様々なスポーツやいろいろな種目でパリオリンピックの代表になった、とか決まった、というニュースが流れるようになってきた。
今日、卓球も、その発表があった。
ただし、日本チームがパリ五輪出場権を得た場合の代表選手という形だが。
卓球の女子は、ポイントランキング2位までに入った、早田ひな、平野美宇は、団体戦のほか、個人戦シングルスに出場できると内定が出ていた。
あとは、団体戦に出場できるもう1人、第3代表の選手が誰になるかが注目されていた。
全日本選手権の結果を受けて、最終ポイントと順位は、
3位 伊藤美誠 471.5ポイント
4位 張本美和 430.5ポイント
となっていた。
だが、日本卓球協会が選出したのは、ポイント3位の伊藤美誠ではなく、4位の張本美和であった。
伊藤美誠は、3年前の東京五輪では、出た種目すべてでメダルを獲得した。
女子団体では、石川佳純、平野美宇と共に、銀メダル。
女子シングルスでは、銅メダル。
混合ダブルスは、水谷隼と組んで、中国ペアを破って金メダル。
華々しい活躍を見せた。
だから、実績は十分なのだが、ここ1年ほどは故障やポイントランキングに基づく試合数の増加などで、戦績が振るわなかった。
それに対して、張本美和は15歳ながら、めきめきと実力をつけてきた。
海外に出ても結果を残すことが多くなった。
世界チャンピオン孫穎莎を追い詰めた試合もあった(最もその後の再戦では0点で抑えられたゲームがあったが)。
なにより、先の全日本選手権大会では、他者を圧倒する安定した試合運びを見せて現在の強さをいかんなく発揮し、準優勝という結果を出していた。
彼女を止められたのは、優勝した早田ひなだけだった。
だから、現時点では、強さだけでいうと、早田に次ぐ2番目の実力だと評価できる。
伊藤美誠の過去の実績と、伸び盛りで安定した強さをもつ張本美和を現状で比較すると、伊藤美誠に対する同情心はあるが、強い者、勝てそうな者を選ぶという常識からして、仕方のないことだろうと思う。
今15歳だがものすごい勢いで強くなっている張本には、五輪という大舞台の経験を積むことによって、さらなる進化成長が期待できるということもある。
選ばれたからには、日本の勝利に貢献する働きを見せてほしい。
だが、伊藤美誠だって、早田、平野同様にまだ23歳。
体調を整え、その先の五輪目指して再び異論の余地のない強さを身につけられるよう、捲土重来を期してほしい。
一卓球ファンとして、そう願わずにいられない。
さて、そうは言いながらも、パリ五輪の団体戦出場枠を、日本はまだ獲得できていない。
この獲得のラストチャンスが、2月16日から25日にかけ韓国・釜山で開催される、世界卓球選手権2024釜山大会だ。
世界卓球は、団体戦を行う年と個人戦(男女シングルス、男女ダブルス、混合ダブルス)を行う年とに分かれ、交互に開催される。
今年の世界卓球は、団体戦が行われる番で、ここで勝ち上がってベスト8に入れば、日本は五輪の参加枠を得ることができる。
その団体戦には、すでに張本も伊藤も選出されている。
誰が出ても、力を合わせて、出場枠を獲得してほしい。
本来の力を発揮できれば、男子も女子も、それは高い確率でそれはできるはずなのだから。