集合、つながりで、
実はブログつながりの鑑賞オフ会がありました。
私も初オフ会デビュー致しました。
いつもお世話になっている、
Takさんと、はろるどさんのお陰。
本性がばれて、恥ずかしいやら・・・
嬉しいやら。
パソコンの画面から飛び出て、
美術を愛する人々が都美術館に結集。
とはいっても、鑑賞する自由は保たれたまま、
あべまつ流の時間もしっかり頂けました。
いやぁ、これがあの人かぁと感慨も深く。
ともかく、お目にかかった皆様、
楽しい時間をありがとうございます。
さて、
都美術館は、名品がこんなに揃っているのに、
藤田嗣治だけに看板背負わせて、
夢の競演と謳っていいのかなぁ、とつぶやく。
それほど語り尽くせないほどの名品、名作揃い!!
いやはや、驚きました!
大原や、ブリヂストン、出光や、山種
様々私立の名美術館の所蔵ではなく、
すべて、公立美術館所蔵品。
そこがまた今回の目玉。
日本中にどのくらいあるのかと思ったら、
美術館連絡協議会傘下に124館。
その連絡協議会が創立して、25年の記念行事だとか。
全美術館のマップとか、パンフとか、
各館の紹介コーナーとか、
グッズとかを充実してくれたらもっと、
盛り上がったかもしれないなぁ。
多少はグッズなどありましたけどね。
けちなあべまつには、手が出なかったし。
作品は、19世紀から、20世紀の近代の作品。
上野にいながら北海道から、鹿児島までずばっと縦断できる
思えば、ミラクルな展覧会。
会場は絵画と彫刻、版画を西洋と日本で分けての展示。
総数200点の感想は大変なので、
あべまつセレクション。
★ 1 ジャン・フランソワ・ミレー ポーリーヌ・V・オノの肖像
少女がよく横髪を耳横で切りそろえたくなる時があって、
そんな時を思い起こさせ、なおかつ日本人的な雰囲気が。
モナリザが日本の文学少女になった雰囲気。
2 アンリー・ルソー サン・ニコラ河岸から見たサン・ルイ島
これは、横尾忠則展を見た人の壺に入ると思った。
妙に真面目なのがおかしみも生み出すのだ。
陰鬱過ぎるのは笑いも生み出すのだって。
★ 3 エゴン・シーレ カール・グリュンヴァルトの肖像
陰鬱な画面もかっこよく見えるのは、
色使いの所為。エゴンシーレ調、そうなるのが凄い。
4 ジュール・パスキン 三人の裸婦
とても健康的なのに、アンニュイ。
藤田嗣治の匂いもあったり。
★ 5 サルバドール・ダリ パッラーデュオのタリア柱廊
ここでダリの絵と遭遇するとは思わなかった。
やっぱりこの人の画力は半端じゃない。
超上手い!かっこいい!
本人より絵が好きな典型。
ダリが墨絵を知ったらどんな事になっただろうと
妄想する。
★ 6 メダルド・ロッソ ユダヤの少年
蜜蝋を使った顔の造形を初めて見た。
少年のとろけそうな表情の中に
虚無な切なさも見え隠れ。
悲しいことがきっとあったはずだ。
7 エミール・アントワーヌ・ブールデル 両手のベートーベン
これは、運命だ。
ガガガガ~ン♪
質感がずっしりと重く、運命のなかにベートーベンが
押し込まれているようだった。
8 山本芳翠 裸婦
静かなとてもゆったりとした気高い裸婦。
眼力もきりっと締まって、人体の存在以上に
彼女の存在がおっきい。
★ 9 青木繁 秋声
この人の絵は、どこか現実離れしていて、
空恐ろしい、気配がある。
彼自身の命と向き合わざるを得なかったのかもしれないが、
この女性はすでにこの世の人とは思えないのだった。
10 村山槐多 自画像
江戸川乱歩が贔屓にしていた夭折の画家。
槐多自身が自分の業に溺れたのか、
どろどろした塊に振り回されていたのか、
何を見ても、得体の知れない塊を感じる。
★11 河野通勢 聖ヨハネ
敬虔な信徒だったらしい。
日本画家が聖ヨハネを描くのは珍しいこととか。
教会のための宗教絵画ではないのか?
