礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

「生キテヰル英霊」は41,464人

2016-12-03 04:52:40 | コラムと名言

◎「生キテヰル英霊」は41,464人

 木村正著『新生日本語辞典』(啄庵書房、一九四六)を紹介している。本日は、【ア】~【コ】のうち、これは、と思う見出し語を紹介してみる。
 原文では、見出し語はゴチックになっていないものもあったが、ここでは、すべてを太字にしておいた。〔 〕内は、引用者が付した注または読み。

 【ア】
アーミスチス・デー(Armistice Day)  世界人類ノ平和ト幸福ヲ記念スベク設定サレタ第一次欧洲大戦ノ休戦記念日(一九一八年十一月十一日)
アール・エー・エー(R.A.A.)  リクエーシヨ・アンド・アミユーズメント・アソシエーシヨン(Recreation and Amusement Association )ノ略。進駐軍特殊慰安協会
アール・テイー・オー(R.T.O.)  レールヱー・トランスポーテーシヨン・オフイス(Railway Transportation office)ノ略。進駐軍旅行相談所、ドコカニ出カケタイ時ハ外泊許可証ヲモラツテコヽへ申出レバ無料乗車券ガ渡サレル
 【イ、(ヰ)】
生キテヰル英霊  護国ノ英霊トシテ神ニ祀ラレタ筈ノ我ガ皇軍将兵四一、四六四人ガ奇シクモ捕虜トナツテ太平洋各地ニ収容サレテヰルコトガ連合軍最高司令部民間情報教育局ノ調査ニヨリテ判明
インチキ  初メ博徒〔ばくと〕仲間ノ言葉ダツタガ今ハゴマカシ、デタラメノ意ニ用フ
 【ケ】
憲法改正四原則  目下〔もっか〕我ガ政府デ着手中ノ憲法改正ノ四原則。一、天皇ノ統治権不変 二、議会ノ議決権拡大ト大権事項ノ縮減 三、国務大臣ノ国務ニ対スル輔弼〔ほひつ〕責任ノ拡大ト帝国議会ニ対スル責任 四、人民ノ権利、自由ニ対スル保護確保
憲法研究会  高野岩三郎、馬場恒吾、室伏高信、森戸辰雄其ノ他ニヨリテ組織サレタ民間ノ憲法研究機関デ、ソノ主張スル要綱ハ統治権ノ主体ヲ国民ニ置キ臣民ノ権利義務ハ基本権ヲ基調トシテ規定サレ又衆議院ノ権限ヲ特ニ強化スルト共ニ議院内閣制ヲ規定スル等
 【コ】
考科表制  官吏制度ノ改革ニ伴ヒ内閣及ビ各省デハ部内二級以下ノ官吏ニツキ考科表ヲ作成シ之レニヨリテ進級、昇給、賞与ソノ他ノ待遇方法ヲ行フ
公民教育  新時代ニ即スル政治教育、国際平和、個性ノ完成、正シイ世界情勢ノ認識ナド世界ノ公民トシナノ自覚ト使命ヲ涵養〔かんよう〕セントスル教育
国際式気象通報  中央気象台発表ノ天気予報ハ従来気圧ハ粍〔ミリ〕、風速ハ米〔メートル〕ノ単位ガ用ヰラレテヰタガ気象事業を国際化スルタメ〔一九四五年〕十二月十五日ヨリ国際気象通報式ヲ採用、気圧ハ「ミリバール」風速ハ十三階級ニ分レタ「風力階級」デ表ハスコトニナツタ

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