三重のよいお家に生まれ、
銀行で頭取になるまで立派にお仕事をし、
洋画や、写真をやり、
50才になってから、作陶に没頭。
その道の大家と交流もし、
幹山の窯後の研究などもされていた。
(以前、出光でその成果が展示されていたことがあった。)
その紳士陶工、半泥子。
時の総理大臣、細川護煕氏もいまや陶工でもあるが、
その殿様芸ともちょいと違う。
飄々と自由なのだ。
茶陶器を見ていくと
これはこうでなければならない、
そんな空気があるが、
半泥子のまえにはそれが通用しない。
肩身代わりに土の素材を変えたり、
陶片をくっつけたり、
釉薬のかけ方も自由奔放。
そしてその結果破綻せず、
やんちゃなあばれにもなっていない。
品格がそこここに隠れにじんでいるのだ。
これはその人が相当な人でなければ、
無茶に作って腕白な作だと評されておしまいになるところ。
目標とした人が光悦であたったり、
幹山であったり、朝鮮陶磁器であったり、
楽、でもあったりするところは、
正当なところでもあるが、
ただの模倣に終わっていない。
たとえば、
五島美術館にある伊賀の銘「破袋」という
水指があるが、それを模した銘「慾袋」をつくる。
破袋よりも腰が重たくどっしりとふくらみ、
鏡餅のようで、ひび割れもひとつ深く入っている。
その割れ目には、あろうことか漆を入れ込み、
波文の蒔絵を描き込んでしまう。
やられたあ~~~!!!
その前で私はあきれた。
なんてことをするんだと。
そして、ほとほと惚れ直した。
こんな人だったとは露知らず。
様々な井戸茶碗、
光悦の解釈、幹山への思い、
朝鮮陶磁器への挑戦(シャレじゃなくて)
センガイ和尚を髣髴とさせる禅画。
(チラシでもセンガイに触れていた。)
あちこちで銘や、画題などから
センガイが香っていた。
香合のお茶目なつくり、
印象派もびっくりな風景画、
設計もすれば、写真もとった、
なんとも多才な趣味人だったことが知れる。
エッセイも極上。
VS魯山人が高島屋で開催中だが、
人柄はこちらの御仁に軍配が上がる。
人が良いとものつくりが甘くなるが、
そんなことがちっともない。
なにしろ会場に入ってから、
出てきたのが1時間半後。
作品数ももの凄い数。
映像もあり。
デパートの展覧会でこんな体験は初めてじゃないかと。
いやぁ、驚きました。
こんなおじさんがいたなんて。
もうちっと優しく半泥子を掘り下げたいと
堅く決心したのでありました。
今年の干支、寅年の半泥子。
ショップで可愛い虎を描いて猫にあらずというはがきと
ファイルを入手。
ことしはこの虎で癒されよう。
さぁ、18日まで、もう一回行けたらいいなぁ~
*追記 「川喜多」改め、「川喜田」でございました。
ご指摘に感謝!!
銀行で頭取になるまで立派にお仕事をし、
洋画や、写真をやり、
50才になってから、作陶に没頭。
その道の大家と交流もし、
幹山の窯後の研究などもされていた。
(以前、出光でその成果が展示されていたことがあった。)
その紳士陶工、半泥子。
時の総理大臣、細川護煕氏もいまや陶工でもあるが、
その殿様芸ともちょいと違う。
飄々と自由なのだ。
茶陶器を見ていくと
これはこうでなければならない、
そんな空気があるが、
半泥子のまえにはそれが通用しない。
肩身代わりに土の素材を変えたり、
陶片をくっつけたり、
釉薬のかけ方も自由奔放。
そしてその結果破綻せず、
やんちゃなあばれにもなっていない。
品格がそこここに隠れにじんでいるのだ。
これはその人が相当な人でなければ、
無茶に作って腕白な作だと評されておしまいになるところ。
目標とした人が光悦であたったり、
幹山であったり、朝鮮陶磁器であったり、
楽、でもあったりするところは、
正当なところでもあるが、
ただの模倣に終わっていない。
たとえば、
五島美術館にある伊賀の銘「破袋」という
水指があるが、それを模した銘「慾袋」をつくる。
破袋よりも腰が重たくどっしりとふくらみ、
鏡餅のようで、ひび割れもひとつ深く入っている。
その割れ目には、あろうことか漆を入れ込み、
波文の蒔絵を描き込んでしまう。
やられたあ~~~!!!
