礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

当時の雑誌が報じた力道山・木村政彦戦の内幕(『真相』第78号より)

2012-10-21 06:55:18 | 日記

◎当時の雑誌が報じた力道山・木村政彦戦の内幕(『真相』第78号より)

 以前購入した雑誌『真相』第七八号(一九五五年二月一日発行)に、「プロレスの焦点 力道=木村戦の内幕」という記事が出ていた(タイトルは、表紙による)。この記事が語る「真相」が信頼に足るものかどうかは不明だが、リアルタイムの記事ということで、資料的価値はあるだろう。また、当時の時代背景などもよくわかる。参考までに紹介してみる。
 なお、ここでいう「力道=木村戦」とは、言うまでもなく、一九五四年(昭和二九)一二月二二日に、東京の蔵前国技館におこなわれた、力道山対木村政彦のプロレス試合のことである。
 記事は全七ページと、けっこう本格的である。とりあえず本日は、二八ページから二九ページの途中までを紹介する。ちなみに、『真相』同号の特集は「三鷹事件」(一九四九)で、これが全二一ページ。メインとなっている記事の見出しは「謎の竹内、ついに真相を告白す」である(タイトルは、表紙による)。

「真剣勝負」という名の八百長始末記
ついに血を招いた力道・木村戦のリング裏
 最初は引分が条件?
「実力日本一の決定――というタイトルも華やかなら〟木村、力道に挑戦す〝という事前の宣伝も華やかであった。冗談をろうするなら、今期下半期の世間の人気は〟ゴジラ〝とこの〟木村、力道の決戦〝に集中したともいえるだろう。死闘ともいわれた。どちらが傷つき倒れ、あるいは再起不能のケガから……〟死〝に至るかもしれぬ……などと無責任なウワサが拡がり、国技館の周辺は自動車の波、人の波でうずまった」
 これはさる十二月二十二日夜、東京蔵前国技館でおこなわれたプロ・レス日本選手権試合の力道山対木村政彦の決闘まがいの光景をみた作家北条誠がウワサ以上に物凄かった当夜の模様を新聞に発表した観戦記である。
〟真剣勝負という名の興行〝で派手におこなわれたこの一戦を見にやってきたファンはざっと二万名、さしもの国技館もファンで鈴なりであった。試合内容については、すでに読者もご存知のように、わずか試台開始後十五分四十九秒というアッケない間に、木村は力道の猛烈な空手チョップを顔面に受け、鮮血にまみれてマットに倒れ、凱歌は高らかに力道の上にあがったわけである。
 木村ファンの夢は一瞬にして消え去ったあと、マットの上でながながと伸びている木村の姿をみて「これは大変な試合だ」といまさらのように驚ろいたのは各社のスポーツ記者であった。
これまでのプロ・レスは国際試合という鳴物入りの宣伝でおこなわれてきた関係もあり、たとえばシャープ兄弟のときやシュナベル・ニューマンとの熱戦をみなれてきたファンにとっては、口から真赤な血を吹きだして倒れるような凄惨な試合は、見物する側にとって、まことに後味悪い印象が強く残ったわけである。とくに、持前のカンで、「今夜の試合にはなにかがある」と感じた各社のスポーツ記者は、まだ国技館内がさめやらぬ興奮でわきたっている最中、ドヤドヤと力道山の控室に押かけた。
 ここで真剣勝負という名の試合後の感想を力道に浴びせようとしたとたん、何を思ったか力道はこれまた興奮した顔で、つぎのような素っ破〈スッパ〉抜きをやったのである。
「木村は卑怯なヤツだ。木村は今夜の試合前から自分のところへ引分にしてくれといってきた。しかもハンコを押した文書までよこした。こちらとしては、試合は八百長でないから、もちろん初めから引分はできないと思って返事も出さなかった。そうしたら試合の最中に木村は、〟引分のはずだな〝といってきた。自分は腹がたってたまらないから徹底的にやった。すると木村は急所を蹴ってきた。そこで殺してしまうつもりでまた徹底的にやった。木村はあそこでのびてしまったからいいようなものの、もし起きてきたなら本当に殺していたかもしれない」【以下は明日】
 
今日の名言 2012・10・21

◎今期下半期の世間の人気は〟ゴジラ〝とこの〟木村、力道の決戦〝に集中した

 力道山・木村政彦戦を見た作家・北条誠の言葉。上記コラム参照。新聞に発表した文章だというが、未確認。なお、映画『ゴジラ』が公開されたのは、1954年(昭和29)11月3日のことであった。

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