ON  MY  WAY

60代になっても、迷えるキツネのような男が走ります。スポーツや草花や人の姿にいやされながら、生きている日々を綴ります。

「あの頃ボクらは若かった」(わたせせいぞう著;毎日新聞出版)

2024-03-29 18:08:41 | 読む

病で元気が出ないでいるときに、難しい本や字数の多い本は読みたくない。

絵が多くて、さりげない内容だけど、なんとなく見ていて元気になれる。

できれば、ぼうっと昔のことなんか思い出したりしながら…。

そんな本がいい。

 

そんな本に該当したのが、本書。

2018年に発行されたものであるが、1964年~1995年までのことを対象にしている。

わたせせいぞう氏の絵は、キラキラした若者が描かれていて、それでいてわれわれが過ごしてきた時代の若者が「あの頃」を感じさせてくれる。

表紙には、グループサウンズを思わせるエレキギターの青年が描かれていて、なによりその書名。

本書の書名は、「あの頃ボクらは若かった」。

このタイトルを見ると、われわれ世代は、ザ・スパイダースの名曲を思い出す。

そう、「あの時君は若かった」。

その曲を脳内に流しながら、この本の各ページを楽しんだ。

 

この本は、第Ⅰ部として1964~1979年の、第Ⅱ部として1980~1995年を取り上げ、当時のできごとや若者の暮らし、風俗を描いている。

わたせ氏は、学生生活後、保険会社に就職して若い時代を過ごした。

氏の年齢は、私よりもひと回り上になるのだが、描かれているエピソードは、ほとんど「うん、うん、そうだった、そうだった」とうなずけるものが多い。

「スキー帰り上野駅」「合格電報」「学生時代」「学生の下宿」「新郎!胴上げ!新婚旅行」「学生街の飲食店」…。

…自分にも重なる経験のあれこれを思い出していた。

この本の絵(イラスト)に関しては、当時の報道写真をベースにしたというが、たしかにそれだと色が付いていないから絵に着色する時に困っただろうなあ、と思う。

でも、私たちの若かった時代、やっぱり周りがきらきら輝いていたから、明るい色なら多少どうってことはないのだ。

過ぎてきた時代を懐かしく、若かったころに経験してきたことたちを誇らしく思いながら読み終えた。

うん、病の体に少し元気が出てきたぞっ…と。

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