その前で私はあきれた。
なんてことをするんだと。
そして、ほとほと惚れ直した。
こんな人だったとは露知らず。
様々な井戸茶碗、
光悦の解釈、幹山への思い、
朝鮮陶磁器への挑戦(シャレじゃなくて)
センガイ和尚を髣髴とさせる禅画。
(チラシでもセンガイに触れていた。)
あちこちで銘や、画題などから
センガイが香っていた。
香合のお茶目なつくり、
印象派もびっくりな風景画、
設計もすれば、写真もとった、
なんとも多才な趣味人だったことが知れる。
エッセイも極上。
VS魯山人が高島屋で開催中だが、
人柄はこちらの御仁に軍配が上がる。
人が良いとものつくりが甘くなるが、
そんなことがちっともない。
なにしろ会場に入ってから、
出てきたのが1時間半後。
作品数ももの凄い数。
映像もあり。
デパートの展覧会でこんな体験は初めてじゃないかと。
いやぁ、驚きました。
こんなおじさんがいたなんて。
もうちっと優しく半泥子を掘り下げたいと
堅く決心したのでありました。
今年の干支、寅年の半泥子。
ショップで可愛い虎を描いて猫にあらずというはがきと
ファイルを入手。
ことしはこの虎で癒されよう。
さぁ、18日まで、もう一回行けたらいいなぁ~
*追記 「川喜多」改め、「川喜田」でございました。
ご指摘に感謝!!
松屋はいつも会場が狭いのが気になります。
今回は約200点全部展示されていたのでしょうか?
彼の作品もさることながら、その人生にも関心ありです。
早速のコメントありがとうございます。
松屋の会場の狭さが気になりませんでした。
真ん中をアイランド式にして回遊する魚状態にしてくれました。
作品数は相当ありましたが、リストがなくわかりせん。それでも幅の広い作陶ぶりは十分楽しめました。
随筆「泥仏堂日録」また読み返そう~と思ってるところです。
仙崖さん、好きなんです!すると、この展覧会も楽しめそうですね?
「猫乎 虎乎 将和唐内乎」という賛の、仙崖の虎図、
以前、出光美術館で観て気に入ったので、
あべまつさんがGETされたはがきの虎も、是非!観てみたくなりました。
いやあ本当に凄い人ですよね。
書もやるし、絵画だってやる!
映像、見入ってしまいました。
テニスしてるんだもん!
おっしゃるように魯山人よりも人柄はいいですね。
僕はこの展覧会横浜そごうに巡回しますから、それをみる
つもり、松屋よりも落ち着いてみられるかと。
仙和尚は私も大好きです。
あのほのぼのとした結ったりユーモアの世界。
世知辛い世の中、ユーモア精神が癒してくれますね。
>「猫乎 虎乎 将和唐内乎」という賛の、仙 崖の虎図
これがあったから、半泥子が虎をあんなふうに描いたのだと理解できました。
もかさんが教えてくださったおかげです。
あの二人、通じ合ってますねぇ。
横浜そごうでもあるそうですよ。
ぜひ!楽しめますよ、お茶器も秀逸!!
主婦の仕事が一段落して、ようやく稼動したところです。
本当に多才な人っているんですねぇ。
この後魯山人も見たのですが、魯山人は魯山人でやっぱりかっこよいので、困りました。笑
横浜まではなかなか遠くて伺えないので、
ご覧になった感想などお聞かせください。
いいものをたくさん見せてもらいましたね~
私としては入り口すぐの狛犬(というより)コマッたイヌたちが可愛くて、明るい気分でぐるぐる歩き倒してしまいましたよ。
神戸で以前に「魯山人と半泥子」展があり、それを見たときは半泥子のよさというものが全然わからなかったんですが、やっぱり長い時間が経つとイイナーと心変わりするようです♪
そうそう!入り口の元気な困った犬!
そこでワハハしました。つかみはOKでした。
魯山人との交流を随筆で読んだりして、
じつに明るく楽しい御仁とすっかり
ファンになったしだい。
龍虎図屏風も脱力系で、大好きに。
高島屋の魯山人も
やっぱりかっこよかったでした。
今年初鑑賞に最高の元気を頂きましたよ。
そうそう!銘のつけ方、これも秀逸!!でしたね。これがファン心をくすぐるんですよね。
本歌取りの妙味。
売らないで差し上げる作家、そんなこと今する人いませんし、誰もしませんね~
虎次郎、今年は随分可愛いやつと出会えて、嬉しいです。