は、緑内障で、伊豆の眼科の先生に手術だと脅されているのだが、
まぁ、寄る年波に逆らうことはできないから、
ご紹介された病院で、しっかり検査してもらいましょうと、
入院と、手術の覚悟をして、病院に行く事になっていたのだ。

後日、まだ手術することもない程度と言うことがわかり、
ほっと安堵したしだい。
そういう意味で、笑う展覧会のパワーを頂いたのかもしれない。
感謝!! 

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2 コメント

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一村雨 さま (あべまつ)
2007-04-30 22:48:30
奇想の画家シリーズで、辻先生のお話がとても楽しかった、その絵師のその本物が目の前って事が
最高に嬉しかったです。

山雪って、存在感ありますね。
山楽と一緒に妙な異界な空気があります。
返信する
Unknown (一村雨)
2007-04-30 08:50:34
私も蕭白の「柳下鬼女図屏風」に打たれました。
恐ろしいようで、よく見るとこっけいな顔にも
感じました。

山雪の寒山拾得には拍手喝さいでした。
返信する

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