足元の充実感、土の質感、
それに対するヨハネの軽やかな表情。
いつか見たいと願ってたので、とても嬉しかった。
12 靉光 花と蝶
光の当たらない下草の中で生きているものたちへの
賛歌。暗いシュールの香の中に魅力も満載。
13 牛島憲之 邨(むら)
この作家を知らなかったが、不思議な世界だ。
もやっとしている中にもしっかり邨は生活を営んでいる。
屋根だけの連なりなのに、温かい。
★14 麻生三郎 死者
事件現場。なのだそうだ。
団塊世代ではあまりにも有名な事件。
女性が事件で命を絶つ。
実写ではないけれど、鎮魂と怒りのようなものが
渦巻いているようだ。
突き動かされる現場、そういうパワーが溢れている。
15 山下菊二 父はは
珍しい絵にあった。
土着のシュールな世界といざ出征の理不尽が
悪夢となってぐるぐるしている。
この作家のことも知らない。
戦争を目の当たりにして、どんな人生を送ったのだろう。
16 高島北海 果蔬図
アールヌーボーの良きパートナー。
ガレと北海。
植物画を真面目にしっかり落ち着いて
美しく花々を忠実に描いた。
17 小茂田青樹 秋意
朧月夜に葡萄の実。
朧は春だから、秋はなんというのか。
川越ゆかりの作家なのだそうだ。
★18 北野恒富 鷺娘
実はこの作家も知らなかったが、
ポスターは見たことがある。
大阪じゃ知らない人はないそうだが、
鷺娘の美しさは、
松園の美人図ともちょっと違って、
何かに対抗している様子がなく、
玉三郎の鷺娘を思い出した。
★19 速水御舟 女二題 其の一、其の二
御舟は粘着性の強い画面が真骨頂だが、
この女性のいやらしい顔は
特によかった。
時々女は、こういうめんどくさげな
いやな顔をするものだし、
そうはいっても、帯は直したいのだ。
20 横山操 朔原
松岡正剛の山水思想にはまったが、
その最初に横山操の話が紹介されて、
インパクトあるイントロなのだった。
加山又造の近くで、画業と戦っていたのだった。
ふつふつと熱い画面だった。
21 田中恭吉 あおそら
版画が好き。
この素朴な版画とは反面、濃厚な人生に
思いをいたすと、重くなる。
生きるために版画があって、救われただろうか?
22 川上澄生 幻想の阿媽港
棟方志功が影響を受けた。
わだはゴッホになるまえは、
川上先生になる。だったのかもしれない。
「初夏の風」を見て、そう思ったのだそうだ。
横浜そごうで展覧会があったが、
唇をかむのみ。
版画にそよ風が吹く。
23 谷中安規 蝶を吐く人
危ない人ですねぇ。
裸踊りもしたそうな。
でも、純粋でおかし味もあるし、
裸のおじさんと、てふてふの取り合わせ、
へんてこりんですねぇ。でも好きってやつです。
24 藤牧義夫 ENOKENの図
この作家も知らなかった人。
ENOKENのEの字の横にNが添えられていたのを
発見。激しい顔のエノケン。
所在が不明になった藤牧さん、どこへ?
★25 平櫛田中 酔吟行
田中の作は本当にその対象物が命を得ていると思う。
今まさに酔った勢いの吟行。
張りのある大きな声が響き渡り、
生き生きした背中のそりが辺りを吸い取ってしまいそう。
頬の表情とか、ただただ感動。
26 高村光太郎 手
近美にも時々現れてくれる「手」
神経質な血管の浮き上がりとか、
手を支えている木彫のノミの目痕とか、
ずんとくる質感がお気に入り。
手フェチにはたまらない逸品。
誰の手か?ご本人か?
★印は、あべまつベストテン。
大変な展覧会でした。
美術館廻り日本一周など、
まず大変すぎて計画すら考えもしないけれど、
こうして珍しい機会を得て、
おおいにラッキーな展覧会でした。
あべまつは、版画と彫刻好きということが
一段とよくわかったことも収穫。
縁は異なもの乙なものを実感した一日でした。
ご一緒した皆様に感謝
実はブログつながりの鑑賞オフ会がありました。
私も初オフ会デビュー致しました。
いつもお世話になっている、
Takさんと、はろるどさんのお陰。
本性がばれて、恥ずかしいやら・・・
嬉しいやら。
パソコンの画面から飛び出て、
美術を愛する人々が都美術館に結集。
とはいっても、鑑賞する自由は保たれたまま、
あべまつ流の時間もしっかり頂けました。
いやぁ、これがあの人かぁと感慨も深く。
ともかく、お目にかかった皆様、
楽しい時間をありがとうございます。
さて、
都美術館は、名品がこんなに揃っているのに、
藤田嗣治だけに看板背負わせて、
夢の競演と謳っていいのかなぁ、とつぶやく。
それほど語り尽くせないほどの名品、名作揃い!!
いやはや、驚きました!
