あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

春休み してきました。 その2

2010-04-19 22:47:42 | 遊山
2日目はかくして 大阪住人の遊行さんのお世話になって終了したが、

3日目はその遊行さんの阪急初の立ち食い蕎麦屋がある、という情報で始まった。

目的は坊主の関西路線図乗り倒し、なので、十三から宝塚を目指すが、
その前に朝ごはんをお腹に入れなければならない。

夜も朝もわいわいしている十三駅。
駅構内には、昨日すでにチェック済みの
阪急そば初の立ち食いそば屋がかぐわしい香りを辺りに振舞っていた。
なんでも、
昭和42年の十三店、この店舗が関西私鉄の駅構内で
はじめてできた立ち食いそば屋である。
そうなのだ。
ここのホームは真ん中に向かって膨らんでいて、
ちょっとした広場になっていて、
コンビニや、みたらし団子屋さん、ATMもあれば
うわさの立ち食い蕎麦屋もあって、
構内と商店街が一緒くたになっている感じ。
下町の匂いぷんぷんだ。

われら親子はわくわくチケットを求め
白出汁のあっさりうどんをお腹に流し込んだ。
二人で720円。
おばちゃんは注文をとると手際よくお盆に支度する。
関東人間には、色薄!なのだが、朝からうどんという体験も
美味しいではないか。

私は相当手ごわい猫舌で、
大阪あたりの名物が苦手なのは、熱々が食べられなくて
冴えないからなのだ。
うどんもハフハフだった。

さて、気を取り直していざ出陣。
坊主は頭の中の路線図どおりに出発進行!しておる。
母は地図さえおぼつかないというのに。
なにやら途中途中「撮鉄タイム」があって、
そのたびに変な自由時間が飛び込んでくる。

全くご縁のない場所で放り出されたので、
致し方なくその辺をふらふらし
古い喫茶店で暇つぶしをすることにしたが、
なんとも地元のおじ・おばちゃんたちのサロンで
異邦人は居場所がなくムズムズした時間だった。
それもモーニング料金とコーヒー1杯の値段がおんなじ!
うどん食べてきたし・・・・
コーヒーだけの注文が珍客であることにますます輪をかけてしまった。

やっと坊主との約束の時間がやってきた。
したいことをしている奴の顔は満足げだ。
それからも電車を行きつ戻りつして
この電車はどうのこうのという講釈よりも
神戸三宮で美味しい昼ごはんはどこであるつけるのか
そのほうが大事なこと。

何十年ぶりかの三宮はとても整備されて、
お洒落に現代的な商店街が続いていた。
移動中、電車の景色を見ていて、
坊主が何気に言った言葉
「このへんは全部震災で倒れちゃったところだよ
 すごいね、みんな新しくなっちゃって」
彼は彼なりに震災の景色を記録としてテレビなどで見ていたから
街中が壊滅的状態だったところを思い出していたのだろう。
まだ、生まれていなかったけれど。
尼崎の惨事も思い出していたようだった。

人間の力は、大変なことが起こったときに発揮される。
日々の暮らしの中では気がつかない大きな力があることを。

そうか、私が来た頃はそのまたずっと前だったのだ。

目指したレトロな洋食屋さんのドアを開け、
ようやく美味しいものにありつける幸せを味わった。
坊主はデミグラスソースの美味しい、ハンバーグ定食を。
私は小さく、ハヤシライスに。
坊主のご飯大盛りの注文にお店の女将さんは
大いに喜んでくれた。
これくらい食べっぷりがいいとうれしいわね。
新たまねぎは淡路島のたまねぎで今が旬よ。
と教えてくれた。
「あいはら」というお店でした。美味しかった!

満腹のお腹の親子が次に向かったのが
阪神本線で梅田駅。
電車の中で親子会議を開き、結果、
その後は、各自、自由行動する、ということになった。
携帯を持たない坊主とは、ホテルの電話が中継場所に。
何かあったらホテルに伝言ね。

一人で動ける楽しみを全身に溢れさせて嬉々として
ホームの中に消えていってしまった。
いつの間にか大きくなって・・・

さて、私はこれから何をしよう。
そう思ったところに目に入ったのが、
奈良美智の不機嫌な顔のおかっぱの子。

国立国際美術館新築移転5周年記念、「絵画の庭」

おぉ。そこに行こうではないか。

太い銀色のパイプで作られた
龍の雄たけびが聞こえそうなモニュメントが見えてきた。
そこが国立国際美術館。

奇しくもこの「絵画の庭」展で
現代アート界を牽引する若手芸術家の美味しいところを
掬い取ることができて、
現代アートを語るブロガーさん達の仰る意味合いが
少々近づいた気がして嬉しかった。

私の好みは
 森 千裕  ヘルメット鍾乳洞
 花澤 武夫 思い出のサマーブリーズ、太公望、ウツ・セズ
 加藤 美佳 カナリヤ
 後藤 靖香 寄書
 
 一番気に入ったのは、
 厚地 朋子 SPAと温泉

色んな現代作家の作品と触れることができて
案外遊べたのでした。
大御所、草間弥生ちゃんも、しっかり弥生ちゃんリズム。

こうして思いがけない時間をすごした後、
無事、宿泊先のホテルに帰り、坊主を待つ事にしたが、
以外や時間通りに帰ってきた。

夜は、繁華街へ出て、ココの有名なねぎ焼きのお店で
熱々を楽しんだ。
しかし、やっぱりフハフハで、途中で挫折して
折に入れてもらって、ホテルの部屋で続きをする、テイタラク。
コテコテは熱々でやっぱり苦手なのでした・・・
家族連れやら、カップル、外人さんたちなどもやってきて
繁盛なねぎ焼きやさんでした。
お好み焼きが進化してねぎを山盛り使うことがねぎ焼きらしい。

かくして、3日目は無事に終了。
次の朝、実家の伊豆に向けて出発するのだが、
目をつけていたホテルの近くのカフェに行ってきた。
なんと、350円のモーニングを頂くが、
今回の大穴。
トーストに卵焼き、サラダにフルーツもついて、
入れたてコーヒー、それで350円。
ラストに嬉しい美味しいプレゼント。
それにお店がとても素敵だった。

その間、相変わらず坊主は撮鉄をしに十三の橋の袂まで
行っていた。
随分撮ったりで、700枚ぐらい撮ったとか。

坊主にも私にも久しぶりの息抜きで、
ほとんど坊主のための関西ツアーだったが、
これもまた最後の親子旅烏となるだろう。

画像は、京都 四条川原町の高瀬川の桜。
まだまだこれからだったが、これがまたはんなりして
いい具合だった。

桜にはまだ早い、寒い春休みだったが、
坊主には今までの大変を振り切る気分転換のためと
思い切っての旅だった。

色んな人たちから大きくなったね、元気でね。
その言葉が彼に沢山の勇気を頂けたようだった。
親というものは子育てしているつもりでも
親として育ててもらっているんだろうな、
そんなことを感じさせられた。

坊主はお陰さまで 元気に通ってます。
私もほっと一息つきつつも、
このひ弱な受験生坊主を一生懸命サポート
致しましょう。
夫も一大事の一年となりそうだし。
大丈夫、皆で助け合って乗り切りましょう。

そんな春休みでございました。

長々しくお付き合いに感謝です。 おしまい。

画像アップしてます。
 こちら

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