あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

最近の読書

2007-05-08 13:07:59 | 
受胎告知関係
 ・ブルータス 4/15号
  これは、安価で、絵も充実、解説も面白かった。
  西洋美術を語るには、宗教史から始まるのかと、やはりげんなり。
  馴染まない宗教の勉強はつらいな・・と。

 ・処女懐胎 岡田温司著 中公新書
  しかし、この本は、淡々とじつにシャープに切り取っての解説。
  あぁ、そういうことだったのかと、わかりやすかった。
  図解説も丁寧だった。 

 ・レオナルド・ダ・ヴィンチ  田中英道 講談社学術文庫
  レオナルドの残した、手稿を丁寧に研究。
  実に面白かった。天才の人間の面が溢れていて、才能を熟成させるには、
  生い立ち、環境、時代、その土地、歴史がバックにあるのだと、
  プロファイルするような切り口が好み。
  未読の物もあるのだけれど、今のところ、レオナルド本に関するいちおし。

 ・ダ・ヴィンチ・デコーデット マーティン・ラン著 集英社
  去年ブームとなった、ダ・ヴィンチ・コードの解説本。
  解説するだけで、本になるくらいだから、キリスト教を巡る様々なことの
  暗澹たる思いが充満してくる。シオン修道会の存在が圧倒的だ。
  世界を牛耳ろうとした、権力者と、宗教がドロドロととぐろを
  巻いているようだ。ブームに乗ったタイミングいい本。

 ・神聖受胎 澁澤龍彦著 河出文庫
  この人は、一体どのくらいの本が頭の中に入っているのだろうか?
  学者とは、こういう人のことをいうのだろうと思う。
  難解な言葉と漢字を操り、怪しい力の底に何があるのかを
  澁澤氏オリジナルな香を薫らせながら、
  魔物と戦う高丘親王をやってくれているのだった。キュ~~~

 ・「天使」と「悪魔」がよくわかる本 
                吉永進一監修造事務所編纂 PHP文庫
   たまたまオープンした近所の本屋で見つけた。
   神様にまとわりつく様々な天使・悪魔をイラスト付きで解説。
   東洋の様々な天使悪魔の数に、人間の欲望の数は底知れないと思った。
   参考書の中に、澁澤龍彦の「黒魔術の手帖」「秘密結社の手帖」
   が入っていて、それだけで、嬉しくなった。

やきもの関係
 ・日本の名随筆5「陶」 白洲正子編 作品社
  久々の超お気に入り本となった。
  随筆を書いている著名人たちの名前に卒倒する。
  これは友人からの借り物なので、
  いずれ古本屋さんでゲットしたい。
  鋭い目を持つ人は、文章も鋭い。
  お宝文章が続々。これはいい本だ。
  中でも幸田露伴の一文が極上。

 ・東京美術骨董繁盛記 奥本大三郎著 中公新書
  その名の知れた骨董屋さんを廻り、その店の感慨深いエピソードも交え、
  楽しい骨董随筆になっている。
  骨董をやるためには、骨董を持つ度胸が必要だ。
  度胸も、財力も、それを置く器としての家も、それを鑑賞する人間も
  持たないので、分わきまえて、骨董を持たないことにしている。
  それよりも、現代の作家を見て、手に入れられるほんの少しの物で、
  作家たちを応援したい。

そのほか
 ・「狂い」のすすめ ひろ さちや 集英社新書
  「狂い」の文字に誘われて、つい購入。
  そんなこといわれなくても、充分狂っているかも~~
 
 ・紫苑物語 石川淳著 講談社文庫 
  今、朝日新聞で、夢枕獏氏の「宿神」が連載されていて、
  それがなかなか面白い。
  それで、ふと、この本を読み始めた。
  やはり、日本語をかみしめる味わい深さと、美学と、習慣と、運命と
  はかなさと、それがまさに文学なのだと感じ入ってしまった。
  至福の時がやってきたのだった。
  谷崎、三島ばかりじゃない、もっと石川淳を!!! 

美術館に行かれない時、こんな嬉しい本達がいてくれることに感謝する。

先日、随分前に知人に貸したままの本が返ってこなく、
もはやさし上げた気でいた本が古本屋で見つかった。
 ・とんぼの本シリーズ やさしい仏像の見方
 ・とんぼの本シリーズ 仏像の見分け方

一冊ワンコイン程だったので、迷わず購入。
そうしたら、新聞で、仏師運慶の記事が掲載されていた。
鎌倉武士との関係が取りざたされているのだが、
いつになっても探求心があれば、真相に近づけるものらしい。
研究者の熱意に敬意。
松本清張も昔、歴史物で、運慶について書いたことがあった。
歴史を紐解くほど、楽しいことはないのかもしれない。
横浜の称名寺、なかなかのお寺と見た。
東博でみた、生き生きとした12神将もこのあたりのお寺ではなかったか?

源氏と平氏を見なければ、日本史は語れないのだろうという当たり前のことも
よくよく知ったのだった。
遅ればせながら、源平を知りたいと思い始めている。
なかなか知りたい病は、あちこち飛んでいってはいずれ知らないところへ
いったまま、なかなか実とはなってくれない物だ。
さぁ、次は平家物語か??えぇ???

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