あべまつ行脚

ひたすら美しいものに導かれ、心写りを仕舞う玉手箱

北斎漫画展 ・江戸東京博物館

2008-01-16 21:29:46 | 日本美術
この企画室には、ちょっと気軽に入れる、そんなラフな感じがするのだが、
実は、マニアックで、専門的な内容だと思った。

版木が展示されるなんてことは、あまりないと思うし、
彫師や、摺師の浮世絵の裏方さんたちに光が当たることが少ないから、
企画室前のビデオは興味深かった。
土日に来たら、実際の仕事振りにも触れられるようだ。

気の遠くなるような細かな手作業。
職人技。
技を磨くことの凄さと、美しさ。
妥協を選ぶくらいなら、貧乏を選ぶという北斎魂が
彫師達にも息づいている。

そうか、この板に小刀の刃を当てて、線彫り、毛割りを緻密な下書きの線に
ひたすら忠実に現していったのか。
板の削られていく音が聞こえてきそうだった。

版木を見るだけで、うっとりした。

見当に紙を当てて、狂わないように慎重に色を載せて行く。
馬簾がすっすっと紙の上をすべる。
緊張の作業の後、紙を翻すと
現れる浮世の夢物語。

漫画は、とてつもなく弾けていて、
どの作も楽しい。

北斎爺、何でもかんでもやり倒して、遊び倒して
描き倒した。
こんなに好きなことを生業にして
人生を楽しんだ爺は他にいないと思う。

漫画は北斎、そのもの。
しゃれて、ふざけて、真面目にきっちり仕事したんだ。

江戸博の「北斎展」にお運びの際はぜひぜひこの漫画コーナー
お立ち寄りになってみてください。

また、復刻版画、「諸国瀧廻り」「諸国名橋奇覧」が展示されている。
あわせて鑑賞できます。
霧降の瀧、復刻版画でもぜんぜんかっこいいです。

とんだオマケでした。

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2 コメント

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panda さま (あべまつ)
2008-01-21 21:27:53
ようこそいらっしゃいました。
私の記事がお役に立てて、良かったです!

摺り体験、うらやまし~~~
北斎を取り囲んだ職人技は、半端じゃありませんね。
彫り物文化は、日本文化を象徴してるようです。
プライドもって職を徹する、究極の美学が感じられます。TBありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (panda)
2008-01-21 19:44:59
 このブログを拝読して江戸東京博物館に
立ち寄ったらちょうど!運よく
摺り体験をさせてもらいました。
しかし仕上がりは散々...
本当に大変な技だと知りました。
 北斎のあの技巧を上手く再現するための
彫師と摺師の重ねた技は江戸文化最高
と感嘆するばかりです。TBお願いします。
返信する

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