あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

都はるみ物語

2008-04-17 23:00:16 | つらつら思うこと
ずっと仕事でパートナーだった、某氏は、妻子持ち、彼女とはなさぬ仲となっていたのだそうだ。

なさぬ仲、というのがくさい物語だ。

彼女は憔悴のあまり、顔色なく、それでもコンサートで、
亡くなった彼の仕事を皮膚に染み込ませて歌わなければならない。

自分が追いやったという自責の念。
人の不幸を足場にして自らの幸福を得る不幸。
それでも劇に登場する人は誰もが、
何が起きているのかを理解していたし、認めていなかった。
みんなが不幸だったのか?

みんなが逃げていたのか?

切なくなる男と女の物語。

奥方は、これからも彼女には会いません。
という週刊誌の見出し。
売れるな、これは。

不条理で、思いが真面目で純粋で深いだけに
めくるめく恋愛感情だけが莫大に大きくなってみえる。
しかも成就できない運命。

こういうベタな設定がリアルに情報として、
レポートされ、
レポーターも沈鬱な表情で伝える。

あの、あんこ椿が本当の主人公で、
その仕事パートナーが、本当のお相手で、
しかも、実際、自殺した、という事実。

これは、最近稀に見る演歌実話物語。

恋をして、愛して人の心を動かす、
そういう経験が希薄な私は、
はるか昔物語を聞いて居るような、
はたまた、なまなましい、小説を読んだような。
理性では動かせない、運命、宿命、さだめ、を感じた。

どんな業を背負って生きてきたのだろうか?
自殺されちゃ、
残された都はるみは生地獄を生きよ、というさだめがあるのだろうか。
あぁ、普通の人、の生活で、良かったと安堵する
愚かな一般人なのだった。

歌姫は、地獄を背負って、それでも人々が望むならと、
また歌い続けていくしかないのだろうか?
美空ひばりが居たら、なんというだろう?

きびしい。

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