あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

奈良美智: 君や僕にちょっと似ている ・横浜美術館

2012-09-23 22:33:15 | 美術展
夏休み中あまりにも暑い日々で行こう、行こうと思っていた奈良さんの大個展ようやくギリギリ間に合って行ってきました。

実は奇遇なことに、奇特な方から行けなくなったからチケット送ります、との嬉しいお言葉。
お陰で重い腰を上げてぜひにも行くぞ!という気持ちにさせてもらいました。
この場でお礼申し上げます。




会場に入る前えに美術館カフェランチをしてゆっくり鑑賞しようと企んでいたら、先に着いていた友から凄い行列だし、無理な気配のメール。

奈良さん、すみませんでした。
侮ってました。
館内には溢れんばかりの人、人、人。





奈良さんのイラスト入りランチョンマットを楽しみにしてたけど、
諦めて展示会場を目指したのでした。

グランドギャラリーに
ドーンとWhite Ghost
3mもの巨大オブジェ。
きっと青森犬もこんな具合なんだろうな。

エスカレーターで展示室に向かうだけで大きな絵本を開くようなワクワクに
満たされてくる嬉しい時間です。
最初の展示室は大きなブロンズ像の部屋。
薄闇がりに大きなオブジェがずんずん並んでます。

つけられているタイトルがファンタジック。
いちいちのデティールに愛が置かれていて、いちいちその愛らしい表現に心奪われて
やられた~とうなってしまいます。
樅の子、というクリスマスの樅の木になったブロンズ像が大好きになりました。
置かれている台は白のペンキで色付けられた昔学校で使ってたような匂いがあって郷愁も。

展示室5は奈良さんのおうちの再現みたいな雰囲気で、入口はくぐって入る仕組みになっています。
壁や床や棚に奈良さんのお楽しみな小さなお友だちが沢山並んでいて
原美術館のお部屋の続きのような気配。
呆れたのはAmazonの箱から顔を出してる赤い顔のクマさん。太い足ものぞいてる。
沢山並んだ小さなマリア様人形は頭から袋を被せられてるが、目指し帽のように目だけ穴が開けられてる。
覗いたら目が合うの、あれは可愛すぎて反則~~~

次の展示室までのホワイエにも大きめな絵が掛かっています。
両手フタバ、体重計少女、など。

最大の展示室6はさながら迷路。
入れ子になったような面白い仕切りでぐるぐるします。
小品から大作まで去年から今年にかけての新作ばかり。

材料が面白くて、家具の抽斗の再利用みたいな作品があって、
目の付け所に喜びました。抽斗の取っ手がぶら下がってるんです。

ロックンロールな女の子や、
ちょっとイヂワルを企む目をして
鬼歯をキラリ出してたり、
ナイフを持ってたり
危険な香りを持ってる子たちが
悪い子のココロを癒してくれます。

一人だけ豊満なバストの子がいて珍しく思いました。
おんなのこから娘になって登場していたのでしょうか。

なんであんなに無防備で、
無邪気で、やんちゃな時代から
サヨナラしちゃったんだろう?

わかったふりして
喜怒哀楽のロックンロールを
おいてけぼり にしちゃったんだろう。

あたしたちがみんなの代わりに
悪い子のココロを守ってるから、
大丈夫。

イイ子でいなくちゃイケナイ
コトをすっかり忘れさせてくれる
危険な魔法の国。

奈良さん、あたしたちのコト
ありがとう。

一緒に行った友も私もいいおばさんなのに、妙にはしゃいじゃって、
ショップに並んじゃって、
ランチもモリモリ食べちゃって、
元気を思い出した、楽しい絵本の時間でした。


展覧会は今日、2012年9月23日に終了しました。
昔私は少女だったこと、大切に思い出すこともときには
大事ですね。
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