大原や、ブリヂストン、出光や、山種
様々私立の名美術館の所蔵ではなく、
すべて、公立美術館所蔵品。
そこがまた今回の目玉。
日本中にどのくらいあるのかと思ったら、
美術館連絡協議会傘下に124館。
その連絡協議会が創立して、25年の記念行事だとか。
全美術館のマップとか、パンフとか、
各館の紹介コーナーとか、
グッズとかを充実してくれたらもっと、
盛り上がったかもしれないなぁ。
多少はグッズなどありましたけどね。
けちなあべまつには、手が出なかったし。
作品は、19世紀から、20世紀の近代の作品。
上野にいながら北海道から、鹿児島までずばっと縦断できる
思えば、ミラクルな展覧会。
会場は絵画と彫刻、版画を西洋と日本で分けての展示。
総数200点の感想は大変なので、
あべまつセレクション。
★ 1 ジャン・フランソワ・ミレー ポーリーヌ・V・オノの肖像
少女がよく横髪を耳横で切りそろえたくなる時があって、
そんな時を思い起こさせ、なおかつ日本人的な雰囲気が。
モナリザが日本の文学少女になった雰囲気。
2 アンリー・ルソー サン・ニコラ河岸から見たサン・ルイ島
これは、横尾忠則展を見た人の壺に入ると思った。
妙に真面目なのがおかしみも生み出すのだ。
陰鬱過ぎるのは笑いも生み出すのだって。
★ 3 エゴン・シーレ カール・グリュンヴァルトの肖像
陰鬱な画面もかっこよく見えるのは、
色使いの所為。エゴンシーレ調、そうなるのが凄い。
4 ジュール・パスキン 三人の裸婦
とても健康的なのに、アンニュイ。
藤田嗣治の匂いもあったり。
★ 5 サルバドール・ダリ パッラーデュオのタリア柱廊
ここでダリの絵と遭遇するとは思わなかった。
やっぱりこの人の画力は半端じゃない。
超上手い!かっこいい!
本人より絵が好きな典型。
ダリが墨絵を知ったらどんな事になっただろうと
妄想する。
★ 6 メダルド・ロッソ ユダヤの少年
蜜蝋を使った顔の造形を初めて見た。
少年のとろけそうな表情の中に
虚無な切なさも見え隠れ。
悲しいことがきっとあったはずだ。
7 エミール・アントワーヌ・ブールデル 両手のベートーベン
これは、運命だ。
ガガガガ~ン♪
質感がずっしりと重く、運命のなかにベートーベンが
押し込まれているようだった。
8 山本芳翠 裸婦
静かなとてもゆったりとした気高い裸婦。
眼力もきりっと締まって、人体の存在以上に
彼女の存在がおっきい。
★ 9 青木繁 秋声
この人の絵は、どこか現実離れしていて、
空恐ろしい、気配がある。
彼自身の命と向き合わざるを得なかったのかもしれないが、
この女性はすでにこの世の人とは思えないのだった。
10 村山槐多 自画像
江戸川乱歩が贔屓にしていた夭折の画家。
槐多自身が自分の業に溺れたのか、
どろどろした塊に振り回されていたのか、
何を見ても、得体の知れない塊を感じる。
★11 河野通勢 聖ヨハネ
敬虔な信徒だったらしい。
日本画家が聖ヨハネを描くのは珍しいこととか。
教会のための宗教絵画ではないのか?
足元の充実感、土の質感、
それに対するヨハネの軽やかな表情。
いつか見たいと願ってたので、とても嬉しかった。
12 靉光 花と蝶
光の当たらない下草の中で生きているものたちへの
賛歌。暗いシュールの香の中に魅力も満載。
13 牛島憲之 邨(むら)
この作家を知らなかったが、不思議な世界だ。
もやっとしている中にもしっかり邨は生活を営んでいる。
屋根だけの連なりなのに、温かい。
★14 麻生三郎 死者
事件現場。なのだそうだ。
団塊世代ではあまりにも有名な事件。
女性が事件で命を絶つ。
実写ではないけれど、鎮魂と怒りのようなものが
渦巻いているようだ。
突き動かされる現場、そういうパワーが溢れている。
15 山下菊二 父はは
珍しい絵にあった。
土着のシュールな世界といざ出征の理不尽が
悪夢となってぐるぐるしている。
この作家のことも知らない。
戦争を目の当たりにして、どんな人生を送ったのだろう。
16 高島北海 果蔬図
アールヌーボーの良きパートナー。
ガレと北海。
植物画を真面目にしっかり落ち着いて
美しく花々を忠実に描いた。
17 小茂田青樹 秋意
朧月夜に葡萄の実。
朧は春だから、秋はなんというのか。
川越ゆかりの作家なのだそうだ。
★18 北野恒富 鷺娘
実はこの作家も知らなかったが、
ポスターは見たことがある。
大阪じゃ知らない人はないそうだが、
鷺娘の美しさは、
松園の美人図ともちょっと違って、
何かに対抗している様子がなく、
玉三郎の鷺娘を思い出した。
★19 速水御舟 女二題 其の一、其の二
御舟は粘着性の強い画面が真骨頂だが、
この女性のいやらしい顔は
特によかった。
時々女は、こういうめんどくさげな
いやな顔をするものだし、
そうはいっても、帯は直したいのだ。
20 横山操 朔原
松岡正剛の山水思想にはまったが、
その最初に横山操の話が紹介されて、
インパクトあるイントロなのだった。
加山又造の近くで、画業と戦っていたのだった。
ふつふつと熱い画面だった。
21 田中恭吉 あおそら
版画が好き。
この素朴な版画とは反面、濃厚な人生に
思いをいたすと、重くなる。
生きるために版画があって、救われただろうか?
