あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

京都 清水三年坂美術館 

2013-05-12 15:46:38 | 日本美術


 清水寺の近く三年坂に小さな美術館、七宝を代表とする工芸の美術館があると
 知って一度訪ねたいと思っていました。

 智積院から市バスで五条坂に出て、
 ひたすら上り坂をあがり、清水寺の麓に出て
 清水詣でをせずに(もはや昔式にイケメンgetの意欲なく)
 三年坂に折れてしばらくでその小さな美術館が現れました。

 清水三年坂美術館。

 サイトはこちら

 「幕末・明治の七宝、金工、蒔絵、京薩摩を常設展示する
 初めての美術館です」(パンフレットより)

 京都駅の観光センターで市バスのパスを買ったときに
 パンフレット紹介の棚で発見した素晴らしい画像に魅了されて
 急遽、河井寛次郎記念館に行くことを止めてそちらに向かうことにしました。
 その紹介はこちら

 七宝の並河靖之、京薩摩の錦光山、などなど目を疑う
 仰天の緻密工芸にくらくらしながら
 展示品をよく見るための拡大鏡をのぞき込んでまたため息を漏らします。
 あれじゃ外国万博で日本の工芸技術に目が奪われたのも
 納得、仕方のないことです。
 そんな中になんと柴田是真の作品が現れてニヤリしました。
 銅鑼図筆箱
 去年でしたか、根津美術館で是真展が開催されましたが、
 彼の創る筆箱はどれも洗練された粋なデザインで
 誰か現代写しを創ってくれないかしらと所望します。

 特別展示は2階です。
 「加納夏雄と海野勝珉」 帝室技芸員シリーズ4
 金工はまったく不案内で何も知らないのですけれど、
 武家社会が終わって装剣金具を作っていた金工師達が失業していった時に
 万博で上位入賞を果たして
 ついには明治天皇、宮内省などのお買い上げによって
 金工界のトップの座に躍り出た人、
 加納夏雄、海野勝珉の二人だったそうです。

 いやはや大変な工芸を拝見しました。

 職人の町、三年坂にふらりこういった専門の美術館があることに
 じつに京都らしい意地のようなものさえ感じたのでした。

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 京都 真言宗智山派 総本山... | トップ | 京都 建仁寺 細川護煕「襖... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kohei1117)
2013-05-12 22:10:09
いつも楽しく拝見させていただいております。

まだ行った事がないのですが三年坂はぜひとも行ってみたい美術館です。
加納夏雄と海野勝ミンは彫金界の二大トップですね~。三の丸で宮内庁の所蔵品が見られるときなどになるべく見に行く様にしてます。
返信する
kohei1117 さま (あべまつ)
2013-05-12 22:42:42
コメントありがとうございます。
金工の2トップでしたか~
現代の彫金師としてはやはり重要なかたなのですね~
三の丸、ご無沙汰していますが
今後の展示が気になりますね。
見に行くようににします!
返信する
清水三年坂美術館 (とら)
2013-05-13 21:10:27
 私は、遊行七恵さんからtwitter経由のご指導を受けて、この美術館に行きました。しばらく前の話ですが・・・。その時のブログ記事は⇒http://cardiac.exblog.jp/15713711/
返信する
とら さま (あべまつ)
2013-05-13 22:29:11
コメント頂戴しましてありがとうございます。
さすが、とらさんです、記事もとても丁寧で勉強になります。
私は並河七宝を泉屋博古館で見たときにここの美術館を知りました。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。