22 川上澄生 幻想の阿媽港
棟方志功が影響を受けた。
わだはゴッホになるまえは、
川上先生になる。だったのかもしれない。
「初夏の風」を見て、そう思ったのだそうだ。
横浜そごうで展覧会があったが、
唇をかむのみ。
版画にそよ風が吹く。
23 谷中安規 蝶を吐く人
危ない人ですねぇ。
裸踊りもしたそうな。
でも、純粋でおかし味もあるし、
裸のおじさんと、てふてふの取り合わせ、
へんてこりんですねぇ。でも好きってやつです。
24 藤牧義夫 ENOKENの図
この作家も知らなかった人。
ENOKENのEの字の横にNが添えられていたのを
発見。激しい顔のエノケン。
所在が不明になった藤牧さん、どこへ?
★25 平櫛田中 酔吟行
田中の作は本当にその対象物が命を得ていると思う。
今まさに酔った勢いの吟行。
張りのある大きな声が響き渡り、
生き生きした背中のそりが辺りを吸い取ってしまいそう。
頬の表情とか、ただただ感動。
26 高村光太郎 手
近美にも時々現れてくれる「手」
神経質な血管の浮き上がりとか、
手を支えている木彫のノミの目痕とか、
ずんとくる質感がお気に入り。
手フェチにはたまらない逸品。
誰の手か?ご本人か?
★印は、あべまつベストテン。
大変な展覧会でした。
美術館廻り日本一周など、
まず大変すぎて計画すら考えもしないけれど、
こうして珍しい機会を得て、
おおいにラッキーな展覧会でした。
あべまつは、版画と彫刻好きということが
一段とよくわかったことも収穫。
縁は異なもの乙なものを実感した一日でした。
ご一緒した皆様に感謝
お会いできて大変嬉しかったです。
お越しいただきありがとうございました。
Webだけのお付き合いと実際お会いして
面と向かいお話するのでは全然違いますね。
近いうちにまた是非!
あべまつさんとなら半日否丸一日でも
美術談義に花咲かせそうです。
このオフ会には参加する積りでしたが、用事ができて失礼しました。
またの機会に・・・。
後期にも行ってこようと思っています。
お目当ては北野恒富の《鷺娘》です。
私は集合時間の直前に都美術館の入口に
おりました。
あ~、お目にかかりたかったです。
非常に残念(涙)。
昨日は何年越しかのナマTakさまと対面が適い、
感慨も一塩でございました。
いっつもあの調子です。
また、メタボ夫と愚息のいない隙に。
奥方さまには温かくフォロー頂きました。
感謝お伝え下さい。
美術じゃない談義もお付き合い致します。
ぜひ。
大変な数と名品のラッシュの展覧会で収拾付きませんでした。
とらさんがいらっしゃると思っていましたが、
残念でした。伺えるときにまた。
「鷺娘」静かないい姿でしたよ。
後期の記事も楽しみに致します。
memeさんきっといらしているかと思っていましたが、残念でした。
またの機会に、というか、いつかご一緒しましょう。
集合時間の少し前に私もいたのですよ~♪
この展覧会は、鑑賞後に皆で感想を述べ合うのが盛り上がりそうですものね?
私も、珍しく友達と一緒に観ました。
あべまつさんの26選で、充実の時間をいまいちど、反芻しています。
こんにちは。
今日、Takさんの「弐代目…」からこちらにたどり着きました。
何を隠そう、草月でご一緒しております!
飯能では、あべまつさんと同じテーブルで作業しておりました。
最近はめっきり夕方の時間帯のお稽古になってしまいましたが~
と言えばもうお分かりですよね。
あまりの偶然にびっくりしています。
また、よろしく!
オフ会初体験でした。オバサンがのこのこ恥ずかしかったのですが、
皆さんに助けられました。
いつか、ご一緒に。
とても沢山ある名品の渦の中に巻き込まれそうでした。1時間以内の鑑賞でメモしないで記事にする、無謀を反省しました。
ようこそ、コメントありがとうございました。
もう、びっくりです!!
ぎょぎょぎょ!!!です。
まぁ、人生こんな事もあるのですねぇ@@
これでアタシが何者かほとんどバレてしまいました。
めだかさんってお声かけるのも恥ずかしく。
これからも、どうぞよろしくです、キャ~♪